11.目利きの曲~少女を見つけよ~(76.
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時枝と嵐山はロビーで、アタッカーとガンナー・シューターが受ける合同訓練の動作確認 (実際にどちらかが実践を行う形)をしてロビーに出ると、何やらある方向で騒がしくなっているのを感じた二人は顔を見合わせると、そちらに歩を早足で進む。……その騒動の渦中に柚紀が居る気がしたからだ。そして辿り着いた先に居たのは
「出水先輩に米屋先輩、それに……風間隊の二人?一体ナニをしているんでしょうか?」
「よく分からないが、何やら菊地原が二人に文句を言っている風に見えなくもないが……とりあえず、あのままは良くない。仲裁に入るぞ充」
「了解です、嵐山さん」
あんな風に人目を気にせず行動をする菊地原が珍しいなと内心思いながら近くに行く時枝。特に今日は休みなだけあって昼前でも人が多く、……サイドエフェクト持ちの彼がこんな場所に居ることがないのだ。…此処に柚紀が居ればそれほど不思議ではないのだが、今は見た所、あの少女が見当たらないのだ。……あの分かりやすい色合いなのだから、見逃すはずはないと思ってるからだ
一先ず二人して間に入り込み、少しだけ距離を置いて何を話していたのかを嵐山は高校生二人を、時枝は同級生の二人に聞くことに
「それで出水、菊地原に何か文句を言われていた様に俺は見えたが……一体どうしたんだ?」
「それがですよ嵐山さん、あの二人が珍しく対戦していてそれを見物してたんですよ。あ、因みに今回は菊地原が勝ちでした。で、ブースから出てきたらいきなり…」
「"何で柚紀ちゃんと一緒に居ないんだ?"って言われたんです。俺達だってランク戦やりに来たのもありますが、あの子に会うのも目的の一つです。で(キョロキョロ)探してはいるんですが見つからなくて……あ!所で嵐山さんは彼女のトリオン体姿は見ましたか?…実は太刀川さんから、その事で妙なメッセージを貰いまして」
嵐山に概要を話しつつ柚紀を探している二人だが、ふと出水が何かを思い出して自分の携帯画面を嵐山に見世ながら訊ねる。そこに映し出されていたのは
【いやー、柚紀のトリオン体マジで予想の斜め上を行く奴だぜ?何て言うか……アレだ!!?超歌姫モード!的な感じだな。……あ、髪は伸びねぇぞ?逆ではあるがな】
さて、こちらは同級生組はと言うと時枝が質問しても答える気がない菊地原は、歌川に対応を丸投げしてナニやら携帯を取り出して操作を開始してしまう。……少し気になるが、先ずは状況把握からだ
「それで歌川、どうして二人も此処に?……いや、あの菊地原がこんな人が多い場所に居る時点で【あのメッセージを見て鶴ヶ峰さんに会いに来た】って所かな?」
「いや、それだけなら"既に目的は達成している"。……俺達はトリオン体の彼女がロビーに行く所でばったり遭遇して此処まで一緒に来た。それで隊員がランク戦もせずに居るのは些か不自然な気がしたし、……彼女の希望もあって菊地原と一戦していたんだ。別れる際に【対戦中、誰も見つけられなければモニター近くに居てくれ】と一言告げてね。で、終わらせて来てみれば」
「出水先輩達が居るのに彼女の姿がないって訳だね。(……幾らロビーに慣れたからと言って不用意に単独行動を彼女はしない筈だ。……数日前アレは生身だったとは言え、此処で大変な目に遭っているから尚更だ。ならどうして……)(‐ ヴーヴー、ヴーヴー ‐)!!……ちょっとごめん」
歌川の説明を聞いて、柚紀の性格や行動原理をあらかた分かっている"つもり"の時枝は彼女が見つからない理由を考察する。…無責任な発言をしない柚紀がロビーに居ない点、何か理由があって離れたのであれば少し前まで一緒に居た二人に連絡がないのも"彼女らしくない"、そう考えている所に新着のお知らせが入り、一言断ってから時枝は携帯を取り出して確認する。送り主を見て一瞬手が止まるが気を取り直してそのまま内容を見ると……明らかに表情が変化した。その文章はと言うと
【彼女はロビーには居ない。これは間違いない。ただ今日会ってから"ずっと音が不安定"だった。…トリオン体を身に付けたのが初めてなのは分かるけど、約半日ずっとならある程度落ち着きそうだけどね普通は。慣れない筈がない、彼女の話を聞いた限りでは、特殊な体質だからこそ逆に"馴染みすぎている"気がする。それに今彼女は携帯の充電が切れていて所持していない。……これは流石に放置は不味くない?ねぇ……親鳥さん】
送り主は菊地原だった。その彼は相変わらず携帯を操作をしていた。……何時にも増して真剣な表情で。ナニをしているかは定かではないが、柚紀関連と察してそのまま邪魔をするべきではないと考えた時枝は、何やら考え事をしている嵐山に報告をしに動く。……風間隊の二人とは離れるが、菊地原なら聞こえるだろうと思ったからだ。そして近づいてくる部下を見て嵐山はこう切り出した。……自分より探し人の事を知る彼なら何か気づくだろうと考えに至ったからだ
「なぁ充、……柚紀ちゃんは"一人で不安な時"どんな行動を取る?こう"誰も頼れない"が"何もしなければ下手をすれば悪化する"と分かっている時、……彼女ならどうすると思う?本当に困った時、人の本質が出るものだ。色んな彼女を見ているお前なら、…彼女の心理も分かるんじゃないか?」
「出水先輩に米屋先輩、それに……風間隊の二人?一体ナニをしているんでしょうか?」
「よく分からないが、何やら菊地原が二人に文句を言っている風に見えなくもないが……とりあえず、あのままは良くない。仲裁に入るぞ充」
「了解です、嵐山さん」
あんな風に人目を気にせず行動をする菊地原が珍しいなと内心思いながら近くに行く時枝。特に今日は休みなだけあって昼前でも人が多く、……サイドエフェクト持ちの彼がこんな場所に居ることがないのだ。…此処に柚紀が居ればそれほど不思議ではないのだが、今は見た所、あの少女が見当たらないのだ。……あの分かりやすい色合いなのだから、見逃すはずはないと思ってるからだ
一先ず二人して間に入り込み、少しだけ距離を置いて何を話していたのかを嵐山は高校生二人を、時枝は同級生の二人に聞くことに
「それで出水、菊地原に何か文句を言われていた様に俺は見えたが……一体どうしたんだ?」
「それがですよ嵐山さん、あの二人が珍しく対戦していてそれを見物してたんですよ。あ、因みに今回は菊地原が勝ちでした。で、ブースから出てきたらいきなり…」
「"何で柚紀ちゃんと一緒に居ないんだ?"って言われたんです。俺達だってランク戦やりに来たのもありますが、あの子に会うのも目的の一つです。で(キョロキョロ)探してはいるんですが見つからなくて……あ!所で嵐山さんは彼女のトリオン体姿は見ましたか?…実は太刀川さんから、その事で妙なメッセージを貰いまして」
嵐山に概要を話しつつ柚紀を探している二人だが、ふと出水が何かを思い出して自分の携帯画面を嵐山に見世ながら訊ねる。そこに映し出されていたのは
【いやー、柚紀のトリオン体マジで予想の斜め上を行く奴だぜ?何て言うか……アレだ!!?超歌姫モード!的な感じだな。……あ、髪は伸びねぇぞ?逆ではあるがな】
さて、こちらは同級生組はと言うと時枝が質問しても答える気がない菊地原は、歌川に対応を丸投げしてナニやら携帯を取り出して操作を開始してしまう。……少し気になるが、先ずは状況把握からだ
「それで歌川、どうして二人も此処に?……いや、あの菊地原がこんな人が多い場所に居る時点で【あのメッセージを見て鶴ヶ峰さんに会いに来た】って所かな?」
「いや、それだけなら"既に目的は達成している"。……俺達はトリオン体の彼女がロビーに行く所でばったり遭遇して此処まで一緒に来た。それで隊員がランク戦もせずに居るのは些か不自然な気がしたし、……彼女の希望もあって菊地原と一戦していたんだ。別れる際に【対戦中、誰も見つけられなければモニター近くに居てくれ】と一言告げてね。で、終わらせて来てみれば」
「出水先輩達が居るのに彼女の姿がないって訳だね。(……幾らロビーに慣れたからと言って不用意に単独行動を彼女はしない筈だ。……数日前アレは生身だったとは言え、此処で大変な目に遭っているから尚更だ。ならどうして……)(‐ ヴーヴー、ヴーヴー ‐)!!……ちょっとごめん」
歌川の説明を聞いて、柚紀の性格や行動原理をあらかた分かっている"つもり"の時枝は彼女が見つからない理由を考察する。…無責任な発言をしない柚紀がロビーに居ない点、何か理由があって離れたのであれば少し前まで一緒に居た二人に連絡がないのも"彼女らしくない"、そう考えている所に新着のお知らせが入り、一言断ってから時枝は携帯を取り出して確認する。送り主を見て一瞬手が止まるが気を取り直してそのまま内容を見ると……明らかに表情が変化した。その文章はと言うと
【彼女はロビーには居ない。これは間違いない。ただ今日会ってから"ずっと音が不安定"だった。…トリオン体を身に付けたのが初めてなのは分かるけど、約半日ずっとならある程度落ち着きそうだけどね普通は。慣れない筈がない、彼女の話を聞いた限りでは、特殊な体質だからこそ逆に"馴染みすぎている"気がする。それに今彼女は携帯の充電が切れていて所持していない。……これは流石に放置は不味くない?ねぇ……親鳥さん】
送り主は菊地原だった。その彼は相変わらず携帯を操作をしていた。……何時にも増して真剣な表情で。ナニをしているかは定かではないが、柚紀関連と察してそのまま邪魔をするべきではないと考えた時枝は、何やら考え事をしている嵐山に報告をしに動く。……風間隊の二人とは離れるが、菊地原なら聞こえるだろうと思ったからだ。そして近づいてくる部下を見て嵐山はこう切り出した。……自分より探し人の事を知る彼なら何か気づくだろうと考えに至ったからだ
「なぁ充、……柚紀ちゃんは"一人で不安な時"どんな行動を取る?こう"誰も頼れない"が"何もしなければ下手をすれば悪化する"と分かっている時、……彼女ならどうすると思う?本当に困った時、人の本質が出るものだ。色んな彼女を見ているお前なら、…彼女の心理も分かるんじゃないか?」