晩夏の陽炎
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「フギャッ??!あっ!?こ、コラッ!!わ、私の眼鏡をか、返しなさいっ!!!(スクッ、タタタタタ)」
猫がいきなり不機嫌そうな呻き声を発すると、少女に向かって飛び掛かり怯んだ隙に極厚レンズの眼鏡を強奪して口に咥えると、走り出してしまう。被害に遭った少女は慌てて猫を"一直線"に危なげない足取りで追い掛けていく。それをポケットから目当てのハンカチと…"オマケ"を一緒に取り出した柚紀は見て、首を傾げた
『(あれ?あの子、…眼鏡無くても"見えているの"?転びそうな感じもしないし、しっかり猫を見据えている。……てっきり、あの猫に導かれて彼女が来たのかなって思ったけど違うらしいし………なら、"あの言葉"は?……………もしかして、彼女は)』
そんな感じで"ある仮設"に辿り着いた柚紀は、捕まえれずに息切れしている少女と余裕綽々で何処か偉そうな猫を見て『おーい、猫くんも水飲まない?』とひと声掛ければ、少女を一瞥後柚紀の元に戻ってくる。自分のを一度膝の上に置き、少女から借りたままのハンカチを持った手を不格好ながらお皿に見立てて水を入れれば飲み始める。手の中に入る一杯分を飲み干すと"アッチにもあげて"と言いたげな仕種と瞳で訴えれば、今度は柚紀を挟んで鞄があるのとは反対側に腰を降ろしたかに思えば丸くなってお昼寝モードに
そんな気ままな猫を一撫でして、ゆっくりとだがこちらに戻ってきた少女に話し掛ける。因みに眼鏡は既に回収済みである
『お疲れ様、……貴女も水飲む?もう半分しかないけど?あ、口許はハンカチで拭いてあるし、猫も直接口を着けてないよ。ただ、借りたのを勝手に使ってそれを返すのも申し訳ないから…(スッ)……コレと交換しませんか?新品だし緑色でも平気なら、だけど』
「あ、の、飲み物なら鞄に入ってますので、だ、だい、大丈夫です。えっとコレとは……………………む、む、無理無理無理、そ、そ、そ、そ、そんな、な、な、こ、こ、こっ、こ、"高価そうなの"とは、こ、交換、出来ませんっ!!」
『高価?……これ、何処にでも売っている安物だよ?貴女だってその気になれば買えるよ?学生でも簡単に手に入るし』
「そ、そんな、そんな訳ないですよ?!ソレって多分ですが翡翠ですよ?!それも日本史や歴史書とかにで、出てくるような形してますし、普通には売ってませんから~!!?」
膝に置いてあったのを掌に乗せて、それを少女に見せた柚紀は、少女の言葉を聞いて不思議そうな表情をした。……"表面上"で、だが。内心では申し訳なく思うが、騙し討ちしないときっと少女は話さない気がしたのだ。……自分の仮設が正しければ、コレは他人には言いづらい内容と分かっているからだ。ある程度近くに少女が来たのを確認した柚紀は、自分の掌に乗っているモノを再確認して、『あっ!?』と"今気づいた"体を装い再び話始める
『ありゃ!?そう言えばお守りをポケットに入れていたのを忘れてた!!だから貴女がそんなに焦ったんだ、紛らわしくてゴメンね?……私は"緑色のハンカチ"を交換したいって言ったつもりだったんだけど、…駄目だった?流石にコレは上げるのは無理なんだよね(ゴソッ…スッ)代わりに猫から取り戻した眼鏡を返すね。……あのね、一つ聞いても良いかな?無理にとは言わないけど、…(ニコッ)答えてくれたら嬉しいな』
「……は、ハンカチ?…………あ、た、確かに掌にありますね"その石に似た色のハンカチ"が石の下に。あ!?えっと、…とりあえず眼鏡、取り返してくれてあ、あ、有り難う御座いますっ?!!(ペコペコ)コレが無いと私……(スチャッ)…私に、ですか?な、何ですか??」
一先ず石はポケットに仕舞い、眼鏡を返した柚紀は『とりあえず座って水分補給かな?汗掻いているでしょ?』と、立ったまま話を聞こうとする少女を…落ち着かせるのを選択した。それに素直に従った少女は元の位置に座り鞄から水筒を取り出してナニかを飲んでひと息ついたのを見計らい柚紀は慎重に言葉を選び、話を切り出した
『ねぇお嬢さん、貴女ってもしかして【本当は視力が悪くないんじゃない?】しゃなきゃ、あそこまで正確に猫を追えないよ?…捕まえる有無は抜かしてさ。それにあの距離で【ハンカチの上にある石もちゃんと認識していた】……色が似ているから遠目だとかなり分かりづらい筈だよ?"ハンカチがワンポイントの刺繍があるけどほぼ無地"だからね。色だけじゃなくて形も分かっていたから"乱視"の可能性もない。……家族に"眼鏡による視力補正している人がいる"から、当てずっぽじゃないからね?だけど、貴女はそれだけの厚みのある眼鏡を必要としている。何故か?……【正常な視力のある者が眼鏡を着ければボヤけて見える】、それは本来かなり危険な筈。でもそれを承知で着けている、…そうしなければはっきりと視えてしまうから。……【普通の人には視えていないナニかが】…………違う?』
最後だけ柚紀の仮設…推測だが、残りはそこそこ理屈は通る筈と考えていた。実際言実がそうなのだ。かなり視力が悪く、眼鏡がないとまともに歩けないし、自分の顔すら至近距離でないと認識出来ないのだ(小さい頃、自分を裸眼で見ようと目を細めた叔母に睨まれて(本人は見ようと頑張った)泣いたらしく、それ以降は即着用を心掛けているらしい)
そして、それらを指摘された少女は沈黙を貫いていた。俯いているが膝に乗せている手をギュッと握り締めて…震えている様に見えた柚紀は"図星"と結論付ければ、次の行動に移すのであった
‐ ……………ナデ、…ナデナデ ‐
猫がいきなり不機嫌そうな呻き声を発すると、少女に向かって飛び掛かり怯んだ隙に極厚レンズの眼鏡を強奪して口に咥えると、走り出してしまう。被害に遭った少女は慌てて猫を"一直線"に危なげない足取りで追い掛けていく。それをポケットから目当てのハンカチと…"オマケ"を一緒に取り出した柚紀は見て、首を傾げた
『(あれ?あの子、…眼鏡無くても"見えているの"?転びそうな感じもしないし、しっかり猫を見据えている。……てっきり、あの猫に導かれて彼女が来たのかなって思ったけど違うらしいし………なら、"あの言葉"は?……………もしかして、彼女は)』
そんな感じで"ある仮設"に辿り着いた柚紀は、捕まえれずに息切れしている少女と余裕綽々で何処か偉そうな猫を見て『おーい、猫くんも水飲まない?』とひと声掛ければ、少女を一瞥後柚紀の元に戻ってくる。自分のを一度膝の上に置き、少女から借りたままのハンカチを持った手を不格好ながらお皿に見立てて水を入れれば飲み始める。手の中に入る一杯分を飲み干すと"アッチにもあげて"と言いたげな仕種と瞳で訴えれば、今度は柚紀を挟んで鞄があるのとは反対側に腰を降ろしたかに思えば丸くなってお昼寝モードに
そんな気ままな猫を一撫でして、ゆっくりとだがこちらに戻ってきた少女に話し掛ける。因みに眼鏡は既に回収済みである
『お疲れ様、……貴女も水飲む?もう半分しかないけど?あ、口許はハンカチで拭いてあるし、猫も直接口を着けてないよ。ただ、借りたのを勝手に使ってそれを返すのも申し訳ないから…(スッ)……コレと交換しませんか?新品だし緑色でも平気なら、だけど』
「あ、の、飲み物なら鞄に入ってますので、だ、だい、大丈夫です。えっとコレとは……………………む、む、無理無理無理、そ、そ、そ、そ、そんな、な、な、こ、こ、こっ、こ、"高価そうなの"とは、こ、交換、出来ませんっ!!」
『高価?……これ、何処にでも売っている安物だよ?貴女だってその気になれば買えるよ?学生でも簡単に手に入るし』
「そ、そんな、そんな訳ないですよ?!ソレって多分ですが翡翠ですよ?!それも日本史や歴史書とかにで、出てくるような形してますし、普通には売ってませんから~!!?」
膝に置いてあったのを掌に乗せて、それを少女に見せた柚紀は、少女の言葉を聞いて不思議そうな表情をした。……"表面上"で、だが。内心では申し訳なく思うが、騙し討ちしないときっと少女は話さない気がしたのだ。……自分の仮設が正しければ、コレは他人には言いづらい内容と分かっているからだ。ある程度近くに少女が来たのを確認した柚紀は、自分の掌に乗っているモノを再確認して、『あっ!?』と"今気づいた"体を装い再び話始める
『ありゃ!?そう言えばお守りをポケットに入れていたのを忘れてた!!だから貴女がそんなに焦ったんだ、紛らわしくてゴメンね?……私は"緑色のハンカチ"を交換したいって言ったつもりだったんだけど、…駄目だった?流石にコレは上げるのは無理なんだよね(ゴソッ…スッ)代わりに猫から取り戻した眼鏡を返すね。……あのね、一つ聞いても良いかな?無理にとは言わないけど、…(ニコッ)答えてくれたら嬉しいな』
「……は、ハンカチ?…………あ、た、確かに掌にありますね"その石に似た色のハンカチ"が石の下に。あ!?えっと、…とりあえず眼鏡、取り返してくれてあ、あ、有り難う御座いますっ?!!(ペコペコ)コレが無いと私……(スチャッ)…私に、ですか?な、何ですか??」
一先ず石はポケットに仕舞い、眼鏡を返した柚紀は『とりあえず座って水分補給かな?汗掻いているでしょ?』と、立ったまま話を聞こうとする少女を…落ち着かせるのを選択した。それに素直に従った少女は元の位置に座り鞄から水筒を取り出してナニかを飲んでひと息ついたのを見計らい柚紀は慎重に言葉を選び、話を切り出した
『ねぇお嬢さん、貴女ってもしかして【本当は視力が悪くないんじゃない?】しゃなきゃ、あそこまで正確に猫を追えないよ?…捕まえる有無は抜かしてさ。それにあの距離で【ハンカチの上にある石もちゃんと認識していた】……色が似ているから遠目だとかなり分かりづらい筈だよ?"ハンカチがワンポイントの刺繍があるけどほぼ無地"だからね。色だけじゃなくて形も分かっていたから"乱視"の可能性もない。……家族に"眼鏡による視力補正している人がいる"から、当てずっぽじゃないからね?だけど、貴女はそれだけの厚みのある眼鏡を必要としている。何故か?……【正常な視力のある者が眼鏡を着ければボヤけて見える】、それは本来かなり危険な筈。でもそれを承知で着けている、…そうしなければはっきりと視えてしまうから。……【普通の人には視えていないナニかが】…………違う?』
最後だけ柚紀の仮設…推測だが、残りはそこそこ理屈は通る筈と考えていた。実際言実がそうなのだ。かなり視力が悪く、眼鏡がないとまともに歩けないし、自分の顔すら至近距離でないと認識出来ないのだ(小さい頃、自分を裸眼で見ようと目を細めた叔母に睨まれて(本人は見ようと頑張った)泣いたらしく、それ以降は即着用を心掛けているらしい)
そして、それらを指摘された少女は沈黙を貫いていた。俯いているが膝に乗せている手をギュッと握り締めて…震えている様に見えた柚紀は"図星"と結論付ければ、次の行動に移すのであった
‐ ……………ナデ、…ナデナデ ‐