ふれあいの舞踊
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老婦と二人に遅れて庭を歩く柚紀と忍田、縁側がずっと続いており、換気の為かガラス障子が何処も開け放たれており、出入りする場所が分からなくてとりあえず歩いていると、二人が縁側に座っている姿が見えて近づくと
‐ …キャンキャン! ‐
‐ ………ニャ~ ‐
『?………あ、犬と…猫も居たんだ!!ん~、サイズ的に子犬子猫かな?可愛いー!?それにしても、……(クスッ)見事に懐かれているね二人とも』
「あ!二人ともやっと来た~!!そう言う柚紀ちゃんだってあの茶色い子に懐かれてたよね?ってか動物は平気なの??あ!(ヒョイ)…はーい、お前も二人にご挨拶しろよ~」
‐ キャン! ‐
『うん大丈夫だけど……飼った事はないな。(ナデナデ)最後まで責任が持てないって理由もあったけど、…苦手な人が居たから。よいしょっと………時枝くんは家で猫を飼っているだけあって手慣れているね、…猫って懐きづらいよね確か?』
「その筈なんだけど、すんなり近づいてきたからちょっと吃驚かな。……君も彼女に挨拶する?」
‐ ミャ~ ‐
佐鳥に先程の迅犬より濃い茶色の毛並みをした小柄な犬(柴犬の子ども)がじゃれついており柚紀に挨拶をさせる為に持ち上げて見せ、軽く撫でた後ほぼ無意識に二人の間に腰を降ろして靴を脱ぎ、今度は時枝に懐いている赤い首輪をした茶色の縞模様の猫(茶トラの子猫)を珍しそうに見ていると自ら柚紀に近寄りすり寄ってきたので背中を撫でてやる。すると小柴も寄って来ると"構って構って"と言っているかの様に尻尾を振り元気に鳴くのを見て、とりあえず柚紀は撫でてやると大人しくなったのであった。因みに子トラはその隙に柚紀の膝に乗って丸くなっていた。……中々あざとい猫である
そんな中、忍田が横をすり抜け室内に入ると、老婦がお茶と茶菓子を用意して近づいてくると忍田に濡れタオルを渡し二匹が柚紀に懐いているのを見て微笑ましく見つめていた
「あらあらまぁまぁ、その子達もかい。佐鳥くんや時枝くんもだけど、……柚紀ちゃんは特別優しい子みたいだねぇ。動物は相手がどんな人かを本能的に見抜くもの、…茶色の彼は特に警戒心が強い子だから、その子があんな感じなら………子どもなこの子達が懐くのは当たり前かしら(ウフフ)」
『………優しい、のかな?特に気にした事ない…です。よく言われはしますが、……特別な事してません、…ただ私が思ったことをします。でも私が嫌だと思うことはしない、ただ………それだけ、です』
‐ ………クゥ~ン ‐
‐ ………ミィ~ ‐
「「…………」」
老婦の言葉が嬉しくない訳でない柚紀たが、素直に受け入れられない。例え人が良さそうな人であっても、……父親や言実が世話になった人なら大丈夫なのは分かってはいるのだ。だが、柚紀は初対面でどんな人がを理解できていないから、警戒心が消えなくそんな自分が嫌で表情に影が落ちる。そんな中、小柴と子トラが心配そうに鳴いて慰めるかの様にすり寄り、二人も柚紀を心配そうに見つめていた。そして、テーブルにトレイを置いた老婦は柚紀を手招きして近くに呼び寄せると頭を優しく撫で始めた
「(ナデ)………やっぱり静樹くんの娘さんであり言実ちゃんの姪…かしらね~?(ナデ)……言実ちゃんもね、最初はあたし達が言うことを素直に聞く子じゃなかったの(ナデ)…何に対しても警戒もされて疑念を抱いてしまっていた(ナデ)………彼女が体験した事を考慮すれば仕方ない事だけど(ナデ)……"だから"あたしに柚紀ちゃんを会わせようとあの子は考えた(ナデ)経緯は違えど(トン)…貴女もまた"心の傷"を持つ子、みたいだからね」
「「!??(バッッ!?)」」
「(ガシッ!…ポン!)大丈夫だ二人とも、……先生は静樹さんが医学生時代からお世話になっている方だ。…精神科、所謂"心の病のスペシャリスト"なのだよ。そして亡くなられたご亭主は獣医師にしてアニマルセラピストでもあった。……恐らく今でも"その方面で"ご活躍されている筈だ。…ご亭主を連想させてしまう犬や猫を今でも飼われているのが何よりの証拠さ」
『(……だから言実さんはお婆ちゃんを育ての親と言ったんだ、だって…)……言実さんが感情を失わなかったのはお婆ちゃん達のお陰だったんですね、…私にはお祖父ちゃんもお祖母ちゃんも居ない。聞いたから、……【私が生まれるよりずっと昔に両親とも車による交通事故で亡くした】って』
老婦は言実と初めて会った頃を思い出しながら語り、柚紀達が此処を訪問する事になった理由を胸元を指差しながらズバリ指摘する。"この手"の内容を指摘された時は必ず柚紀が"不安定になる"のを知っている二人が思わず動こうとしたが、忍田に然り気無く防がれてしまう。佐鳥は腕を掴まれて行動を阻害し、更に時枝の肩に手を置いている状態だ。【老婦に柚紀を任せても大丈夫な理由やこの家に居る犬達の行動原理】を語り、それとは別に言実が今までどんな苦悩を送ってきたかを知る柚紀は納得したのだ
‐ 自分が父親を亡くした時より、ずっと幼い時に両親を一度に喪してしまった言実が、"表情は"犠牲になってしまったにしても、……ちゃんと今を生きて、活きる事が出来たのはお婆ちゃん達が居たからだと ‐