出会いの舞踊
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「「!!!」」
『あ、あの……お婆ちゃん、…お父さんや言実さんと、どうして関わりを持ったのですか?だって"あの里"は………』
「おや、"あの里"と言うことは…"貴女も"何だね?まぁ、それらの事を語ると長くなりますからね~、立ち話は流石にこの歳になると堪えますから……御上がりなさいな。因みにそちらの玄関は戸の立て付けが悪くて開かないんだよ。(クルッ)少し行儀が悪いかも知れませんが、こちらの縁側からどうぞ~」
柚紀が妙な言い方をしたのを三人が指摘する前に、老婦は理由を知っているらしく話題を一時中断して、移動を開始する。……言実が言っていた【三人が知らない柚紀を含めた鶴ヶ峰家関連の事】と察した佐鳥は、考えるのを放棄して老婦の後をついていく
「はーい!おっ邪魔しまーす!!あ、呼び方お婆ちゃん先生でも良いですか??それと、……オレは佐鳥賢と言います!!で、こっちの"優しい奴"が時枝充です!!?」
「おやまぁ、佐鳥くんは元気な子だねぇ~。それに君も優しい子なのはあたしにも分かりますよ?……時枝くんも、"余計なお節介"とか思っちゃイカンよ?…貴方は少し恥ずかしがり屋さんみたいだからね~」
「……佐鳥とは付き合いが長いですから、…先生がおっしゃられなくても、分かっています。コイツの性格はどんなのか位」
忍田そして柚紀を一瞥後に佐鳥に続くように時枝も後を追う。それに二人も続こうとするが、犬達が寂しそうに見上げてくる。それを見て互いに困った表情をするが、柚紀が屈んで二匹の目線と高さが合う位にして話し掛ける
『…ごめんね、私達は君達のご主人……お世話してくれるあの人にお話したいことあるから行かないと(ナデナデ…ナデナデ)…大丈夫、今日が最後じゃない。……また何度も遊びに来るから、ね?(ナデ……ナデ)』
‐ ………… ‐
‐ ………… ‐
柚紀の言葉が通じたのか二匹は最初の所定位置に戻ると不貞寝するかの様に、寝転ぶのを見て(何だろう?…誰かに似ている気がする)と思う柚紀だが、具体的に誰なのかが分からず小さくため息をついていると忍田が何やら複雑な表情を浮かべながら頭を撫でてくる
『???あ、あの忍田さん。…どうして頭を?』
「(ナデ)自覚が無かったみたいだが、……あの子達に話し掛けていた君の表情が、…寂しそうに見えた。(ナデ)静樹さんと柚紀くん自身の事を……重ねたのでは、ないのかい?」
『!??…………(ギュッ)…違うとは、言えません。だって、……アレが、あの日がお父さんに会える最後の日何て……分からなかった!…私と交わした約束はもう、叶わないけど……嫌だから、例えヒトでなくても…寂しい思いを、あんな思いを、させるのはっ!!』
「柚紀くん、君は…(……私は、何を言ってやれば良いんだ?"子ども扱い"をして甘やかせてやるのが一番なのだろうが、…時枝や米屋が言っていた"無理をするのは良くない"と。………こうやって迷っている今の状況では、彼女の心に私の言葉は…届かない)」
忍田に指摘された事により、父親が居ない寂しさや居なくなってしまった時の悲しみが呼び起こされてしまい泣きそうな表情をする柚紀を見て、忍田は自らの軽率な発言を後悔した。……大人ですら大切な人を亡くせば深い悲しみに包まれるのに、実年齢より大人びていたり言実並の洞察力等を発揮とは言え柚紀はまだ中学生。…例え月日が流れようとも大切な人の死を乗り越えるのは難しいのだから。それがたった一人の父親なら尚更だ。……そんな自分が柚紀に何をしてやれるかと悩む忍田の替わりに動いたのは
‐ ……クゥ~ン(スリスリ) ‐
『!!……(スッ…ナデナデ)…君は優しいね、私を心配してくれているの?(この毛並みの茶色と、よく見れば青い瞳に首輪の青。…この感じは)……そっか、誰かに似ていると感じていたけど、…君は迅さんに似ているんだ。それで…(ノシッ)………うん、私にのしかかってきた君は…太刀川さん、だっ。お、…重いっ!!』
「あ、柚紀くん?!コラ!!彼女から離れなさい!!」
寝た筈の犬達が再び立ち上がり、茶色い子…迅に似た犬(略して迅犬)が鳴きながらすり寄って来たのに気づいた柚紀がまた屈んで頭を撫でてやっていると、黒い方の態度がふてぶてしく忍田に懐いている点から太刀川を連想させる犬(太刀川犬)に背中から覆い被さられ潰れそうなのを見て、忍田が慌てて背中から引き離す。因みに太刀川犬も毛の色と同化しているが黒い首輪をしている。そして少し距離を置いた場所に降ろされると、老婦と二人が歩いて行った方へ顔を振り"さっさと行け"的な態度を取りまた寝てしまうのだった。…少しムカッとした柚紀だが、確かに待たせるのは良くないと考えを改めると迅犬の体を最後に一撫ですれば立ち上がり、その表情にはもう悲しみや寂しさは無かった
『…行きましょうか忍田さん、お婆ちゃんや二人をあまり待たせるのは良くないですから。……と、言うより遅いと二人が戻ってきそうですし。それに………君に心配かけてちゃ駄目だよね。……大丈夫だよ、君に彼が居るように今の私は…(一人じゃない……あの二人が、居てくれるから)……それじゃあ、またね(ヒラヒラ)』
今度は優しい微笑みを浮かべながら別れの挨拶を告げると、後ろを振り向かず歩き出す柚紀。それに対して一吠えすると、太刀川犬の側に戻り今度こそ寝る迅犬。……これら一連の流れを無言で傍観した後、柚紀に続いて歩き出した忍田は思い知らされたのだった。……柚紀の強さの一端を
「(…君は"自分の為"でなく"誰かの為に"強くあろうとする、優しくあろうとする。それは駄目な事ではない、だが……君は"君自身を守る事"を知らなければならない。大切に思ってくれている人の為にも、それに気づけるかは………)(ボソッ)あの二人の頑張り次第、だな」
『あ、あの……お婆ちゃん、…お父さんや言実さんと、どうして関わりを持ったのですか?だって"あの里"は………』
「おや、"あの里"と言うことは…"貴女も"何だね?まぁ、それらの事を語ると長くなりますからね~、立ち話は流石にこの歳になると堪えますから……御上がりなさいな。因みにそちらの玄関は戸の立て付けが悪くて開かないんだよ。(クルッ)少し行儀が悪いかも知れませんが、こちらの縁側からどうぞ~」
柚紀が妙な言い方をしたのを三人が指摘する前に、老婦は理由を知っているらしく話題を一時中断して、移動を開始する。……言実が言っていた【三人が知らない柚紀を含めた鶴ヶ峰家関連の事】と察した佐鳥は、考えるのを放棄して老婦の後をついていく
「はーい!おっ邪魔しまーす!!あ、呼び方お婆ちゃん先生でも良いですか??それと、……オレは佐鳥賢と言います!!で、こっちの"優しい奴"が時枝充です!!?」
「おやまぁ、佐鳥くんは元気な子だねぇ~。それに君も優しい子なのはあたしにも分かりますよ?……時枝くんも、"余計なお節介"とか思っちゃイカンよ?…貴方は少し恥ずかしがり屋さんみたいだからね~」
「……佐鳥とは付き合いが長いですから、…先生がおっしゃられなくても、分かっています。コイツの性格はどんなのか位」
忍田そして柚紀を一瞥後に佐鳥に続くように時枝も後を追う。それに二人も続こうとするが、犬達が寂しそうに見上げてくる。それを見て互いに困った表情をするが、柚紀が屈んで二匹の目線と高さが合う位にして話し掛ける
『…ごめんね、私達は君達のご主人……お世話してくれるあの人にお話したいことあるから行かないと(ナデナデ…ナデナデ)…大丈夫、今日が最後じゃない。……また何度も遊びに来るから、ね?(ナデ……ナデ)』
‐ ………… ‐
‐ ………… ‐
柚紀の言葉が通じたのか二匹は最初の所定位置に戻ると不貞寝するかの様に、寝転ぶのを見て(何だろう?…誰かに似ている気がする)と思う柚紀だが、具体的に誰なのかが分からず小さくため息をついていると忍田が何やら複雑な表情を浮かべながら頭を撫でてくる
『???あ、あの忍田さん。…どうして頭を?』
「(ナデ)自覚が無かったみたいだが、……あの子達に話し掛けていた君の表情が、…寂しそうに見えた。(ナデ)静樹さんと柚紀くん自身の事を……重ねたのでは、ないのかい?」
『!??…………(ギュッ)…違うとは、言えません。だって、……アレが、あの日がお父さんに会える最後の日何て……分からなかった!…私と交わした約束はもう、叶わないけど……嫌だから、例えヒトでなくても…寂しい思いを、あんな思いを、させるのはっ!!』
「柚紀くん、君は…(……私は、何を言ってやれば良いんだ?"子ども扱い"をして甘やかせてやるのが一番なのだろうが、…時枝や米屋が言っていた"無理をするのは良くない"と。………こうやって迷っている今の状況では、彼女の心に私の言葉は…届かない)」
忍田に指摘された事により、父親が居ない寂しさや居なくなってしまった時の悲しみが呼び起こされてしまい泣きそうな表情をする柚紀を見て、忍田は自らの軽率な発言を後悔した。……大人ですら大切な人を亡くせば深い悲しみに包まれるのに、実年齢より大人びていたり言実並の洞察力等を発揮とは言え柚紀はまだ中学生。…例え月日が流れようとも大切な人の死を乗り越えるのは難しいのだから。それがたった一人の父親なら尚更だ。……そんな自分が柚紀に何をしてやれるかと悩む忍田の替わりに動いたのは
‐ ……クゥ~ン(スリスリ) ‐
『!!……(スッ…ナデナデ)…君は優しいね、私を心配してくれているの?(この毛並みの茶色と、よく見れば青い瞳に首輪の青。…この感じは)……そっか、誰かに似ていると感じていたけど、…君は迅さんに似ているんだ。それで…(ノシッ)………うん、私にのしかかってきた君は…太刀川さん、だっ。お、…重いっ!!』
「あ、柚紀くん?!コラ!!彼女から離れなさい!!」
寝た筈の犬達が再び立ち上がり、茶色い子…迅に似た犬(略して迅犬)が鳴きながらすり寄って来たのに気づいた柚紀がまた屈んで頭を撫でてやっていると、黒い方の態度がふてぶてしく忍田に懐いている点から太刀川を連想させる犬(太刀川犬)に背中から覆い被さられ潰れそうなのを見て、忍田が慌てて背中から引き離す。因みに太刀川犬も毛の色と同化しているが黒い首輪をしている。そして少し距離を置いた場所に降ろされると、老婦と二人が歩いて行った方へ顔を振り"さっさと行け"的な態度を取りまた寝てしまうのだった。…少しムカッとした柚紀だが、確かに待たせるのは良くないと考えを改めると迅犬の体を最後に一撫ですれば立ち上がり、その表情にはもう悲しみや寂しさは無かった
『…行きましょうか忍田さん、お婆ちゃんや二人をあまり待たせるのは良くないですから。……と、言うより遅いと二人が戻ってきそうですし。それに………君に心配かけてちゃ駄目だよね。……大丈夫だよ、君に彼が居るように今の私は…(一人じゃない……あの二人が、居てくれるから)……それじゃあ、またね(ヒラヒラ)』
今度は優しい微笑みを浮かべながら別れの挨拶を告げると、後ろを振り向かず歩き出す柚紀。それに対して一吠えすると、太刀川犬の側に戻り今度こそ寝る迅犬。……これら一連の流れを無言で傍観した後、柚紀に続いて歩き出した忍田は思い知らされたのだった。……柚紀の強さの一端を
「(…君は"自分の為"でなく"誰かの為に"強くあろうとする、優しくあろうとする。それは駄目な事ではない、だが……君は"君自身を守る事"を知らなければならない。大切に思ってくれている人の為にも、それに気づけるかは………)(ボソッ)あの二人の頑張り次第、だな」