始まりの舞踊
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「し、忍田本部長っ?!え?な、何で此処にいらっしゃるんですか??」
「佐鳥お前、…さっき自分から言っただろ?"本部長が一緒に"って……鶴ヶ峰さんも何で不思議そうにしているの?」
『あの、ね、(チラッ)…時間が早いなって思って。……一時間とまではいかないけど、流石にいらっしゃるとは、思わなかったから』
携帯とマンションを交互に見て何やら考え事をしている私服の忍田が居た。不思議そうにする柚紀の雰囲気に対して佐鳥が少し大袈裟に反応を示し、時枝が呆れた口調で指摘した後柚紀の様子が不可解に感じて訊ねる。それに対して柚紀が素直に返答・疑問点を口にした所で、忍田が三人に気づき此方に近づいてくる
「佐鳥に時枝じゃないか。君達も言実くんに呼ばれたのか?それと、……初日以来顔を見るのは久しぶりだね柚紀くん。…昨日の疲れは残ってないかい?(ナデナデ)」
「おはようこざいます本部長!どちらかと言いますと、佐鳥達は柚紀ちゃんに声を掛けられました。…幾らおつるちゃんが居るとは言え"大人二人に子ども一人は、居づらくなるから"と言われて」
「おはようこざいます。それに昨日の今日です、……"女性が一人になる"状況は避けるべきかと。言実さんなら問題ないのは分かりますが……所で本部長。…何故彼女の頭を撫でられているのですか?本人は嫌がっては居ませんが、いきなり過ぎて困惑しています」
先ず両脇にいる二人に挨拶をして真ん中に居る柚紀にも声を掛け自然な流れで頭を撫で始められ、どうすれば良いか分からず硬直してしまう柚紀。それを時枝が心情を代弁し、佐鳥が「本部長、失礼しまーす!」と一声掛けてから柚紀の頭から忍田の手を退ける。それに対して忍田は、さも当たり前の様な口調でこう返した
「彼女を見知った者達から【とりあえず頭を撫でていれば問題ない】と、全員一致のアドバイスを貰ったかは実践してみたが、……駄目だったか?」
『い、いえっ!その……流石に吃驚してしまいました。…確かに頭を撫でて貰うと落ち着きはしますが、……挨拶代わりにみたいなのをしの………本部長、さん、からされるとは思っていなかったので。あ、あの……お時間早くないですか?待ち合わせまで、まだありますよね?』
「…………車の運転するのが久しぶりでね、レンタカーを早めに借りて少し走らせていたら無意識にコチラに来てしまってな。それでどうするべきかと迷っていた所だ。それと、……無理に私を"本部長"と呼ぶ必要はない、今日は非番でもあるが町中でそう呼ばれたら注目を集めそうだからね。…可能なら二人も名で呼んでくれ」
「「了解しました」」
忍田の言い分に納得しつつ"誰が連絡を?"等を考える柚紀と、呼び方に違和感を覚えやんわりと指摘し更に二人に協力を仰ぐ忍田。……柚紀の性格を粗方把握して二人は理由を察し快く快諾する。そんなこんなで忍田も一緒に部屋に案内する事にした柚紀は、軽くマンションについて話ながら歩き出す。ふと、言実が本部基地からそれなりに離れた住宅地にある物件を選んだ事や、妙な階層を選んだ理由を"三人なら分かるかも"と考えた柚紀はエレベーターを待っている間に試しに訊ねる事に
『部屋は四階なんですが、……何で言実さんがこんな"中途半端な階"を借りた理由が、私にはイマイチ分からないです。…防犯面はかなり厳重だからこのマンションが適切だったからとか、一階でないのは予想出来ては居ましたが………忍田さんや佐鳥くん達は分かりますか?諏訪さんは知ってる風だったから、…ボーダー的な感覚の理由かなとは思うけど』
「ボーダー的なって言われると……やっぱり"トリオン体の性能"が関係するんじゃないかな?でも、…気にする必要あるかな?私用でのトリオン体及びトリガーは基本使用禁止、だよね?とっきー(ニヤリ)」
「そう、だね。それにこのマンション位の高さなら普通に屋上まで跳べる筈だよ?まぁ、日中にそんな事したら目立つけどね。(佐鳥の奴、まだ屋上の件を根に持っている、のか?)後は意外と防犯カメラがきちんと設置してあるのも理由な気もするけど……忍田さんは何か思い当たる節がありますか?」
「……恐らく"侵入されにくくしている"意図はあるだろう。…言実くんは優秀だ、戦闘員からは勿論だが所属である技術開発部門の職員からも頼りにされている。住む場所をごく一部の者にしか明かさない点もだが、………後ろめたさがある者程、コッソリと気づかれない様に動くものだ。少しでも"面倒"や"難しい"と感じれば相手は勝手に諦める、その心理的感覚を利用しているのだろう。隠しカメラでなく、分かりやすく設置されているのも同じ原理だ。…君に関する事は彼女は一切妥協をしない、可能な限りで最善の手を講じるのが言実くんだ」
『……成る程』
三人の言い分を聞き柚紀が納得している間にエレベーターが降りてきて移動を再開する。因みにカメラはエントランスや出入り口の内側外側、非常階段やエレベーター付近と、死角が無いように設置されている。移動の最中、忍田の発言を聞いた柚紀は思わず太刀川の存在を思い浮かんでしまったが……彼の名誉を守るために沈黙を貫こうと決意する半面、"早々に教えて良かったかも"と考えてしまったのだった
「佐鳥お前、…さっき自分から言っただろ?"本部長が一緒に"って……鶴ヶ峰さんも何で不思議そうにしているの?」
『あの、ね、(チラッ)…時間が早いなって思って。……一時間とまではいかないけど、流石にいらっしゃるとは、思わなかったから』
携帯とマンションを交互に見て何やら考え事をしている私服の忍田が居た。不思議そうにする柚紀の雰囲気に対して佐鳥が少し大袈裟に反応を示し、時枝が呆れた口調で指摘した後柚紀の様子が不可解に感じて訊ねる。それに対して柚紀が素直に返答・疑問点を口にした所で、忍田が三人に気づき此方に近づいてくる
「佐鳥に時枝じゃないか。君達も言実くんに呼ばれたのか?それと、……初日以来顔を見るのは久しぶりだね柚紀くん。…昨日の疲れは残ってないかい?(ナデナデ)」
「おはようこざいます本部長!どちらかと言いますと、佐鳥達は柚紀ちゃんに声を掛けられました。…幾らおつるちゃんが居るとは言え"大人二人に子ども一人は、居づらくなるから"と言われて」
「おはようこざいます。それに昨日の今日です、……"女性が一人になる"状況は避けるべきかと。言実さんなら問題ないのは分かりますが……所で本部長。…何故彼女の頭を撫でられているのですか?本人は嫌がっては居ませんが、いきなり過ぎて困惑しています」
先ず両脇にいる二人に挨拶をして真ん中に居る柚紀にも声を掛け自然な流れで頭を撫で始められ、どうすれば良いか分からず硬直してしまう柚紀。それを時枝が心情を代弁し、佐鳥が「本部長、失礼しまーす!」と一声掛けてから柚紀の頭から忍田の手を退ける。それに対して忍田は、さも当たり前の様な口調でこう返した
「彼女を見知った者達から【とりあえず頭を撫でていれば問題ない】と、全員一致のアドバイスを貰ったかは実践してみたが、……駄目だったか?」
『い、いえっ!その……流石に吃驚してしまいました。…確かに頭を撫でて貰うと落ち着きはしますが、……挨拶代わりにみたいなのをしの………本部長、さん、からされるとは思っていなかったので。あ、あの……お時間早くないですか?待ち合わせまで、まだありますよね?』
「…………車の運転するのが久しぶりでね、レンタカーを早めに借りて少し走らせていたら無意識にコチラに来てしまってな。それでどうするべきかと迷っていた所だ。それと、……無理に私を"本部長"と呼ぶ必要はない、今日は非番でもあるが町中でそう呼ばれたら注目を集めそうだからね。…可能なら二人も名で呼んでくれ」
「「了解しました」」
忍田の言い分に納得しつつ"誰が連絡を?"等を考える柚紀と、呼び方に違和感を覚えやんわりと指摘し更に二人に協力を仰ぐ忍田。……柚紀の性格を粗方把握して二人は理由を察し快く快諾する。そんなこんなで忍田も一緒に部屋に案内する事にした柚紀は、軽くマンションについて話ながら歩き出す。ふと、言実が本部基地からそれなりに離れた住宅地にある物件を選んだ事や、妙な階層を選んだ理由を"三人なら分かるかも"と考えた柚紀はエレベーターを待っている間に試しに訊ねる事に
『部屋は四階なんですが、……何で言実さんがこんな"中途半端な階"を借りた理由が、私にはイマイチ分からないです。…防犯面はかなり厳重だからこのマンションが適切だったからとか、一階でないのは予想出来ては居ましたが………忍田さんや佐鳥くん達は分かりますか?諏訪さんは知ってる風だったから、…ボーダー的な感覚の理由かなとは思うけど』
「ボーダー的なって言われると……やっぱり"トリオン体の性能"が関係するんじゃないかな?でも、…気にする必要あるかな?私用でのトリオン体及びトリガーは基本使用禁止、だよね?とっきー(ニヤリ)」
「そう、だね。それにこのマンション位の高さなら普通に屋上まで跳べる筈だよ?まぁ、日中にそんな事したら目立つけどね。(佐鳥の奴、まだ屋上の件を根に持っている、のか?)後は意外と防犯カメラがきちんと設置してあるのも理由な気もするけど……忍田さんは何か思い当たる節がありますか?」
「……恐らく"侵入されにくくしている"意図はあるだろう。…言実くんは優秀だ、戦闘員からは勿論だが所属である技術開発部門の職員からも頼りにされている。住む場所をごく一部の者にしか明かさない点もだが、………後ろめたさがある者程、コッソリと気づかれない様に動くものだ。少しでも"面倒"や"難しい"と感じれば相手は勝手に諦める、その心理的感覚を利用しているのだろう。隠しカメラでなく、分かりやすく設置されているのも同じ原理だ。…君に関する事は彼女は一切妥協をしない、可能な限りで最善の手を講じるのが言実くんだ」
『……成る程』
三人の言い分を聞き柚紀が納得している間にエレベーターが降りてきて移動を再開する。因みにカメラはエントランスや出入り口の内側外側、非常階段やエレベーター付近と、死角が無いように設置されている。移動の最中、忍田の発言を聞いた柚紀は思わず太刀川の存在を思い浮かんでしまったが……彼の名誉を守るために沈黙を貫こうと決意する半面、"早々に教えて良かったかも"と考えてしまったのだった