86.守り人の曲(151.
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「どうにかって、具体的にどうするんだよつる姐。この強風の中呼び掛けても聴こえないだろうし容易には近づけねぇ。もし近づけたとしても、あのバリア的な何かをどうにかしなきゃ多分……柚紀の意識は浮上しなくないか?」
『故に出水に助力を請いに来た。………臨時接続で私がコントロール補助をする。だから出水は【ありったけのトリオンを一撃に込めて全力で放つ事だけをイメージしろ】それで道が開ければ後はグラスホッパーで一気に距離を詰めて………あの黒トリガーを再起動させる』
「再起動ってお姉様、……既に柚紀先輩が使用されているのにそんなの…………可能なのですか?」
『あの黒トリガーの性能は【増幅と制御】だ。今柚紀は【増幅に重きを置いて使用しておる故に、コチラから呼び掛けて制御に舵切りをする】……………アレが兄さんなら妹である私の声を聞き届けてくれよう。……一応適合しておるからな私も(それに"黒トリガーの法則"を破る程その意識が健在なら、……私との約束も覚えている可能性が高い)……御託は良い。(ポン- 臨時接続 -)始めるぞ』
かなりゴリ押し感が強い作戦だが、言実がそう言うなら恐らく現時点ではそれが最良だと理解する。……柚紀の精神的状況や黒トリガー性能をイマイチ把握出来ていないのもあるが…流石にそろそろ柚紀が限界なのには全員気づいているのだ。ならば一刻の猶予もない、迷うのも時間の無駄と各自判断し自己完結させる
そして言実の協力のお陰で通常の倍以上の大きさのトリオン弾を作るのに成功した出水は、掛け声と共に柚紀目掛けて投げる。チカラと力の衝突により更に突風が吹き荒れる中、言実が先程フブキと木崎が連携して入り口をこじ開けたのと同じ様な方法で弾の中心部にシルバーブレットを打ち込めば、弾が四散。その衝撃で一瞬無風状態となり道が開ければグラスホッパーで一気に距離を縮め、更にシルバーブレットにて柚紀が閉じ籠もっている"球体の籠"に隙間を開けて腕を突っ込み何とか腕を掴む。が
- ピシッ、ピシピシピシピシピシピシッ -
『くっ!?……やはりこの球体内は"侵入者を拒む防衛機能が発動しておったか"。(周囲に被害が出ない為に自ら傷つくのを選ぶのはお前らしいな)柚紀忘れたか?何故私がこんな面倒な役目を担うのを承諾したのかを。私とお前は血の繋がりのある、"家族"だ!故にどんな事があってもお前を見捨てたり不用意に責めたりはしない!!他人である者達は建前ではお前を褒めたり守ったり出来るが、本音はそうでないと……お前は分かってしまった!!!殉職した者の親族からの憎悪を、感じてしまった!故にあの二人が里を出る際にも止めなかった!!己の心を偽ってまで笑顔で見送った!だが、…もう我慢するな!!!あの時とは違う!!嵐山だってちゃんと処置をすれば死んだりはしない!!だからっ!!!
- キイィーン、ババババババ!ダッ!!………ギュッ!! -
(スウゥ…)おい!!何時まで役目を放棄するつもりだ?!早くこの子の能力を抑えろ!このままでは柚紀がっ!………私を一人にしないと約束を破ったのはお前だろ?!ならば私から最後の家族を奪うなっ!!とっとと起きろ!このっ
…馬鹿兄貴っ!!!』
無理矢理、それもいきなり掴んだ事により言実を敵だと認識したらしく球体内に突っ込んだ腕に容赦ない攻撃性の波動を食らい、腕が八つ裂きにされる。それでも離さずにいきなり柚紀に語り出す言実。声が届いたのか球体内の波動が弱くなり涙を流す柚紀の目に光が戻ってくる。が((言実さん離してっ!!今の私には…この能力、止められない!こんな状態の私の側に居たら貴女だって無事には済まない!!))と内部通話で訴えて来る。それを聞いて逆に更にシルバーブレットで球体を破壊して内部に入れば柚紀を抱き締め、柚紀ではない誰かに話し掛ける。その相手は柚紀の父親にして言実の兄である……
- パァァァァァー…………シーン -
『……………おさまっ、た?………ありが、とう、おとう…さ……ん………(ガクッ!……シュウゥー)』
『柚紀っ!!?(ズシリ!!)くっ!……トリガーオフ。(シュウゥー……ピタッ)……鼓動も呼吸も安定しておる、ただ眠っただけみたいだな(ハァ〜……ナデナデ)独りが嫌なのはお前だけではない、私とて永遠の孤独は耐えられる自信はない故にな』
何とか黒トリガーを起動させる事に成功して暴走を鎮める事に成功する。それが理解した瞬間に色々限界だったらしい柚紀が気を失い、換装も解除される。その姪を支える言実もボロボロな片腕とトリオンが吸収される感覚に見舞われこのままでは支えきれないと踏み、迷いなく換装を解き首筋に指を当て異常がないかを確認してから安堵のため息を吐く。……そんな穏やかな雰囲気を漂わせる二人に一番最初に近寄ってきたのは
「(…スチャッ)ヒャッハハ!!やっぱりその娘は期待を裏切らないな〜!!が、やはり連れて行くならお守役アンタも一緒じゃないと色々面倒そうだ。………怪我したくなければ大人しくついてきて貰おうか、おっと!……全員動くなよ?動けば、(…スッ)分かるよな?」