82.鼓笛隊の曲(147.
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各自行動を開始している中、堤は基地に向かって車をかっ飛ばしていた。市民は徒歩にて避難所に移動しており車は殆どないので事故の可能性は低くなおかつ"人の流れとは逆に向かっている"ので、かなり快適に運転していた。その上空、同じ方角に移動しているフブキ・諏訪、そして柚紀はと言うと
〜 ルーレイ ルレイア(シャンシャン)
空を舞う ひばりはなみだ(シャンシャン)
ルーレイ ルレイア(シャンシャン)
おまえはやさし みどりの子(シャーン)
アイモ アイモ
ネーデル ルーシェ(シャン)
ノイナ ミリア
エンデル プロデア(シャンシャン、シャンシャン)
フォトミ(シャラーン)
ここはあったかな海だよ 〜
合いの手を入れる感覚で鈴を鳴らしながら歌っていた。厳密に言えば他にも歌詞はあるが、同じフレーズを繰り返す事により久し振りに歌う柚紀のウォーミングアップにもなり、リンクしているシロの負担を減らす努力をしている。そんな歌声と鈴の音を至近距離で聞いている諏訪が顔色一つ変えない事に疑問を感じだよフブキが理由を訊ねる。すると意外な答えが返って来たのだ
「別に大した事じゃねぇよ、簡単に言えば"慣れ"だ。……よく言うだろ?"生活音"ってのは最初は気になるが、それも慣れて来れば気にならなくなって、逆に無い方が違和感を感じるって奴。………俺にとって鶴ヶ峰の歌姫も鈴も既にその域に達しているだけだ」
「あ〜、分からなくも、無くもない、か?歌に関してはサイドエフェクトに関する実験やら練習段階から諏訪さんが協力してたって聞いたし、一部の奴がユズの歌を着メロにしててそれで聴く機会も多そうだが………鈴は?あれは最近だし、それこそ常に持ち歩く代物じゃねぇだろ?」
「鈴に関しては例の鎮めの鈴を一時的に俺の所で預かってて、防衛任務中メンバーに不安があるとつる姐が判断したら俺が運搬して……みたいな感じで意外と身近にあったのと、………ちょっとした安眠グッズ状態化してたな。丁度コイツが洗脳被害に遭った頃、俺の感情に呼応して鳴る鈴を持つ機会があってな、……色々ストレスとかあって寝つけなかったり苛ついていると、不思議と勝手に鳴り出して聞いている内に気持ちが落ち着く。そんな体質になっちまってたんだよな〜。…ま、それもそろそろ卒業して自立を心掛けねぇと、風間やつる姐にどヤされるがな」
他人に気づかれていない所で色々苦労をしている諏訪の一端が垣間見え、改めて"諏訪さんは好い人だよな〜"と感心するフブキ。(柚紀は歌と鈴に意識を集中させているので、二人の話し声は聞こえていない様子)そんな中、堤から❲此処から別行動になります。気をつけて下さいね諏訪さん❳と通信が入る。逆に「コッチの台詞だ馬鹿っ!!……片手運転とかするなよ?危ねえからな」と諏訪なりの激を飛ばす。………特に行き先を決めていなかったが、歌姫を久し振りに使用するならと"始まりの地"に向かっておりボーダー内にある駐車場への道のりとは此処から別方向らしい。その入り口までついていくべきかと一瞬躊躇したフブキだが、堤が車を走らせる少し先の道に"オレンジ色の集団"を遠目ながら見つけ(あ、………流石迅さんだな)と自己完結させるのであった
さて、放置区域に突入した辺りで❲装置起動確認!!ただ、数値が安定するまで鈴は継続でお願いします❳とシロから通信が入る。それを聞いて地上移動に切り替える為に降り立ち、諏訪が柚紀を降ろそうとした、その時
- ……バチッ、バチバチバチッ -
「!!諏訪さんっ!ユズっ!!後ろだっ!!?」
「チッ!!?サイレンなしかよっ!!?…(ゲートが近過ぎるっ!このままじゃ……)(…ドン!!)野々村っ!!コイツを頼むっ!!?(キイィーン)」
『〜ルーレイ ルレ…〜(クラッ)………えっ?!
(ポフン…- ザシュッ! -……ボタッ!)
…諏訪、さん?(…ゾクリッ!!)………ぃ、…イヤ、…イヤだ、嫌だよッ!?諏訪さんっ!諏訪さんっ!?……洸にぃっ、"行かないでっ"!!!!?(ジタバタジタバタ- リンリンリンリンリーン…… -)』
「落ち着けユズっ!?腕が斬られたたげでまだベイルアウトする程じゃ……(- サッ、ガサガサガサガサ -)チッ!囲まれているな、こりゃ。(……マズいな。万が一にも洗脳型がお出ましになったら諏訪さんとトリオン兵の両方相手しつつ、ユズを護るとか…)一人じゃ無理だぞ、幾ら俺でも。………まだかよ、迅さんっ!…つる姐っ!!」
本部が機能を完全に復帰させていないせいか、予告なしでいきなりゲートが間近に発生してしまい長年の勘から"攻撃を喰らう"気がした諏訪は、咄嗟に柚紀をフブキの方に押し退ける。いきなり押されて歌が途切れた柚紀が目にしたのは……敵に腕を斬り落とされた諏訪の後ろ姿であった。それを見て嫌な予感を感じて取り乱してしまう柚紀を何とか落ち着かせようとするフブキだが、歌によって集まって来た敵(それも姿が見えない事から恐らく隠密型)の気配を察知。状況や自分の力量をきっちり把握はしているフブキは、驕る事なく素直に愚痴を溢す。そしてどうすればと躊躇している背後から姿を現した敵の凶刃が振り下ろされそうになった、その時
- シュン!ザシュッ!! -
- シュン!ザシュッ!! -
- シュン!……ズシャッ!! -
「全くもう、帰って来て早々面倒な事になっているとか勘弁して欲しいですよ。相変わらず野々村は単独行動してるし、諏訪さんは死にかけてるし………鶴ヶ峰は何とか歌える様になったかと思えば、いきなり現場に出て…かなり場違いな格好だしさ。ナニ??僕に突っ込み疲れさせたい訳???」
「いや、お前が勝手に自分が思っている事を口にしただけだろ?にしても、……オペレーターのナビゲートなしで鶴ヶ峰の所まで一直線とか、流石の聴覚だな"菊地原"」
「お喋りはそこまでにして先ずは敵を片付けるぞ。野々村はそのままその暴走娘の側に居ろ、…敵を無理して倒す必要はない、護りに集中しろ。その間……おい諏訪、邪魔になるから銃を仕舞って鶴ヶ峰を落ち着かせろ。コイツが取り乱したらどうなるか、一番知っているだろうし何より…………お前のせいでこうなっているんだ責任を取れ、責任を」