11.目利きの曲~少女を見つけよ~(76.
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始まった歌川VS菊地原の戦いは、最初はお互いに探り合いの戦い方をしていたが、歌川はメテオラを菊地原はサイドエフェクトと"互いに持っていないモノ"を駆使して戦闘を繰り広げていた。勝負は互角に見えるが
『(あ~、うん。……やっぱり菊地原くんの方が優勢かな?出水先輩並みのトリオン量がないとメテオラによる"爆破音"で彼の"耳"は防げない。ってか同じ手に引っ掛からないよね?……彼って結構負けず嫌いな一面あるし……)「おっ!?歌川と菊地原がバドってやがる!!珍しいな~」!!……この声はっ?!(キョロキョロ)』
一人でそんな考察をしながら観戦していると、聞き覚えのある声が聞こえて周囲を見渡す柚紀。因みに他の隊員も"中々見れないA級隊員の試合"なだけあって殆んどの者がモニターを見つめていた。その沢山居る観戦者の中から見つけ出したのは
「……確かに珍しいな、俺や槍バカみたいに頻繁にランク戦しないよな~彼奴等って(まぁ"隠密部隊"だから手の内は隠したいってか?個人でも強いが風間隊の強みは、……そこじゃないけどな)」
「ん~、見た感じやっぱり菊地原が優勢か?歌川だって弱くはないけど、片方はサイドエフェクト持ちじゃんか?そこはアドバンテージあるよな~、実質"トリガーを一つ多く所持している"的な感じだろ?ま、だからと言って絶対に強いとは限らない。…結局は使用者の腕次第ってか?」
『(出水先輩と米屋先輩だ!!近づきたいけど、…どうしよう。二人の試合を観ていたいけど、終わったらお二人ともランク戦始めないとも限らないし…………あ!丁度良い機会だから以前お願いした"お二人の対戦が見たい"と言えばいっか!!戦闘シーンはROMで確認できるし…うん!)』
ランク戦をやりに来たであろう私服姿の二人を見つけて、どちらを優先すべきか躊躇した後に、"復習が可能"な観戦より、"予習を"と考えた柚紀は何時ものように話し掛けようと、…見ている人の邪魔にならないように二人に近づいていく。……だが
‐ !!…………プイッ ‐
『……ぇっ?(ピタッ)(い、今……目が合ったよね?出水、先輩と。な、何で視線反らされたの?……もしかして、歌川くんと同じで…ワカラナイ、ワタシガ?)』
今まで経験した事のない事態に見舞われた柚紀は、頭が真っ白になってしまう。……あのゲート騒動時に再会した時も、夏休み中自分が一人で観戦しているのに目敏く気づけば、出水は必ず柚紀に声を掛けてくれたのだ。(米屋も遭遇率は同等だが最初は慣れていなかったので)…なのに、今は違う。どうしてかと考えて居た際に、歌川の例を思い出して"ある予感"に辿り着く
『(そうだよ、だって………居ないもん。私みたいに"髪型も髪色も変えている人"が、…皆知らないの?それとも納得しているの?………違うか、…嫌な思いをした事がない、【本当に自分の容姿を受け入れているから】変えないんだきっと。……私は、…違う。【心の何処かで生身の自分を嫌がっている、否定している?】じゃなきゃ言実さんの言葉であっても、否定する筈だ。"私は私らしくありたい"から。じゃあ、今の私は……ナニ?イツワリノスガタヲシタ、ワタシヲ、…ミテクレルノ?……モシ)
‐ アノヒトニ、……カレニ、…カレラタチニ、………ミツケ、ラレナカッタラ? ‐
っ!!?(ダッ!!)』
あのメッセージには自分がどんな姿をしているかを明確に打っていなかった柚紀。理由は小佐野と太刀川に、文章の添削をお願いしてOKを貰っていたからだ。二人とも「ちゃんと気づいてくれるから大丈夫だよ」と言ったのと、太刀川は「一応、出水にはヒント送っておくか。彼奴柚紀の髪色変わるのを知らねぇし」と言っていた。だから尚更彼が自分に気づいてくれない事がショックだったのだ。そして、【あと一人】知り合いが自分に気づいてくれなかったら、……此処に居れば会えるだろう誰かに自分だと分かって貰えなかったら…………そう考えてしまった瞬間、柚紀は反射的にその場から走り出していた。"嫌な思いはしたくない"・"人は沢山居るのに心細い"・"……拒絶されるなら、否定されるなら一人の方がマシだ"…そんな思いに支配された柚紀は泣きそうな表情を浮かべながら、複数ある出入り口の一つからロビーを後にしたのであった
……そんな柚紀がロビーを出るのと同じタイミングに、彼女が使用したのとは別の出入り口からやって来た赤い隊服を着たボーダー隊員は、【緑色のショートヘアーの少女がロビーから走り去る後姿】を見つめ、……首を傾げた。誰かと言うと
「………あれは…(顔は見えなかったが、今のは……柚紀ちゃん?何やら慌てている感じだが、どうしたんだ?…理由は分からないが暫くすれば戻って来るかな?)「嵐山さん、どうかしましたか?」!いや、大した事じゃないから気にするな充。…さて、何時もと教える事は変わらないが、確認は怠る訳にもいかないし、彼女を探しながら始めるか」
…嵐山だった。そして少し遅れてやって来た時枝がロビーに入った時には、柚紀の姿は見えなくなっていた。……本人が"周辺"と記載していたとは言え、ロビーに居れば高確率で逢えるだろうと考えていた嵐山は時枝に"柚紀らしき少女を見た"とは言わなかった。……彼女は、嘘を付かないし約束は守る子だと知っているから
『(あ~、うん。……やっぱり菊地原くんの方が優勢かな?出水先輩並みのトリオン量がないとメテオラによる"爆破音"で彼の"耳"は防げない。ってか同じ手に引っ掛からないよね?……彼って結構負けず嫌いな一面あるし……)「おっ!?歌川と菊地原がバドってやがる!!珍しいな~」!!……この声はっ?!(キョロキョロ)』
一人でそんな考察をしながら観戦していると、聞き覚えのある声が聞こえて周囲を見渡す柚紀。因みに他の隊員も"中々見れないA級隊員の試合"なだけあって殆んどの者がモニターを見つめていた。その沢山居る観戦者の中から見つけ出したのは
「……確かに珍しいな、俺や槍バカみたいに頻繁にランク戦しないよな~彼奴等って(まぁ"隠密部隊"だから手の内は隠したいってか?個人でも強いが風間隊の強みは、……そこじゃないけどな)」
「ん~、見た感じやっぱり菊地原が優勢か?歌川だって弱くはないけど、片方はサイドエフェクト持ちじゃんか?そこはアドバンテージあるよな~、実質"トリガーを一つ多く所持している"的な感じだろ?ま、だからと言って絶対に強いとは限らない。…結局は使用者の腕次第ってか?」
『(出水先輩と米屋先輩だ!!近づきたいけど、…どうしよう。二人の試合を観ていたいけど、終わったらお二人ともランク戦始めないとも限らないし…………あ!丁度良い機会だから以前お願いした"お二人の対戦が見たい"と言えばいっか!!戦闘シーンはROMで確認できるし…うん!)』
ランク戦をやりに来たであろう私服姿の二人を見つけて、どちらを優先すべきか躊躇した後に、"復習が可能"な観戦より、"予習を"と考えた柚紀は何時ものように話し掛けようと、…見ている人の邪魔にならないように二人に近づいていく。……だが
‐ !!…………プイッ ‐
『……ぇっ?(ピタッ)(い、今……目が合ったよね?出水、先輩と。な、何で視線反らされたの?……もしかして、歌川くんと同じで…ワカラナイ、ワタシガ?)』
今まで経験した事のない事態に見舞われた柚紀は、頭が真っ白になってしまう。……あのゲート騒動時に再会した時も、夏休み中自分が一人で観戦しているのに目敏く気づけば、出水は必ず柚紀に声を掛けてくれたのだ。(米屋も遭遇率は同等だが最初は慣れていなかったので)…なのに、今は違う。どうしてかと考えて居た際に、歌川の例を思い出して"ある予感"に辿り着く
『(そうだよ、だって………居ないもん。私みたいに"髪型も髪色も変えている人"が、…皆知らないの?それとも納得しているの?………違うか、…嫌な思いをした事がない、【本当に自分の容姿を受け入れているから】変えないんだきっと。……私は、…違う。【心の何処かで生身の自分を嫌がっている、否定している?】じゃなきゃ言実さんの言葉であっても、否定する筈だ。"私は私らしくありたい"から。じゃあ、今の私は……ナニ?イツワリノスガタヲシタ、ワタシヲ、…ミテクレルノ?……モシ)
‐ アノヒトニ、……カレニ、…カレラタチニ、………ミツケ、ラレナカッタラ? ‐
っ!!?(ダッ!!)』
あのメッセージには自分がどんな姿をしているかを明確に打っていなかった柚紀。理由は小佐野と太刀川に、文章の添削をお願いしてOKを貰っていたからだ。二人とも「ちゃんと気づいてくれるから大丈夫だよ」と言ったのと、太刀川は「一応、出水にはヒント送っておくか。彼奴柚紀の髪色変わるのを知らねぇし」と言っていた。だから尚更彼が自分に気づいてくれない事がショックだったのだ。そして、【あと一人】知り合いが自分に気づいてくれなかったら、……此処に居れば会えるだろう誰かに自分だと分かって貰えなかったら…………そう考えてしまった瞬間、柚紀は反射的にその場から走り出していた。"嫌な思いはしたくない"・"人は沢山居るのに心細い"・"……拒絶されるなら、否定されるなら一人の方がマシだ"…そんな思いに支配された柚紀は泣きそうな表情を浮かべながら、複数ある出入り口の一つからロビーを後にしたのであった
……そんな柚紀がロビーを出るのと同じタイミングに、彼女が使用したのとは別の出入り口からやって来た赤い隊服を着たボーダー隊員は、【緑色のショートヘアーの少女がロビーから走り去る後姿】を見つめ、……首を傾げた。誰かと言うと
「………あれは…(顔は見えなかったが、今のは……柚紀ちゃん?何やら慌てている感じだが、どうしたんだ?…理由は分からないが暫くすれば戻って来るかな?)「嵐山さん、どうかしましたか?」!いや、大した事じゃないから気にするな充。…さて、何時もと教える事は変わらないが、確認は怠る訳にもいかないし、彼女を探しながら始めるか」
…嵐山だった。そして少し遅れてやって来た時枝がロビーに入った時には、柚紀の姿は見えなくなっていた。……本人が"周辺"と記載していたとは言え、ロビーに居れば高確率で逢えるだろうと考えていた嵐山は時枝に"柚紀らしき少女を見た"とは言わなかった。……彼女は、嘘を付かないし約束は守る子だと知っているから