初お目見えの舞踊
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男子達の方に寝返りを打った柚紀の穏やかな寝顔が気持ち近くになり、更に碧兎が胸元辺りから動いたので掛け布団も動き胸元辺りまでずり落ち……服装も相成り胸元が何時もより露出してしまい、角度によっては胸の谷間や…呼吸に応じて見え隠れする下着まで見えてしまう始末に。それらを直視した佐鳥と笹森は顔を赤くさせ、更に本能的にか笹森が柚紀に向かって手を伸ばすが……二人に止められ更には朗犬・赭猫の唸り声で我に返ると「じ、じゃあ俺帰るな!諏訪さんに報告しないといけないからっ!!」と言い残して早々に退散して行く笹森であった。……あのまま居たら柚紀に変なことを自分がしないと言い切れないし、何時目覚めるか分からないなら長居は無用だからである
それを見送った佐鳥はとりあえず気持ちを落ち着かせる為に水を飲み、時枝は二人が赤くなった理由を遅からず察すると"今日も"着ていたパーカーを脱いで胸元を隠すようにして被せたのだ。「……何で掛け布団動かさないの?」「この子(碧兎)が起きちゃうから」と小声でやり取りしたり、言実が柚紀に握らせた"お守り"を確認したり(これは二人とも予想した通りのモノだった)、柚紀が目覚めるまで静かに過ごし、薄暗くなってきた頃に目覚めた柚紀とは笹森で話した内容とほぼ同じ事を時枝を中心に説明したり、水分補給したりして『時間も遅くなったから晩御飯は此処で済ませるぞ』と言実が呼びに来るまで大人しく過ごしていたのだった
‐ ‐ ‐
‐ ‐
‐
『(ズルズル)う~……ロールキャベツ、食べたかったな~。もう作ってはあるんだよね言実さん』
『あぁ、晩御飯の準備を粗方済ませてから外出した。とは言え、……今日は止めておけ柚紀。…継母もそう思われますよね?』
「そうね~、……柚紀ちゃんはあたしに昔の事を話してくれた、辛い思い出も沢山、ね。…そう言う事を話した後は大体の人は食欲が沸かなくなるわ。それは貴女が一番理解している筈よ?"無理をして食べればどうなるか"をね」
『………(ズルズル、ズルズル)』
用意された冷麦を啜りながら軽く愚痴を漏らす柚紀に呆れた口調混じりで諌める言実と、優しくゆっくり話して諭させる老婦。それらを訊いて反論出来ない柚紀は黙って食べ続け、佐鳥と時枝もそれらを見聞きしながら食事を進めていた。実際その通りだと感じたからである
冷麦用に何種類かの薬味とかき揚げを大皿に盛りセルフ式にしているが、柚紀は一切かき揚げには箸を伸ばしていない。つまりは"食べれない"事を意味するのだ。二人も柚紀の行儀のよさを知っているし、食べ物を粗末にしないのも介護の経験から理解していたからだ。因みに食卓は四人用なので、大人三人は先に済ませている状態で忍田は動物達に餌を与えており、老婦は食卓に座ってお茶を飲みながら子ども達の食事風景を嬉しそうに眺め、言実は男子二人の食欲を見て揚げ物や麺を追加するかを見極める為に側で観察をしていた。そして二人より早く満腹を感じた柚紀が『御馳走様でした』をして使用した食器を流しまで運ぶと、ずっと気になっていた事を老婦に訊ねる
『……ねぇお婆ちゃん、…(スッ)あのピアノって、今でも弾ける?』
「ん?…ごめんよ柚紀ちゃん、それは難しいわね。……あの人は音楽が趣味でね、よく弾いていたのだけどあたしは出来なくて、…使ったら駄目と言う訳じゃないけど何年も弾いてないからきっと音が狂ってしまっているわ」
『……そうなんだ、なら弾かない方がいいね。…(サスッ)私も音楽が好きだから、整備不良の楽器の音色は聞きたくない、かな?でも、……ただあるだけなのは悲しいな。(サスッ)思い出の品なのは分かるけど、自分の存在理由が果たせないのは…(ギュッ)きっと、辛いから』
「………そうね、そうかも知れないわ。…やっぱり貴女は優しい子よ柚紀ちゃん。…人だけでなくモノにもそうやって優しく思いやりを持てる人は、早々いないもの」
「「「…………」」」
居間に置いてあるアップライトピアノに触れながらそう訊ねる柚紀と答える老婦、二人とも悲しそうな表情をしていた。それを見て男三人も複雑な表情をしており、中でも学生二人は柚紀が握り締めるお守り……久しぶりに首から下げたあの翠の石の事を知っているから尚更だった。そんな中、追加は不要と判断した言実が柚紀の側に行き、頭を撫でながらこう口にした
『(ナデナデ)なら柚紀、…お前が弾けば良い。……この子はピアノを小さな頃から触っている、…継父程まではいかぬが腕は悪くない筈だ。確か音楽仲間の老人達は今も多くが三門市にご在宅なら、…伝で調律師も見つかろう。継母も、この子なら……問題なかろう?』
「そうね、…近い内に調律して貰うから、またいらっしゃいな柚紀ちゃん。此処なら他人様に迷惑にならないから思いっきり演奏しても構わないわ、貴女もナニか持っているならそれを弾いても良いわよ?」
『!!………考えておきます、…学校始まったら、余裕ないと思います、から』
そんな言実の言葉を聞いて二人の表情が変わったのを見て佐鳥達は肩を撫で下ろした。そして二人と曖昧な返事をしつつピアノを慈しむ眼差しで見つめる柚紀を見て、老婦は立ち上がり何処かに歩き出す。それを見て言実以外?マークを頭に浮かべていた
「それじゃあピアノが使えない御詫びに、良いものを見せて上げるわ。…柚紀ちゃんが音楽関連が好きなら、きっと喜ぶモノよ?忍田くん、ちょっとお手伝いをお願いできないかしら?あるモノを出したいから。……二人はゆっくり食べてからお出で、場所は言実ちゃんもだけど…この子達も知っているから迷うことはないわ」
それを見送った佐鳥はとりあえず気持ちを落ち着かせる為に水を飲み、時枝は二人が赤くなった理由を遅からず察すると"今日も"着ていたパーカーを脱いで胸元を隠すようにして被せたのだ。「……何で掛け布団動かさないの?」「この子(碧兎)が起きちゃうから」と小声でやり取りしたり、言実が柚紀に握らせた"お守り"を確認したり(これは二人とも予想した通りのモノだった)、柚紀が目覚めるまで静かに過ごし、薄暗くなってきた頃に目覚めた柚紀とは笹森で話した内容とほぼ同じ事を時枝を中心に説明したり、水分補給したりして『時間も遅くなったから晩御飯は此処で済ませるぞ』と言実が呼びに来るまで大人しく過ごしていたのだった
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『(ズルズル)う~……ロールキャベツ、食べたかったな~。もう作ってはあるんだよね言実さん』
『あぁ、晩御飯の準備を粗方済ませてから外出した。とは言え、……今日は止めておけ柚紀。…継母もそう思われますよね?』
「そうね~、……柚紀ちゃんはあたしに昔の事を話してくれた、辛い思い出も沢山、ね。…そう言う事を話した後は大体の人は食欲が沸かなくなるわ。それは貴女が一番理解している筈よ?"無理をして食べればどうなるか"をね」
『………(ズルズル、ズルズル)』
用意された冷麦を啜りながら軽く愚痴を漏らす柚紀に呆れた口調混じりで諌める言実と、優しくゆっくり話して諭させる老婦。それらを訊いて反論出来ない柚紀は黙って食べ続け、佐鳥と時枝もそれらを見聞きしながら食事を進めていた。実際その通りだと感じたからである
冷麦用に何種類かの薬味とかき揚げを大皿に盛りセルフ式にしているが、柚紀は一切かき揚げには箸を伸ばしていない。つまりは"食べれない"事を意味するのだ。二人も柚紀の行儀のよさを知っているし、食べ物を粗末にしないのも介護の経験から理解していたからだ。因みに食卓は四人用なので、大人三人は先に済ませている状態で忍田は動物達に餌を与えており、老婦は食卓に座ってお茶を飲みながら子ども達の食事風景を嬉しそうに眺め、言実は男子二人の食欲を見て揚げ物や麺を追加するかを見極める為に側で観察をしていた。そして二人より早く満腹を感じた柚紀が『御馳走様でした』をして使用した食器を流しまで運ぶと、ずっと気になっていた事を老婦に訊ねる
『……ねぇお婆ちゃん、…(スッ)あのピアノって、今でも弾ける?』
「ん?…ごめんよ柚紀ちゃん、それは難しいわね。……あの人は音楽が趣味でね、よく弾いていたのだけどあたしは出来なくて、…使ったら駄目と言う訳じゃないけど何年も弾いてないからきっと音が狂ってしまっているわ」
『……そうなんだ、なら弾かない方がいいね。…(サスッ)私も音楽が好きだから、整備不良の楽器の音色は聞きたくない、かな?でも、……ただあるだけなのは悲しいな。(サスッ)思い出の品なのは分かるけど、自分の存在理由が果たせないのは…(ギュッ)きっと、辛いから』
「………そうね、そうかも知れないわ。…やっぱり貴女は優しい子よ柚紀ちゃん。…人だけでなくモノにもそうやって優しく思いやりを持てる人は、早々いないもの」
「「「…………」」」
居間に置いてあるアップライトピアノに触れながらそう訊ねる柚紀と答える老婦、二人とも悲しそうな表情をしていた。それを見て男三人も複雑な表情をしており、中でも学生二人は柚紀が握り締めるお守り……久しぶりに首から下げたあの翠の石の事を知っているから尚更だった。そんな中、追加は不要と判断した言実が柚紀の側に行き、頭を撫でながらこう口にした
『(ナデナデ)なら柚紀、…お前が弾けば良い。……この子はピアノを小さな頃から触っている、…継父程まではいかぬが腕は悪くない筈だ。確か音楽仲間の老人達は今も多くが三門市にご在宅なら、…伝で調律師も見つかろう。継母も、この子なら……問題なかろう?』
「そうね、…近い内に調律して貰うから、またいらっしゃいな柚紀ちゃん。此処なら他人様に迷惑にならないから思いっきり演奏しても構わないわ、貴女もナニか持っているならそれを弾いても良いわよ?」
『!!………考えておきます、…学校始まったら、余裕ないと思います、から』
そんな言実の言葉を聞いて二人の表情が変わったのを見て佐鳥達は肩を撫で下ろした。そして二人と曖昧な返事をしつつピアノを慈しむ眼差しで見つめる柚紀を見て、老婦は立ち上がり何処かに歩き出す。それを見て言実以外?マークを頭に浮かべていた
「それじゃあピアノが使えない御詫びに、良いものを見せて上げるわ。…柚紀ちゃんが音楽関連が好きなら、きっと喜ぶモノよ?忍田くん、ちょっとお手伝いをお願いできないかしら?あるモノを出したいから。……二人はゆっくり食べてからお出で、場所は言実ちゃんもだけど…この子達も知っているから迷うことはないわ」