11.目利きの曲~少女を見つけよ~(76.
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
どうにかその場を納めた風間から「悪いと思っているなら鶴ヶ峰をロビーまで送ってやれ。…元々行く予定だったんだろ?」と言われたので、柚紀は歌川と菊地原と一緒に向かっていた
「ってかまだ道のり覚えてなかったの?同じ道を通っているなら覚えれそうなものだけど?」
『だ、だって目印ないもん!!ドアも電光も同じデザインだし、……一人の時はやっぱり心配だから宇佐美先輩のアプリ使っちゃうんだもん!?…どうすれば覚えられるんだろ?』
「ん~……こればかりは反復しかないな。確か此処みたいな巨大な建物にも慣れていないんだよな?鶴ヶ峰は携帯にも慣れてなかったが、今は大分使えるようになっただろ?それと同じ感じだと思うが」
『でもまだまだだよ?電池の減り具合とか把握出来てなくてうっかり忘れる事もあったし、それで宇佐美先輩から【寝るときに充電する習慣を付けたらどう?】とアドバイス頂いて実行したら……今日みたいになったし(シュン)』
便利なモノがあれば頼ってしまう、だがそれが使えない時もある程度対処法がなければ困る場合がある。……今の柚紀がそんな状態であり、改善方法が見つからなくて落ち込んでしまう。それを見て歌川も困った表情をして菊地原に視線を向ければ、ため息をついてこう助言した
「別に絶対に使うなとは言わないよ?だけどさ、……"何か条件を付ける"のはどう?……例えば"目的地に何分経過しても辿り着かなかったらアプリを使う"とか。で、この時"制限時間は余裕を持たせる"そうすれば慌てる必要もない。それをクリアしたら"時間を縮めて行く"……で、最終的には見なくて大丈夫になる筈だよ?……ってか鶴ヶ峰、君だって本当はアプリを毎回使ってなくない?………今回はお昼までって制限があるから無意識に焦って分からなくなった…違う?」
『あ!?(ポン)……成る程、そっか!!うん、そうだと思う。…"慣れてきた事に慣れない事が追加されて"……だから上手く出来ないのか!?………こう言うのって自分より他人の方が気づきやすい事、なのかな?でも菊地原くんの場合は(トントン)…"音"で分かっちゃったってのもありそうだね(クスクス)』
「………否定は、しないよ?君は"他の人より"分かりやすいからね(……彼女がトリオン体のせい?…生身より鮮明に聴こえるんだけど。コレ独りにさせたら、ヤバいか?)」
菊地原のアドバイスのお陰で表情に明るさが戻った柚紀を見て、…二人のやり取りを一歩引いた位置で歌川は暖かい眼差しで見守っていた。本来ならそんな動きをすれば菊地原も気づく筈なのだが、どうやら柚紀との会話に集中しているらしく全く気づいていないのであった。…実際の所、例の"柚紀限定"の"通常能力と異なる作用"が発動している状態で、柚紀の"二つ声"が聴こえている状況だからであった
暫く歩いてやっと柚紀も見覚えのある場所まで来て、余裕が出来てふと歌川が後ろに居る事に気づき『どうしたの?』と訊ねると、菊地原を一瞥してこう返した
「夏休み中に諏訪さん達や出水先輩とのチーム模擬戦はしたけど、暫く菊地原と一対一で戦ってないと思ってな。……今日は人も多いけど、一戦位やらないか?」
「……何でランク戦ロビーで戦う必要あるのさ?見世物になりたくないからお断…(…クイッ)……何?いきなり服を引っ張ってさ」
『えっと、私見たい、です。二人が戦っている所を。その……スコーピオン同士の戦いは別の人達のを何回も拝見しているよ?でも、昨日の試験で風間さんにお手伝いして貰ったせいなのか、……さっきまで時間潰しにB級の人達の戦闘ROM見ても何故か、………"つまらなく感じちゃって"。遅いと言うか、太刀筋が見えちゃう的な感じで。…直ぐに誰かがロビーに来るとは限らない状態で、目的もなしに居るのは、…ちょっと辛いし、……不安です。だから、その……』
歌川の提案を即却下しようとした菊地原だったが、発言や不安げな表情や控え目ながら服を掴む柚紀を見て考えを巡らせる。……生身の状態でも、体力は一般人並みだが見る事…観察力等に加えて動くものを捕らえる所謂"動体視力"も悪くはない柚紀なのだ。そんな彼女が身体機能を強化されたトリオン体でモノを見れば、……"何時もよりゆっくり見えてしまう"のも頷ける。…ランク戦見物を"一人で"している際に遭遇した時に食い入る様にモニターを見つめる柚紀が……【歌姫使用時程ではないが、うっすら髪色が変化している姿】を見たからであった。更に言動や"音なき声"も不安を訴えている少女を更に煽る様な事を、……"サイドエフェクトの先輩"である自分がすべきでないと結論付ければ
「ハァ~………分かったよ。でも少しだけ…五本勝負ならやってあげなくもないけど?…君は風間さんから期待、されているんだ。戦えなくてもそれ以外のは僕達並みにまでなって貰わないと、変ないちゃもん付ける馬鹿が出てくる可能性だってある。でも……勉強もそこそこ出来て理解力も悪くない鶴ヶ峰なら、何かさ……【一度見たら覚えちゃう】感じだよね?上手い人のを見るのも大切だけど、……たまには振り返りなよ?君って変に抜けているから」
「勉強は予習……先を見据えてやるのも必要だけど、復習…以前やった事を振り替えるのも大切だな。ま、一回位戦っていれば出水先輩か米屋先輩に遭遇出来るんじゃないか?………あのメッセージ二人にも送ったんだろ?」
『うん、この姿(トリオン体)見たことない人には一応。……エヘヘ、どっちが勝つかな~。あ!!贔屓しません!!両方応援します?!』
ワクワクしながらロビーに入れば周囲の隊員が"見知らぬ少女"が来て戸惑い注目するが、歌川と菊地原が然り気無く視線を向けて牽制。……一部はそれを見て【あのお気に入りの子?…トリオン体か??】と、察する者も居たのであった。「誰かに会うか俺達が来るまではモニター近くで待っていてくれ」と、歌川に言われたのを素直に聞き入れ、ブースに入る二人を見送れば言われた通りモニターの側に移動して、二人の対戦が始まるのを待っていたのであった
「ってかまだ道のり覚えてなかったの?同じ道を通っているなら覚えれそうなものだけど?」
『だ、だって目印ないもん!!ドアも電光も同じデザインだし、……一人の時はやっぱり心配だから宇佐美先輩のアプリ使っちゃうんだもん!?…どうすれば覚えられるんだろ?』
「ん~……こればかりは反復しかないな。確か此処みたいな巨大な建物にも慣れていないんだよな?鶴ヶ峰は携帯にも慣れてなかったが、今は大分使えるようになっただろ?それと同じ感じだと思うが」
『でもまだまだだよ?電池の減り具合とか把握出来てなくてうっかり忘れる事もあったし、それで宇佐美先輩から【寝るときに充電する習慣を付けたらどう?】とアドバイス頂いて実行したら……今日みたいになったし(シュン)』
便利なモノがあれば頼ってしまう、だがそれが使えない時もある程度対処法がなければ困る場合がある。……今の柚紀がそんな状態であり、改善方法が見つからなくて落ち込んでしまう。それを見て歌川も困った表情をして菊地原に視線を向ければ、ため息をついてこう助言した
「別に絶対に使うなとは言わないよ?だけどさ、……"何か条件を付ける"のはどう?……例えば"目的地に何分経過しても辿り着かなかったらアプリを使う"とか。で、この時"制限時間は余裕を持たせる"そうすれば慌てる必要もない。それをクリアしたら"時間を縮めて行く"……で、最終的には見なくて大丈夫になる筈だよ?……ってか鶴ヶ峰、君だって本当はアプリを毎回使ってなくない?………今回はお昼までって制限があるから無意識に焦って分からなくなった…違う?」
『あ!?(ポン)……成る程、そっか!!うん、そうだと思う。…"慣れてきた事に慣れない事が追加されて"……だから上手く出来ないのか!?………こう言うのって自分より他人の方が気づきやすい事、なのかな?でも菊地原くんの場合は(トントン)…"音"で分かっちゃったってのもありそうだね(クスクス)』
「………否定は、しないよ?君は"他の人より"分かりやすいからね(……彼女がトリオン体のせい?…生身より鮮明に聴こえるんだけど。コレ独りにさせたら、ヤバいか?)」
菊地原のアドバイスのお陰で表情に明るさが戻った柚紀を見て、…二人のやり取りを一歩引いた位置で歌川は暖かい眼差しで見守っていた。本来ならそんな動きをすれば菊地原も気づく筈なのだが、どうやら柚紀との会話に集中しているらしく全く気づいていないのであった。…実際の所、例の"柚紀限定"の"通常能力と異なる作用"が発動している状態で、柚紀の"二つ声"が聴こえている状況だからであった
暫く歩いてやっと柚紀も見覚えのある場所まで来て、余裕が出来てふと歌川が後ろに居る事に気づき『どうしたの?』と訊ねると、菊地原を一瞥してこう返した
「夏休み中に諏訪さん達や出水先輩とのチーム模擬戦はしたけど、暫く菊地原と一対一で戦ってないと思ってな。……今日は人も多いけど、一戦位やらないか?」
「……何でランク戦ロビーで戦う必要あるのさ?見世物になりたくないからお断…(…クイッ)……何?いきなり服を引っ張ってさ」
『えっと、私見たい、です。二人が戦っている所を。その……スコーピオン同士の戦いは別の人達のを何回も拝見しているよ?でも、昨日の試験で風間さんにお手伝いして貰ったせいなのか、……さっきまで時間潰しにB級の人達の戦闘ROM見ても何故か、………"つまらなく感じちゃって"。遅いと言うか、太刀筋が見えちゃう的な感じで。…直ぐに誰かがロビーに来るとは限らない状態で、目的もなしに居るのは、…ちょっと辛いし、……不安です。だから、その……』
歌川の提案を即却下しようとした菊地原だったが、発言や不安げな表情や控え目ながら服を掴む柚紀を見て考えを巡らせる。……生身の状態でも、体力は一般人並みだが見る事…観察力等に加えて動くものを捕らえる所謂"動体視力"も悪くはない柚紀なのだ。そんな彼女が身体機能を強化されたトリオン体でモノを見れば、……"何時もよりゆっくり見えてしまう"のも頷ける。…ランク戦見物を"一人で"している際に遭遇した時に食い入る様にモニターを見つめる柚紀が……【歌姫使用時程ではないが、うっすら髪色が変化している姿】を見たからであった。更に言動や"音なき声"も不安を訴えている少女を更に煽る様な事を、……"サイドエフェクトの先輩"である自分がすべきでないと結論付ければ
「ハァ~………分かったよ。でも少しだけ…五本勝負ならやってあげなくもないけど?…君は風間さんから期待、されているんだ。戦えなくてもそれ以外のは僕達並みにまでなって貰わないと、変ないちゃもん付ける馬鹿が出てくる可能性だってある。でも……勉強もそこそこ出来て理解力も悪くない鶴ヶ峰なら、何かさ……【一度見たら覚えちゃう】感じだよね?上手い人のを見るのも大切だけど、……たまには振り返りなよ?君って変に抜けているから」
「勉強は予習……先を見据えてやるのも必要だけど、復習…以前やった事を振り替えるのも大切だな。ま、一回位戦っていれば出水先輩か米屋先輩に遭遇出来るんじゃないか?………あのメッセージ二人にも送ったんだろ?」
『うん、この姿(トリオン体)見たことない人には一応。……エヘヘ、どっちが勝つかな~。あ!!贔屓しません!!両方応援します?!』
ワクワクしながらロビーに入れば周囲の隊員が"見知らぬ少女"が来て戸惑い注目するが、歌川と菊地原が然り気無く視線を向けて牽制。……一部はそれを見て【あのお気に入りの子?…トリオン体か??】と、察する者も居たのであった。「誰かに会うか俺達が来るまではモニター近くで待っていてくれ」と、歌川に言われたのを素直に聞き入れ、ブースに入る二人を見送れば言われた通りモニターの側に移動して、二人の対戦が始まるのを待っていたのであった