86.守り人の曲(151.
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〜罠にハマり二人が飛ばされた先での会話〜
- シュンッ! -
「(スタッ!)ん?此処は……何時もの場所じゃないか?!何でいきなり…………あ!!(パッ)えっと、だ、大丈夫?柚紀ちゃん。その…………いきなり腕を掴んでしまった事によるのと、例のパネルに触れた際に何か違和感は無かったかな?」
『………(コテン)ん〜…両方平気、ですかね?いきなり掴んだと言われましたが嵐山さんが絶妙な力加減をしてくれたので痛くなかったので嫌じゃなかったですよ?……大体無理矢理いきなり掴まれる時は相手が思いっきり握るので痛みを感じて、それが嫌と感じる要因ですから。それと、……あのパネルには"私のトリオンにのみ反応する細工"が施されただけで、他の方にも違和感を感じさせない様にしていたんだと思います。あの秘密経路は普段使わないモノですから』
「(パチパチパチ)御名答、やはり昔から頭の回転が良かっただけあって、この程度の仕掛けを見抜くのは造作もない事ですね。流石は姫だ」
「なぁーに褒めてるんだよ!?ってか……余計なオマケ付きとかかなり面倒な状況じゃねぇか!!次があれば今度はターゲットのみ転送させる様にしやがれよ?!!」
「したけど、彼女が特殊なんですよ。それは兄さんだって知ってるだろ?」
「!!(バッ!)貴方は、確か土田エンジニア……なのは理解出来ますが同じ顔の人が二人?…………!…一卵性双生児かっ?!」
「おっ?!流石に家族に双子が居れば簡単に理解出来るか!?ま、それはさておき……アンタの優秀な部下に邪魔されたくないんでさっさと隔離させてもらう。……大亀やれ」
「………(スチャッ)
- キイィーン -
「!?コレはっ!!」
『結界……をモチーフにした捕縛用トリガーっとでも言いましょうか?……………一晩、迅さんや言実さんから何の連絡が無かったのは、コレが原因ですね』
「おや、意外と冷静ですね。空も見えないこの異質な空間に閉じ込められ、更には通信機能だって遮断され助けを呼べない。それ以上に………僕達二人を見て何も反応しないのは、些か悲しくもあり残念でもあります。……君は大体の人の名前は直ぐに覚えたのに、僕の名は最後まで覚えなかった。あんな奴等より付き合いは長いと言うのに…」
「あんな奴等ってエンジニアの人達を指すのか?そんな訳ないだろ?彼女がボーダーに携わったのはあの時が初めてだ!迅ですらこの街に来るまで面識が無かったと言うのに、貴方は違うと言うのですか?!」
「そうさっ!俺達はこの三門市じゃねぇ別の場所でその"チビ"に会ってる!!それすら忘れたのかっ?あんだけ面倒をみてやったのによぉ〜!!?」
『(ズキッ!!)………同じ顔、だけど性格は正反対。そして、……私をチビと姫と呼んでいた貴方達は!!❲ユズちゃん大丈夫、私とは繋がってる。だから落ち着いて、相手から情報を引き出して。言実さんや迅さんも向かってるし直ぐ側まで皆来てるから、そこから絶対に出して上げる!それまで頑張って!?❳…!……(チラッ……スーハー)(大丈夫、嵐山さんも側に居るし孤立無援状態じゃない。だから、今私が出来る事をするのみ!)…………そう、だったんだ。だから違和感や既視感があったんですね。……私は貴方達二人を苗字で呼んだ記憶がないけど、土田でない以前のを覚えていた。だから名前を覚えられなかった、そうでない別の名を知っていたから。それにしても、まさか里の外で再び再会するとは思っても見ませんでした。何故名乗ってくれなかったのですか?私は苗字変わってないですし、言実さんともほぼ同じ年なら面識はあった筈。と、……昔の事を懐かしむより今現在の事が優先ですね。………問います、貴方達の目的は何ですか?お答え頂けますか?土田……いえ、【北之山大蛇・大亀(きたのやまおろち・だいき)】ご兄弟のお二人様方』
「!!思い出して頂けて恐悦至極。……あんな悲惨な事があったせいで、老害共は君を護ると銘打って一部の記憶を消し去ってしまった。それには僕達の存在も含まれていた」
「つーかあれはジジイ共が昔ながらの風習を守るか自らの安寧を取るか、どちらかを選ばなかったのが原因で起きた事だろ?!……俺達は反対したんだ!!まだ幼いチビを舞手にするのは危険だって!!?なのに強行して、……最悪の事態になったんだぞ!?」
「???……話が見えないが柚紀ちゃん、……舞手とは何を指す言葉なんだ?」
『……私達の里では季節毎に何かしらの行事に伴い、神社にて祀り上げていた神様に対して"舞を奉納していました"。その神様の恩恵があってこそ暮らしが成り立っていたと言っても過言ではなく、今後の生活の安定の為にも感謝の気持ちを伝え続ける為に、…その神様に見初められた人が舞っていたのですが……十一年前になるかな?秋の奉納祭が間近に迫ったある日、その舞手が高齢化に伴う体力の衰えや足腰が弱くなったりしたせいで、若い頃の様な踊りが出来なくなってしまったのです。仕方ない事ではありましたが、その方以外で条件を満たす方が居なく、奉納祭が中止になりそうだったのですが………………例外として、まだ幼かった私に白羽の矢が立ってしまったんです』
「餓鬼って理由もあるが、"七歳まで神の眷属"なんてあの里では言われていた。……ヒトの安寧の為に神が舞うのはお門違い、逆に自衛も通力の制御もままならない極上の餌が無防備にお披露目されれば、………狙われるのも当たり前だっつうのにあの爺達はそんな事も理解せずっ!!」
「(……チカッ)ん?(……スッ)……お早いご到着みたいだ。無駄話はこの位にしようか兄さん(ピッ、ピピピッ)」
「あぁ、……その様だな」