10.解説の曲~歌姫用トリオン体編~(75.
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諏訪の問い掛けに「どちらも変わらないだろ?」と呆れ気味に言う風間の言い分に「意思は尊重すべきだろ?」と返し、訊ねられた柚紀は『……おんぶが、良いです』と答えたのであった。リクエスト通りにおぶって言実の元に風間と共に合流すれば、白衣のポケットから何やらブレスレットらしいのを装着して柚紀の頭を撫でる言実の行動を見て風間は分かりづらいが東以外が仰天した
「ま、ま、ま、まてまてまてまてまて!!?アンタもトリオン体!!でもって、トリオン量だってそんなに多くないだろうが?!!触るなって言った本人がやっちまってどうするんだよ!?」
「トリオン量が低下している鶴ヶ峰に触れたらヤバイのかはつる姐だって知っているだろ?!!あの出水ですら"戦闘二回分並みにトリオン消費した"とか"トリオン体なのに体が上手く動かせねぇ"とか運び終えてから違和感を訴えたんだぞ?!」
「落ち着け当真。…諏訪も言実さんが心配なのは分かるが、この方が何も策も無しに行動をする人ではないだろう?……秘密はそのブレスレットにある、ですよね?」
言実の撫でる手が心地よいのか、二人の驚く声にも吃驚せずうっとりしている柚紀。撫でることに気が済んだ言実は全員に腕にある何やら仕掛け付きのブレスレットを見せながら説明を開始する
『東の言う通り、コレは私が作った"トリオン流出を抑制する機能"を付けたモノだ。だから普通に触れても、長時間でなければ問題はない。……以前、"生身とトリオン体の境を曖昧にするモノ"を試作したが、…あれは失敗だったな。お陰でトリオン体も生身にも悪影響を齎してしまった。…流石にアレは堪えたよ』
「……流石と言うべき、なのか?ってかその試作品の方は何時試したんだよ?俺は知らねぇぜ?」
「忘れたか諏訪、……例のゲート騒動後柚紀ちゃんを嵐山隊に預けていた期間があっただろ?"試作品実験に失敗した"……それが原因だったんだよ。…あの時言実ちゃんは"見えないヵ所"にそれを仕込んでいた。サイドエフェクト…【歌姫】の能力を"無事"にお前達に届ける為には、色々手間が必要でそれを補うのに使ったのがソレの試作品な訳だ」
「お前達にも理解しやすい例を上げるなら、発電所で作られた高電圧を電気を一般家庭でも使用できる電圧に下げる"変電所"、若しくは泥水や海水を飲用可能にする"ろ過装置"。…その役目を言実さんのトリオン体"のみ"でやり遂げた訳だ。だが、無理をしたから代価が出てしまった。トリオン体使用不可に止まらず、生身の"手を含めた片腕の自由と感覚の一時的消失"が発生した。……コレは当真、お前は知っているな?」
「そりゃあ、まぁ……その間、ウチで匿ってましたからね。姐さんは両手利きな方ですから多少不便はありましたが、柚紀よりは全然お世話が楽でしたんで。で、……この寝ちまった姫様は何で此処までトリオン量が低下しちまったんだ?」
言実の説明に加えて、あのゲート騒動後に隠された事実……柚紀並みに無茶や無理をした言実の状況は知っていたが原因は知らなかった諏訪はかなり難しそうな表情を浮かべていた。そんな感じで話をしている中、いつの間にか寝ている柚紀を当真は不思議そうに見つめていた。ブレスレットを外しながら携帯に届いていた内容を確認して『移動しながら話そうか』と、施設を出て移動を開始する
『この子が眠ってしまった理由は"トリオン量の回復"が目的だ。……本来トリオン体なら睡眠は必要がない、だがこの子は体質の影響でこの様な事にもなる。………丁度良いから、柚紀の体質について簡単に説明しよう。そうだな……蛇口を人体、水をトリオンに例えるとしたら…私を含む普通の生身は蛇口をきっちり閉めた状態だ。が、柚紀は生身でも"蛇口が少し開いており少量だが水が常に滴っている状態"だ。此処までは大丈夫か?』
「あ、あぁ。……その考えだとトリオン体は"蛇口を開いて水が常に一定量流れている"って感じか?いや、なら俺達も長時間トリオン体を維持できない事になるよな?……"蛇口を開閉操作が自在に出来る状態になった"のがトリオン体か?」
『その解釈が一番合致するだろうな。だが柚紀の場合はトリオン体になると"手動式の蛇口"から"センサーで反応する自動式"になると言えば、…コントロールが不安定なのが如何にマズイかも理解できるだろ?』
言実の説明に学力が低い当真も何とか理解したらしく小さく頷いた。……あどけなく眠るこの少女は思った以上に大変な立場だと再認識した風間は更に口を開いた。…言わねばならないと思ったからだ
「それだけではない、……俺がさっき【歌姫を使用中の鶴ヶ峰】を高圧電流や泥水と例えただろ?…現段階では悲しいことにそれすら"当て嵌まっている状況"だ。……恐らく鶴ヶ峰一人では俺達に【恩恵より弊害】の方が出やすい、…"心の病持ち"だからな。更に彼女自身がトリオン量が多い、……蛇口を乱暴に使い続ければサイアク…壊れてしまう。それを防ぐ為にモノを大切にする必要がある。だが使う必要がある……難しい事だ」
「あ~、……風間さんの説明が例えと混在していて俺の理解力が追い付かないですが、…………兎に角柚紀は課題が沢山あるが、コツコツ地道にこなすしかない。で、大丈夫かつる姐?それとさ、……起きるのかコレ?」
『………あぁ、だからゆっくり過ぎると上層部が五月蠅い故に柚紀の調子や状況を見極めつつ進めていくしかあるまい。……問題ない、目的地着いたら私が起こす』
風間の手厳しい指摘も間違えではない、更にこの後柚紀が体験・身に付ける必要がある事は、かなり大変で……一歩間違えば"新たなトラウマ"になる事なのを言実はこれから強要させるのだ。……ならばせめて今は、そんな気持ちで眠っている姪を連れて訓練室に向かうのであった
「ま、ま、ま、まてまてまてまてまて!!?アンタもトリオン体!!でもって、トリオン量だってそんなに多くないだろうが?!!触るなって言った本人がやっちまってどうするんだよ!?」
「トリオン量が低下している鶴ヶ峰に触れたらヤバイのかはつる姐だって知っているだろ?!!あの出水ですら"戦闘二回分並みにトリオン消費した"とか"トリオン体なのに体が上手く動かせねぇ"とか運び終えてから違和感を訴えたんだぞ?!」
「落ち着け当真。…諏訪も言実さんが心配なのは分かるが、この方が何も策も無しに行動をする人ではないだろう?……秘密はそのブレスレットにある、ですよね?」
言実の撫でる手が心地よいのか、二人の驚く声にも吃驚せずうっとりしている柚紀。撫でることに気が済んだ言実は全員に腕にある何やら仕掛け付きのブレスレットを見せながら説明を開始する
『東の言う通り、コレは私が作った"トリオン流出を抑制する機能"を付けたモノだ。だから普通に触れても、長時間でなければ問題はない。……以前、"生身とトリオン体の境を曖昧にするモノ"を試作したが、…あれは失敗だったな。お陰でトリオン体も生身にも悪影響を齎してしまった。…流石にアレは堪えたよ』
「……流石と言うべき、なのか?ってかその試作品の方は何時試したんだよ?俺は知らねぇぜ?」
「忘れたか諏訪、……例のゲート騒動後柚紀ちゃんを嵐山隊に預けていた期間があっただろ?"試作品実験に失敗した"……それが原因だったんだよ。…あの時言実ちゃんは"見えないヵ所"にそれを仕込んでいた。サイドエフェクト…【歌姫】の能力を"無事"にお前達に届ける為には、色々手間が必要でそれを補うのに使ったのがソレの試作品な訳だ」
「お前達にも理解しやすい例を上げるなら、発電所で作られた高電圧を電気を一般家庭でも使用できる電圧に下げる"変電所"、若しくは泥水や海水を飲用可能にする"ろ過装置"。…その役目を言実さんのトリオン体"のみ"でやり遂げた訳だ。だが、無理をしたから代価が出てしまった。トリオン体使用不可に止まらず、生身の"手を含めた片腕の自由と感覚の一時的消失"が発生した。……コレは当真、お前は知っているな?」
「そりゃあ、まぁ……その間、ウチで匿ってましたからね。姐さんは両手利きな方ですから多少不便はありましたが、柚紀よりは全然お世話が楽でしたんで。で、……この寝ちまった姫様は何で此処までトリオン量が低下しちまったんだ?」
言実の説明に加えて、あのゲート騒動後に隠された事実……柚紀並みに無茶や無理をした言実の状況は知っていたが原因は知らなかった諏訪はかなり難しそうな表情を浮かべていた。そんな感じで話をしている中、いつの間にか寝ている柚紀を当真は不思議そうに見つめていた。ブレスレットを外しながら携帯に届いていた内容を確認して『移動しながら話そうか』と、施設を出て移動を開始する
『この子が眠ってしまった理由は"トリオン量の回復"が目的だ。……本来トリオン体なら睡眠は必要がない、だがこの子は体質の影響でこの様な事にもなる。………丁度良いから、柚紀の体質について簡単に説明しよう。そうだな……蛇口を人体、水をトリオンに例えるとしたら…私を含む普通の生身は蛇口をきっちり閉めた状態だ。が、柚紀は生身でも"蛇口が少し開いており少量だが水が常に滴っている状態"だ。此処までは大丈夫か?』
「あ、あぁ。……その考えだとトリオン体は"蛇口を開いて水が常に一定量流れている"って感じか?いや、なら俺達も長時間トリオン体を維持できない事になるよな?……"蛇口を開閉操作が自在に出来る状態になった"のがトリオン体か?」
『その解釈が一番合致するだろうな。だが柚紀の場合はトリオン体になると"手動式の蛇口"から"センサーで反応する自動式"になると言えば、…コントロールが不安定なのが如何にマズイかも理解できるだろ?』
言実の説明に学力が低い当真も何とか理解したらしく小さく頷いた。……あどけなく眠るこの少女は思った以上に大変な立場だと再認識した風間は更に口を開いた。…言わねばならないと思ったからだ
「それだけではない、……俺がさっき【歌姫を使用中の鶴ヶ峰】を高圧電流や泥水と例えただろ?…現段階では悲しいことにそれすら"当て嵌まっている状況"だ。……恐らく鶴ヶ峰一人では俺達に【恩恵より弊害】の方が出やすい、…"心の病持ち"だからな。更に彼女自身がトリオン量が多い、……蛇口を乱暴に使い続ければサイアク…壊れてしまう。それを防ぐ為にモノを大切にする必要がある。だが使う必要がある……難しい事だ」
「あ~、……風間さんの説明が例えと混在していて俺の理解力が追い付かないですが、…………兎に角柚紀は課題が沢山あるが、コツコツ地道にこなすしかない。で、大丈夫かつる姐?それとさ、……起きるのかコレ?」
『………あぁ、だからゆっくり過ぎると上層部が五月蠅い故に柚紀の調子や状況を見極めつつ進めていくしかあるまい。……問題ない、目的地着いたら私が起こす』
風間の手厳しい指摘も間違えではない、更にこの後柚紀が体験・身に付ける必要がある事は、かなり大変で……一歩間違えば"新たなトラウマ"になる事なのを言実はこれから強要させるのだ。……ならばせめて今は、そんな気持ちで眠っている姪を連れて訓練室に向かうのであった