打ち上げの舞踊
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佐鳥達だって四六時中柚紀と一緒に居られないのは重々承知しており、年末年始になると買い出し等の理由で柚紀が一人の状態で人混みの中を買い物する可能性だってある。なので万が一な状態になっても一般人相手に状況を正確に把握させるのを言実は最初から考えていない。だが対処を間違えれば自他ともに危険となる以上、"悪化を防ぐ事"を重要視する方針にした………と言うより元から言実はそれを心掛けているのであった。だが、やはり心配や不安が拭えないでいる二人を見てどうするかと考えている烏丸の耳に、客が来店したのを報せる"鈴の音"が聞こえてソチラを見ると
「おっ?!烏丸が居るって事は此処で正解みたいだな!!ったく、一度来ただけじゃ分かりづれーからこの店はっ!!?(ガタン!……ゴキゴキ)にしても、何で今日に限って"琴も持参するから荷物運びを手伝え"とか言いやがったんだよ?!それもまだ来てねぇし、……あのクソ爺めー!!?」
「まぁまぁそう怒ったら駄目よ"カノちゃん"、あの人は少し足が不自由でしょ?だから重たいのを持ったまま長距離移動が難しいのよ。普段の"道場での機敏な姿を見ていては"あまり実感がないかも知れないけどね。それにしても、……貴女がウチを訪ねてきたらこの子達がソワソワして、珍しく"外に行きたい"って催促するからもしかしてと思って付いてきましたが…………やはり柚紀ちゃんが理由だったんだね」
「………野々村?何で此処に??」
「それも、お婆ちゃん先生に………わあぁー、まさかの面子が揃いも揃って来ちゃったよ」
かなり大きな鞄……中に琴が入ったのを携えたフブキが来店し、その後ろには琴を普段預かっているあのお婆ちゃん先生がおり更に迅犬・清犬・碧兎・菫梟がお供として追随していた。(二羽共迅犬に運搬されて、背中に引っ付いていた碧兎が落ちないか清犬はハラハラしながら見守っていた)そして木虎からトリオン補給して大分症状が良くなった柚紀に一直線に向かって行く迅犬。それには目敏く気づき驚きながら甘えてくる子達の相手をする。そして"もう大丈夫"と判断した木虎は座っていた椅子をお婆ちゃん先生に譲り、……未だにマスター・オーナー二人と真剣な表情で話をしている言実に四人が近づく。(フブキは柚紀に此処に居る理由を訊ねている最中である)それに気づいた言実が視線を四人を見た後に、柚紀の方を見て安堵のため息を付く
『……偶然、かは定かではないが継母とフブキが来てくれて好都合だ、手短になるがお前達の抱く疑問に答える時間くらいは稼げるだろう。……他の従業員は二人の指示で既に退勤させておる故に気にする必要はない。で、……何が知りたい?佐鳥から順に言え』
「えぇっ?!佐鳥からですかっ!!?えっと、そうだな〜…………おつるちゃんがオーナーさんの事を"教授"って呼んだ理由はナニ?その人の渾名、とかじゃないよね??」
『あぁ、それか?……この御仁の職業が大学教授にして音楽関連の学部長を勤める様なお人だからな。更に言ってしまえば、私はその大学の卒業生故に、顔見知りであり昔の名残りでそう呼んでいるに過ぎん。因みに学科は違うぞ?私はコンピューター関連を学んでいたが……課題の一環で今でも一応使われている"ボーカロイドの歌声は人の歌声を超越出来るか"をテーマに取り組んだ際に、助力を請うてな。……それが縁だ』
「最初は何故音楽に興味を持っていなさそうな君がそんなテーマを選んのかと疑問に思いましたが、マスターに話をしたら謎が解けましたよ。……まさかあの茉莉花の義理の妹だったとはね、更に………(チラッ)彼女の渾名も歌姫とは、運命を感じますね」
「茉莉花と言う方が、言実さんの義理の姉?つまりは………!…まさか、その名を持つ女性の正体って」
『そう、茉莉花とは義姉さん……あの子の母親を指す名だ。尤もそれは源氏名…仕事時に名乗る芸名で本当の名ではないがな。…………その言葉から推測するに義姉さんの"二つ名"も口にしたのか?教授よ』
言実とオーナーの関係性に加えて柚紀の母親・茉莉花に関する事がオーナーとマスターの口から語られる。曰く【彼女は天涯孤独で頭脳もあまり良くなく、高校には進学せず中学卒業をすると働き始めた。が、物覚えは良くなく中卒を採用する職場は少なく、悩んだ挙げ句得意な歌を使って夜のお店で年齢を偽り歌手として働いていた。紅茶・ハーブティーの知識は当時そのお店でバーテンダーとして働いていたマスターが"お酒を飲まない口実"にする為に教えた入れ知恵の産物】と話した後に【二つ名の由来は"歌だけで過疎化によって寂れていくだけだった港町に活気を取り戻すきっかけを生み出した救世主"に敬意を込めて街人がいつの間にかそう呼び始めた】と続けて語る。そんな奇跡に近い事をやり遂げた茉莉花と言う女性は間違えなく柚紀の母親だと、佐鳥と時枝は察する。……彼女の記憶が正しければ茉莉花と言う女性の歌声は【サイドエフェクトの一種】の可能性が高いのだ。そもそも歌を使う理由の一つが母親の真似と本人が言っていたのだから。さて、木虎と烏丸は特に訊ねたい事はないらしくこの後どうするかと考えていると、再度来店者を報せる鈴の音が鳴る。誰もがフブキのクソ爺呼びしたご老人だと思っていたが
- ズカズカズカズカ、…ヒョイッ -
「おーおー、柚紀じゃねぇか!?元気にしておったか??シロからストレスで声が出なくなったと聞いて心配したぞ!?ま、あれだけ綺麗な歌声が聞けたからもう大丈夫だろうけどな!!ハハハハハ!!!」
『ふにゃっ?!!?えっ?と、"棟梁"さんっ!?な、何で此処にっ?!!あ、後その……(チラッ、チラッ…)ぉ、降ろして頂けませんか?』
「もう"お祖父ちゃん!!"素直で懐いてくれたユズちゃんを可愛いがりたい気持ちは分かるけど、時と場所を考えてよね。もう!!!」
「………アレは本当に元気じゃな、儂等の中では一番年上じゃろうて」
「まぁ、今でも現役で仕事をされて身体を動かされてますからね。私もですが、運動量が違いますし食事量も違いますからあの体型を維持出来る訳ですよ」
白髪頭だが厳つい顔付きに木崎並の巨体の老人が来店すると、椅子に座っていた柚紀を軽々持ち上げてまるで"久し振りの孫に会えた好々爺"の顔で上機嫌に話し掛ける。それに驚く柚紀だが、その行為が嫌と言うより視線が自分に集まるのが嫌らしく困っていると"本当の孫"であるシロが憤慨。更に後ろから小柄でギターケースを担いだ老人と、コチラはマスター位の初老な見た目の何処か礼儀正しい紳士も店内に。その小柄な老人に「おせーぞ、"師範"!!?」と怒鳴るフブキの声を聞いて、棟梁に降ろしてもらい視線をソチラに向けた柚紀の表情が………明らかに強張りを見せる。それは師範に対してでも棟梁に対してでもなく
『……ぐ、"宮司"さま。…な、何で……此処に』
「おっ?!烏丸が居るって事は此処で正解みたいだな!!ったく、一度来ただけじゃ分かりづれーからこの店はっ!!?(ガタン!……ゴキゴキ)にしても、何で今日に限って"琴も持参するから荷物運びを手伝え"とか言いやがったんだよ?!それもまだ来てねぇし、……あのクソ爺めー!!?」
「まぁまぁそう怒ったら駄目よ"カノちゃん"、あの人は少し足が不自由でしょ?だから重たいのを持ったまま長距離移動が難しいのよ。普段の"道場での機敏な姿を見ていては"あまり実感がないかも知れないけどね。それにしても、……貴女がウチを訪ねてきたらこの子達がソワソワして、珍しく"外に行きたい"って催促するからもしかしてと思って付いてきましたが…………やはり柚紀ちゃんが理由だったんだね」
「………野々村?何で此処に??」
「それも、お婆ちゃん先生に………わあぁー、まさかの面子が揃いも揃って来ちゃったよ」
かなり大きな鞄……中に琴が入ったのを携えたフブキが来店し、その後ろには琴を普段預かっているあのお婆ちゃん先生がおり更に迅犬・清犬・碧兎・菫梟がお供として追随していた。(二羽共迅犬に運搬されて、背中に引っ付いていた碧兎が落ちないか清犬はハラハラしながら見守っていた)そして木虎からトリオン補給して大分症状が良くなった柚紀に一直線に向かって行く迅犬。それには目敏く気づき驚きながら甘えてくる子達の相手をする。そして"もう大丈夫"と判断した木虎は座っていた椅子をお婆ちゃん先生に譲り、……未だにマスター・オーナー二人と真剣な表情で話をしている言実に四人が近づく。(フブキは柚紀に此処に居る理由を訊ねている最中である)それに気づいた言実が視線を四人を見た後に、柚紀の方を見て安堵のため息を付く
『……偶然、かは定かではないが継母とフブキが来てくれて好都合だ、手短になるがお前達の抱く疑問に答える時間くらいは稼げるだろう。……他の従業員は二人の指示で既に退勤させておる故に気にする必要はない。で、……何が知りたい?佐鳥から順に言え』
「えぇっ?!佐鳥からですかっ!!?えっと、そうだな〜…………おつるちゃんがオーナーさんの事を"教授"って呼んだ理由はナニ?その人の渾名、とかじゃないよね??」
『あぁ、それか?……この御仁の職業が大学教授にして音楽関連の学部長を勤める様なお人だからな。更に言ってしまえば、私はその大学の卒業生故に、顔見知りであり昔の名残りでそう呼んでいるに過ぎん。因みに学科は違うぞ?私はコンピューター関連を学んでいたが……課題の一環で今でも一応使われている"ボーカロイドの歌声は人の歌声を超越出来るか"をテーマに取り組んだ際に、助力を請うてな。……それが縁だ』
「最初は何故音楽に興味を持っていなさそうな君がそんなテーマを選んのかと疑問に思いましたが、マスターに話をしたら謎が解けましたよ。……まさかあの茉莉花の義理の妹だったとはね、更に………(チラッ)彼女の渾名も歌姫とは、運命を感じますね」
「茉莉花と言う方が、言実さんの義理の姉?つまりは………!…まさか、その名を持つ女性の正体って」
『そう、茉莉花とは義姉さん……あの子の母親を指す名だ。尤もそれは源氏名…仕事時に名乗る芸名で本当の名ではないがな。…………その言葉から推測するに義姉さんの"二つ名"も口にしたのか?教授よ』
言実とオーナーの関係性に加えて柚紀の母親・茉莉花に関する事がオーナーとマスターの口から語られる。曰く【彼女は天涯孤独で頭脳もあまり良くなく、高校には進学せず中学卒業をすると働き始めた。が、物覚えは良くなく中卒を採用する職場は少なく、悩んだ挙げ句得意な歌を使って夜のお店で年齢を偽り歌手として働いていた。紅茶・ハーブティーの知識は当時そのお店でバーテンダーとして働いていたマスターが"お酒を飲まない口実"にする為に教えた入れ知恵の産物】と話した後に【二つ名の由来は"歌だけで過疎化によって寂れていくだけだった港町に活気を取り戻すきっかけを生み出した救世主"に敬意を込めて街人がいつの間にかそう呼び始めた】と続けて語る。そんな奇跡に近い事をやり遂げた茉莉花と言う女性は間違えなく柚紀の母親だと、佐鳥と時枝は察する。……彼女の記憶が正しければ茉莉花と言う女性の歌声は【サイドエフェクトの一種】の可能性が高いのだ。そもそも歌を使う理由の一つが母親の真似と本人が言っていたのだから。さて、木虎と烏丸は特に訊ねたい事はないらしくこの後どうするかと考えていると、再度来店者を報せる鈴の音が鳴る。誰もがフブキのクソ爺呼びしたご老人だと思っていたが
- ズカズカズカズカ、…ヒョイッ -
「おーおー、柚紀じゃねぇか!?元気にしておったか??シロからストレスで声が出なくなったと聞いて心配したぞ!?ま、あれだけ綺麗な歌声が聞けたからもう大丈夫だろうけどな!!ハハハハハ!!!」
『ふにゃっ?!!?えっ?と、"棟梁"さんっ!?な、何で此処にっ?!!あ、後その……(チラッ、チラッ…)ぉ、降ろして頂けませんか?』
「もう"お祖父ちゃん!!"素直で懐いてくれたユズちゃんを可愛いがりたい気持ちは分かるけど、時と場所を考えてよね。もう!!!」
「………アレは本当に元気じゃな、儂等の中では一番年上じゃろうて」
「まぁ、今でも現役で仕事をされて身体を動かされてますからね。私もですが、運動量が違いますし食事量も違いますからあの体型を維持出来る訳ですよ」
白髪頭だが厳つい顔付きに木崎並の巨体の老人が来店すると、椅子に座っていた柚紀を軽々持ち上げてまるで"久し振りの孫に会えた好々爺"の顔で上機嫌に話し掛ける。それに驚く柚紀だが、その行為が嫌と言うより視線が自分に集まるのが嫌らしく困っていると"本当の孫"であるシロが憤慨。更に後ろから小柄でギターケースを担いだ老人と、コチラはマスター位の初老な見た目の何処か礼儀正しい紳士も店内に。その小柄な老人に「おせーぞ、"師範"!!?」と怒鳴るフブキの声を聞いて、棟梁に降ろしてもらい視線をソチラに向けた柚紀の表情が………明らかに強張りを見せる。それは師範に対してでも棟梁に対してでもなく
『……ぐ、"宮司"さま。…な、何で……此処に』