11.目利きの曲~少女を見つけよ~(76.
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何時か使用した休憩スペースのソファーの片隅に柚紀は座っていた。両膝を抱え込んで座り、膝に額を乗せた姿で縮こまってジッとしながら、何とか落ち着こうと努めているが、上手く行かず逆にネガティブ思考が強くなっていっていた
『(どう、しよう。何も言わずに一人でロビー出てきちゃった。……歌川くん心配しているだろうな、菊地原くんは…多分文句を言いながらも探してくれている気がする。優しいもんね彼は。………戻らないと行けないのは分かっているけど、…嫌だな~。ロビーに二人が居るとは限らないし、…笹森くんとかが居たとしても私に気づくとは、言い切れないよ。携帯もないし、時間も分からない。…………ラボに戻れる自信だって今は、ないよ)……もう、嫌だよ、…帰りたい、……言実さんの元にっ』
すぐ近くに喫煙室があり、所属している人間の大半が未成年なので喫煙室は少ないので"今使用している者"を柚紀は知らないが…言実の顔見知りではある筈と考えた。なのでその人にラボまで送ってもらうのも一つの手だが、……ゲート騒動にて開発部門に属するエンジニア…"一部の大人達"に対してかなりの苦手意識を持ってしまい、彼らの可能性がある以上無闇に頼めないのだ。………どんどん追い込まれていき、目頭が熱くなってきたのを感じた柚紀は泣かない為にギュッと瞳を閉じてやり過ごそうとしながら、……心の底でこう願った
‐ ……一人は、嫌だよ。……助けてよ…ーーーー!、……ーーーーーっ ‐
‐
‐ ‐
‐ ‐ ‐
廊下は走りはしないが足早に歩を進める時枝は、目的地まで急いでいた。途中で佐鳥からであろう新着の報せがあったが無視をした。確定事項でないからもあるが、……聴こえているからだ
‐ 拒絶サレタクナチ ‐
‐ ナカマハズレはイヤ ‐
‐ 認メテ欲シイ ‐
‐ 怖イヨ、……辛イヨ、……苦シイヨ ‐
‐ 寂シイ、淋シイ、……サミシイヨ ‐
流石に三度目となると疑う事は無かった。…もしかしたら彼女は、"三門市に来る以前からずっと"訴えて居たのかも知れない。"心の悲鳴"をトリオンと共に……
「(原理は分からないけど言実さんはあの声を何度も経験しているから、あの時迷うことなく二宮さんとの約束を破棄した。……あの人だって、大人としての立場もだけど、ボーダー内でも重要な立ち位置に居る。なら、…出来るかは分からないけど俺が代わりを担っても……手伝っても良い、筈だ。どう足掻いたって"一番"には…………それは、今関係ないか。…確かこの辺りに………)…!!……誰が居る、けど…………彼女が?」
そんな事を考えている間に目的地に到着すればソファーに"女の子"が座っているのを確認する。だが、髪色の件を知らない時枝はやはり確信が持てなかった。……確かに見覚えのある色だが、アレは条件を満たしたから変化するので違う気がするが…どちらにしても様子が可笑しいのである程度近づき声を掛けようとした瞬間
‐ ……一人は、嫌だよ。……助けてよ…
ーーーーーっ ‐
「…………えっ?」
『!(ムクリ)……えっ?………ど、どうして、此処に?』
また聞こえた声の内容に思わず驚きの声を出してしまう。それに気づいた少女……柚紀が顔を上げて声がした方を見ると、思わず固まってしまう。時枝も髪色が違うが瞳の色や雰囲気が……そこに居るのは確かに柚紀なのは分かるが、表情が"泣く一歩手前"な程悲しそうなのを見て……思わず屋上の時のを思い出してしまい"次の行動"に移せないでいたが
‐ ……ザワ、……ザワ、 ‐
「(マズイッ!!どっちから?……えっと)っ!?(クイッ!)…こ、こっち!!?」
『えっ?!と、とき、時枝くんっ?!!』
人の話し声が聞こえてきたのに気づいた時枝だが、どっちから来るかが分からず戸惑ってしまうが今の柚紀を誰かに見られない……見せたくないと思ってしまい、少し強引だが腕を引っ張りソファー後ろに咄嗟に隠れてしまう。で、どんな体勢かと言うと
『(な、何でこんな状況にっ??えっとえっと、…場所はソファー背凭れの後ろで、私は……時枝くんの…腕の中っ???)あ、あの「ごめん、少しだけ我慢して。…直ぐに離れるからさ」(ドキッ)……ぅ、うん(ぅ、う~。……佐鳥くんは慣れたけど、時枝くんにこう…密着されるのには慣れないよ~。す、凄く恥ずかしいよ~。)(ドキッ、ドキドキ)』
チラッと時枝の真剣な表情を見て何も言えなくなった柚紀は大人しくしていた。…触られるのは大丈夫だが今のような状況はあの屋上以来、全く無かったので戸惑って何もできない状況である
一方で時枝は、柚紀が大人しくしてくれていてバレる事はないとひと安心するが……此処は丁度、食堂やラウンジに行くに通る道のりの一つで時間帯的にお昼時なのだ
「(……今、時間何時だ?)(スッ…チラッ)(やっぱり佐鳥からだったか、…暫く人通り多そうだし、…………落として大丈夫か?多分おれから連絡なければ嵐山さんにでも聞くだろうし、…リスクは減らすべきか?)」
然り気無くポケットから携帯を取り出して新着相手と時間を確認すれば、…少し躊躇したが電源を落としてポケットに戻す。そして静かな柚紀が気になり視線を向ければ………顔を赤くして自分の腕の中に居る姿を見て、やっと"今の状況を把握した"時枝は……自分も顔が赤くなるのを自覚すれば、"顔を見られない様にと"相手の頭に手を添えて自分の胸元に押し付け、更に空いている手を腰に回すといった更に密着する体勢となってしまい…互いに暫くの間無言のまま過ごしたのであった
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何時か使用した休憩スペースのソファーの片隅に柚紀は座っていた。両膝を抱え込んで座り、膝に額を乗せた姿で縮こまってジッとしながら、何とか落ち着こうと努めているが、上手く行かず逆にネガティブ思考が強くなっていっていた
『(どう、しよう。何も言わずに一人でロビー出てきちゃった。……歌川くん心配しているだろうな、菊地原くんは…多分文句を言いながらも探してくれている気がする。優しいもんね彼は。………戻らないと行けないのは分かっているけど、…嫌だな~。ロビーに二人が居るとは限らないし、…笹森くんとかが居たとしても私に気づくとは、言い切れないよ。携帯もないし、時間も分からない。…………ラボに戻れる自信だって今は、ないよ)……もう、嫌だよ、…帰りたい、……言実さんの元にっ』
すぐ近くに喫煙室があり、所属している人間の大半が未成年なので喫煙室は少ないので"今使用している者"を柚紀は知らないが…言実の顔見知りではある筈と考えた。なのでその人にラボまで送ってもらうのも一つの手だが、……ゲート騒動にて開発部門に属するエンジニア…"一部の大人達"に対してかなりの苦手意識を持ってしまい、彼らの可能性がある以上無闇に頼めないのだ。………どんどん追い込まれていき、目頭が熱くなってきたのを感じた柚紀は泣かない為にギュッと瞳を閉じてやり過ごそうとしながら、……心の底でこう願った
‐ ……一人は、嫌だよ。……助けてよ…ーーーー!、……ーーーーーっ ‐
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廊下は走りはしないが足早に歩を進める時枝は、目的地まで急いでいた。途中で佐鳥からであろう新着の報せがあったが無視をした。確定事項でないからもあるが、……聴こえているからだ
‐ 拒絶サレタクナチ ‐
‐ ナカマハズレはイヤ ‐
‐ 認メテ欲シイ ‐
‐ 怖イヨ、……辛イヨ、……苦シイヨ ‐
‐ 寂シイ、淋シイ、……サミシイヨ ‐
流石に三度目となると疑う事は無かった。…もしかしたら彼女は、"三門市に来る以前からずっと"訴えて居たのかも知れない。"心の悲鳴"をトリオンと共に……
「(原理は分からないけど言実さんはあの声を何度も経験しているから、あの時迷うことなく二宮さんとの約束を破棄した。……あの人だって、大人としての立場もだけど、ボーダー内でも重要な立ち位置に居る。なら、…出来るかは分からないけど俺が代わりを担っても……手伝っても良い、筈だ。どう足掻いたって"一番"には…………それは、今関係ないか。…確かこの辺りに………)…!!……誰が居る、けど…………彼女が?」
そんな事を考えている間に目的地に到着すればソファーに"女の子"が座っているのを確認する。だが、髪色の件を知らない時枝はやはり確信が持てなかった。……確かに見覚えのある色だが、アレは条件を満たしたから変化するので違う気がするが…どちらにしても様子が可笑しいのである程度近づき声を掛けようとした瞬間
‐ ……一人は、嫌だよ。……助けてよ…
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『!(ムクリ)……えっ?………ど、どうして、此処に?』
また聞こえた声の内容に思わず驚きの声を出してしまう。それに気づいた少女……柚紀が顔を上げて声がした方を見ると、思わず固まってしまう。時枝も髪色が違うが瞳の色や雰囲気が……そこに居るのは確かに柚紀なのは分かるが、表情が"泣く一歩手前"な程悲しそうなのを見て……思わず屋上の時のを思い出してしまい"次の行動"に移せないでいたが
‐ ……ザワ、……ザワ、 ‐
「(マズイッ!!どっちから?……えっと)っ!?(クイッ!)…こ、こっち!!?」
『えっ?!と、とき、時枝くんっ?!!』
人の話し声が聞こえてきたのに気づいた時枝だが、どっちから来るかが分からず戸惑ってしまうが今の柚紀を誰かに見られない……見せたくないと思ってしまい、少し強引だが腕を引っ張りソファー後ろに咄嗟に隠れてしまう。で、どんな体勢かと言うと
『(な、何でこんな状況にっ??えっとえっと、…場所はソファー背凭れの後ろで、私は……時枝くんの…腕の中っ???)あ、あの「ごめん、少しだけ我慢して。…直ぐに離れるからさ」(ドキッ)……ぅ、うん(ぅ、う~。……佐鳥くんは慣れたけど、時枝くんにこう…密着されるのには慣れないよ~。す、凄く恥ずかしいよ~。)(ドキッ、ドキドキ)』
チラッと時枝の真剣な表情を見て何も言えなくなった柚紀は大人しくしていた。…触られるのは大丈夫だが今のような状況はあの屋上以来、全く無かったので戸惑って何もできない状況である
一方で時枝は、柚紀が大人しくしてくれていてバレる事はないとひと安心するが……此処は丁度、食堂やラウンジに行くに通る道のりの一つで時間帯的にお昼時なのだ
「(……今、時間何時だ?)(スッ…チラッ)(やっぱり佐鳥からだったか、…暫く人通り多そうだし、…………落として大丈夫か?多分おれから連絡なければ嵐山さんにでも聞くだろうし、…リスクは減らすべきか?)」
然り気無くポケットから携帯を取り出して新着相手と時間を確認すれば、…少し躊躇したが電源を落としてポケットに戻す。そして静かな柚紀が気になり視線を向ければ………顔を赤くして自分の腕の中に居る姿を見て、やっと"今の状況を把握した"時枝は……自分も顔が赤くなるのを自覚すれば、"顔を見られない様にと"相手の頭に手を添えて自分の胸元に押し付け、更に空いている手を腰に回すといった更に密着する体勢となってしまい…互いに暫くの間無言のまま過ごしたのであった