75.巡り合わせの曲〜お子様登場〜(140.
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ゆりの言葉を聞いて首や視線だけで改めて室内を見渡す柚紀。……言われてみれば何となく"父親らしさ"が窺えなくもないが、…分からないのだ。自分が産まれてそして父親が居なくなるまでで記憶を辿れる年数の内、半分以上は一緒に居なかった。だから知らないのだ、父親の事をナニも。食べ物の好き嫌いや趣味、……叔母や母親との思い出話もあまり聞いた事がない。聞けるだけの時間が無かったし、側に居る時は大抵自分が体調を崩したり…………"課せられた使命をそれぞれ果たす為の時"ばかり。普通の親子らしい会話をした記憶を、柚紀は持っていなかった。これが佐鳥達の場合なら「じゃあこれから沢山話せば良い」と答えが導き出されるが、それも父親相手には出来ない。……そう思い知らされて悲しくなって静かに涙を流す柚紀を、ゆりはそっと抱き締めてやる。ナニもしてあげれないが、少しでも楽になるようにと思って
………実際にはそこまで時間が経過していないだろうが、二人からすれば数時間経った感覚に見舞われていた空間から復帰出来たのは、開けっ放しのドアから"コチラに向かってくるオト"であった。それも複数のオト。…………その正体はと言うと
「(ズカズカズカ!)何よあの犬二匹はっ?!あたしは此処の隊員で、向こうが部外者でしょ?!!なのに我が物顔で玄関に陣取るわ、ナカに入ろうとしたら邪魔してくるわ……一体どんな躾がされているのよっ!!?」
「(スタスタスタ…)あれは仕方ないって。……あの二匹は番犬の任を担っている優秀な子達であり、今は此処に"最優先護衛対象"が滞在しているんだ。……これで小南が一度でもあの先生の家を訪ねていれば、向こうだってあそこまで警戒しなかったのに」
「行った事ならあるわよ!!そりゃあ……此処数年は無かったのは認めるけど、それはご亭主を亡くされたからこの街を出て娘さんと一緒に暮らしているとばかり…………そう言う迅こそ、何で"それも"あたしには内緒にしていたのよ!!?……他にも隠している事、無いでしょうね?特に柚紀ちゃんもだけどつる姐や、それこそ静樹さん関係の事とか!!」
「静樹さん関連は小南の方が知っているだろ?それに柚紀ちゃんについて俺が知っているのはこの街に来てからの事が主にだし、………それこそこの後に聞けば良いだろ?何せ……(…ピタッ、スッ)此処に居るんだからさ念願の彼女が」
学校が終わり制服姿の小南と迅が支部に戻ってきたのだ。そして"柚紀が静樹氏の部屋に居る姿が視えていた"迅が小南を誘導……個室途中の道のりにあるので、そちらに行く様に仕向けたのだ。そして室内に居るゆりと、……天鵞絨色の髪を持つ少女に気付いた小南は
「……………………………(スタスタスタ…ギュウゥ〜〜!!)やっと、やっと会えた〜!!もう、静樹さんから自慢の可愛い娘が居るって聞いててずっと会いたかったし話をしたかったんだからね〜!!なのに、つる姐はあたしが静樹さんから話を聞いているのを知らなかったからナニも言ってくれないし、准や迅が共謀してあの手この手で会わせてくれなかったし、なのにレイジさんやとりまるはちゃっかり顔合わせ済みとか狡いから本当に!!………あれ?柚紀ちゃん?どうしたの??」
「あ〜、うん。……女の子で小南みたいに初対面からグイグイ積極的に関わってくる子、居なかったから戸惑っているのと情報量やら処理が追い付いていない…感じかな?とりあえず……(…クイッ)小南は着替えておいでよ、その間に俺とゆりさんがリビングに彼女を連れて行くから。その姿じゃ明らかに年上って分かっちゃう…多分この子が緊張して上手く話せないよ。……過度な緊張は体に良くないし、体の弱い柚紀ちゃんにはそれすらかなりの負担になる。………お前だって倒れたら嫌だろ?」
「……………(ムッ)分かったわよ。じゃあアンタはどうなのさ?」
「ん?(…シュン)俺はこうするから平気平気!と言うより"柚紀ちゃんが側に居る時はトリオン体で居る事"的な暗黙のルールが設けられつつある。俺のこの姿は彼女は見慣れてるし、逆にまだまだ親交が浅い小南の場合は………逆効果だね、うん。ま、そこは追々分かるから…今は身支度整えるべきだろう?一応彼女はお客様だし」
と言った感じに小南を上手く丸め込み退室させる。そして急展開過ぎてついていけていない柚紀の頭を迅が撫でてやると、我に返り『今の人は?』と訊ねる。これに対して「歩きながら話すよ、そろそろ戻らないと陽太郎が拗ねちゃうからね」とコチラも退室を促す。……机にある父親の"見慣れぬ写真"を一瞥後、三人共部屋を出る。(迅は、自然な流れで柚紀の手を引き、ゆりはそんな二人に笑顔で追随する)
そしてリビングに戻れば、案の定陽太郎が「おそいゾ!!まいごにでもなったのか、しんぱいしたんだからな!!?」とご立腹。それに対して素直に謝罪して陽太郎の隣に座った柚紀が、『ごめんね、初めて来たからどっちに行けば良いか分からなくて。建物内なら平気って思ったけど、やっぱり駄目みたい。ゆりさんは悪くないよ?私が大丈夫と意地を張ったのが悪いの』と弁解。これを幼子が理解するのは難しかったらしく唸ってしまった陽太郎を見かねて「……おやつにするぞ」と木崎が助け舟を出して話題を変えて事なきを得るのだった
………実際にはそこまで時間が経過していないだろうが、二人からすれば数時間経った感覚に見舞われていた空間から復帰出来たのは、開けっ放しのドアから"コチラに向かってくるオト"であった。それも複数のオト。…………その正体はと言うと
「(ズカズカズカ!)何よあの犬二匹はっ?!あたしは此処の隊員で、向こうが部外者でしょ?!!なのに我が物顔で玄関に陣取るわ、ナカに入ろうとしたら邪魔してくるわ……一体どんな躾がされているのよっ!!?」
「(スタスタスタ…)あれは仕方ないって。……あの二匹は番犬の任を担っている優秀な子達であり、今は此処に"最優先護衛対象"が滞在しているんだ。……これで小南が一度でもあの先生の家を訪ねていれば、向こうだってあそこまで警戒しなかったのに」
「行った事ならあるわよ!!そりゃあ……此処数年は無かったのは認めるけど、それはご亭主を亡くされたからこの街を出て娘さんと一緒に暮らしているとばかり…………そう言う迅こそ、何で"それも"あたしには内緒にしていたのよ!!?……他にも隠している事、無いでしょうね?特に柚紀ちゃんもだけどつる姐や、それこそ静樹さん関係の事とか!!」
「静樹さん関連は小南の方が知っているだろ?それに柚紀ちゃんについて俺が知っているのはこの街に来てからの事が主にだし、………それこそこの後に聞けば良いだろ?何せ……(…ピタッ、スッ)此処に居るんだからさ念願の彼女が」
学校が終わり制服姿の小南と迅が支部に戻ってきたのだ。そして"柚紀が静樹氏の部屋に居る姿が視えていた"迅が小南を誘導……個室途中の道のりにあるので、そちらに行く様に仕向けたのだ。そして室内に居るゆりと、……天鵞絨色の髪を持つ少女に気付いた小南は
「……………………………(スタスタスタ…ギュウゥ〜〜!!)やっと、やっと会えた〜!!もう、静樹さんから自慢の可愛い娘が居るって聞いててずっと会いたかったし話をしたかったんだからね〜!!なのに、つる姐はあたしが静樹さんから話を聞いているのを知らなかったからナニも言ってくれないし、准や迅が共謀してあの手この手で会わせてくれなかったし、なのにレイジさんやとりまるはちゃっかり顔合わせ済みとか狡いから本当に!!………あれ?柚紀ちゃん?どうしたの??」
「あ〜、うん。……女の子で小南みたいに初対面からグイグイ積極的に関わってくる子、居なかったから戸惑っているのと情報量やら処理が追い付いていない…感じかな?とりあえず……(…クイッ)小南は着替えておいでよ、その間に俺とゆりさんがリビングに彼女を連れて行くから。その姿じゃ明らかに年上って分かっちゃう…多分この子が緊張して上手く話せないよ。……過度な緊張は体に良くないし、体の弱い柚紀ちゃんにはそれすらかなりの負担になる。………お前だって倒れたら嫌だろ?」
「……………(ムッ)分かったわよ。じゃあアンタはどうなのさ?」
「ん?(…シュン)俺はこうするから平気平気!と言うより"柚紀ちゃんが側に居る時はトリオン体で居る事"的な暗黙のルールが設けられつつある。俺のこの姿は彼女は見慣れてるし、逆にまだまだ親交が浅い小南の場合は………逆効果だね、うん。ま、そこは追々分かるから…今は身支度整えるべきだろう?一応彼女はお客様だし」
と言った感じに小南を上手く丸め込み退室させる。そして急展開過ぎてついていけていない柚紀の頭を迅が撫でてやると、我に返り『今の人は?』と訊ねる。これに対して「歩きながら話すよ、そろそろ戻らないと陽太郎が拗ねちゃうからね」とコチラも退室を促す。……机にある父親の"見慣れぬ写真"を一瞥後、三人共部屋を出る。(迅は、自然な流れで柚紀の手を引き、ゆりはそんな二人に笑顔で追随する)
そしてリビングに戻れば、案の定陽太郎が「おそいゾ!!まいごにでもなったのか、しんぱいしたんだからな!!?」とご立腹。それに対して素直に謝罪して陽太郎の隣に座った柚紀が、『ごめんね、初めて来たからどっちに行けば良いか分からなくて。建物内なら平気って思ったけど、やっぱり駄目みたい。ゆりさんは悪くないよ?私が大丈夫と意地を張ったのが悪いの』と弁解。これを幼子が理解するのは難しかったらしく唸ってしまった陽太郎を見かねて「……おやつにするぞ」と木崎が助け舟を出して話題を変えて事なきを得るのだった