打ち上げの舞踊
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"宮司"の言葉の意味が直ぐに理解出来ない学生達を他所に言実は素早く柚紀の元へ行き背中に庇い立てする。そして『この面子を呼び寄せたのは、貴方か?……教授』と鋭い眼光で睨み付ける言実を落ち着かせたのは、柚紀の側に居たお婆ちゃん先生であった
「落ち着きなさいな言実ちゃん、確かにあの時と髪色は違いますが面影は残っています。だから分かる人には分かりますよ?【まだ静樹くんが存命だった頃、年に一度、神社境内にある舞台で舞を踊っていた"翡翠の君"の正体が柚紀ちゃんだと】ね。……私はボケて居たみたいで直ぐには分からなかったけど」
「神社で舞?………あ〜、なんかそれっぽい事つる姐が話してたな。ってか翡翠の君って確か……"面を被ってて顔が見えないが髪色が鮮やかな緑色をしていた稚児の舞手"を指す言葉、だよな?俺も一般観覧時に見た事があるぜ?かなり前………それこそネイバーによる侵略が起きる前の出来事だけどな。……ん?(キョロキョロ)…そう言う意味じゃ"関係者勢揃い"だな。宮司さんはあの神社の管理人だし、師範は神事行事の警備関連を取り仕切る流派道場主で……亡くなった婆ちゃんの旦那さん含めた残りの面子は"楽師"だろ?棟梁は細かい作業は苦手だから宮大工には携わっていないって聞いたし………」
「えっと、………………すみません。話が急すぎてついていけてないのですが、つまりですよ?【柚紀先輩はお父様が健在時にこの三門市を訪れた事がある】そう言う訳なんですか?」
「一応はそうなりますね。ですが町中を散策する時間は無かった記憶があります。かなり病弱で禊ぎや精神統一をして決められた回数と日数をこなすのが精一杯でしたからね。……貴女がナニを恐れ心配しているかの察しは付きますが大丈夫、………本社である"アチラの方"に貴女の所在を報告するつもりはありません。以前は先代月影様を始めとした良い方達ばかりだったのですが、……此処数年態度が激変されてしまって関わるのを極力避けていますから」
『なら、………良かった、です(…ストン)』
顔色が変わる程危惧していた心配が不要と分かり安堵した柚紀がその場に座り込んでしまう。それを心配して駆け寄る親友二人に遅れて佐鳥達も駆け寄ろうとするが、棟梁が前方に立ち憚り「お前等は何者だ?ウチの孫"達"とどう言う関係じゃ?」と警戒心を抱くが「お祖父ちゃん、嵐山隊メンバーを知らないの??!嵐山さんと同じ服着てるでしょ?!ついでに言うと男子二人は同級生で同じ学校に通ってるし、…兎に角そんな警戒する必要ないから!碌でもない人達ならフウちゃんがとっくに追い出してるし!!!」と孫の発した言葉を聞いて「それもそうだな!警戒して悪かったな許せよ!!」とあっさり警戒心を解いた姿に呆気を取られてしまう。そんなやり取りの最中、傍観をしていた師範が腰を叩きながら「話は済んだか?」と口を開く
「そう言えば教授が儂等を呼んだと言実嬢は言ったが、それは違うぞ?【元々儂等は隔週になるが水曜日の夜、こうやって集まって合奏を楽しんでおった】に過ぎん。ま、宮司の奴から【祀っている神からの啓示で<数日前に街中に響き渡っていたあの歌声の持ち主……"月光"を探し出して連れて来い>って無理難題を押し付けられた】とぼやいておったから、今日の演奏会にその娘を招待したと聞いて寄り道して来た訳じゃよ。……神は機嫌を損ねると後が面倒じゃからな〜」
「……月光???」
『私達が生まれ育った里全体で祀っておる神が"月の名を冠する神"でな、その神に見初められた舞手を指す言葉……つまりはその子を意味する。最後に拝謁したのはそれこそ里を出る前の筈だが、………男程声変わりを女はせんから分かるもの、なのかもな。普通に神ともその子は対話をしておったし』
「………多分それ、凄い事なんだとは思いますが……おれは神様に会った事なんてないので実感が沸きません。ですが嘘が嫌いな言実さんがそうおっしゃるなら、………居るんでしょうね神様は」
「まぁ時枝くんのソレが普通だと思うよ?でも"分かる人には見えたり判別が出来る"みたい。漫画やそれこそ昔の資料には神は人のカタチをした姿で描かれている描写が多いし、それこそ境界線があやふやだったりするかな?【ナニを基準に人と神を区分するか】、なんて考える人は殆どいないだろうし、未知なる能力を扱う者は神だと言うなら……ね?」
最後の方で言葉を濁したが、シロが何を言いたかったをボーダー関係者は全員理解する。成人男性組が何処まで知っているかは定かではないが、【柚紀とシロはその区分では曖昧な存在】と言えてしまうのだ。そんな小難しい話が続いて居ると、突如棟梁が「よし!気晴らしに一曲やるぞ!!どうせだから柚紀!お前も歌って参加しろ!!!」とかなり場違いな発言が飛び出してくる。それを聞いて「阿呆!!何でそうなるんじゃ!!!」と師範が突っ込みを入れる。……色々ついて行けていない柚紀や嵐山隊メンバー(烏丸も驚いているが表面上には出てきていない)を見据えて棟梁はこう豪語する
「ワシはそんな辛気臭い話をする為に此処に来た訳じゃない!例の騒動が理由で仕事の依頼が殺到してな、……商売的には嬉しくはあるが、かなり疲弊するんじゃよ心身共にな。最初よりは被害は格段に減ったし、ボーダーがきちんと対処やら救援や復旧活動にも積極的に参加しておる。が、………日常に戻ってから孫二人は誹謗中傷被害に遭った。あれから色々変わりシロも強くなりおったし、カノ以外の友も出来た。じゃが三人共ボーダー関係者になっておるし、柚紀は言わば"時の人状態"。仕事以外は楽観的なワシも人並みの不安を感じるわい!じゃが、ワシが沈んでいたら従業員達すら気落ちして仕事の出来栄えに影響するやも知れん。倅も珍しく心配……せぬな、アレは。……と、兎に角じゃ!!本来の目的を果たして気分転換させい!!!ついでに柚紀の歌もこの爺は聞きたいんじゃが……駄目か?頼もうとしてもシロが理由も話さずに拒絶ばかりしおる!!」
「落ち着きなさいな言実ちゃん、確かにあの時と髪色は違いますが面影は残っています。だから分かる人には分かりますよ?【まだ静樹くんが存命だった頃、年に一度、神社境内にある舞台で舞を踊っていた"翡翠の君"の正体が柚紀ちゃんだと】ね。……私はボケて居たみたいで直ぐには分からなかったけど」
「神社で舞?………あ〜、なんかそれっぽい事つる姐が話してたな。ってか翡翠の君って確か……"面を被ってて顔が見えないが髪色が鮮やかな緑色をしていた稚児の舞手"を指す言葉、だよな?俺も一般観覧時に見た事があるぜ?かなり前………それこそネイバーによる侵略が起きる前の出来事だけどな。……ん?(キョロキョロ)…そう言う意味じゃ"関係者勢揃い"だな。宮司さんはあの神社の管理人だし、師範は神事行事の警備関連を取り仕切る流派道場主で……亡くなった婆ちゃんの旦那さん含めた残りの面子は"楽師"だろ?棟梁は細かい作業は苦手だから宮大工には携わっていないって聞いたし………」
「えっと、………………すみません。話が急すぎてついていけてないのですが、つまりですよ?【柚紀先輩はお父様が健在時にこの三門市を訪れた事がある】そう言う訳なんですか?」
「一応はそうなりますね。ですが町中を散策する時間は無かった記憶があります。かなり病弱で禊ぎや精神統一をして決められた回数と日数をこなすのが精一杯でしたからね。……貴女がナニを恐れ心配しているかの察しは付きますが大丈夫、………本社である"アチラの方"に貴女の所在を報告するつもりはありません。以前は先代月影様を始めとした良い方達ばかりだったのですが、……此処数年態度が激変されてしまって関わるのを極力避けていますから」
『なら、………良かった、です(…ストン)』
顔色が変わる程危惧していた心配が不要と分かり安堵した柚紀がその場に座り込んでしまう。それを心配して駆け寄る親友二人に遅れて佐鳥達も駆け寄ろうとするが、棟梁が前方に立ち憚り「お前等は何者だ?ウチの孫"達"とどう言う関係じゃ?」と警戒心を抱くが「お祖父ちゃん、嵐山隊メンバーを知らないの??!嵐山さんと同じ服着てるでしょ?!ついでに言うと男子二人は同級生で同じ学校に通ってるし、…兎に角そんな警戒する必要ないから!碌でもない人達ならフウちゃんがとっくに追い出してるし!!!」と孫の発した言葉を聞いて「それもそうだな!警戒して悪かったな許せよ!!」とあっさり警戒心を解いた姿に呆気を取られてしまう。そんなやり取りの最中、傍観をしていた師範が腰を叩きながら「話は済んだか?」と口を開く
「そう言えば教授が儂等を呼んだと言実嬢は言ったが、それは違うぞ?【元々儂等は隔週になるが水曜日の夜、こうやって集まって合奏を楽しんでおった】に過ぎん。ま、宮司の奴から【祀っている神からの啓示で<数日前に街中に響き渡っていたあの歌声の持ち主……"月光"を探し出して連れて来い>って無理難題を押し付けられた】とぼやいておったから、今日の演奏会にその娘を招待したと聞いて寄り道して来た訳じゃよ。……神は機嫌を損ねると後が面倒じゃからな〜」
「……月光???」
『私達が生まれ育った里全体で祀っておる神が"月の名を冠する神"でな、その神に見初められた舞手を指す言葉……つまりはその子を意味する。最後に拝謁したのはそれこそ里を出る前の筈だが、………男程声変わりを女はせんから分かるもの、なのかもな。普通に神ともその子は対話をしておったし』
「………多分それ、凄い事なんだとは思いますが……おれは神様に会った事なんてないので実感が沸きません。ですが嘘が嫌いな言実さんがそうおっしゃるなら、………居るんでしょうね神様は」
「まぁ時枝くんのソレが普通だと思うよ?でも"分かる人には見えたり判別が出来る"みたい。漫画やそれこそ昔の資料には神は人のカタチをした姿で描かれている描写が多いし、それこそ境界線があやふやだったりするかな?【ナニを基準に人と神を区分するか】、なんて考える人は殆どいないだろうし、未知なる能力を扱う者は神だと言うなら……ね?」
最後の方で言葉を濁したが、シロが何を言いたかったをボーダー関係者は全員理解する。成人男性組が何処まで知っているかは定かではないが、【柚紀とシロはその区分では曖昧な存在】と言えてしまうのだ。そんな小難しい話が続いて居ると、突如棟梁が「よし!気晴らしに一曲やるぞ!!どうせだから柚紀!お前も歌って参加しろ!!!」とかなり場違いな発言が飛び出してくる。それを聞いて「阿呆!!何でそうなるんじゃ!!!」と師範が突っ込みを入れる。……色々ついて行けていない柚紀や嵐山隊メンバー(烏丸も驚いているが表面上には出てきていない)を見据えて棟梁はこう豪語する
「ワシはそんな辛気臭い話をする為に此処に来た訳じゃない!例の騒動が理由で仕事の依頼が殺到してな、……商売的には嬉しくはあるが、かなり疲弊するんじゃよ心身共にな。最初よりは被害は格段に減ったし、ボーダーがきちんと対処やら救援や復旧活動にも積極的に参加しておる。が、………日常に戻ってから孫二人は誹謗中傷被害に遭った。あれから色々変わりシロも強くなりおったし、カノ以外の友も出来た。じゃが三人共ボーダー関係者になっておるし、柚紀は言わば"時の人状態"。仕事以外は楽観的なワシも人並みの不安を感じるわい!じゃが、ワシが沈んでいたら従業員達すら気落ちして仕事の出来栄えに影響するやも知れん。倅も珍しく心配……せぬな、アレは。……と、兎に角じゃ!!本来の目的を果たして気分転換させい!!!ついでに柚紀の歌もこの爺は聞きたいんじゃが……駄目か?頼もうとしてもシロが理由も話さずに拒絶ばかりしおる!!」