85.蛇甲の曲(150.
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風間隊、太刀川隊の二人までもがそれぞれの役目を終えて集結していたのだ。流石にこのメンバーが一堂に会してしまった以上、勝ち目が無いと二人にも理解出来るらしくかなり悔しそうにする兄と諦めの境地にいる弟。これなら柚紀達も大丈夫だと察した言実がシロに固定シールドを解くように指示を出し、そう時間も経たないうちにシールドが解除され嵐山隊の三人が駆け寄って行く。緊張感から解放された嵐山が安堵して、無意識に大きく息を吸い込もうとしたその時
- グワァン! -
「くっ!?…未来が、変わっただとっ!?(それもこれはっ!)っ!駄目だ嵐山っ!!お前の体内には例の汚染トリオンが潜伏してるっ!その状態で…浄化された空気を一気に吸ったら」
- ヒュッ -
「くっ!?(ゲホゲホ!ゴホゴホ!……ゴフッ!!)……い、一体…なにが……起きてるんだ?(痛みはない、だが……喉やお腹の辺りに凄い違和感がある。それに)(……ポタポタ、ポタポタ)……これは、…血か?俺、……吐血してるのか?」
「「「嵐山(さんっ!!?/先輩っ!!!)」」」
『嵐山っ!?(鈴の音が一切聞こえなかったから嫌な予感がしたが、やはり感染してたか。それにしても吐血、……血?!)!!マズイっ!(ダッ!!)直ぐに"嵐山と柚紀を離せっ!!"さもなくば…柚紀がっ…………暴走するっ!!』
数秒後の未来がいきなり変わってしまい、立ち眩みを起こす迅。だが"その現象は起きてはならない事"なのはハッキリ理解できており、無駄だと分かりつつ一縷の望みを込めて呼び掛ける。が、その願いも虚しく咳き込んだ嵐山の口から血が滴り落ち、口元を押さえていた手にもベッタリ付着。それを訳が分からず呆然とする本人とは裏腹に、部下三人の心情も表情も穏やかでなくかなり動揺。それとは別に柚紀には【血に関連する最大の懸念事項…トラウマ】があるのを思い出し、そのトリガーとなりうる嵐山と距離を取らせようとする言実。理由は分からないが"暴走"とは穏やかでないと察してふらつく迅に変わって小南と風間が更に駆け寄る。が
-
- -
- ポタ、ポタポタ…ポタポタ…… -
『んっ……ん〜〜(何?……液体の何かが、滴り落ちてくるオト?)(…ムワァン)っ!!(この匂いって、まさかっ!?)(スゥ…パチリ)っ!!?
- 血が、……チガ、アラシヤマサンノ、クチカラデテル?-
- "ワタシヲ、マモッタカラ?" -
- ダッテ、ソノセイデミンナ、ワタシノメノマエデ…… -
あ、あっぃ、イヤッ!嫌よイヤッ!!もうっ……イヤッ!?誰かが私を庇って、守ったせいで傷付くのは…血を流すなんてそんなのっ
絶対にイヤだぁーー!!あああああああああッ!!!?』
- パアァーーー!! -
(全)「!!!?」
朦朧としていた意識が直接でないにしろ滴り落ちてくる感覚により覚醒し、臭いから嫌な予感がして目を開けば……吐血した嵐山の姿が目に映る。そんな嵐山を介抱しようとする佐鳥や時枝、嵐山に変わって自分を支える木虎に柚紀は気付いていない。彼女に見えているのは【今現在でなく、血がトラウマとなった過去の惨劇現場】なのだ。そしてそこに居る筈のない嵐山の姿が"自分を庇って重症を負いそして……亡くなってしまった誰か"と重なったその瞬間、風間隊合同訓練時に起きたトリオン暴発が再び発生してしまう。が、あの時とは少し違い【人が飛ばされる程の物凄い風が吹き荒れるが攻撃性はなく、中心に居る柚紀の姿は認識出来るがその少女は球体の様なモノの中で両手を頭若しくは耳に当て踞っている状態だ】
さて、そんな突風を間近で受けた嵐山隊メンバーも勿論吹き飛ばされており、男子三人は風間隊の三人により何とか受け止められ、佐鳥が風に逆らって柚紀の元に行こうとするが「止めろ佐鳥!無茶をして損傷した状態で鶴ヶ峰の側に行ったら逆効果になる!!お前だって聞こえただろ?あの子が何で暴走しているのか、……こうなる程にまで恐れている事が何かって!!」と菊地原に怒鳴られ、更に「嵐山が吐血する程の強力な毒性を有しているのなら、例えトリオン体でも無闇に傷を負うな。何かあったら更に鶴ヶ峰を追い込む事になるぞ?」と風間に冷静な口調で諭されやっと大人しくなった佐鳥に「おれ達にはアレを止める手立てが見つからない以上、……あの人に任せるしかないよ」と、同じ位柚紀が心配な時枝はこの事態を打破出来るであろう人に視線を向ける。因みに迅は急速な未来変更の余波で片膝をついた状態で肩で呼吸をしており、烏丸が介抱に当たっていた。………つまり、頼みの綱は…
「以前、似た現象が起きた際には迅が風刃を使って何とか鎮めたが今は木虎が所持しているのと……アレの性質や木虎のトリオン能力値、更には鶴ヶ峰は黒トリガーを使っている以上…同じ手は通じないだろう。そうなれば……………やはり言実さんに頼るしか手はないな」
一方、木虎だけ別方向に飛ばされてしまいそれを小南と出水によって抱き止められていた。最初小南が"自分一人で十分だった"と豪語する中、"生身の木虎に何かあったら一大事だろ?"と正論をぶつける出水。そんな二人に一応助けられた事には変わりないので小声ながら礼を述べていると『無事か?木虎っ!!』と木虎達とは別方角に飛ばされていた言実(と、それをキャッチした太刀川)が合流。特に損傷がないのを確認して安心する言実に【何故柚紀が暴走したか】と小南が訊ねる。…全員が気にしている事だと察したらしく渋々答えを告げる
『あの子が生まれ育った里において"代理や肩代わりが不可能な重大で重要な役目"を担っておった。故に里の皆から大事に育て守られて来た。そして……あの子が危うくなれば可能な限り身代わりになり、何人もの里の者が犠牲となった。病気や怪我は兄さんが居たから平気だったが、……トリオン兵の様な外敵が相手な場合、例え強敵でも里の為にと立ち向かっていった。そんな望みもしない屍の山や重たい十字架をあの子は背負わされており、これが血を嫌う子となった由縁だ。………お喋りは此処までにしよう。出水、悪いが力を貸せ。お前の弾であの風を相殺してくれ、後は……(ギュッ!)私が何とかする』
- グワァン! -
「くっ!?…未来が、変わっただとっ!?(それもこれはっ!)っ!駄目だ嵐山っ!!お前の体内には例の汚染トリオンが潜伏してるっ!その状態で…浄化された空気を一気に吸ったら」
- ヒュッ -
「くっ!?(ゲホゲホ!ゴホゴホ!……ゴフッ!!)……い、一体…なにが……起きてるんだ?(痛みはない、だが……喉やお腹の辺りに凄い違和感がある。それに)(……ポタポタ、ポタポタ)……これは、…血か?俺、……吐血してるのか?」
「「「嵐山(さんっ!!?/先輩っ!!!)」」」
『嵐山っ!?(鈴の音が一切聞こえなかったから嫌な予感がしたが、やはり感染してたか。それにしても吐血、……血?!)!!マズイっ!(ダッ!!)直ぐに"嵐山と柚紀を離せっ!!"さもなくば…柚紀がっ…………暴走するっ!!』
数秒後の未来がいきなり変わってしまい、立ち眩みを起こす迅。だが"その現象は起きてはならない事"なのはハッキリ理解できており、無駄だと分かりつつ一縷の望みを込めて呼び掛ける。が、その願いも虚しく咳き込んだ嵐山の口から血が滴り落ち、口元を押さえていた手にもベッタリ付着。それを訳が分からず呆然とする本人とは裏腹に、部下三人の心情も表情も穏やかでなくかなり動揺。それとは別に柚紀には【血に関連する最大の懸念事項…トラウマ】があるのを思い出し、そのトリガーとなりうる嵐山と距離を取らせようとする言実。理由は分からないが"暴走"とは穏やかでないと察してふらつく迅に変わって小南と風間が更に駆け寄る。が
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- ポタ、ポタポタ…ポタポタ…… -
『んっ……ん〜〜(何?……液体の何かが、滴り落ちてくるオト?)(…ムワァン)っ!!(この匂いって、まさかっ!?)(スゥ…パチリ)っ!!?
- 血が、……チガ、アラシヤマサンノ、クチカラデテル?-
- "ワタシヲ、マモッタカラ?" -
- ダッテ、ソノセイデミンナ、ワタシノメノマエデ…… -
あ、あっぃ、イヤッ!嫌よイヤッ!!もうっ……イヤッ!?誰かが私を庇って、守ったせいで傷付くのは…血を流すなんてそんなのっ
絶対にイヤだぁーー!!あああああああああッ!!!?』
- パアァーーー!! -
(全)「!!!?」
朦朧としていた意識が直接でないにしろ滴り落ちてくる感覚により覚醒し、臭いから嫌な予感がして目を開けば……吐血した嵐山の姿が目に映る。そんな嵐山を介抱しようとする佐鳥や時枝、嵐山に変わって自分を支える木虎に柚紀は気付いていない。彼女に見えているのは【今現在でなく、血がトラウマとなった過去の惨劇現場】なのだ。そしてそこに居る筈のない嵐山の姿が"自分を庇って重症を負いそして……亡くなってしまった誰か"と重なったその瞬間、風間隊合同訓練時に起きたトリオン暴発が再び発生してしまう。が、あの時とは少し違い【人が飛ばされる程の物凄い風が吹き荒れるが攻撃性はなく、中心に居る柚紀の姿は認識出来るがその少女は球体の様なモノの中で両手を頭若しくは耳に当て踞っている状態だ】
さて、そんな突風を間近で受けた嵐山隊メンバーも勿論吹き飛ばされており、男子三人は風間隊の三人により何とか受け止められ、佐鳥が風に逆らって柚紀の元に行こうとするが「止めろ佐鳥!無茶をして損傷した状態で鶴ヶ峰の側に行ったら逆効果になる!!お前だって聞こえただろ?あの子が何で暴走しているのか、……こうなる程にまで恐れている事が何かって!!」と菊地原に怒鳴られ、更に「嵐山が吐血する程の強力な毒性を有しているのなら、例えトリオン体でも無闇に傷を負うな。何かあったら更に鶴ヶ峰を追い込む事になるぞ?」と風間に冷静な口調で諭されやっと大人しくなった佐鳥に「おれ達にはアレを止める手立てが見つからない以上、……あの人に任せるしかないよ」と、同じ位柚紀が心配な時枝はこの事態を打破出来るであろう人に視線を向ける。因みに迅は急速な未来変更の余波で片膝をついた状態で肩で呼吸をしており、烏丸が介抱に当たっていた。………つまり、頼みの綱は…
「以前、似た現象が起きた際には迅が風刃を使って何とか鎮めたが今は木虎が所持しているのと……アレの性質や木虎のトリオン能力値、更には鶴ヶ峰は黒トリガーを使っている以上…同じ手は通じないだろう。そうなれば……………やはり言実さんに頼るしか手はないな」
一方、木虎だけ別方向に飛ばされてしまいそれを小南と出水によって抱き止められていた。最初小南が"自分一人で十分だった"と豪語する中、"生身の木虎に何かあったら一大事だろ?"と正論をぶつける出水。そんな二人に一応助けられた事には変わりないので小声ながら礼を述べていると『無事か?木虎っ!!』と木虎達とは別方角に飛ばされていた言実(と、それをキャッチした太刀川)が合流。特に損傷がないのを確認して安心する言実に【何故柚紀が暴走したか】と小南が訊ねる。…全員が気にしている事だと察したらしく渋々答えを告げる
『あの子が生まれ育った里において"代理や肩代わりが不可能な重大で重要な役目"を担っておった。故に里の皆から大事に育て守られて来た。そして……あの子が危うくなれば可能な限り身代わりになり、何人もの里の者が犠牲となった。病気や怪我は兄さんが居たから平気だったが、……トリオン兵の様な外敵が相手な場合、例え強敵でも里の為にと立ち向かっていった。そんな望みもしない屍の山や重たい十字架をあの子は背負わされており、これが血を嫌う子となった由縁だ。………お喋りは此処までにしよう。出水、悪いが力を貸せ。お前の弾であの風を相殺してくれ、後は……(ギュッ!)私が何とかする』