対峙の舞踊
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「えっと、(キョロキョロ)あ!このサンダルお借りしますね?!っしょ……何でおつるちゃんがお店に?それもバイクに……トリオン体の姿??」
『昨日話した気がするが、……私はある程度距離が離れていても柚紀の異変だけはどういう訳か探知出来る様になっておる。だから様子を見に来た。バイクは明日以降一人で動く際の足に、コレ(トリオン体)は………最短距離を行くなら警戒区域を縦断した方が手早かったからに過ぎぬ。…柚紀ならそこの茶室におるが、……私が戻るまで襖を開けるなよ?それと、静かにする事。……良いな?』
「(静かに?)……分かりました」
室外になるので置いてあったサンダルを拝借して店内に足を踏み入れ、二人に近づきながら先ずは佐鳥が言実に話し掛ける。質問を返した言実は柚紀の居場所と注意点を告げればバイクを起こす為に一度外に出る。老婦は引き続き書き物を続けており、言実が外に出た瞬間に太刀川犬が猛アタックしてくるが完全にスルー。それらを横目で見ていた時枝は先程まで言実が片付けたら後に残っている"水を溢した形跡"に"うっすらと赤が混じっている気がして"屈んでよく観察をする。そして……人は"見るな"と言われたら逆に気にしてしまうもので…
「(ソロリソロリ)(…少し位なら、大丈夫だよね?ただ姿を確認するだけ、だし)(スススッ)(小声)お邪魔しま~……!!…(バッ!!)柚紀ちゃんっ?!(キャンキャン!)あ、おい近づいたら駄目だよっ!?」
「!!佐鳥の馬鹿っ!!言実さんが駄目って言ったのに何勝手に……!…鶴ヶ峰さんっ?!(ミャ~!)っ!…君も近づいたら駄目だ!」
「佐鳥くんお止めなさい!!今茶室に上がるのはいけない!!…今"あの子達"に刺激を与えたらっ!……お止めっ!?その子達は彼女の敵じゃありませんっ?!!」
「(あの子達?…敵?)先生、あの茶室に一体何が……(ピィーー!!)…鳥の鳴き声??…!!離れろ佐鳥っ?!お前もだが、"子犬が狙われる"っ!!!」
「えっ?!(パサッ)羽ばたく音?…っ!!(ギュッ!)」
少しだけの出来心で襖を少しだけ開いて中を見た佐鳥は、……思わず声を上げて襖を全開にしてしまう。四帖半程できちんとした床の間もある茶室、一方は窓があり、残り二方向は襖で仕切られた室内で…柚紀は黒い大きなクッションらしいモノに頭を乗せ横になっていた。上だけ紺色の甚平に着替えた状態で、顔色は遠目からでも優れないのが分かり更には片手の指先には絆創膏が貼られており……よく見ると赤く滲んでいるのだった
茶室に土足で上がろうとする佐鳥だったが、小柴を捕まえる為に膝は付くが足は畳に付いていない、だが敷居を跨いでしまっている。時枝も近づこうとしたが側に行こうとする子トラの対応、そして老婦の慌てて発した意味深な物言いに鳥の鳴き声を聞いて"何か狂暴そうな鳥が居る"そう察すると、生身の佐鳥もだが小柴が"標的"…"餌"と認識される可能性に気づき退避を促すが、佐鳥本人が気づいた時は既に"何かがこちらに翔んできている状況"で、反射的に小柴を守ろうと身を固くしてしまう。そんな中
‐ キィィン……ガキンッ!!…ピィーー!? ‐
『退け佐鳥っ!?それ以上"部屋の主"を刺激するなっ!!下手をすれば柚紀の身が危うくなる!!』
「シールド?っておつるちゃん?!一体どうなって「説明より退避が先!!早く佐鳥!?」っ!?(チラッ)…了解」
間一髪の所で言実がシールドを展開し、"何者かの攻撃"を防ぐ。相手が怯んだ隙に言実と時枝に退避を促され、後ろ髪を引く思いで茶室を離れて再度見れば……襲ってきた"部屋の主"が明らかになる
‐ ピィーー!!ピィーー!! ‐
「…鷲?!いや、梟が居たし他の鳥が居ても不思議じゃないけど……お婆ちゃん先生、柚紀ちゃんは襲われたりしない?」
「……今の所は問題ないわ、彼が彼女の側に居るから。…(ナデナデ)小さな子達にはお店に来ないように躾てあるのよ。…(ナデ)"あの獰猛な主"が傷つけないとも限らないし、もしもがあっても"同居人"である彼がそれを許さない。でも今は…」
『……継母に柚紀の精神鑑定を私が依頼した、学校に提出して"どの程度なのか"を把握して貰う為にな。順調に事を終える筈が、…"ただの何気無い一言"がこの子を揺るがせた。それによって生じた動揺で持っていたガラスのコップを落とし、慌てて素手で拾おうとして指を怪我し……血を見て貧血を起こした。…辛い思い出を話せば誰もが負担を感じ、緊張感から解放されれば気を抜くし、ふとしたきっかけで再発してしまう…"トラウマ"とはそう言うモノだ』
「彼とは?(……グルッ)…あの大きなクッションかと思っていたのは……大きな犬でしたか。そして床に残る赤い水の正体は鶴ヶ峰さんの血。…血の臭いは闘争本能を刺激します、例えあの犬が側に居ても………本能に負けて彼女を襲わない可能性は、あるのでは?」
両翼を広げて完全にこちらを威嚇警戒する大きな鷲、それに畏縮してしまい大人しくなってしまった小柴と…佐鳥の頭を撫でながら話す老婦と、診断書と床に溢した水の痕を一瞥してこうなった経緯を話す言実。そして"獰猛な主"から柚紀を守っているであろう"同居人"の正体が真っ黒い犬(ニューファンドランドの成犬)である事と、指の怪我が本能を刺激しないかを危惧する時枝。……ボーダー隊員を各々一瞥した後に言実が再び口を開く。因みに恭犬は椅子の上に降ろした小柴に対してお説教している風に見え、勇犬もまた同じく椅子の上に降ろされた子トラに何かを訴える仕草をしておる、二匹とも反省していた
『昨日話した気がするが、……私はある程度距離が離れていても柚紀の異変だけはどういう訳か探知出来る様になっておる。だから様子を見に来た。バイクは明日以降一人で動く際の足に、コレ(トリオン体)は………最短距離を行くなら警戒区域を縦断した方が手早かったからに過ぎぬ。…柚紀ならそこの茶室におるが、……私が戻るまで襖を開けるなよ?それと、静かにする事。……良いな?』
「(静かに?)……分かりました」
室外になるので置いてあったサンダルを拝借して店内に足を踏み入れ、二人に近づきながら先ずは佐鳥が言実に話し掛ける。質問を返した言実は柚紀の居場所と注意点を告げればバイクを起こす為に一度外に出る。老婦は引き続き書き物を続けており、言実が外に出た瞬間に太刀川犬が猛アタックしてくるが完全にスルー。それらを横目で見ていた時枝は先程まで言実が片付けたら後に残っている"水を溢した形跡"に"うっすらと赤が混じっている気がして"屈んでよく観察をする。そして……人は"見るな"と言われたら逆に気にしてしまうもので…
「(ソロリソロリ)(…少し位なら、大丈夫だよね?ただ姿を確認するだけ、だし)(スススッ)(小声)お邪魔しま~……!!…(バッ!!)柚紀ちゃんっ?!(キャンキャン!)あ、おい近づいたら駄目だよっ!?」
「!!佐鳥の馬鹿っ!!言実さんが駄目って言ったのに何勝手に……!…鶴ヶ峰さんっ?!(ミャ~!)っ!…君も近づいたら駄目だ!」
「佐鳥くんお止めなさい!!今茶室に上がるのはいけない!!…今"あの子達"に刺激を与えたらっ!……お止めっ!?その子達は彼女の敵じゃありませんっ?!!」
「(あの子達?…敵?)先生、あの茶室に一体何が……(ピィーー!!)…鳥の鳴き声??…!!離れろ佐鳥っ?!お前もだが、"子犬が狙われる"っ!!!」
「えっ?!(パサッ)羽ばたく音?…っ!!(ギュッ!)」
少しだけの出来心で襖を少しだけ開いて中を見た佐鳥は、……思わず声を上げて襖を全開にしてしまう。四帖半程できちんとした床の間もある茶室、一方は窓があり、残り二方向は襖で仕切られた室内で…柚紀は黒い大きなクッションらしいモノに頭を乗せ横になっていた。上だけ紺色の甚平に着替えた状態で、顔色は遠目からでも優れないのが分かり更には片手の指先には絆創膏が貼られており……よく見ると赤く滲んでいるのだった
茶室に土足で上がろうとする佐鳥だったが、小柴を捕まえる為に膝は付くが足は畳に付いていない、だが敷居を跨いでしまっている。時枝も近づこうとしたが側に行こうとする子トラの対応、そして老婦の慌てて発した意味深な物言いに鳥の鳴き声を聞いて"何か狂暴そうな鳥が居る"そう察すると、生身の佐鳥もだが小柴が"標的"…"餌"と認識される可能性に気づき退避を促すが、佐鳥本人が気づいた時は既に"何かがこちらに翔んできている状況"で、反射的に小柴を守ろうと身を固くしてしまう。そんな中
‐ キィィン……ガキンッ!!…ピィーー!? ‐
『退け佐鳥っ!?それ以上"部屋の主"を刺激するなっ!!下手をすれば柚紀の身が危うくなる!!』
「シールド?っておつるちゃん?!一体どうなって「説明より退避が先!!早く佐鳥!?」っ!?(チラッ)…了解」
間一髪の所で言実がシールドを展開し、"何者かの攻撃"を防ぐ。相手が怯んだ隙に言実と時枝に退避を促され、後ろ髪を引く思いで茶室を離れて再度見れば……襲ってきた"部屋の主"が明らかになる
‐ ピィーー!!ピィーー!! ‐
「…鷲?!いや、梟が居たし他の鳥が居ても不思議じゃないけど……お婆ちゃん先生、柚紀ちゃんは襲われたりしない?」
「……今の所は問題ないわ、彼が彼女の側に居るから。…(ナデナデ)小さな子達にはお店に来ないように躾てあるのよ。…(ナデ)"あの獰猛な主"が傷つけないとも限らないし、もしもがあっても"同居人"である彼がそれを許さない。でも今は…」
『……継母に柚紀の精神鑑定を私が依頼した、学校に提出して"どの程度なのか"を把握して貰う為にな。順調に事を終える筈が、…"ただの何気無い一言"がこの子を揺るがせた。それによって生じた動揺で持っていたガラスのコップを落とし、慌てて素手で拾おうとして指を怪我し……血を見て貧血を起こした。…辛い思い出を話せば誰もが負担を感じ、緊張感から解放されれば気を抜くし、ふとしたきっかけで再発してしまう…"トラウマ"とはそう言うモノだ』
「彼とは?(……グルッ)…あの大きなクッションかと思っていたのは……大きな犬でしたか。そして床に残る赤い水の正体は鶴ヶ峰さんの血。…血の臭いは闘争本能を刺激します、例えあの犬が側に居ても………本能に負けて彼女を襲わない可能性は、あるのでは?」
両翼を広げて完全にこちらを威嚇警戒する大きな鷲、それに畏縮してしまい大人しくなってしまった小柴と…佐鳥の頭を撫でながら話す老婦と、診断書と床に溢した水の痕を一瞥してこうなった経緯を話す言実。そして"獰猛な主"から柚紀を守っているであろう"同居人"の正体が真っ黒い犬(ニューファンドランドの成犬)である事と、指の怪我が本能を刺激しないかを危惧する時枝。……ボーダー隊員を各々一瞥した後に言実が再び口を開く。因みに恭犬は椅子の上に降ろした小柴に対してお説教している風に見え、勇犬もまた同じく椅子の上に降ろされた子トラに何かを訴える仕草をしておる、二匹とも反省していた