14.親交の曲~マスタークラスな二人編~(79.
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「うん犬飼先輩だよ!あの時は時間が無くて君と連絡先を交換してないのを後で気づいてさ~、……知ってそうな当真や荒船に聞いても"本人から聞け"で教えてくれないし、あれから夏休み期間は君が本部に来なかったから会えなかったし、新学期開けたらで何か変に入れ違い?ハプニング??まぁよく分からないけど、会えなくて苦労したよ全く!!…あ、此処使っても大丈夫?」
『あ、えっとその……すみません、先輩。言実さんから【これ以上無差別に連絡先を交換するな】と言われまして…、今後も必要なら面倒かも知れませんが荒船先輩か当真先輩経由で、お願いします。せ、席はその………と、隣でなければ平気です(先輩も実力者なのは分かるけど、……何か連絡先を交換したら面倒な事になりそうなんだよな~。…こう思う原因は主に……太刀川さんだな、うん)』
話の内容から諏訪が言っていた"荒船の同行者"は犬飼ではない、と内心感じつつ対応する柚紀だが、……どうも犬飼の"曲者感"に警戒を抱いてしまい表情に感情が出ない様に注意していた。人懐っこい笑みを浮かべながら「了解了解!!失礼するよ~」と少し離れて座る犬飼が"何処まで自分の事を見抜いているか"が全く読めないからだ
とりあえずご飯を食べてしまおうと、箸を動かし始めた柚紀を見据えて犬飼は話を振ってきた
「……今日はよく食べれそうな日なの?前に会った時はかなり少な目だったよね?なのに今日は定食をもう半分以上食べているし………もしかして、本当は大食らいだったりするの?」
『(モグモグ、ゴックン)……何となく、と言うわけでもなく食堂のおばちゃんに【美味しい旬のお魚入ったよ】と言われてオススメされたからこの"お刺身定食"にしただけですよ?それに(モグモグモグモグ、ゴックン)…普通の定食より量は少なくして貰った分、おかずの小鉢を一つ追加して貰ってます。(モグモグ、ゴックン)……まぁこれ位なら食べれます、食べないとこれからが大変ですから』
「ふ~ん、あの時は緊張してってのもあったのかな?聞いた話に寄ると"大人数での食事"も慣れていない的なのを聞いたけど、……"これから大変"って言うのはナニを示すのかな?」
『………(モグモグモグモグ、モグモグモグモグ)(この人、"誰から何処まで聞いているの"?何か下手に話せないんだよな~、……何でこうも警戒しちゃうんだろ?)(…ゴックン)……ハァ~』
食べる合間に何とか犬飼と話をしている柚紀たが、やはり美味しく感じないが残したくないし、食べ終えたらそれで犬飼と会話をしなくてはならない。そう思い、無意識にため息を漏らしながら内心でこう願った
‐ ……早く来てください、荒船先輩 ‐
そう思った瞬間に、こちらに歩いてくる足音が妙に耳に入ってきたのが気になりそちらを見た柚紀は……表情が明るくなり思わず立ち上がる
『(ガバッ!)あ、荒船せんぱ~い!?こっちですよ~~!!(フリフリ)』
「!(スタスタスタスタ)悪い遅くなったっ!!一人で大丈夫だったか鶴ヶ峰っ?って……何でお前が居るんだ犬飼?辻や、(スウゥ)…二宮さんは一緒じゃないのか??」
「あれぇ~、荒船じゃん!!…えっ?何々??もしかして姪っ子ちゃんと二人っきりで会う約束でもしていたの?………あ、違うか?だって荒船のタイプは姪っ子ちゃん系とはまた違うもんね~(ニヤニヤ)(そして姪っ子ちゃんも、荒船を"その手の対象には見ていない"筈。今のだって【ご主人様を待っていた子犬】みたいな反応だったし……言わないけどさ)」
待ち人が現れて全身で嬉しさを表現する柚紀を見つけた私服姿の荒船が足早に側まで来ると、予想外な先客に目を細める。そんな荒船の問いに答える気がない犬飼は、更に相手が答えづらい問いかけをお見舞いすればコレは無視されて柚紀の食べているモノや進み具合を見て、少し考える素振りを見せる
「(此処の定食は"男向け"だから少食な鶴ヶ峰にはかなりキツイ筈だが、好きな刺身であることを抜かしても……犬飼が原因か)……鶴ヶ峰、好きな刺身定食で"出されたら全部食べよう精神"は認めるが、少食のお前が完食するのは無理だ。時には"残す勇気"を持て、……食堂のおばちゃん達だって残したとしても咎めたりしねぇよ、好き嫌いしている訳じゃないからな(ナデナデ)逆に無理して食べさせる方が忍びなく感じてしまうだろうから【美味しく食べきりたいから次はもう少し減らして下さい】って頼めば、大丈夫だ。(ナデナデ、スッ)俺は此処で待っているから下げてこい」
『………………分かり、ました。…下げてきます。……(パン)ご馳走さまでした』
理論派である荒船の言葉には説得力があるのと、他の人が言いづらい事でもキッパリ指摘するのは例の歓迎会で分かっている柚紀は反論せず嫌な顔もしないが、申し訳なさそうな表情で食事を打ち切りトレイを下げに席を立つのであった。その後ろ姿が【叱られた子犬】みたいだなと感じつつ、柚紀が居なくなった事でやっと昼食用に買ったであろうホットドッグに齧り付く犬飼を見て、ため息を漏らしながら席に座る。……柚紀が座っていた位置と犬飼が居る席の間に
「で、お前は何でこのタイミングで食堂に居たんだ?確か今日は任務ないだろお前の隊は?……そのホットドッグだって【鶴ヶ峰と同席する為の口実】だろ?ナニが目的だ?」
「もう、荒船怖い怖い!そんな表情見たら姪っ子ちゃん泣いちゃうよ~?……少し前にさ、当真に"姪っ子ちゃんの事教えて~"って頼んだら【夏休みの課題を手伝ってくれるならある程度教える】って約束した訳。で、…【今日の夕方位までなら確実に本部に居る事】と【ついでにトリオン体姿拝んでおけ、アレ一見の価値ありだ】って言われたから俺一人で来た訳。………本当なら二宮さんを巻き込もうかなって思ったけど、何か今日はつる姐と会う約束しているっぽいから止めといた。"少し前の埋め合わせ"らしいけど、…コレって姪っ子ちゃん関係してたりするの?」