「(ババババババババ…)お〜！！マジでこんな騒音の中でも気にせずに歌っていやがるな〜鶴ヶ峰の奴は。……ま、コレが"今までのスタイル"なだけか？」
「(ザシュッ！！)だろうな。他人に自分が歌っているのを恐らく今まで一度も聞かれた事が無かったんだろう。……【この街に来るまで、授業で歌ったりした以外でだ】…鶴ヶ峰なら一人になれる場所を探すのも上手いだろうから………それで周囲を気にせず歌っていた。そしてそこは"幼い頃に生まれ育った自然豊かな場所"であり、放出されたトリオンは植物達が吸収をしていた、そんな可能性があるらしい」
「…………………………ソレ、誰からの情報だ？少なくともつる姐さんはそんな事言ってなかったぞ？」
❲ハロハロ〜、それは私です！！……初期の段階で歌姫ちゃんの能力は何に作用するかを調べた際に"人程ではないけど、植物にも作用する"ってのが分かった訳です！！……因みに畳や紙もそれなりに効果はあるみたいだよ〜。まぁこっちは"吸い取るだけ"だけどね〜！言実は植物育てるの苦手だから口にしなかったんだろうね〜。そ〜いう所は本当に歌姫ちゃんと正反対だよな〜。ウンウン！……以上、巽お姉さんのドッキリ通信でした！！！❳
「「……………」」

〜　夢は叶わない　願いは届かない
だから歩くのを止めてしまうのか
努力は報われない　誰も認めてくれない
だから走るのを止めてしまうのか
止まってしまうのか　〜
　
諏訪と風間の会話に割り込んで来た巽に"いつもの事"やら"何処まで話が筒抜けなんだ"と感じつつ戦闘を継続させる。そして思いっきり歌っている影響でゲートが断続的に開き、敵が押し寄せそれを倒しており、それなりに広い屋上でも敵の死骸で埋まらないか気になるが…

〜　辞めてしまいたい理由なら10も100も1000もあった
でもその全てがちっぽけに見える一つがあった
逃げ出すための言葉なら飽きるほど浮かんだ
でもそれを零さないだけの輝きがあった　〜

-　ピタッ……シュウゥー……スウゥゥ　-
「(ドーン)おっ？…おおぉーー！！！何か倒した敵にこの白い綿毛みたいなのが当たったら敵が溶けて無くなったんだけど、……何でだ？何時もなら鈴になる、よね？後、…(…スッ、シュゥー)……佐鳥達には無害なのは、何で？？」
❲佐鳥くん達が無事なのは【ユズちゃんが歌う前からそこに居ると彼女が認識しているから】だよ。敵は歌い始めてから現れたでしょ？だから認知してないから効果対象になってるの。で、何時もみたいにならないのは【今歌っているのは敵を倒したり、皆を助ける訳じゃない。】……彼女は争いが嫌いな優しい子、それに例え敵だろうと死者はちゃんと弔うモノ。でもトリオン兵を火葬は恐らく無理だから、彼女なりの送り方……なんだと思う❳
❲へぇ〜そんな事を考えてやがるんだな〜柚紀は。俺からすれば甘ちゃんな考えだが(ドーン)、……アイツらしいとも言えるな。………遠征先じゃ仲間以外は全て敵、油断や甘えは命取りになる。……そんな場面が幾つも遭ってそんな修羅場を潜り抜けたせいで、結構淡白な考えた方になるからな〜❳
❲(ドーン)……別に当真の考え方は悪くない、寧ろそうなるのが自然だ。だが、………(チラッ)鶴ヶ峰はそれに類似した経験…いや、それ以上の事を体験した上でそう思っているのかもな。…黒トリガーとなった人物は"体が灰となり崩れ落ちて跡形もなくなる"と聞いた。今でこそ割り切れただろうが、遺体もなければ死に際にも逢えなかった。その親に教わった礼儀の中に………死者に対する接し方もあったのだろう」
❲…………そんな感じですね。…！！トリオン反応多数接近！建物関係なく基地に向かっているから………相手は飛空していると予想できます！警戒を！！❳

前衛組が有能過ぎてスナイパー組はそんな話を呑気にしていたが、シロからのアラートもだが彼方から飛行トリオン兵・バドを視認。遠征組は"アレは偵察系でそれ程の殺傷能力がない"のを知っているが、万が一にも攻撃性を有した亜種だったら生身の柚紀が危険なのだ。なので「ガンナー・シューター、スナイパーはアレを撃ち落とすのに専念してくれ！！柚紀の護衛は同級生アタッカーの三人がしろ！！」と太刀川が指示を出す。ソレが気に食わない感を表情に惜しみも無く出すフブキを「指示に従え。……アレが怪我をしても良いのか？」と風間が諌める。それに盛大な舌打ちをしつつ"左の弧月を納刀し、呼吸を整えて気持ちを切り替える"。……その切り替えの良さや、"オトの変化"に笹森や菊地原が驚きを露わにしているのを見て「どうかしたか？」と訊ねる

〜　知りたかったんだ明日と今日の
大人と子供の境界線を引くとしたらどこだろう

大人になったらあれに成りたいってみんな言うんだけれど
じゃあ何にもなれないんだろうか今日の僕は　〜

「あ〜いや、………野々村ってさ、気に入らない事にはトコトン反感するだろ？少なくとも俺はその姿を何回も見てきた。更に言えばそれが市河や鶴ヶ峰が絡めばもっと融通が効かなくなる。だから………吃驚してさ」
「その事か！まぁ、発言者が太刀川さんってのも癇に障るが………(…スッ)今の俺が刀を振るう一番の理由は"ユズを護る為"だ。これで俺一人なら敵の驚異に晒される前に倒した方が、効率良いが…(ザシュッ！…ｽｳｩ)……今は結構乱戦状態だ。ある程度攻守をキッチリ決めた方が皆心置きなく戦えるだろう？」
「………分からなくはないけど野々村。…君ってさ、かなり"変わってるよね？"……普通戦っている最中の心拍数や呼吸が、疲労や損傷・焦り以外で乱れたりしない。なのに……【弧月一本と二本とじゃ、明らかにオト違うよ？】なんでさ？(…ザシュッ！)後、……君は何で"隠密型"も今みたいに反応出来るんだよ？君はサイドエフェクト持ってないだろ！」
「ん？ん〜……オトが違うなんて指摘された事ねぇから、これで菊地原が納得するかは分からねぇが理由なら何となく分かるぜ！…(チラッ、ポン)二刀流の時は攻撃特化で"前線に立って士気を高める役目がある"から【動】…テンションやら気分を高める必要がある。逆に一刀流は守り重視…【静】を意識して冷静さを保ちつつ警戒や観察を怠らない様にしている。それと、ヒトは目で物事を認識してから動くのは普通だが俺は…(ガキィーン！……ザシュッ！)……気配で物事を認識が出来る。これは"餓鬼の頃から四方八方から攻撃される環境に居た事により身に付けた、俺の特技の一つだ"。だから視認が出来ないのや素早い奴なら"視野を閉じて気配を頼りに斬り捨てた方が効率が良い"……事もある。これで納得したか？」