88.会談の曲(153.
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柚紀の発言に誰もが沈黙する中「勅命を拒否するのは無理だ!それがボーダーの決まりだと分かっているのか鶴ヶ峰っ?!」と三輪が口を挟む。これに対して柚紀は真正面……城戸から視線をずらし
『……忍田本部長、あの時太刀川さんにお願いしてお渡ししました手紙のお返事、此処でお聞かせ頂けませんか?』
「「手紙(じゃと?/ですか?)」」
「(…ゴソゴソ、スッ)……夏休みも僅かとなり、彼女から私の体を気遣って作ってくれたお弁当に添えられていたモノです。これには【もし、ちゃんと能力の制御が出来る様になれば正式にボーダーに入って皆と戦いたい。そして叶うならば上司は私が良い】……そう綴られています。………私で良ければ君の上司となろう。が、静樹さんの娘だからとか黒トリガーを使えるからと贔屓はしない。一隊員として接するつもりだが、構わないか?」
『構いません。私は特別扱いされるのが嫌なので、それで十分です。有難うございます(ペコリ)』
「って、話が勝手に進んじゃってるけど良いの城戸さん?後、………ウチじゃ駄目だったの?」
「城戸さんには手紙を受け取る前から話を通してあります。何せ、……例のゲート騒動が起きた要因となった者は"城戸一派の人間"です。そんな人達と同じ傘下に万が一彼女を入れてまた同じ事が繰り返されたら……私は静樹さんに会わせる顔がありません。だが、そう言う意味では玉狛が一番安全とも言えなくもないが……」
『確かに玉狛の人達なら仲良くやっていけそうですし、"本部と適度な距離を保てます"が、………新たな亀裂の元になりそうだったので断念しました。私と迅さん……階級もサイドエフェクトもS級な二人が玉狛所属となればパワーバランスが崩壊するのは明白。更に言実さんまで玉狛に移籍とか言い出したら…………うん、内部紛争間違いなしですよ』
柚紀が宣言した【①コチラが提示する条件・②相手に求める最低条件・③条件を破棄された場合に取りうる対処法】の内、②を確実に満たす為に直属の上司は忍田が良いと既に先手を打っていたのだ。あの時は単に"城戸が怖いから"的な単純な理由ではあったが、それはさておき……林藤を指名しなかった理由は柚紀が話した通りである。争いを好まず、組織の実権を握るつもりは玉狛も柚紀もない。が、両者が手を組めばそう解釈される可能性があるのでそれを避けた…………のも一つの理由であり、柚紀の一番の理由は別にあったりするがそこは割愛
そして言い分を黙って聞いていた城戸が再び口を開く
「言い分は分かった。だが柚紀くん、……君はあの男からはあの石以外貰っていないと聞く。が、先程の言葉からすれば"別の何かも引き継いだ"とも解釈出来る。それは具体的に何を指すんだね?」
『…………黒トリガーの適合者は製作者が"サイドエフェクト持ち"の場合、その能力も受け継ぐと聞きました。ならば私にも同じ事が当て嵌まる筈。そして【とある技術を開発した場合、それに関する著作権を開発者が保有し、放棄するまで関係者若しくは組織がその権利を継続出来る】……ですよね?言実さん』
『……………あぁ、一般的に言えばそうだな』
『なら……【約十年前の惨劇を教訓にお父さんが開発・作り出した義体……トリオン体の著作権は私が受け継いでいる】と言ったら、どうしますか?』
(全)「!!?」
当たり前的な感覚であった内容にまさかの指摘に城戸ですら驚きを隠せずに居た。そんな中「なる程、だからあんな事を聞いたんだ」と納得している林藤を他所に「ナニを馬鹿な事を言っておる!!静樹氏はボーダー所属のエンジニアだとちゃんと記録が残っておると言うのに!!?」と鬼怒田が強めの口調で反論。それに臆する事なく柚紀はこう返す
『お父さんはあくまでも"旧時代メンバー"であり、現在のボーダーとは無関係です。そして入れ替わりに関わる事になった言実さんは"トリオン体の基礎構造にはノータッチ"…基礎をベースに改良するのが専門です。そして恐らく【どうやってトリオン体を構築するか】を本当の意味で把握している人はいない。……当たり前の技術過ぎて誰も気に留めてないんですよ、…戦闘員が敵と戦う際には無くてはならないモノなのにね』
「じゃあ柚紀くんはちゃんと説明出来るのかな?【トリオン体が如何にして作られるのかが】」
『………可能ですよ?ご所望されるのでしたら"実際に作りましょうか?"ま、私のサイドエフェクトを使うので、ちょっとしたモノが必要になりますし本来とは少し異なりはしますが……理論的には同じですから』
「………………そこまで言うなら見せて貰おうか。但し作るのは、……三輪隊長で、だ」
『承りました。では三輪隊長コチラに来て頂けませんか?後、少しばかり幾つかご協力お願いします』
鬼怒田や根津を置き去りにした感じにトントン拍子に話が進んで行き、少し壮大な事になりつつあった。そして三輪に【髪の毛を一本拝借と、その場で一回転】をお願いする。それらが達成すれば礼を述べた後に、髪の毛を握り締め両手を胸元に当てて瞳を閉じて意識を集中させる。……髪色が変化する程、可視可能なトリオン粒子が手元に集まり手のひらの中に吸い込まれる様に消えると、瞳を開き髪色はそのままの状態で両手の中身を見せれば
「………お〜!!色は緑だし手のひらサイズだけど、……………うん、トリオン体の秀次ソックリだね。(ツンツン)ってか結局どうやって作ったのコレ?俺にも分かんないよ??」
『簡単に言いますと模写……スキャニング技術ですね。確か今は"3Dスキャン"と言われる立体的な物すら複写が出来る様になってますよね?それと同じで【トリガーがその機械、トリオンが機械を動かす動力源で、使用者が被写体】で自分と瓜二つの【トリオン製の人形】を作り出すんです。で、こう……バーチャル技術を用いて手足を自由に動かす訳です。ほら!映画や漫画アニメでも【ゲームの世界に入り込んでだプレイヤーはそこで自由に動き回る的な!!】………説明下手ですみません。頭では分かっているんですが、他人に共感してもらえる様に説明するの、難しいです(シュン)』
「……………鶴ヶ峰が何を言いたいか何となく理解は出来るが、何故コレを作るのに髪の毛が必要だったんだ?(ツンツン - パシィーン -)…なっ!!う、動いただとっ?!迅が触っても反応を示さなかったぞ?」
『……柚紀が作ったのはあくまでも"器"、中身は存在しない。…………その気になればソレを動かせたであろうが(…フーー)………他人に自分と瓜二つのソレを自由に動かされるのは嫌じゃないか?少なくとも私や柚紀は嫌だと判断した。故に"三輪が触れてトリオンを摂取するまで動かなかった"。因みに動きは髪の毛から取得したDNA…遺伝子から構築されたモノだろう。ま、そこまで柚紀は理解はしておらぬさ。恐らく感覚的に作ったに過ぎぬから深く考え込むなよ?』
『……忍田本部長、あの時太刀川さんにお願いしてお渡ししました手紙のお返事、此処でお聞かせ頂けませんか?』
「「手紙(じゃと?/ですか?)」」
「(…ゴソゴソ、スッ)……夏休みも僅かとなり、彼女から私の体を気遣って作ってくれたお弁当に添えられていたモノです。これには【もし、ちゃんと能力の制御が出来る様になれば正式にボーダーに入って皆と戦いたい。そして叶うならば上司は私が良い】……そう綴られています。………私で良ければ君の上司となろう。が、静樹さんの娘だからとか黒トリガーを使えるからと贔屓はしない。一隊員として接するつもりだが、構わないか?」
『構いません。私は特別扱いされるのが嫌なので、それで十分です。有難うございます(ペコリ)』
「って、話が勝手に進んじゃってるけど良いの城戸さん?後、………ウチじゃ駄目だったの?」
「城戸さんには手紙を受け取る前から話を通してあります。何せ、……例のゲート騒動が起きた要因となった者は"城戸一派の人間"です。そんな人達と同じ傘下に万が一彼女を入れてまた同じ事が繰り返されたら……私は静樹さんに会わせる顔がありません。だが、そう言う意味では玉狛が一番安全とも言えなくもないが……」
『確かに玉狛の人達なら仲良くやっていけそうですし、"本部と適度な距離を保てます"が、………新たな亀裂の元になりそうだったので断念しました。私と迅さん……階級もサイドエフェクトもS級な二人が玉狛所属となればパワーバランスが崩壊するのは明白。更に言実さんまで玉狛に移籍とか言い出したら…………うん、内部紛争間違いなしですよ』
柚紀が宣言した【①コチラが提示する条件・②相手に求める最低条件・③条件を破棄された場合に取りうる対処法】の内、②を確実に満たす為に直属の上司は忍田が良いと既に先手を打っていたのだ。あの時は単に"城戸が怖いから"的な単純な理由ではあったが、それはさておき……林藤を指名しなかった理由は柚紀が話した通りである。争いを好まず、組織の実権を握るつもりは玉狛も柚紀もない。が、両者が手を組めばそう解釈される可能性があるのでそれを避けた…………のも一つの理由であり、柚紀の一番の理由は別にあったりするがそこは割愛
そして言い分を黙って聞いていた城戸が再び口を開く
「言い分は分かった。だが柚紀くん、……君はあの男からはあの石以外貰っていないと聞く。が、先程の言葉からすれば"別の何かも引き継いだ"とも解釈出来る。それは具体的に何を指すんだね?」
『…………黒トリガーの適合者は製作者が"サイドエフェクト持ち"の場合、その能力も受け継ぐと聞きました。ならば私にも同じ事が当て嵌まる筈。そして【とある技術を開発した場合、それに関する著作権を開発者が保有し、放棄するまで関係者若しくは組織がその権利を継続出来る】……ですよね?言実さん』
『……………あぁ、一般的に言えばそうだな』
『なら……【約十年前の惨劇を教訓にお父さんが開発・作り出した義体……トリオン体の著作権は私が受け継いでいる】と言ったら、どうしますか?』
(全)「!!?」
当たり前的な感覚であった内容にまさかの指摘に城戸ですら驚きを隠せずに居た。そんな中「なる程、だからあんな事を聞いたんだ」と納得している林藤を他所に「ナニを馬鹿な事を言っておる!!静樹氏はボーダー所属のエンジニアだとちゃんと記録が残っておると言うのに!!?」と鬼怒田が強めの口調で反論。それに臆する事なく柚紀はこう返す
『お父さんはあくまでも"旧時代メンバー"であり、現在のボーダーとは無関係です。そして入れ替わりに関わる事になった言実さんは"トリオン体の基礎構造にはノータッチ"…基礎をベースに改良するのが専門です。そして恐らく【どうやってトリオン体を構築するか】を本当の意味で把握している人はいない。……当たり前の技術過ぎて誰も気に留めてないんですよ、…戦闘員が敵と戦う際には無くてはならないモノなのにね』
「じゃあ柚紀くんはちゃんと説明出来るのかな?【トリオン体が如何にして作られるのかが】」
『………可能ですよ?ご所望されるのでしたら"実際に作りましょうか?"ま、私のサイドエフェクトを使うので、ちょっとしたモノが必要になりますし本来とは少し異なりはしますが……理論的には同じですから』
「………………そこまで言うなら見せて貰おうか。但し作るのは、……三輪隊長で、だ」
『承りました。では三輪隊長コチラに来て頂けませんか?後、少しばかり幾つかご協力お願いします』
鬼怒田や根津を置き去りにした感じにトントン拍子に話が進んで行き、少し壮大な事になりつつあった。そして三輪に【髪の毛を一本拝借と、その場で一回転】をお願いする。それらが達成すれば礼を述べた後に、髪の毛を握り締め両手を胸元に当てて瞳を閉じて意識を集中させる。……髪色が変化する程、可視可能なトリオン粒子が手元に集まり手のひらの中に吸い込まれる様に消えると、瞳を開き髪色はそのままの状態で両手の中身を見せれば
「………お〜!!色は緑だし手のひらサイズだけど、……………うん、トリオン体の秀次ソックリだね。(ツンツン)ってか結局どうやって作ったのコレ?俺にも分かんないよ??」
『簡単に言いますと模写……スキャニング技術ですね。確か今は"3Dスキャン"と言われる立体的な物すら複写が出来る様になってますよね?それと同じで【トリガーがその機械、トリオンが機械を動かす動力源で、使用者が被写体】で自分と瓜二つの【トリオン製の人形】を作り出すんです。で、こう……バーチャル技術を用いて手足を自由に動かす訳です。ほら!映画や漫画アニメでも【ゲームの世界に入り込んでだプレイヤーはそこで自由に動き回る的な!!】………説明下手ですみません。頭では分かっているんですが、他人に共感してもらえる様に説明するの、難しいです(シュン)』
「……………鶴ヶ峰が何を言いたいか何となく理解は出来るが、何故コレを作るのに髪の毛が必要だったんだ?(ツンツン - パシィーン -)…なっ!!う、動いただとっ?!迅が触っても反応を示さなかったぞ?」
『……柚紀が作ったのはあくまでも"器"、中身は存在しない。…………その気になればソレを動かせたであろうが(…フーー)………他人に自分と瓜二つのソレを自由に動かされるのは嫌じゃないか?少なくとも私や柚紀は嫌だと判断した。故に"三輪が触れてトリオンを摂取するまで動かなかった"。因みに動きは髪の毛から取得したDNA…遺伝子から構築されたモノだろう。ま、そこまで柚紀は理解はしておらぬさ。恐らく感覚的に作ったに過ぎぬから深く考え込むなよ?』