85.蛇甲の曲(150.
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『あ、あああああああああ嵐山さんっ?!そ、そろ、そろそろ…降ろして下さいよぉ〜!!?もう放置…警戒区域内ですからぁ〜!?』
「(ピタッ!)ん???………俺は基地までこのままでも大丈夫だが…「「「(ジーーーー)」」」……ま、歌姫の恩恵でゲートもほぼ開かないだろうし、俺達からあまり離れなければどうにかかるか!(…スッ)…あ、立ち眩みとかはないか?」
『は、はい。えっと……私は三半規管弱くないですし、行き先も分かってましたから不安でもないので。まぁ(パサッ、…スッ)……万が一対策でこの眼鏡をしていたので、ずり落ちないかは気掛かりでしたけどね。にしても、……まさかあんな仕込みをしていたとか我が親友恐るべしです』
例え相手が嵐山でも必要以上密着しているのは些か抵抗があるらしく解放を要求する柚紀に、最初は受け流そうとしたが部下からの視線も相成り素直に降ろしてやる。そして"あの"フブキが酔いやすい体質な事がかなり印象的だったらしく、無意識に心配げに声を掛けたのに対して、ベール下に"素顔バレ防止"で着用していたあの銀縁眼鏡を取り外して平気だと断言する。因みに眼鏡はシロによる指示で何故着用を勧められたか最初は不明であった。……大学から帰還する道のりを見るまでは
何があったかと言うと、フブキの剣道道場の教え子達が集結しており嵐山達にも声を掛けていたが「あれが今回の騒動で色々活躍した歌姫だ」的な事を吹聴したらしく「ひめさま〜!」「歌姫さま〜!」と手を振りながら声を掛けてきたのだ。更にはご老人達に加えてガタイの良いお兄さん方(…前者はお世話になっているお婆ちゃん先生のお客さんで、後者はシロの家が経営している会社の従業員達)が今回の功労者達に何かしらのアクションを起こしていた。一部の人に拝まれたのには流石の嵐山達も微妙な表情をしていたが、手を振ったりして応えていたのだ。その中には難癖的な言葉を発する市民も居たが「今回の件は改めて発表があるので、それまでお待ち下さい」と主に佐鳥と時枝が足を止めず今この場での回答を避ける辺りはお手の物で、木虎は見ているだけに留まっていたのだった
さて、既に最寄りの秘密経路への出入り口も近くにあり、ゲートが開く可能性も低く天気もよく、木虎は何故自分は口出しをするなと言われたのかを佐鳥達に問うなど穏やかな雰囲気に包まれていた…………その時
❲駄目だ嵐山ッ!!彼女の側を離れるなっ?!!❳
「!!迅?いきなりどうしたんだ?それに今までナニを…❲説明は後だ!!兎に角柚紀ちゃんの側に…"パネルに触れさせちゃ駄目だ!"それには罠が仕込まれている!!?❳!?!?…柚紀ちゃん待ってくれっ!それに触れたら駄目だっ!!?(ダッ!!)」
『へっ??嵐山さん、何をそんなに慌てて(ピタッ)
- トリオン反応を確認 -
- "個人指定波長"を確認 システムを起動します -
………えっ??』
- パアァー、ガシッ!…シュン! -
「「「…………えっ?」」」
ものの数秒で状況が激変してしまったのだ。普通通りに扉を開く為に柚紀がパネルに触れた瞬間に足元が光り、間一髪な所で嵐山が腕を掴んだ瞬間には二人とも姿が消えてしまっていた。そんないきなりの事態に三人とも受け入れるのに時間が掛かったが、我に返った佐鳥が宛もなく走り出しそうなのを時枝が止めて綾辻に状況を確認する。が、コチラも二人の所在が掴めずにいた所にシロからの通信が入る
❲市河です!二人の反応を捉えましたのでレーダーに反映❲いや、スイッチボックスで即効で飛ばすよ!!…コレ、確実に歌姫ちゃんを狙った罠だ!アンタはあの子とリンクしておきな!じゃないと"言実や迅みたいに音信不通になる!?"❳えっ?!ヒナ先輩、それってどう言う事ですか?❳
《私だ、今まで連絡出来ずに居て済まなかった!……例の妨害型・改の調査も平行にしていた際に【敵の罠にハマり身動きも連絡も不可能な状況に陥っていた】。その際に"今回の黒幕"に遭遇した、アレは……"人型近界民"…敵だ!そして私達がその罠から開放されたと言う事は…》
❲っ!!?二人の反応がロストした?!アンタ達二人が見動き取れなくなった理由、…トリガーのせい?!と、とにかく反応があった場所に飛ばすから周囲を探索してみてよ!必ずナニかの痕跡は残っている筈だからさ!!(カタカタカタカタカタカタ…ダン!)❳
状況が上手く飲み込めては居ないが、のんびりしていられないのは重々承知した三人はそのまま二人の反応が確認された場所……あの始まりの地に飛ばされる。そこには"見覚えのないモノ"が確かにあった
「これって、……トリオン弾、じゃないか。出水先輩や柚紀ですらこんな大きさじゃないもんね。(コンコン)……何でこんなのが此処に…(- キラッ -)………えっ?嵐山さんに柚紀?!(ドンドン!ドンドン!!)ちょっ、何でそこに居るの?!ってか佐鳥に、…オレに気がついてよっ!!ねぇっ!!?(ドンドン!ドンドン!!)」
「(グイッ!)落ち着いて下さい佐鳥先輩っ!!……どうやら(コンコン)この壁はかなりの防音性能みたいですね。それに…今柚紀先輩がコチラをちら見しましたが何も反応を示されなかった事から推測しますと、恐らく向こうはコチラを見えてはいない、つまりは"マジックミラー"みたいな仕組みかと。因みにですが……お姉様が敵と豪語したあの方達、ですかね?」
「だろうね。そして相手は恐らく土田と言う元ボーダーに所属していたエンジニア、までは分かるけど……"どっちが、なんだろう?"おれは名前しか知らないけど、……佐鳥は分かる?」
目の前にある巨大な立方体らしき物、触れてもダメージはないが叩いてもビクともしないこのトリガーらしい物体の内部は見えるので状況は把握出来る。が、確信がない部分が多数あり三人で答え合わせをしている中、唯一土田元エンジニアとちゃんと面識した事のある佐鳥が嵐山と対峙している相手を見て………驚きを隠せない。何故そんな反応をしているか、それを答えたのは佐鳥ではなく
《……そう、だったんだ。だから違和感や既視感があったんですね。……私は貴方達二人を苗字で呼んだ記憶がないけど、土田でない以前のを覚えていた。だから名前を覚えられなかった、そうでない別の名を知っていたから。それにしても、まさか里の外で再び再会するとは思っても見ませんでした。何故名乗ってくれなかったのですか?私は苗字変わってないですし、言実さんともほぼ同じ年なら面識はあった筈。と、……昔の事を懐かしむより今現在の事が優先ですね。………問います、貴方達の目的は何ですか?お答え頂けますか?土田……いえ、【北之山大蛇・大亀(きたのやまおろち・だいき)】ご兄弟のお二人様方》