対峙の舞踊
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そんなこんながあった中、主と玄犬のせいで固まっていた碧兎が菫梟と優鳥に導かれるように何とか柚紀の側に辿り着く。そして先ずは顔付近に行き、タッチしたり鳴いたり頬擦りするが反応を示さない。それが分かると周囲を観察するかの様に動き回ったかに思えば、次は胸元……正確に言えば"トリオン器官"がある辺りに乗るとそこでジッとして瞳を閉じてしまう。碧兎がナニをしているか分からない二人が言実に問い掛けようとした瞬間
『んっ、ん~……(スゥ……パチ、パチ)あれ?…わたし、…は…一体……(ブイブイ)…?……兎?貴女の瞳と…毛並みの色……私に似てる、ね。……(サワ、サワ)……君"も"寂しかった…の?寂しく…感じたから、……出てきたの…かな?(……ブイ)』
「("も"が付くと言うことはやはり、この子は……)…大丈夫かい柚紀くん、何やら倒れたと聞いたから様子を見に来たのだが…」
『……忍田、さん?あの、……二人、は…『…起きたか柚紀、気分はどうだ?』……言実さん?どうして(…ホゥ)……その梟、…………そう、…お前(優鳥)が呼びに、行ったの?……昔から、言実さんは、鳥に好かれてた、から』
ゆっくりだが目を開いた柚紀が先ず見つけたのは胸元にいる碧兎の存在。ぼんやりとだが"自分に似ている"気がして優しく撫でてやっている所に、支えている状態の忍田が優しく声を掛ければ視線がそちらに行き、そうなると居間に居るであろう佐鳥達を無意識と探そうとする。……今、二人を視界に入れるのは不味いと判断した言実は動こうとする二人を手で制し、一人茶室に上がり柚紀の側へ。それでも佐鳥は行こうとしたが、恭犬と勇犬に阻まれてしまい、渋々諦めたのだ
そしていきなりの言実の登場に、流石に戸惑いを覚える柚紀だが、肩に止まっている菫梟と……優鳥を見て独自に察したのだ。…叔母は論理派な人だから、感覚的な理由では"基本は"動かない。そう柚紀は解釈してはいるが、小柄な菫梟が二匹を喚びに外に出ていったのだ。ならば…………と、考えたのだ
『ま、こやつだけでなく別もおったがな。今出迎えに来て疲れたモノ達の世話を二人に任せている故に……(ナデ)暫くは居間から動けぬだろう。して柚紀よ、……何か体に違和感はないか?』
『いわ、かん?…なんだろう、……頭が…うまく…回らない、後…多分動いたら…たちくらみ、…おこす。と、言うより……体が重くて動きたく…ない、後…………少し…肌寒い』
「……指の怪我から推測すると、…恐らく貧血症状だろう。言実くんもかなりの低血圧だ、なら君も怪我をきっかけに血の気が下がる可能性がある。何にしても(ダキッ…スクッ)…体調が優れないのなら何事も休息が一番の筈だ。……先生、居間と此処以外で彼女が休めそうな場所は?」
「それならその子(碧兎)と会った付近に言実ちゃんが使っていた部屋があるから、そこをお使いなさい。その子ともう一匹使っているのもだけど、……時折言実ちゃんが泊まりにくるから、お掃除やお布団もきちんと天日干ししていますから使っても大丈夫よ」
『ならば……(スッ)…忍田さんをあの部屋に案内してくれ(ピッ!パタパタ)それとお前には、……(グルグル…ギュッ)…コレを渡しておこう、少しは楽になる"お守り"だ。………今は休め柚紀、……(ナデナデ)安心しろ、…お前を置いては帰らぬ。絶対にな』
佐鳥達の居場所を聞いた後に自覚症状を口にする柚紀。それを聞いて"鶴ヶ峰の人間なら"と考えた忍田が体調不良の理由を口にするがあくまでも憶測の範囲なので、一先ず移動と休息を取らせるのを選択。老婦が場所の案を出せば、案内役として菫梟を忍田の頭の上に移動させ、未だに眠たそうな柚紀を安心させる言葉と共に"あるもの"を握らせる言実。握らせたモノを確認した柚紀は中身を忍田に見せないようにしつつ『あの、一つお願いが』と睡魔と戦いながら話しかける。それに気づいた忍田が歩みを止めて顔色を窺う、すると途切れ途切れだが、こう話した
『出来れ、ば……秘密にして、……下さい。…わたし…が、……倒れた事…や、…その理由を………誰かが…わたしの…せいで………悲しむのは…嫌…です。特に………あの二人…佐鳥くんや…時枝くんの…………は、…見たく…ない……だから…』
「「っ?!」」
「………………分かった、今日は君の気持ちを尊重しよう。だが、…あの二人だって強いから、……例え辛くても、きっと乗り越えれる筈さ。君と同じでね、……さ、一眠りしなさい柚紀くん。起きればきっと良くなっているさ」
『…は、…い。……おやすみ…な…さぃ(……すぅすぅ)』
辛いのは自分の筈なのに、それでも他人を心配してしまうそんな柚紀の言葉を聞いて歯痒く感じる二人だが、…今自分達の存在に気づいたらきっと安心して休めない。そう思い我慢する、そしてものの数秒で眠りに就いた柚紀を見て言実は忍田に目配りをしてそのままお店を後にする。因みに引き戸は老婦が然り気無く開けていたのだった。二人と二羽を見送った言実は、ずっと沈黙を貫いている二人の頭を撫でた後にこう口にした
『……あの子の為に我慢をさせて済まないな二人とも、だが分かってくれ。…今の柚紀は未だに不安定な状態なのだ、……何か不祥事を起こせば、…城戸さんが何を言ってくるかが分からぬ。二人も知っているであろう、あの子は………』
「……此処に、三門市に…ボーダーに居たい。そう柚紀ちゃんが願っている事、だよね?おつるちゃんが言いたいのは。…本人からその理由も、一応聞いてるよ?詳しくは……聞けなかった。…拒絶されたし、それ以上に………辛い思いをさせたし、危ない目にも遭わせた、何より……泣かせてしまった彼女をっ!!」
「…そして今は"本音も建前も同じ"だから大丈夫ですが、……どちらかが方向性を変える、…いや、"変わってしまった"ら、彼女は【居場所を無くしてしまう】……それを防ぐ為に本部長や先生に鶴ヶ峰さんを会わせた。…おれ達はまだ、………子どもだから。出来ることなんて、高が知れて、います(ギュッ!)」
そんな三人の言動や表情を見て、老婦はゆっくりと行動を開始した。……心の病を専門とする医者として、放って置くのは無理な話なのだ。何より…言実含めて、悩める年下を導くのが年長者たる者の務めなのだから
『んっ、ん~……(スゥ……パチ、パチ)あれ?…わたし、…は…一体……(ブイブイ)…?……兎?貴女の瞳と…毛並みの色……私に似てる、ね。……(サワ、サワ)……君"も"寂しかった…の?寂しく…感じたから、……出てきたの…かな?(……ブイ)』
「("も"が付くと言うことはやはり、この子は……)…大丈夫かい柚紀くん、何やら倒れたと聞いたから様子を見に来たのだが…」
『……忍田、さん?あの、……二人、は…『…起きたか柚紀、気分はどうだ?』……言実さん?どうして(…ホゥ)……その梟、…………そう、…お前(優鳥)が呼びに、行ったの?……昔から、言実さんは、鳥に好かれてた、から』
ゆっくりだが目を開いた柚紀が先ず見つけたのは胸元にいる碧兎の存在。ぼんやりとだが"自分に似ている"気がして優しく撫でてやっている所に、支えている状態の忍田が優しく声を掛ければ視線がそちらに行き、そうなると居間に居るであろう佐鳥達を無意識と探そうとする。……今、二人を視界に入れるのは不味いと判断した言実は動こうとする二人を手で制し、一人茶室に上がり柚紀の側へ。それでも佐鳥は行こうとしたが、恭犬と勇犬に阻まれてしまい、渋々諦めたのだ
そしていきなりの言実の登場に、流石に戸惑いを覚える柚紀だが、肩に止まっている菫梟と……優鳥を見て独自に察したのだ。…叔母は論理派な人だから、感覚的な理由では"基本は"動かない。そう柚紀は解釈してはいるが、小柄な菫梟が二匹を喚びに外に出ていったのだ。ならば…………と、考えたのだ
『ま、こやつだけでなく別もおったがな。今出迎えに来て疲れたモノ達の世話を二人に任せている故に……(ナデ)暫くは居間から動けぬだろう。して柚紀よ、……何か体に違和感はないか?』
『いわ、かん?…なんだろう、……頭が…うまく…回らない、後…多分動いたら…たちくらみ、…おこす。と、言うより……体が重くて動きたく…ない、後…………少し…肌寒い』
「……指の怪我から推測すると、…恐らく貧血症状だろう。言実くんもかなりの低血圧だ、なら君も怪我をきっかけに血の気が下がる可能性がある。何にしても(ダキッ…スクッ)…体調が優れないのなら何事も休息が一番の筈だ。……先生、居間と此処以外で彼女が休めそうな場所は?」
「それならその子(碧兎)と会った付近に言実ちゃんが使っていた部屋があるから、そこをお使いなさい。その子ともう一匹使っているのもだけど、……時折言実ちゃんが泊まりにくるから、お掃除やお布団もきちんと天日干ししていますから使っても大丈夫よ」
『ならば……(スッ)…忍田さんをあの部屋に案内してくれ(ピッ!パタパタ)それとお前には、……(グルグル…ギュッ)…コレを渡しておこう、少しは楽になる"お守り"だ。………今は休め柚紀、……(ナデナデ)安心しろ、…お前を置いては帰らぬ。絶対にな』
佐鳥達の居場所を聞いた後に自覚症状を口にする柚紀。それを聞いて"鶴ヶ峰の人間なら"と考えた忍田が体調不良の理由を口にするがあくまでも憶測の範囲なので、一先ず移動と休息を取らせるのを選択。老婦が場所の案を出せば、案内役として菫梟を忍田の頭の上に移動させ、未だに眠たそうな柚紀を安心させる言葉と共に"あるもの"を握らせる言実。握らせたモノを確認した柚紀は中身を忍田に見せないようにしつつ『あの、一つお願いが』と睡魔と戦いながら話しかける。それに気づいた忍田が歩みを止めて顔色を窺う、すると途切れ途切れだが、こう話した
『出来れ、ば……秘密にして、……下さい。…わたし…が、……倒れた事…や、…その理由を………誰かが…わたしの…せいで………悲しむのは…嫌…です。特に………あの二人…佐鳥くんや…時枝くんの…………は、…見たく…ない……だから…』
「「っ?!」」
「………………分かった、今日は君の気持ちを尊重しよう。だが、…あの二人だって強いから、……例え辛くても、きっと乗り越えれる筈さ。君と同じでね、……さ、一眠りしなさい柚紀くん。起きればきっと良くなっているさ」
『…は、…い。……おやすみ…な…さぃ(……すぅすぅ)』
辛いのは自分の筈なのに、それでも他人を心配してしまうそんな柚紀の言葉を聞いて歯痒く感じる二人だが、…今自分達の存在に気づいたらきっと安心して休めない。そう思い我慢する、そしてものの数秒で眠りに就いた柚紀を見て言実は忍田に目配りをしてそのままお店を後にする。因みに引き戸は老婦が然り気無く開けていたのだった。二人と二羽を見送った言実は、ずっと沈黙を貫いている二人の頭を撫でた後にこう口にした
『……あの子の為に我慢をさせて済まないな二人とも、だが分かってくれ。…今の柚紀は未だに不安定な状態なのだ、……何か不祥事を起こせば、…城戸さんが何を言ってくるかが分からぬ。二人も知っているであろう、あの子は………』
「……此処に、三門市に…ボーダーに居たい。そう柚紀ちゃんが願っている事、だよね?おつるちゃんが言いたいのは。…本人からその理由も、一応聞いてるよ?詳しくは……聞けなかった。…拒絶されたし、それ以上に………辛い思いをさせたし、危ない目にも遭わせた、何より……泣かせてしまった彼女をっ!!」
「…そして今は"本音も建前も同じ"だから大丈夫ですが、……どちらかが方向性を変える、…いや、"変わってしまった"ら、彼女は【居場所を無くしてしまう】……それを防ぐ為に本部長や先生に鶴ヶ峰さんを会わせた。…おれ達はまだ、………子どもだから。出来ることなんて、高が知れて、います(ギュッ!)」
そんな三人の言動や表情を見て、老婦はゆっくりと行動を開始した。……心の病を専門とする医者として、放って置くのは無理な話なのだ。何より…言実含めて、悩める年下を導くのが年長者たる者の務めなのだから