10.解説の曲~歌姫用トリオン体編~(75.
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「……いきなり何なんですか東さん、…理由を教えて下さい。どうしていきなり射ったんですか?狙いは日浦ちゃん?それとも……彼女ですか?この至近距離です、…トリオンによって弾速が変わるライトニングや威力が高くなるアイビスでないだけ、まだマシでしたが……構えてから射つまで間が全然無かった。お陰で佐鳥ですら反応出来なかった。多分だけどこのシールドは(コンコン)……柚紀ちゃんが展開したんだと、思いますが……………………何処まで知っていたんですか?何処まで………………計算していたんですか?」
我に返った佐鳥が二人より前に出て東と真っ正面から対峙する。柚紀の腕の中で状況が把握できていない日浦と、…反射的に庇い目を瞑っていた柚紀は前方から佐鳥の声が聞こえて来たので、瞳を開けばそれと同時に展開されていたシールドが消え失せたのだった。声音が普段通りで柚紀は分からなかった。……佐鳥が怒りを露にしているのを。そんな表情を見て誰もが発言出来ずにいる空気を変えたのは………
‐ コツコツ、コツコツ ‐
『お前達何時まで練習するつもりだ?学生は早々に帰宅しろ、もう時間も遅い。練習を存分にしたいなら明日にしろ、明日は土曜日故にな(パサッ……コツコツ)……東、確かに私は"可能なら"と言ったが…子ども達が居る時に行うべきではなかろう。それも(チラッ)柚紀の性格を考慮して確実に"
〔オイコラ東に当真っ!!お前達が側に居ながら何で柚紀ちゃんのトリオン体に組み込んだ特別なシールドが作動していやがる!??あれはオートで、"あの子が特定の状況に陥らない限り発動しない筈だ"!?訓練施設でそんな事になる筈ねぇだろう?!!うっかり腕時計のアラート機能同様に"発動アラートだけ"を俺と言実ちゃんに施したがうっかりOFFにし忘れたせいで、寝ていたところを叩き起こされたぞ!!!?〕
「た、隊長っ?!オート機能って、……アレか?ロビーで弾丸受けちまったから、それで機能を追加付属させたのか?…違うのかつる姐?!」
ポジションがスナイパーでも言実の凄さは周知の事実らしく、誰も反論する事なくそそくさと荷物を持って施設を後にする。ほぼ知り合いしか居なくなったのを確認してから東達に白衣姿のまま近付き、柚紀達の状況や携帯を見て流石に苦言を呈するのだった
そんな中、東と当真宛に冬島から怒声通信が入り、内容が内容だけに驚きを示す当真は"オート機能を付けた理由"を言実に問いただす。そんな当真の発言を聞いて「先輩っ?!弾丸って何ですか??私、知りませんよっ!!?」と日浦に問い詰められている柚紀との間に割り込んで仲裁を先にする
『落ち着けアカネ、…明日ユウと共にラボに来い。そこで纏めて説明する。だから今は聞くな、……この後柚紀には"とある検査"が控えている。…あまり心を揺らがせたくはない、結果に影響が出る故にな』
「検査………分かり、ました。…こんな遅い時間から行うと言うことは"それだけ柚紀先輩にとっては重要な事"なんです、よね?…明日くま先輩と共に窺います。……柚紀先輩、先程は私を庇ってくれて有り難う御座いました(ペコリ)」
『(フルフル)気にしないで、咄嗟だったし(それに、もしかしたら東さんは……私を射とうとしたのかも知れない。何処まで本当なのか分からない、でも……今は曖昧でも良いよね?)……もう遅いから今日は此処でお別れだね。多分、…此処で検査とは"別のナニか"をするから言実さんがわざわざ来たんだと思うから。……またね、茜ちゃん(フワッ…ナデナデ)』
信用信頼が厚い言実の言葉や那須の影響でか"検査の重要性"を自分なりに理解している日浦。だが納得出来ない点や柚紀が心配なのは表情を見れば明白、でも我が儘は駄目だと今日は引き下がるのを決意する。そんな心情を感じた柚紀は、優しく微笑みながら頭を撫でて日浦を奈良坂の方へと送り出す。穂刈や半崎、古寺達も東や当真に先程の事を聞こうとしていたが「明日教える」とコチラも言われてしまい、渋々ではあるが五人は訓練施設を後にするのであった。そして施設内に残ったのは東、当真、言実と柚紀、そして佐鳥の五人だが……言実は学生二人にこう告げた
『佐鳥、当真。お前達も帰れ、実力のある隊員である前に二人とも学生……子どもだ。私は"理由もなしに"遅くまでボーダーに引き留めたくはない。それに……(チラッ)今から柚紀は"トリオン体に慣れさせる検査……実体験"をさせねば成らぬ。それの邪魔をされては…困る』
「慣れる為の、邪魔?……それが柚紀ちゃんに必要なら佐鳥だって邪魔しませんがおつるちゃん、具体的にどんな事をするの?」
「……俺は何となく想像が付くぜ?だが、これが当たりなら逆に"俺が居た方が楽"だと思うが…違うかつる姐?さっきのシールドに関する質問に答えてくれなかったんだ。コッチは答えてもらうぜ?それに恐らくだが、…東さんの狙撃じゃ柚紀を………"落とせなくなってないか?"」
トリオン体が生身と違うのは理解しているが"柚紀にナニを体験させるのかが"気になる佐鳥に対して、先程のシールド発動させる為に東が柚紀を射った事より自分が居る重要性を解く当真。……この認識の差が居残りを許可するかの判断に大きな影響を与えてしまい、それを理解させる間もなく言実が口を開いたのだ
『……当真の言い分は一理ある、故にお前が残ることは許可しよう。だが佐鳥、…お前は駄目だ。"トリオン体に慣れさせる"には"生身と違う事"を柚紀に認識させるのも目的だ。………多少無理をさせるが、これもあの子の為だ。その中には"致命的な攻撃をトリオン体で受けても死なない"、これも実際に体験させる。……先程、東に対して怒りを露にしたお前は"トリオン体である"柚紀が"殺される様"を…………黙って見てられまい。違うか?…佐鳥』