86.守り人の曲(151.
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
長々と話された内容を各自理解する為に少し時間を設ければ、シロの荷物らしきモノを持参したフブキが参戦。その際に「あ、小南先輩から伝言です」と言実に何かを話し出す
「えっと……土田兄になるのか?弧月を使っていた奴が【月光直橋……つまりは俺と同じ技を繰り出そうとしてたけど何で】だとさ。……………姐さんに対する質問だったから俺は答えなかったけど、コレの答えってさ【ユズが生まれ育った里に同じ流派の道場があったから】だろ?俺は技名にそこまでこだわりが無かったから"突きによる突進技のデフォルト名"をそのまま採用してる。人によっては"漫画やアニメに出てくる技名を唱える奴"が居るが、それを咎めたりしねぇ。ウチの流派の第一目的は"この流派をどんな形でも良いから何日か来たる日の為にも語り続ける事"だからな。……だが何でだ?」
《理由か?………そもそもお前が扱う護身七武術の名や出来た由来を知っておるか?》
「由来?……………護身の身の字って今じゃ"身を護る"的な意味合いになっているが本来の意味は【神やそれに準ずる存在を護る為の武芸】だろ?つまり本来の漢字は護"神"で理由もそれだ。で、……その神様が争いが嫌いだから最初は守り重視の体捌きやら技になったが、それじゃあ駄目だってなったから攻撃性のある技とかそれこそ二刀流が編み出された。って親父に昔聞いたぜ。ってか来たる日とか、何時を指す言葉何だかなー。俺にはサッパリだ」
少し気になる話題で耳を傾けて居ると"未来に関する事"が出てきたので、全員の視線が迅に集中。これに対して「いやいや、俺もさっぱりだからね??!そもそもその神様に俺会った事ないし、由来とかも初めて聞いたから!!」と力強く否定。そんな迅に《ま、フブキ以外のボーダーメンバーは基礎を習ったに過ぎん。私はどちらかと言えばフブキ寄りの状態だがな》と更に意味深な発言をする。………このままでは言実関連の話になりそうだったので菊地原が強引に流れを戻す
「ってか結局鶴ヶ峰がこの街に来なかったかも知れない理由って【あの二人が出て行かなければそのまま依存して下手したら二人のどちらかと結ばれて……】とか、そんな感じですか?僕には理解出来ないしよく分からないけど、重大なお役目があるからある程度の我儘が許されるとかなのは……まぁ、何となく分からなくもないですが………………今より幼かった鶴ヶ峰にそんな権限を与えて大丈夫だったんですか?ま、結論から言えば問題なかったのは今の彼女を見ていれば分かりますが」
《まぁな。……生まれながらそう言う役目を担うと分かっていたから兄さんも義姉さんも躾はきっちりしていたし、知識もそれなりに身に着けさせていた。傲慢で世間知らずで自分勝手で自分主義な子になれば暴君待ったなしだ、……それでは"別の道を選んだ"時に大変になるのがあの二人も分かっていた故にな》
「別の道ってのが、極端な話をすれば今みたいな生活を指すとしてだよ?………どうして柚紀はその里を出るって決めたの??」
《………そう判断したのは義姉さんだ。里出身であり影響力があった兄さんが亡くなれば、里の者が柚紀を自らの利益の為に良いように使われる可能性を遺書として書いたのを渡されていたんだ。もしそうなったら【三門市の次に縁のある"とある街"に移り住め。そこには二人の知り合いが多数住んでいるから遠慮なく頼れ】と。………実際にあの子を巡って壮絶なる権力の奪い合いやら争いが絶えず、優しい柚紀はどんどん笑えなくなり精神的にも疲弊していった。役目を放棄したら駄目だと義姉さんだって理解はしていた。しかし、娘を犠牲にしてまで安寧を求める親は……果たして居ると思うか?》
父親以上に語られない柚紀の母親。……名すら知らない相手だが、言実の話を聞いている限りだと確かにそこまで悪い人ではないと佐鳥は思ったりもするが…………やはりこの数ヶ月何の音沙汰もないのは些か気に入らない様子。ただ自分が知らないだけで、影でちゃんと連絡を取り合っていれば良いと考えて自己完結させる
そんな中、ずっと聞きに徹していた時枝が口を開く。……今の柚紀を形成するにあたり重大で重要な事案を
「多分、そのとある街が柚紀さんがこの街に来るまで住んでいた場所と仮定した上で訊ねますが…………何故静樹氏も貴女も二人を三門市に呼ばなかったのですか?里での生活も関係しますが、彼女のトラウマとなっている対人関連の禍根はその街で生活したからですよね?……貴女ならそれに気づいた筈だ。ならば二人を保護する形で一緒に住む選択肢だってあったのでは?」
《…………………呼ばなかったんじゃない、"呼べなかった"のだよ時枝。少なくとも今くらいの隊員の実力と組織として安定するまでは柚紀を呼び寄せるのは危険なのは、……既に理解は出来るだろう?更に言ってしまえば義姉さんだって柚紀程では無いがトリオン数値が高い。……恐らく二宮クラスだろう、既に成長が止まりそれ以上の強化が見込めなくても十分の戦力となるし希少なサイドエフェクト持ち。娘もだが愛する妻を戦場に立たせたくない。……父親であり夫なら誰もがそう思うだろう》
❲それは理解出来ます!!俺だって両親や……それこそ妹や弟がボーダーに入りたいって言ったら、………多分反対します。……静樹氏の考えは分かりましたが、言実さんなら柚紀ちゃんが遊びに来るよりもっと前からお二人を呼ぼうと思えば可能だったのでは?❳
《…………………体調を崩した柚紀が救急搬送された先で、合わない薬を服用したせいで逆に重症化し生死を彷徨った。そして母親である義姉さんも理由は違えど一度搬送・入院をすれば退院までかなりの日数を有し、その間一人で居るのを強いられる。知り合いも各家庭を築いておるし他人故に柚紀は甘えれなかった。それ故に私が二人を三門市に呼ぼうとした時にはもう【サイレンの音がトラウマレベル】となっておったのだよ。柚紀はまだ病院にさえ行けば母親に会えるから、軽度で済んだが……義姉さんは駄目だ。最後の肉親である娘を医療ミスで殺されかけた、例えオトが違うとしてもサイレンを聞くだけで"娘が居なくなる・知らない場所に連れて行かれる"と思うようになり錯乱状態に陥る程だ。そんな義姉さんから柚紀を取り上げる事をしたくなかったが………本当の意味で居なくなるよりはマシと断腸の思いで決意してくれた。故に私は義姉さんの分まで柚紀を守り育てる義務がある…………これだけは譲れぬさ、柚紀が二十歳…少なくとも十六になるまではな。因みに言っておくが柚紀は母親と文通や時折電話で話をしたりしておるから全く繋がりを断ってはいない。そこは心配しないでくれ》
「えっと……土田兄になるのか?弧月を使っていた奴が【月光直橋……つまりは俺と同じ技を繰り出そうとしてたけど何で】だとさ。……………姐さんに対する質問だったから俺は答えなかったけど、コレの答えってさ【ユズが生まれ育った里に同じ流派の道場があったから】だろ?俺は技名にそこまでこだわりが無かったから"突きによる突進技のデフォルト名"をそのまま採用してる。人によっては"漫画やアニメに出てくる技名を唱える奴"が居るが、それを咎めたりしねぇ。ウチの流派の第一目的は"この流派をどんな形でも良いから何日か来たる日の為にも語り続ける事"だからな。……だが何でだ?」
《理由か?………そもそもお前が扱う護身七武術の名や出来た由来を知っておるか?》
「由来?……………護身の身の字って今じゃ"身を護る"的な意味合いになっているが本来の意味は【神やそれに準ずる存在を護る為の武芸】だろ?つまり本来の漢字は護"神"で理由もそれだ。で、……その神様が争いが嫌いだから最初は守り重視の体捌きやら技になったが、それじゃあ駄目だってなったから攻撃性のある技とかそれこそ二刀流が編み出された。って親父に昔聞いたぜ。ってか来たる日とか、何時を指す言葉何だかなー。俺にはサッパリだ」
少し気になる話題で耳を傾けて居ると"未来に関する事"が出てきたので、全員の視線が迅に集中。これに対して「いやいや、俺もさっぱりだからね??!そもそもその神様に俺会った事ないし、由来とかも初めて聞いたから!!」と力強く否定。そんな迅に《ま、フブキ以外のボーダーメンバーは基礎を習ったに過ぎん。私はどちらかと言えばフブキ寄りの状態だがな》と更に意味深な発言をする。………このままでは言実関連の話になりそうだったので菊地原が強引に流れを戻す
「ってか結局鶴ヶ峰がこの街に来なかったかも知れない理由って【あの二人が出て行かなければそのまま依存して下手したら二人のどちらかと結ばれて……】とか、そんな感じですか?僕には理解出来ないしよく分からないけど、重大なお役目があるからある程度の我儘が許されるとかなのは……まぁ、何となく分からなくもないですが………………今より幼かった鶴ヶ峰にそんな権限を与えて大丈夫だったんですか?ま、結論から言えば問題なかったのは今の彼女を見ていれば分かりますが」
《まぁな。……生まれながらそう言う役目を担うと分かっていたから兄さんも義姉さんも躾はきっちりしていたし、知識もそれなりに身に着けさせていた。傲慢で世間知らずで自分勝手で自分主義な子になれば暴君待ったなしだ、……それでは"別の道を選んだ"時に大変になるのがあの二人も分かっていた故にな》
「別の道ってのが、極端な話をすれば今みたいな生活を指すとしてだよ?………どうして柚紀はその里を出るって決めたの??」
《………そう判断したのは義姉さんだ。里出身であり影響力があった兄さんが亡くなれば、里の者が柚紀を自らの利益の為に良いように使われる可能性を遺書として書いたのを渡されていたんだ。もしそうなったら【三門市の次に縁のある"とある街"に移り住め。そこには二人の知り合いが多数住んでいるから遠慮なく頼れ】と。………実際にあの子を巡って壮絶なる権力の奪い合いやら争いが絶えず、優しい柚紀はどんどん笑えなくなり精神的にも疲弊していった。役目を放棄したら駄目だと義姉さんだって理解はしていた。しかし、娘を犠牲にしてまで安寧を求める親は……果たして居ると思うか?》
父親以上に語られない柚紀の母親。……名すら知らない相手だが、言実の話を聞いている限りだと確かにそこまで悪い人ではないと佐鳥は思ったりもするが…………やはりこの数ヶ月何の音沙汰もないのは些か気に入らない様子。ただ自分が知らないだけで、影でちゃんと連絡を取り合っていれば良いと考えて自己完結させる
そんな中、ずっと聞きに徹していた時枝が口を開く。……今の柚紀を形成するにあたり重大で重要な事案を
「多分、そのとある街が柚紀さんがこの街に来るまで住んでいた場所と仮定した上で訊ねますが…………何故静樹氏も貴女も二人を三門市に呼ばなかったのですか?里での生活も関係しますが、彼女のトラウマとなっている対人関連の禍根はその街で生活したからですよね?……貴女ならそれに気づいた筈だ。ならば二人を保護する形で一緒に住む選択肢だってあったのでは?」
《…………………呼ばなかったんじゃない、"呼べなかった"のだよ時枝。少なくとも今くらいの隊員の実力と組織として安定するまでは柚紀を呼び寄せるのは危険なのは、……既に理解は出来るだろう?更に言ってしまえば義姉さんだって柚紀程では無いがトリオン数値が高い。……恐らく二宮クラスだろう、既に成長が止まりそれ以上の強化が見込めなくても十分の戦力となるし希少なサイドエフェクト持ち。娘もだが愛する妻を戦場に立たせたくない。……父親であり夫なら誰もがそう思うだろう》
❲それは理解出来ます!!俺だって両親や……それこそ妹や弟がボーダーに入りたいって言ったら、………多分反対します。……静樹氏の考えは分かりましたが、言実さんなら柚紀ちゃんが遊びに来るよりもっと前からお二人を呼ぼうと思えば可能だったのでは?❳
《…………………体調を崩した柚紀が救急搬送された先で、合わない薬を服用したせいで逆に重症化し生死を彷徨った。そして母親である義姉さんも理由は違えど一度搬送・入院をすれば退院までかなりの日数を有し、その間一人で居るのを強いられる。知り合いも各家庭を築いておるし他人故に柚紀は甘えれなかった。それ故に私が二人を三門市に呼ぼうとした時にはもう【サイレンの音がトラウマレベル】となっておったのだよ。柚紀はまだ病院にさえ行けば母親に会えるから、軽度で済んだが……義姉さんは駄目だ。最後の肉親である娘を医療ミスで殺されかけた、例えオトが違うとしてもサイレンを聞くだけで"娘が居なくなる・知らない場所に連れて行かれる"と思うようになり錯乱状態に陥る程だ。そんな義姉さんから柚紀を取り上げる事をしたくなかったが………本当の意味で居なくなるよりはマシと断腸の思いで決意してくれた。故に私は義姉さんの分まで柚紀を守り育てる義務がある…………これだけは譲れぬさ、柚紀が二十歳…少なくとも十六になるまではな。因みに言っておくが柚紀は母親と文通や時折電話で話をしたりしておるから全く繋がりを断ってはいない。そこは心配しないでくれ》