何時もの様に淡々と話す木虎と、声音だけ聞けば何時もの元気な嵐山の会話だが、後者の会話をよく聞くと地味にチクリと来る事を言っていたりする。因みに"迅が〜"のくだりは【本音を言いたい時は、俺をネタにしてくれて大丈夫だよ】と本人から了承済みなので実行した訳で、その真意まで………恐らくこの男なら気づいているが、敢えて口には出さずにそのままにしていたりするのであった
さて、弧月三人を現場に届けたので次の目的地であるＡ級達の激戦区へと円盤が舵を切る。そして高度がそれなりにあるので、スナイパー組とも目があったりもして日浦が嵐山達を見つければ"真ん中に居るのが柚紀"と反射的に理解して「センパ〜イ！頑張って下さいね〜！！」と声を掛ける。他にも穂刈や半崎も反応してくれたりしているので、それに対しても手を振り反応を返しつつ歌を歌い続ける

〜　あしたというシルエットが Colorfulになればいいよね
キミの情熱 引き金にして 飛びたとうよEmotion　〜

❲え〜、お次はＡ級戦闘区域に参りま〜す！あ、野々村ちゃんもそこに居るけど当真くん曰く"カメレオン持ちは全員使っているから下手な援護射撃は不要かも"だってさ〜❳
❲でもフウちゃんは勿論、風間さん達もユズちゃんを気にしているだろうから行き先はこのまま。なので円盤見えたらカメレオン解くのをオススメしま〜す。誤射が怖いので。因みに太刀川隊のお二人も比較的近くには居ますが、………出水先輩が元気に連射してますので、安全を考慮して太刀川さん以外はそれなりに距離を取ってます。……………ん？これは…(カチッ)❲嵐山隊の皆さん少し警戒を。バンダー内に未登録…と言うかまるで兵隊蟻みたいな"無数の反応の集合体"と言う方が実感あるかな？兎に角今までに無い反応パターンな敵が居ます❳(カチッ、ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ…)……風間さん、見た目的に何時もと違う奴居ますか？？❳
❲………いや、少なくとも俺が見える範囲には見た目や大きさが違う敵は居ないな。だが大体の亜種はそうだった事もある。円盤が来る前にスナイパー若しくは出水に処理させるからデータを渡しておけ❳
❲了解です！(ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ…)❳

国近とシロが現場状況をアナウンスする中、一部は柚紀に聴こえない様に通常回線を用いて気になる点を個別に伝える。これに対して一瞬だけ"繋がりが薄まった"のを感じた柚紀だが、【言実若しくは巽からのキャッチフォン的な通信が入り対処した】的な認識を抱き疑問を抱かなかった。歌っている状態である事もだが、宇佐美のサポートがある状態なので"完全に繋がりが消えさえしなければ"能力の継続には問題がないのだから

〜　空に見つけた迷宮のGATE（地図）(-　ドン！ドン！　-) 目の前に開かれたS・E・K・A・I　〜

-　………スタン！…バサッ………ゴン！　-
「ったく！現れて早々撃ってくんなよな〜！！？吃驚するだろうがっ！？」
「えっ？！ちょっ！！何で佐鳥だけ個別に怒られなきゃならないのさ〜風音ちゃん？！現場に居れば射撃音何て何時も鳴り響いているし、出水先輩だって狙撃音以上に豪快な音させてるよ！？今だって嵐山さんとかとっきーは普通に連射してるじゃん！！木虎は……トリオンの関係上、要所要所でって感じで撃ってはいるけど…」
「(スタン！)"だからこそ"じゃね？ソロの野々村が戦うのは主にＣ級ランク戦だろ？あそこじゃスナイパーとの対決やら連携する機会はあんまねぇからな〜。だから吃驚したってこったな！にしても、……いや〜眺め良いし絶好の狙撃ポイントだな〜此処。暫く邪魔するぜ？(スチャッ)間近で狙撃音がして誤射とかスンナよ？とっきー」
「………ご忠告有難う御座います。でも平気ですよ？防衛任務だってランク戦だって、佐鳥は"撃ちます"とか合図無しに撃つのが当たり前ですから。この感覚は実質ソロ状態な当真さんには分からない感覚、何ですかね？」
「なる程な。にしてもいきなり俺がワープしてきたのにまるで驚かないのも"自分も似たトリガーを用いっているから"か？」

歌に合わせて撃った狙撃に驚いたフブキが佐鳥に文句を言いに登頂。これに対して最もらしいセリフを口にするが、スイッチボックスにより時枝の側にワープしてきた当真が反論。確かに同じ銃撃だが使用するトリガーや見た目が異なればオトは異なるのは当たり前なので、渋々納得しつつ気持ちを切り替えて狙撃体制を取る佐鳥に追求はせず、言いたい事が言えてスッキリしたフブキは木虎の方に移動。更に

〜　満天の星を見つめ 夢を描き 高鳴ってる鼓動を知った 今ここに創造（はじまり）告げる僕らの物語　〜

-　スタ、スタン！　-
「お〜！いい眺めだな〜！！風間さんが更に小さく見えるや。……悪いがちょっと休ませて貰うぜ？あのすばしっこい奴には流石の俺も手を焼いててさ、風間さんに一掃任せちまったよ」
「(ダダダダダダダダ……)あ〜、俊敏型ですか？アレは弧月よりスコーピオンの方が気持ち倒しやすいですからね。………出水はカメレオン使用中の相手に誤射しないか心配で狙いづらかった、そんな感じか？」
「それもですが、………バンダーの亜種を狙うならコッチの方がまだやりやすいかなと。アッチに見える集団にに混ざってるらしくて、だから嵐山さん…(ポン)佐鳥借りても良いですか？後、当真さんも手を貸して下さいよ？バンダーの亜種はどれも放置したら面倒ですし、(チラッ)柚紀ちゃんの事やコレの維持を考えるとあまり接近するべきじゃないですからね」
「(スチャッ！)了解です！！」
「仕方ねぇな〜、手を貸してやるよ。(スチャッ)………誰が亜種を撃ち抜くか、運試しと行こうじゃないか！？」
　
〜　どこまでも響くように この想い消えぬように 流れ星に願ぅょ　〜

太刀川と出水までもが合流して太刀川は嵐山の側に、出水は佐鳥の側で周囲を見渡しつつ軽口を叩いていた。……遠征帰りなだけあるのが少しばかりお疲れな二人を察して、特に追い出したりせずに各自自分のするべき事をする。(具体的には嵐山と時枝は通常の大きさの敵を銃で倒し、木虎は前線に戻るフブキの為に建物にワイヤーを数ヶ所打ち込み足場を作っていた)そしてそれは柚紀も同じで、周囲の会話や戦闘音にも動じずに歌い続けるのだ。……ただ皆が勝つのを信じて