78.分岐の曲〜今こそ決断の時〜(143.
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それから主にフブキとの会話を終わらせた二宮が退室し、入れ代わりで言実が戻って来た頃には柚紀が目を覚ます。補給もしているのと迅から貰ったのも影響しているが、やはり基地内だとトリオン量の回復速度は格段に早くなっているらしい。が、今回はそれに加えて………空腹で目覚めたのも要因である。深夜近くであり、24時間食堂は稼働しているのだがかなり空腹らしくて『今すぐに何かが食べたい〜!!?』と駄々をこねる。すると"長期保存が効く非常食がソチラにあるかも"と言実に言われて、迅が探し当てそれを食す事に。それは………
- ズルズルズル、モグモグ……ゴックン!! -
『………ハァ〜幸せ〜〜〜!憧れの"カップ麺"が食べれるなんて夢みたい〜!!あ、フブキのもスープ付きで美味しそう〜!少し頂戴!!』
「ん??……ほらよ、麺は兎も角慌てすぎてスープで火傷スンナよ?ってかカップ麺を食べた事ねぇとか、マジでどんな生活してたんだ??………そこん所どうなんだよ〜〜、なぁ〜つる姐〜」
❲………以前、嵐山の所で話しただろ?義姉さんが小麦アレルギー持ちで、パンを始めとしたモノをこの子は食べた経験が極端に少ないと。どの麺も小麦を使う故に、ほぼ無縁の生活をしておった訳だ。まだ十割蕎麦なら食した経験はあるがな❳
「あ〜、……たまぁ〜にいつの日かそう遠くない未来で"柚紀ちゃんが食べ物を食べて幸せそうな顔をしている姿を沢山視えるけど、よく見たら全部小麦粉使う料理だ"。そう言えば海鮮モノが好きな理由って【山奥の村で生活していたから、魚を食べる機会があんまり無かった】だったりするの??………あ、俺のも食べる?」
庶民的な食べ物とも言えるカップ麺を至極幸せそうに食す柚紀(シンプルなキツネうどん)と、その隣でこちらも晩御飯がまだだったので一緒に食しながら些か呆れ気味なフブキ(スープ付きカップ焼きそばたらこ味)は理由を言実に訊ねる。これに対してコチラも空腹だったらしい言実(激辛ラーメン)が、柚紀が食べない様に監視室側で食事をしながら解答。それを聞いて"視えていたモノの理由"が分かり、更に柚紀が好むのは【食べれなかったこそ、その反動では?】と問う迅(醤油ラーメン)。昔の事を訊ねているので、さり気なく機嫌を取りながら。これに対して知ってか知らずか相変わらず美味しそうに食べながら、特にトリオン数値にも異常もなく平気そうに『そんな感じですね』とほぼ肯定する
『別に鮎とか鮭とかの川魚を食べる機会はソコソコありましたが、やっぱり海の魚はあんまり無かったな〜。そう言う意味では"出稼ぎ"として里を出て働いている人達がお土産で、中々里では食べれないモノや売っていないモノを沢山買って帰ってくるから楽しみにしてました!!後は土産話も!…………お父さんは仕事やボーダーの事で忙しかったから頻繁に帰ってこれなかったし、外での話はあんまりしなかったけど、日持ちするモノをメインにお土産で買って帰って来てたな〜。私も小さい頃は身体弱くて布団の中での生活が長かったから、元気になる様なモノを尚且腐ったりしない様にって。……だから誕生日プレゼントは大体私が食べてみたい食べ物で、それ以外の……ずっと手元に残る様なプレゼントは「(…スッ)このペンダントだけ?」あっ?!!いつの間にっ!!もう返してよ迅さん!!』
「(アレは……- プチッ -)……言実さん、あの石は一体…冬島さんからは【アレは鶴ヶ峰の精神を安定させたり、漏れ出たトリオンを吸収する性質を持つ貴女お手製のアイテム】だと聞きましたが……もし迅や彼女が話した通りだとしたら、アレは鶴ヶ峰静樹氏の唯一無二のオリジナルトリガーとなります。それをボーダー無関係だった頃の鶴ヶ峰が持っていたのが上層部に知れたら、タダでは済みませんよ?」
『………作者含めて鬼怒田さんには夏休みの段階でアレがトリガーだとバレておる。が、今の今まで問題視された事は一度もない。アレは"柚紀のトリオンにしか反応を示さぬ特別なトリガー"故にな。それに万が一にも他人が使えたとしても"宝の持ち腐れ"だ。役には立たぬさ、あの子以外ではな(- プチッ -)時に柚紀、先程加古に会って【お前と親睦を深めたいからランチでも一緒にどうだ】と言われたのだが……どうする?』
隔離室側の食事が済んで、話題は翠の石についてとなりフブキも興味があるらしく楽しそうに話しているのを確認した東(彼はきちんと夕飯を食べていたので夜食はなし)が、コチラの話し声を聞こえない様にした後に気になった事を訊ねる。確かに迅はアレに対して"トリガーオン"と口にしたのを聞いた以上、重度の規則違反として二人の鶴ヶ峰が罰せられないかを心配したのだ。コレに対して東に"ある可能性を示唆させる物言い"をした言実は、話を強制終了させて先程加古から監視を引き受ける条件をさっさと達成させようとする。……これには別の意図も言実にはあるが、此処では明かさずにいるつもりだ。そして叔母からの問いに少し考える素振りをする柚紀は、迅を一瞥後こんな事を口にしてみる
『あ、あの、ね。確か加古さんって堤さんや来馬さんと同じ学年、ですよね?だからその………だ、大丈夫ならえっと、……"四人で食べに行きたいな〜。"で、可能なら太刀川さんの駄目駄目エピソードや……………………あの人、二宮さんについて、ちょっと知りたい、です。真正面からあの人と話をしたり関わるのは、まだ…怖いけど、…………悪い人じゃないのは分かるの。だってさっき、方法はちょっとアレですが困っていた言実さんを助けてくれたから…………………きっと中身を、…第三者からあの人はこんな人だって話を聞ければ、少しはマシになる。そんな気がするんですが、駄目……ですか?』