86.守り人の曲(151.
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そんなこんな無駄話をしていたら諏訪がトリオン体で駆け寄ってくると「つる姐、手を貸してくれ!!市河がっ!?」とシロに何かが起こったらしくかなり焦っていた。これに対して『ならば私をそこまで運べ、……調査で疲れたのとトリオン体が保てなくてワープも無理故にな。あ、………柚紀は二宮が運搬しろ。出水もトリオンをかなり消費しておる、バックワームを使ったとしてもベイルアウトの可能性が高いからな』と柚紀……もとい最優先事項の事を忘れずに伝えると、諏訪に掻っ攫われる形で先にその場を離れ、太刀川がそれを追い掛ける形で追随。………残された誰もが意味深な視線を二宮に向ける中「言実さんの指示だ、反論するな。それに………バックワーム越しでもかなりトリオンを取られてる感覚がある。なら、二宮クラスのトリオン量が無くては鶴ヶ峰が危うくなるかも知れないな」と風間が擁護。「スイッチボックスでのワープは?」との誰かの問に「鶴ヶ峰が知っている使用可能者が恐らく全員手一杯な状態だろうし、昨日からの激務で大人数を移動させるだけのトリオンがあるかも不明。なにより……二宮と二人っきりにさせるのは避けるべきだ」と正論で説き伏せればそれ以上の反論は出ず、念の為バックワームを装着した二宮が恐る恐る…軽々と柚紀を抱き上げれば風間を先頭に移動を開始。殿は犬飼と辻で、嵐山は迅と歌川が抱えて移動、木虎は相変わらず烏丸が担当(小南は未だに烏丸相手に難癖をつけていた)そして経験者であり二宮とそれなりの友好関係である出水が色々アドバイスをしたりしつつ、……柚紀に何かしないかと監視の目(耳)を向けている同級生三人組をさり気なく牽制して場の雰囲気を保つのに務めていた
さて無事に基地内……例の検査室に到着した一行は要隔離該当者達を特殊検査室に安置し、中で待機していた言実が検査の準備を開始する。(この時室内が定員オーバーになって来たので、犬飼・辻・出水・歌川そして小南は役目を終えると早々に退室)因みに監視室側には冬島と諏訪隊三人が既にスタンバイしており、一行が来るまでの間、小佐野がぐったりしているシロの世話を焼いており、入れ違いでこちらも監視室に移動。(更に堤と小佐野、烏丸がこのタイミングで退室)………色々聞きたい事があるが、言実の手が空くまでの間にシロの事を訊ね様としたが
「………"また"キャパオーバーしたか?アレはいきなりだったから仕方ないだろうが……繋がっていれば感情や思考も共有可能な筈だ。…………市河ならそろそろ"前振り"を学習しそうなモノだがな」
「あ、あのぅー風間、さん。…………その口振りでは以前市河があーなった場面に出くわした事がある風に聞こえるのは、…俺だけですか?」
「……………実際に危うい状況になり掛けたのも含めれば……今回で三回目、かな?前二回は笹森が言った通り風間さんがその場に居合わせていたり、風間隊任務中に起きたからね。でも彼女も意外と"おっちょこちょい"だからさ、予想外な事態に陥ると冷静さを失って能力コントロールが疎かになって……は、たまーにあったね。今後はそうならない様にするのが課題かな?柚紀ちゃんの専属オペになるんだから、慣れなきゃ大変だろうな〜。マジでこの子って俺の予知すら簡単に覆す…は言い過ぎか、可能性が低い未来を選ぶから大変大変!」
「……………………たまーにお前がポンコツになるのはそれが理由か?迅。そりゃあ疲れて倒れそうにもなるわなー。あのレイジがかなり心配する位だぞ?ま、(ワシャワシャ)今後は情報共有して周囲に協力を求める様にしろよ?あの姫様関連なら姐さんは勿論、大体の奴が協力してくれるだろうからなー」
と、意外と直ぐに話は終了したのだ。そのシロも先に処置されていたせいか❲善処、しまーす❳と力ない声ながらも反応出来るだけの回復をしていたのでもう大丈夫だろうと誰もが納得したのだ。………詳細を知っていそうな菊地原に追求したい気持ちがあった笹森だが、言実の手が空いていよいよ柚紀関連の話になると思い一時中断する
《さて、話さねばならぬ事。聞きたい事が山程ありそうだが………何から語るべきだ?……迅》
「そこで俺に話を振りますかっ?!あ〜…………とりあえず【二人が三門市に来なかったかも知れない理由】ですかね?正確には柚紀ちゃんが、になるのかな?確か言実さんはご両親を亡くされてからはあの先生夫婦の家で暮らしていましたし…」
《…………確かにそうだな。となると、私が守り人の任に就くのを快諾した理由を簡単に話そうか。…………元はその気は全く無かったのだが、柚紀が七歳になる前に舞手として表舞台に出る事となり事態は一変する。……秋の収穫時には、作物の豊作を感謝し来年の豊作を神に祈る奉納祭を執り行われており、コレはあの里にはかなり重要な行事だった。あそこは山と山の間…盆地にあるせいで雨や雪に見舞われやすい立地と、昔ながらの風習で所謂神頼みが盛んな土地柄に加えて、柚紀並とまでは言わんが出水クラスのトリオン量持ちや性能差はあれどサイドエフェクト持ちがゴロゴロおってな、……つまりは人ならざるモノには格好の餌場故に、住む者達は若者を中心に自衛を兼ねてそれなりの実力を有しておったし、何とかそれで皆を守っていた。その中でもあの二人の実力は里内ではトップクラスだった》
「……短くとか簡単にってつる姐はたま〜に言うけど、俺からしたは長いし理解するのにも苦労するからもっと分かりやすく話して欲しいですよ〜」
「(フン)それはお前が単に馬鹿なだけだろ太刀川、……あの二人が鶴ヶ峰の守り人の任を辞退した理由、それを語る為に必要だからわざわざこんな話をしている。…………結論だけ話した所で結局は詳細を訊ねる者が現れる、ならば最初からある程度話した方が効率が良い。……そう言いたいのですよね?」
《太刀川達や二宮は途中合流だったからな、一応補足で話したに過ぎん。………もう検討がつくやも知れぬが、表舞台に出た柚紀を狙って今まで以上の敵襲に遭い、多くの若者がその命を散らした。その対応の指揮を弟が担い、兄は前線で戦っていたが…………今まで連携せずに戦っており、些か傲慢で天狗になっていた兄は格下と認識していた同郷の者に庇われる形で生き長い、今まで経験の無い大規模侵攻故に判断や決断力が今一つ足りず、沢山の若者を犠牲にさせた弟。…柚紀に怪我もなく何とか奉納祭は無事に終えたが、……遺族の怒りや哀しみは主に三人に向いてしまった。本来の決まりを破ってまで柚紀に踊らせたからあの子に対しての風当たりは表面上は少なかった分、兄弟に対しての風当たりはかなりのものでな…………あの里に居続けるのが困難と判断する程で、里で生まれ育った片親を置いて逃げるかの様に里を去ってしまったのだよ。身バレを防ぐ為に苗字を変えてまでな。……………今後の里の安寧の為には柚紀もそれを守護する守り人も必要不可欠、だが兄弟みたいに途中で破棄されても困る、……故に血縁者でそれなりの実力を有する私に守り人の白羽の矢が刺さった訳だ》
さて無事に基地内……例の検査室に到着した一行は要隔離該当者達を特殊検査室に安置し、中で待機していた言実が検査の準備を開始する。(この時室内が定員オーバーになって来たので、犬飼・辻・出水・歌川そして小南は役目を終えると早々に退室)因みに監視室側には冬島と諏訪隊三人が既にスタンバイしており、一行が来るまでの間、小佐野がぐったりしているシロの世話を焼いており、入れ違いでこちらも監視室に移動。(更に堤と小佐野、烏丸がこのタイミングで退室)………色々聞きたい事があるが、言実の手が空くまでの間にシロの事を訊ね様としたが
「………"また"キャパオーバーしたか?アレはいきなりだったから仕方ないだろうが……繋がっていれば感情や思考も共有可能な筈だ。…………市河ならそろそろ"前振り"を学習しそうなモノだがな」
「あ、あのぅー風間、さん。…………その口振りでは以前市河があーなった場面に出くわした事がある風に聞こえるのは、…俺だけですか?」
「……………実際に危うい状況になり掛けたのも含めれば……今回で三回目、かな?前二回は笹森が言った通り風間さんがその場に居合わせていたり、風間隊任務中に起きたからね。でも彼女も意外と"おっちょこちょい"だからさ、予想外な事態に陥ると冷静さを失って能力コントロールが疎かになって……は、たまーにあったね。今後はそうならない様にするのが課題かな?柚紀ちゃんの専属オペになるんだから、慣れなきゃ大変だろうな〜。マジでこの子って俺の予知すら簡単に覆す…は言い過ぎか、可能性が低い未来を選ぶから大変大変!」
「……………………たまーにお前がポンコツになるのはそれが理由か?迅。そりゃあ疲れて倒れそうにもなるわなー。あのレイジがかなり心配する位だぞ?ま、(ワシャワシャ)今後は情報共有して周囲に協力を求める様にしろよ?あの姫様関連なら姐さんは勿論、大体の奴が協力してくれるだろうからなー」
と、意外と直ぐに話は終了したのだ。そのシロも先に処置されていたせいか❲善処、しまーす❳と力ない声ながらも反応出来るだけの回復をしていたのでもう大丈夫だろうと誰もが納得したのだ。………詳細を知っていそうな菊地原に追求したい気持ちがあった笹森だが、言実の手が空いていよいよ柚紀関連の話になると思い一時中断する
《さて、話さねばならぬ事。聞きたい事が山程ありそうだが………何から語るべきだ?……迅》
「そこで俺に話を振りますかっ?!あ〜…………とりあえず【二人が三門市に来なかったかも知れない理由】ですかね?正確には柚紀ちゃんが、になるのかな?確か言実さんはご両親を亡くされてからはあの先生夫婦の家で暮らしていましたし…」
《…………確かにそうだな。となると、私が守り人の任に就くのを快諾した理由を簡単に話そうか。…………元はその気は全く無かったのだが、柚紀が七歳になる前に舞手として表舞台に出る事となり事態は一変する。……秋の収穫時には、作物の豊作を感謝し来年の豊作を神に祈る奉納祭を執り行われており、コレはあの里にはかなり重要な行事だった。あそこは山と山の間…盆地にあるせいで雨や雪に見舞われやすい立地と、昔ながらの風習で所謂神頼みが盛んな土地柄に加えて、柚紀並とまでは言わんが出水クラスのトリオン量持ちや性能差はあれどサイドエフェクト持ちがゴロゴロおってな、……つまりは人ならざるモノには格好の餌場故に、住む者達は若者を中心に自衛を兼ねてそれなりの実力を有しておったし、何とかそれで皆を守っていた。その中でもあの二人の実力は里内ではトップクラスだった》
「……短くとか簡単にってつる姐はたま〜に言うけど、俺からしたは長いし理解するのにも苦労するからもっと分かりやすく話して欲しいですよ〜」
「(フン)それはお前が単に馬鹿なだけだろ太刀川、……あの二人が鶴ヶ峰の守り人の任を辞退した理由、それを語る為に必要だからわざわざこんな話をしている。…………結論だけ話した所で結局は詳細を訊ねる者が現れる、ならば最初からある程度話した方が効率が良い。……そう言いたいのですよね?」
《太刀川達や二宮は途中合流だったからな、一応補足で話したに過ぎん。………もう検討がつくやも知れぬが、表舞台に出た柚紀を狙って今まで以上の敵襲に遭い、多くの若者がその命を散らした。その対応の指揮を弟が担い、兄は前線で戦っていたが…………今まで連携せずに戦っており、些か傲慢で天狗になっていた兄は格下と認識していた同郷の者に庇われる形で生き長い、今まで経験の無い大規模侵攻故に判断や決断力が今一つ足りず、沢山の若者を犠牲にさせた弟。…柚紀に怪我もなく何とか奉納祭は無事に終えたが、……遺族の怒りや哀しみは主に三人に向いてしまった。本来の決まりを破ってまで柚紀に踊らせたからあの子に対しての風当たりは表面上は少なかった分、兄弟に対しての風当たりはかなりのものでな…………あの里に居続けるのが困難と判断する程で、里で生まれ育った片親を置いて逃げるかの様に里を去ってしまったのだよ。身バレを防ぐ為に苗字を変えてまでな。……………今後の里の安寧の為には柚紀もそれを守護する守り人も必要不可欠、だが兄弟みたいに途中で破棄されても困る、……故に血縁者でそれなりの実力を有する私に守り人の白羽の矢が刺さった訳だ》