交わりしは夢か幻か
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あのゲート大量発生から数日経過したある日、未だに体調は万全と言えない柚紀だが、何故か外に無償に出たくなり朝からモヤモヤして落ち着かない様子だった。それに勿論言実は気づいており小さくため息を付いて、複数の条件の元で短時間だけ外出の許可を出したのだ。…さて、その条件とは
‐ スタッ……ストン ‐
「……はい、到着~!!…確か此処って柚紀ちゃんが迅さんや二人と初めて出会った場所だっけ?」
『うんそうだよ、それにしても……ご、ごめんね。…私の我が儘に付き合わせちゃって…』
「鶴ヶ峰さんが気にする必要ないよ。…元々佐鳥もおれも君の様子を見に行く様に嵐山さんに頼まれていたからね」
先ず場所だが、あまり近すぎず遠すぎない場所、尚且つ柚紀も知っている場所と考えた結果、柚紀が三門市に訪れた初日に寄ったあの公園になった。そして勿論一人で外出させる訳にも行かないと考えていた丁度良いタイミングで、嵐山隊の二人がラボに訪れたので言実は迷うことなく柚紀の護衛を依頼したのだ。……場所も知っているし実力も申し分ないのもあるが、この二人なら柚紀も安心するだろうし、二人も承諾すると考え実際そうなった
「……でもさ~、何でいきなり柚紀ちゃんは外に出たいと思ったの?…体調まだ良くないでしょ?トリオン量も一定水準をギリギリ超えたけど、完全回復してないっておつるちゃん言っていたよね?」
『…私もよく分からないけど、……今日外に出ないと行けないって、その…虫の知らせ的な奴かな?……昔から時々あるんだよね。…言実さんも知っているし、……今の私には…サイドエフェクトがあるから、"気のせいで済ませるべきでない"っと考えた…みたい』
「……まぁ、言実さんもだけど鶴ヶ峰さんも何か感じたなら確めた方が良いと思うよ?…二人とも自分の考えを、あまり口に出さないからね。それで、……違和感は消えた?」
トリオン体の二人は兎も角、病み上がりの柚紀を立たせたままなのは宜しくないので、時枝達が出会ったベンチに座らせた状態で外出を願った理由を聞いていた。そして時枝の問いに対して柚紀は小さく首を振り、首から下げているあの翠の石を握り締めて感じるままの事を口にする
『……まだ、モヤモヤしてる。何でだろう?…この感覚は…まるで……("ヨバレテイル?"でも誰に?それに……頭の中に浮かんでいるコレは…何かの、歌詞?)(スッ……スゥッ)』
「「柚紀ちゃん??/鶴ヶ峰さん??」」
"声なき声"が自分をに呼び掛けている感じと同時に、何かの一文が頭に浮かんだ柚紀は思うがまま目を瞑れば呼吸を整える。何をするつもりか分からない二人はとりあえず見守る事に。そして……
~ 僕は君を 信じたから もう裏切られる事はない
だってもし裏切られても それが解らないから
どうか 君じゃなく ならないで ~
「えっ!?!だ、駄目だ柚紀ちゃんっ!!?今の君はっ!!」
「トリオン量も体調も万全じゃない状況で歌を…サイドエフェクトを使ったら、"また"っ!!」
『(フッ)…えっ!?!(クラッ)………ぁ』
無意識にその一文を口ずさむ柚紀に、佐鳥は勿論だが流石の時枝も焦りの表情を浮かべる。その声を聞いて目を開いた柚紀は、理解する間も無く体の自由が効かなくなりあの時の様に、抵抗する暇もなく一瞬で意識が遠退いていくのであった
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