対峙の舞踊
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『……柚紀が襲われる心配は恐らくない、…継母は昔を語る際"見た目は変わってない"と言ったが、…あの子は自分がツラくても他人に隠す子だ。………恐らく精神的負荷は相当生じ、それにより今現在、不可視だがトリオンが漏れ出している可能性が極めて高い。……動物は"本能で危険を察知する"、…奴がトリオンを【未知の気配】又は【膨大な自然の中に漂う清浄な空気】…どちらと感じているかは不明だが、……少なくとも目覚めるまでは大丈夫だ。しかし、…目を覚まさなければ不用意に"私は"柚紀に触れるわけには往かぬのだ』
「ん?ん~……つまりは漏れ出しているトリオンが柚紀ちゃんを守る、こう…"バリアー"的な役割をしているのは分かるけど………おつるちゃんが彼女に触れられないのはどうして?ってかアレのせいで中にも入れない気が……」
「言実さんは"主の存在"に気づいていた、つまりは顔見知りって訳だよ。…此処の動物達は皆賢い子ばかり、……なら"彼も"言実さんを知っているだろうし、もし知らなくてもトリオン体でなら幾らでも対処できる筈だ。…さっき二人を守った様にね、だけど……トリオン体だからこそ"今の鶴ヶ峰さんには"安易に触れるのは危険だ。……ゲートの一件で倒れた彼女に触れる事をおれ達は厳禁食らっている。…現状は恐らく、【あの時と同じだ】」
「!!?……そんなっ!!(ギュッ!)」
‐ …………クゥ~ン ‐
状況を把握した佐鳥は驚愕の表情を露にして、未だに眠っている(?)柚紀を見て悔しさが溢れだし両手を強く握り締めてしまう。そして時枝は柚紀から目をそらし思わず俯いてしまう。…自分達が少女の為に何もしてあげれない無力さに打ちのめされ、そんな自分が嫌になってしまったから。そんな心情を察した動物達が二人を慰めるかの様に近づき、寄り添って来てくれたのを見て「大丈夫だよ、心配してくれて有り難う」……そんな気持ちを込めて各々を撫でていると
‐ ………ガラッ ‐
「…バイク音がしたのと慶に似たあの犬が駆け出してもしかしてと思ったが、……やはり来ていたか言実くんも。私も直ぐに来ようと思ったのだが、道が分からなかったのと………とある"いざこざ"に巻き込まれてしまってね」
「あら、忍田くんまで来ちゃったわね。…お客人を長時間放置してしまって御免なさいね、所で……その子(菫梟)が居れば迷わないと思うけどどうして…(……ブィ)…!……あらあらまぁまぁ、…今日は本当に珍しい事や嬉しいことばかり起きる日だわ。……お前が部屋から出てくる何て、それも…一匹で、ね」
「!!本部長?!どうして…それとその腕に抱き抱えているその子は………」
「……兎?(…よく見えないけど毛並みや瞳が……"緑っぽい?"あれはまるで……)…(ポツリ)柚紀、ちゃんを例えた姿?」
「えっ??」
お店と住宅を間仕切るドア(引き戸)が開く音がして全員がそちらを見れば、複雑な表情をした忍田が頭の上に菫梟を、更にその腕の中に居る子を見て老婦ですら驚きを見せた。…そこに居たのは灰色のスクワーレル姿の兎(ポーランドロップイヤーで恐らくまだ子ども)、その子を遠目で見た佐鳥は光の影響か毛並みや瞳に色を感じ、それが柚紀を表している様に見えたのだ。そんな中、忍田の腕の中から抜け出した碧兎が未だに閉められたままの襖に向かって鳴きながら頻りに触るのを見て"中に入りたい"と察した忍田が開けてあげる。その最中菫梟が碧兎の背中に移動し、隙間が出来れば茶室に侵入してしまう。その二匹を見て一番最初に反応を示したのは時枝だった
「っ!?駄目だ!!"君まで"傷つくのは、おれはっ!!「(ガシッ!)…大丈夫だよ、とっきー。あの主は二匹に手出し出来ない、……出来る訳がないんだよ」佐鳥っ?!…………(スゥ…ハァ~)何で…そう言い切れるのさ?」
「分かるよ、だってほら……」
‐ ……パサッ……ホゥ、ホゥホゥ………ピッ! ‐
‐ ………ピィー!!ピィー!! ‐
「そう、佐鳥くんの言う通り。……あの主は確かに獰猛で、同居人である彼は柚紀ちゃんの側から離れれない。でもね、…"もう一羽"居るんだよあの部屋には。ただ彼は滅多に動かない、でもね争いを好まない優しい子だよ?そして何より……あの子(菫梟)が危なくなれば必ず動くんだよ。例え違う種であれが大人の姿でも、彼にとっては……自分より小さな同胞…雛に思えてしまう」
「あの時、羽音がしたんだ。でもそれは主のモノじゃなかった。……多分危険を報せるためにわざと立てた音、それでオレは分かった。……【少なくても主以外にもう一羽居る】ってね!後はあのミニ梟がおつるちゃんなら、……柚紀ちゃんに似たあの兎を危険な目に遭わせたりしない。兎だって背中に乗られても嫌そうにしてないから、…仲が良い筈だ。つまり、万が一今みたいに主があの兎に気づいても大丈夫な理由があるって事!?まぁ、……直感だったけどね」
老婦と佐鳥は何を言っているかと言うと、……主である鷲は直ぐに碧兎達に気づいて鋭い鈎爪で襲おうとした。が、もう一羽の居候、……鷲と体格差のない梟が割り込み二羽を庇ったのだ。因みに碧兎は恐怖のあまりに固まってしまっていた。その硬直状態や緊張感漂う雰囲気のせいで『うっ、ん~』と柚紀が辛そうな呻き声を発しているのに気づいた言実は、指で輪を作り口許に宛がうと
‐ ピイィーーー…… ‐
‐ ………………バサッ……ピィー!…ピィー ‐
『……腹が空いているなら食事をして参れ、アレが散歩に出ないからお主も我慢していたのだろう?…お前も、その子を忍田さんに任せて散歩に行け。……自分が以前助けた者なら信頼に値するだろ?…心配するな、二人は継母に危害を加える者達に非ず、もしそうであっても………私が居れば問題なかろう?お主等が帰るまでは…私が此処を護ろう、だから……行ってこい』
‐ ……ピィーー!!…バサッ ‐
‐ …………ガゥ…ガウガウ(スクッ…スタスタスタ) ‐
指笛に反応した主が言実の腕に留まるがトリオン体なのと、ジャケットを着用しているので皮膚に鈎爪が食い込む姿を見ずに済んだ。そして玄犬共々言い聞かせる最中、忍田に目配りをすれば横になっている柚紀の側に行かせ、更に佐鳥・時枝の身の潔白を自ら存在理由も含めて二匹を納得させる事に成功したらしく、お店から外に出ていった。途中で玄犬が恭犬と勇犬を一瞥したが二匹共首を降る仕草をした。……恐らく散歩に誘ったが二匹が断ったのだろう、理由は…不明だが
「ん?ん~……つまりは漏れ出しているトリオンが柚紀ちゃんを守る、こう…"バリアー"的な役割をしているのは分かるけど………おつるちゃんが彼女に触れられないのはどうして?ってかアレのせいで中にも入れない気が……」
「言実さんは"主の存在"に気づいていた、つまりは顔見知りって訳だよ。…此処の動物達は皆賢い子ばかり、……なら"彼も"言実さんを知っているだろうし、もし知らなくてもトリオン体でなら幾らでも対処できる筈だ。…さっき二人を守った様にね、だけど……トリオン体だからこそ"今の鶴ヶ峰さんには"安易に触れるのは危険だ。……ゲートの一件で倒れた彼女に触れる事をおれ達は厳禁食らっている。…現状は恐らく、【あの時と同じだ】」
「!!?……そんなっ!!(ギュッ!)」
‐ …………クゥ~ン ‐
状況を把握した佐鳥は驚愕の表情を露にして、未だに眠っている(?)柚紀を見て悔しさが溢れだし両手を強く握り締めてしまう。そして時枝は柚紀から目をそらし思わず俯いてしまう。…自分達が少女の為に何もしてあげれない無力さに打ちのめされ、そんな自分が嫌になってしまったから。そんな心情を察した動物達が二人を慰めるかの様に近づき、寄り添って来てくれたのを見て「大丈夫だよ、心配してくれて有り難う」……そんな気持ちを込めて各々を撫でていると
‐ ………ガラッ ‐
「…バイク音がしたのと慶に似たあの犬が駆け出してもしかしてと思ったが、……やはり来ていたか言実くんも。私も直ぐに来ようと思ったのだが、道が分からなかったのと………とある"いざこざ"に巻き込まれてしまってね」
「あら、忍田くんまで来ちゃったわね。…お客人を長時間放置してしまって御免なさいね、所で……その子(菫梟)が居れば迷わないと思うけどどうして…(……ブィ)…!……あらあらまぁまぁ、…今日は本当に珍しい事や嬉しいことばかり起きる日だわ。……お前が部屋から出てくる何て、それも…一匹で、ね」
「!!本部長?!どうして…それとその腕に抱き抱えているその子は………」
「……兎?(…よく見えないけど毛並みや瞳が……"緑っぽい?"あれはまるで……)…(ポツリ)柚紀、ちゃんを例えた姿?」
「えっ??」
お店と住宅を間仕切るドア(引き戸)が開く音がして全員がそちらを見れば、複雑な表情をした忍田が頭の上に菫梟を、更にその腕の中に居る子を見て老婦ですら驚きを見せた。…そこに居たのは灰色のスクワーレル姿の兎(ポーランドロップイヤーで恐らくまだ子ども)、その子を遠目で見た佐鳥は光の影響か毛並みや瞳に色を感じ、それが柚紀を表している様に見えたのだ。そんな中、忍田の腕の中から抜け出した碧兎が未だに閉められたままの襖に向かって鳴きながら頻りに触るのを見て"中に入りたい"と察した忍田が開けてあげる。その最中菫梟が碧兎の背中に移動し、隙間が出来れば茶室に侵入してしまう。その二匹を見て一番最初に反応を示したのは時枝だった
「っ!?駄目だ!!"君まで"傷つくのは、おれはっ!!「(ガシッ!)…大丈夫だよ、とっきー。あの主は二匹に手出し出来ない、……出来る訳がないんだよ」佐鳥っ?!…………(スゥ…ハァ~)何で…そう言い切れるのさ?」
「分かるよ、だってほら……」
‐ ……パサッ……ホゥ、ホゥホゥ………ピッ! ‐
‐ ………ピィー!!ピィー!! ‐
「そう、佐鳥くんの言う通り。……あの主は確かに獰猛で、同居人である彼は柚紀ちゃんの側から離れれない。でもね、…"もう一羽"居るんだよあの部屋には。ただ彼は滅多に動かない、でもね争いを好まない優しい子だよ?そして何より……あの子(菫梟)が危なくなれば必ず動くんだよ。例え違う種であれが大人の姿でも、彼にとっては……自分より小さな同胞…雛に思えてしまう」
「あの時、羽音がしたんだ。でもそれは主のモノじゃなかった。……多分危険を報せるためにわざと立てた音、それでオレは分かった。……【少なくても主以外にもう一羽居る】ってね!後はあのミニ梟がおつるちゃんなら、……柚紀ちゃんに似たあの兎を危険な目に遭わせたりしない。兎だって背中に乗られても嫌そうにしてないから、…仲が良い筈だ。つまり、万が一今みたいに主があの兎に気づいても大丈夫な理由があるって事!?まぁ、……直感だったけどね」
老婦と佐鳥は何を言っているかと言うと、……主である鷲は直ぐに碧兎達に気づいて鋭い鈎爪で襲おうとした。が、もう一羽の居候、……鷲と体格差のない梟が割り込み二羽を庇ったのだ。因みに碧兎は恐怖のあまりに固まってしまっていた。その硬直状態や緊張感漂う雰囲気のせいで『うっ、ん~』と柚紀が辛そうな呻き声を発しているのに気づいた言実は、指で輪を作り口許に宛がうと
‐ ピイィーーー…… ‐
‐ ………………バサッ……ピィー!…ピィー ‐
『……腹が空いているなら食事をして参れ、アレが散歩に出ないからお主も我慢していたのだろう?…お前も、その子を忍田さんに任せて散歩に行け。……自分が以前助けた者なら信頼に値するだろ?…心配するな、二人は継母に危害を加える者達に非ず、もしそうであっても………私が居れば問題なかろう?お主等が帰るまでは…私が此処を護ろう、だから……行ってこい』
‐ ……ピィーー!!…バサッ ‐
‐ …………ガゥ…ガウガウ(スクッ…スタスタスタ) ‐
指笛に反応した主が言実の腕に留まるがトリオン体なのと、ジャケットを着用しているので皮膚に鈎爪が食い込む姿を見ずに済んだ。そして玄犬共々言い聞かせる最中、忍田に目配りをすれば横になっている柚紀の側に行かせ、更に佐鳥・時枝の身の潔白を自ら存在理由も含めて二匹を納得させる事に成功したらしく、お店から外に出ていった。途中で玄犬が恭犬と勇犬を一瞥したが二匹共首を降る仕草をした。……恐らく散歩に誘ったが二匹が断ったのだろう、理由は…不明だが