11.目利きの曲~少女を見つけよ~(76.
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「本質……ですか?彼女…鶴ヶ峰さんは(……おれで分かるのか?彼女と知り合ってまだ一ヶ月だけど、今までの経験上、不安…精神的に追い込まれた彼女が取りうる行動は)……我慢強い子ですが、本当は怖がりで寂しがり屋。そしてそんな彼女が突然のアクシデントや自己処理が追い付かない状況に陥れば……【安全な場所に隠れる、若しくは逃げる】若しくは……【泣いてしまう】…だと思います」
「成る程、……出水、米屋、それに歌川。…彼女がランク戦を見始めた頃、若しくはあの服の効果が十分に発揮出来なかった頃、【ロビーから一時的に連れ出して落ち着かせるのに使用した場所】はあるか?ロビーでのアクシデントは恐らくもう何度も経験している筈だ。…俺達は此処で柚紀ちゃんと接触するのを言実さんから禁じられている。だから、心当たりがない。だが、そこまで離れてはいないその場所に……彼女が"避難している"可能性が高い。若しくは…【言実さんと彼女の二人が一緒に居たのを見たことがある場所】でも構わない」
時枝の意見を参考に嵐山は次なる質問を三人にした。……確信しているのだ、"あの後ろ姿の少女が柚紀だった"と。太刀川のヒントが、時枝の発言が、……"走っていった方角"がそれを物語るから。彼女が向かった先は、【一番の安全地帯】であるラボの…"言実が居る所"ではないのだ。嵐山の考えが理解できていないがとりあえず記憶を遡る三人だが、先ずは歌川から口を開いた
「そう言われましても、……俺はそこまで頻繁に此処には来ていません。大体風間さんが一人で見守る事が多かったので、…時折菊地原と一緒にならありますが、それでも何かあればその場で納めていましたから、何処かに移動したりまではないですね(……エンブレムの服の効果が出るまでの間ならほぼ毎日居たが、…鶴ヶ峰は恐らく俺達が裏で暗躍しているのを知らない。無闇に話すと監視の任に支障が出かねない)」
「あ~、……俺も歌川と同じ、っスかね?そもそも最初は必ず弾バカ…出水と一緒にあの子と会ってました。俺一人と対峙しても……今は大丈夫か?二人は知らないかもですが、一度危ない所を助けた事ありますから、コイツが不在の時に。その分、数日前のアレは(ガシガシ)かなり堪えましたがね。……こんな感じっス」
「………二人の言い分は理解した。…お前はどうだ出水?何か思い当たる節はあるか?」
歌川に続き米屋も自身と柚紀との関わり具合を具体的に話をして居る間も、出水はずっと考え事をしていた。そんな中、時枝は佐鳥に連絡を取っていた。……もし柚紀を探すなら人手が居ると思ったからだ。携帯の存在を忘れがちな彼女なら【トリオン体に搭載されている通信機能】も気づいていない可能性がある、元より【そもそもその機能すら知らない】事や【…知っていても使えない、扱えない状況】かも知れない。……どちらにしてもあの明るい彼が必要になる気がしたので【直ぐに本部に来て。彼女が居なくなった】と急を要する事が分かる文面を送ったのとほぼ同時に、出水がやっと口を開いた
「………俺はそこそこ経験あるますね。ハプニング後の彼女を落ち着かせるのは、二人と同様に此処で大概済ませてました。それも無理そうならラウンジや食堂で軽くお茶したりとか、何か食ったりとか…ですが、………今の時間帯だと両方それなりの人が居る。…なら柚紀ちゃんはそこらを避ける筈だ、……"辛い時程一人になりたがる"、そんな傾向がありそう、と言うより姐さんはソレを危惧している感じでした。で、一ヶ所彼女が居そうな候補があります。……ラウンジ近くにある喫煙室が併設された休憩スペース。…俺達が初めて柚紀ちゃんと会った際に、接触の仕方を誤って……泣かせそうになった所に席を外していた姐さんが戻ってきて、(ゾクッ)っ!?……おい槍バカ、続き話せ。お前も知っているだろ!!?(何だ、今の悪寒は?俺は……今日"見た気がした"…あの時と同じような"不安げな表情をした少女"を。だが、あの子は…………待てよ!太刀川さんのあのメッセージ、何か某人気男子漫画風な言い方じゃ、……ヤバい、嫌な予感してきたぞ俺っ!!)」
柚紀が居そうな場所を話している最中、途中で米屋に説明を投げ渡せば出水は別件を考え始めた。…結局は柚紀の事なのだが確信がない、だが似ているし上司の性格を考えれば可能性が十分にある。そしてコレがもし当たっているなら…………こうなれば探し人の姿を知っている上司に電話をしようとした時、…誰か別の人に着信が入る。今度は誰かと言うと………
「(p!)…どうした迅。……!!………分かった直ぐに対処する!?(p!)………充、今出水達が話した休憩スペースの場所は分かるな?……今すぐに行ってくれ、あの子が、……"一人で泣いている姿が視えた"って迅が…場所も聞いた限りではそこに間違いない筈だ。だが、アイツもきちんとトリオン体の彼女を見ていない……見間違いはないと思うが、慎重に行動してくれ。"誰が何処から見ているか分からないからな"」
「!………(スゥー、ハァー)……分かりました。周囲にバレない様に"念のため"走るのは止めておきますが、(クルッ)…行ってみます」
隊長から持たされた確定事項を聞いて直ぐにでも走り出しそうになった時枝だが、……"自分には立場があり、目立った行動は慎むべき"と理性が働き一度深呼吸した後、目的地に移動を開始する。それを黙って見送るメンバー……その中で菊地原は"打ちかけのメッセージ"を全て消して携帯をポケットに戻した。"らしくない音"をさせている彼を見て思ったのだ
‐ "この程度"でソレじゃあ、後が持たない。彼女がお前に寄せる信用信頼はあの行動派な佐鳥と同じなんだよ?……アレは馬鹿だけど、自分の行動に迷いがない。馬鹿になれとは言わないけど、常識に囚われない柔軟な思考を身に付けなければ何時か……"雛を傷つけるよ"? ‐
「成る程、……出水、米屋、それに歌川。…彼女がランク戦を見始めた頃、若しくはあの服の効果が十分に発揮出来なかった頃、【ロビーから一時的に連れ出して落ち着かせるのに使用した場所】はあるか?ロビーでのアクシデントは恐らくもう何度も経験している筈だ。…俺達は此処で柚紀ちゃんと接触するのを言実さんから禁じられている。だから、心当たりがない。だが、そこまで離れてはいないその場所に……彼女が"避難している"可能性が高い。若しくは…【言実さんと彼女の二人が一緒に居たのを見たことがある場所】でも構わない」
時枝の意見を参考に嵐山は次なる質問を三人にした。……確信しているのだ、"あの後ろ姿の少女が柚紀だった"と。太刀川のヒントが、時枝の発言が、……"走っていった方角"がそれを物語るから。彼女が向かった先は、【一番の安全地帯】であるラボの…"言実が居る所"ではないのだ。嵐山の考えが理解できていないがとりあえず記憶を遡る三人だが、先ずは歌川から口を開いた
「そう言われましても、……俺はそこまで頻繁に此処には来ていません。大体風間さんが一人で見守る事が多かったので、…時折菊地原と一緒にならありますが、それでも何かあればその場で納めていましたから、何処かに移動したりまではないですね(……エンブレムの服の効果が出るまでの間ならほぼ毎日居たが、…鶴ヶ峰は恐らく俺達が裏で暗躍しているのを知らない。無闇に話すと監視の任に支障が出かねない)」
「あ~、……俺も歌川と同じ、っスかね?そもそも最初は必ず弾バカ…出水と一緒にあの子と会ってました。俺一人と対峙しても……今は大丈夫か?二人は知らないかもですが、一度危ない所を助けた事ありますから、コイツが不在の時に。その分、数日前のアレは(ガシガシ)かなり堪えましたがね。……こんな感じっス」
「………二人の言い分は理解した。…お前はどうだ出水?何か思い当たる節はあるか?」
歌川に続き米屋も自身と柚紀との関わり具合を具体的に話をして居る間も、出水はずっと考え事をしていた。そんな中、時枝は佐鳥に連絡を取っていた。……もし柚紀を探すなら人手が居ると思ったからだ。携帯の存在を忘れがちな彼女なら【トリオン体に搭載されている通信機能】も気づいていない可能性がある、元より【そもそもその機能すら知らない】事や【…知っていても使えない、扱えない状況】かも知れない。……どちらにしてもあの明るい彼が必要になる気がしたので【直ぐに本部に来て。彼女が居なくなった】と急を要する事が分かる文面を送ったのとほぼ同時に、出水がやっと口を開いた
「………俺はそこそこ経験あるますね。ハプニング後の彼女を落ち着かせるのは、二人と同様に此処で大概済ませてました。それも無理そうならラウンジや食堂で軽くお茶したりとか、何か食ったりとか…ですが、………今の時間帯だと両方それなりの人が居る。…なら柚紀ちゃんはそこらを避ける筈だ、……"辛い時程一人になりたがる"、そんな傾向がありそう、と言うより姐さんはソレを危惧している感じでした。で、一ヶ所彼女が居そうな候補があります。……ラウンジ近くにある喫煙室が併設された休憩スペース。…俺達が初めて柚紀ちゃんと会った際に、接触の仕方を誤って……泣かせそうになった所に席を外していた姐さんが戻ってきて、(ゾクッ)っ!?……おい槍バカ、続き話せ。お前も知っているだろ!!?(何だ、今の悪寒は?俺は……今日"見た気がした"…あの時と同じような"不安げな表情をした少女"を。だが、あの子は…………待てよ!太刀川さんのあのメッセージ、何か某人気男子漫画風な言い方じゃ、……ヤバい、嫌な予感してきたぞ俺っ!!)」
柚紀が居そうな場所を話している最中、途中で米屋に説明を投げ渡せば出水は別件を考え始めた。…結局は柚紀の事なのだが確信がない、だが似ているし上司の性格を考えれば可能性が十分にある。そしてコレがもし当たっているなら…………こうなれば探し人の姿を知っている上司に電話をしようとした時、…誰か別の人に着信が入る。今度は誰かと言うと………
「(p!)…どうした迅。……!!………分かった直ぐに対処する!?(p!)………充、今出水達が話した休憩スペースの場所は分かるな?……今すぐに行ってくれ、あの子が、……"一人で泣いている姿が視えた"って迅が…場所も聞いた限りではそこに間違いない筈だ。だが、アイツもきちんとトリオン体の彼女を見ていない……見間違いはないと思うが、慎重に行動してくれ。"誰が何処から見ているか分からないからな"」
「!………(スゥー、ハァー)……分かりました。周囲にバレない様に"念のため"走るのは止めておきますが、(クルッ)…行ってみます」
隊長から持たされた確定事項を聞いて直ぐにでも走り出しそうになった時枝だが、……"自分には立場があり、目立った行動は慎むべき"と理性が働き一度深呼吸した後、目的地に移動を開始する。それを黙って見送るメンバー……その中で菊地原は"打ちかけのメッセージ"を全て消して携帯をポケットに戻した。"らしくない音"をさせている彼を見て思ったのだ
‐ "この程度"でソレじゃあ、後が持たない。彼女がお前に寄せる信用信頼はあの行動派な佐鳥と同じなんだよ?……アレは馬鹿だけど、自分の行動に迷いがない。馬鹿になれとは言わないけど、常識に囚われない柔軟な思考を身に付けなければ何時か……"雛を傷つけるよ"? ‐