病院に行っている筈の三輪と米屋が合流し、更には「あら、本当に来たの？何だかんだ言って三輪くんも柚紀ちゃんが気になるのね〜。それと……その子お持ち帰りして良いかしら？」と加古もやって来ると早速柚紀争奪戦が勃発しそうなので「今は現状打破が先だ！！一番貢献したら好きにして構わねぇよ」と諏訪がその場しのぎの言い訳を言って場を納める。………少しだけ不機嫌になりつつも柚紀は話を再開する(因みに嵐山隊とフブキは、かなりご立腹だったりします)

『……………(-　シャーン　-)とりあえず話の続きを。…シロ、陽菜さんから解析データ貰っているなら範囲をマップに反映して貰えないかな？』
❲了解！(ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ……ダン！)……二重になっているけど、範囲が狭いのが地上で大きいのが空中での効果範囲だよ。…かなり違うねやっぱり❳
『(……こうなると移動は屋根伝いの方が良いかな？)あ、ゲートの奴は？そろそろ復帰する？(ｼｬﾝｼｬﾝ)』
❲(ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ、ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ……)後10分も掛からないかな？起動時のパスコード入力までサーバーに任せているから、今はノータッチな感じ。(ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ……)私はロック解除優先順位を決めてそこを使える様にしているんだけど、……かなり迷うねコレ❳
『割り振りは言実さんに投げたら？多分決めてもらった順番にシロが解除した方が効率良いでしょ？っと、…とりあえずリンクは繋げたままにするけど何かあったら皆に分かるように連絡してね？………すみません、話し込んでしまって(ﾁﾘｰﾝ)』
「いや、市河ちゃんとリンクしているのなら【現場と基地の両方対応しないといけない】から仕方ないよ。………で、人数は増えたけど役割の割り振りはどうするんだい柚紀ちゃん。今は一番正確に状況を把握している君が決めるべきだと俺は思う。少なくともこのマップからしても、本部の回線が復帰するのを待つのも時間が惜しい状態だからね」

本部基地の復帰状況に合わせてコチラも事を運ばなければ、結局負担が自分に来るのが分かっている柚紀は焦らず慎重に、でも悠長に時間を使わない様にはしている。が、把握するのに時間が掛かり佐鳥達を待ちぼうけにさせてしまった事に心無しか落ち込み、それに呼応する様に鈴の音が弱くなっていた。あまり効果が薄れると突発的にゲート発生しないとも限らないので、"大丈夫・気にしていない"と嵐山が代表して伝えて軌道修正に入る。それに応じる為に呼吸を整えて指示出しを再開する

『(ｼｬﾝｼｬﾝ)今から私は危険区域に向かって移動を開始します。そうなると……(…ｽｽｰ)大学含めたこの範囲が鈴の恩恵が無くなってしまいますので、装置が復帰するまで誰かが残る必要があります。で、その役目を……(シャラーン)加古さんにお願いしたいと思います。確かチームに"ドラッパー"の方居ますよね？このマップデータをシロにお願いしてその方のパソコンに送って貰うので、新たな敵が現れたらワープで飛んで対処……可能ですか？(ｼｬﾝｼｬﾝ)』
「んふ、構わないわよ。あの子此処からそう遠くない所に住んでいるから、要請出せば直ぐに来るわ。………でも、合流するまでの間に敵に遭ったら不味いわよね〜。どうしようかしら」
『……………シロ、"加古隊のドラッパーの人の現所在地と住所"…分かる？』
❲(ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ……)…"両方分かるけど"、どうするつもり？❳
『……(ｽｯ-　シャラーン　-)三輪隊の二人をワープさせて迎えに行かせます。同じＡ級なら顔合わせ位している筈ですので、鈴鳴のお二人よりは適任かと。(ｼｬﾝｼｬﾝｼｬﾝ…)他人に住所が知られるのは抵抗があると思いますので、本人が希望なら"引っ越しの手配"をコチラでします。……ま、実際にやるのはシロになるかな？彼女の親は土木工事とか以外にも不動産も扱っています。ある程度の物件を保持してますから、そこまで条件が難しくなければ…可能かと(シャラーン)』

勉強の為に過去ランク戦をかなりの量を観戦している柚紀は【顔見知りになった人のはある程度見る】様にしており、"ROMで見た時とメンバーが変わって居ない"のを前提に話を進める。すると隊長である加古はすんなり了承するが、懸念材料も提示。これに対して"些かプライバシー侵害"な事をするので、対応策込みで打開策を更に進言。柚紀やシロの能力・家族を知っている人は「あ〜……」と、一定の理解を示し加古もこれに反論せず「そこは本人に決めさせるとして、お迎え頼めるかしら？」と三輪隊二人に訊ね、頷いたのを見た柚紀がシロに合図。一分も経過しない内に二人が消えて次の指示に

『(ｼｬﾝｼｬﾝ、ｼｬﾝｼｬﾝ)次に堤さんですが、綾辻先輩と一緒に車で本部基地まで移動をお願いします。……先程、レポートデータを狙ったボーダー関係者の妨害を受けまして…放置は危ないのでやはり移送してしまうべきかと』
「それには異論ないですが、……あの人を退ける為にメモリーを既に渡してしまっていますよね。………大丈夫、なんですか？(小佐野先輩の件、柚紀先輩は意図的に嘘を付いて説明をしている以上、それに合わせるべきですよね？今の状況で取り乱されたら私達だけでなく、市民全員が危険な状態になる)」
『……(ニコッ-　シャラーン　-)大丈夫だよ藍ちゃん、アレ偽物だから。……本当のレポートデータは"私の薬が入った巾着に"入っているの。万が一にそれがバレて再度私達に接触したり、逆ギレされても"向こうが不利になるだけ"。私含めてあの時一緒だったメンバーはその人とは接点が全くないから、妙な言い掛かりを付けてきても………』
「……【相手は理由を話さないといけない状況となる】訳だね。更に手を上げるとかしたら問答無用、ってなるかな？主に諏訪さんと野々村が」
『そうなりますね。一応相手は私より年上ですが、多分諏訪さんより年下かタメっぽかったので。(ｼｬﾝｼｬﾝｼｬﾝ…)因みに私も同じ方角に移動しますが、鈴の効果範囲等を考慮して屋根伝いで行きます。それで、……(ﾁﾘｰﾝ)流石にこれで屋根上を移動は困難なので、諏訪さんに運搬をお願いしようと思います。露払いはフブキに。そして………(ﾘｰﾝ、ﾘｰﾝ…)嵐山隊四人には敵が残っている地域の対応をお願いしたいと思います。(……ｽｯ)見ての通り、明らかに劣勢な地域が存在する以上誰かを派遣する必要があります。更に亜種が含まれているから"臨機応変にどんな敵にも対処できる実力が伴った一部隊"…となるとやっぱり嵐山さん達が一番かと思うので』