71.冬眠の曲(136.
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「三輪先輩から【嵐山隊ひいては鶴ヶ峰さんの居場所を確認しろ】と言われたので最初にあの検査室に言ったけど"使用禁止"の札が下げられていたから、コチラを訪ねに来ただけで、彼女に危害を加えたり身柄を拘束するつもりはないから安心してよ時枝。……今、上層部はそれどころじゃなくなってるみたいだからね。何せ【記憶操作してボーダーから追放した筈のエンジニアが、記憶を保持し更にトリガーを隠し持っていた。それも未報告の独自トリガーをセットしバレないように色々細工までされていた】………こんなの前代未聞だよ」
「追放されたエンジニア、って事はあの偽風音ちゃんの正体は……」
「……十中八九、土田って言うエンジニアだね。他に辞めさせられた人が居るなら、話は変わるけどさ」
「ソイツしかいないから確定かな?あの洗脳型の影響で除隊した隊員が居るらしいけど、記憶操作がちゃんとされているかの確認を兼ねてカウンセリングは継続している。……聞いた話によれば記憶に関しては問題ないし【ネイバーに対しては些か過敏な反応を示すが、ゆっくり改善されているのと、それに無関係な日常生活は支障なし。スカウト組はネイバーが現れない地元に戻した】…そう言実さんから聞いたけど………あの人が気にしていたのは未成年な子達であり、大人に関しては気にしていなかったし担当者を信用していた。(ハァ〜)また仕事が増えそうで俺嫌かも。……例の検査室だって封鎖した理由が【痣の写真が流出したから】ってのもある。…あの部屋じゃない外部アクセスの形跡が見つかった以上、一番無防備で重要なトリオン補給時に何か細工でもされたら……あの子が危うくなるからね」
古寺に対する警戒は直ぐに解かれたのと話に出て来た内容を聞いて全員が表情を固くする。特に犯人と一番接点があり、色んな皺寄せを食らっている寺島はかなり嫌そうな表情をしていた。そんな空気の中、柚紀の着替えが終えたらしく木虎が呼びにやって来る。すると古寺と東、そして烏丸は"役目を終えた"らしくその場から退散して行く。そんな三人を"名残惜しそうに"見ていた木虎に嵐山が「どうかしたか?」と問い掛ければ我に返り、残ったメンバーを室内に誘う
着替えを終えた柚紀は未だに眠っているが……少しばかり呼吸が荒い様にも見受けられる。そんな柚紀の頭を撫でている綾辻が、寺島に視線を送る。すると地味にずっと持っていたタブレットを操作した後に表示された画面内容を見た後に……ボストンバッグとは別に持ち込まれていた"数体のぬいぐるみ"から一体を手に取り柚紀に抱き着かせる。そのぬいぐるみは……
「……かなり大きな…"黒いテディベア"、ですか?ソレ」
「クマじゃなくて、……黒豹かな?尻尾が猫並みに長いし、しましま模様があるね。猫なら耳は三角だけどトラのぬいぐるみって差別化を狙ってか丸いのが多いイメージだから多分になるけど…………それよりもっと気になるのが、……この"服装"かな?………嵐山さん、この服ってやっぱり」
「俺の記憶違いじゃなければ…………本部長のトリオン体時に着用されているモノとほぼ同じデザインだ。えっと寺島さん、……コレは一体…」
小さな子ども並みの大きさをしており服をきちんと着たトラのぬいぐるみである。それはまるで忍田を模した様な、そんな気がする嵐山達の言葉に「説明をちゃんとするからちょっとだけ待って、先に設定したいから」と断りを入れた後に、ぬいぐるみの後頭部からコードの様なモノを引っ張り出してベッドの縁に搭載されている機械に接続。更にタブレット操作をした後に、改めて嵐山達を見ながら説明を開始する
「前までは"言実さんの存在"が鶴ヶ峰を守っていたけど、慣れてきてしまったのと多忙なあの人の目を掻い潜り接触しようとする輩が後を立たない。……今まではそれを水際でせき止めてたけど、そろそろコッチも手が回らなくなって来たのが現状。で、本部長に許可を貰ってコレを作製した訳。…………ボーダー職員なら流石に"本部長を敵に回す"事は避ける筈だからね。更に言うとこうやって鶴ヶ峰が抵抗なく密着して安眠を保てるし、この子を介して"色々出来るから"かなり楽になる訳」
「楽に?……そんなに高性能なぬいぐるみには私も見えませんが?先程少し、気になって触れましたが普通のぬいぐるみ、ですよね?手触りは…それなりに良かったですが」
「じゃあ"今のぬいぐるみ"に触ってみたらいいよ、但し触るのは生身の佐鳥ね。他は止めたほうが良い。……アクシデントが遭ったら嫌だからね」
「???(…スッ、サワサワ)ん?……(…スッ、グーパーグーパー)………ぬいぐるみなのに、"温かい"?なんかこう、熱いって程でもなくお風呂とか、……人肌って言うのかな?なんか微妙な温度な気がする」
つまりは"柚紀が忍田の庇護下にある"事を明白にする為に作られたのを説明する寺島。更には大きさ等も理由があるらしく、現段階で一番重要事項を話す為に佐鳥に触れさせる。そして"ぬいぐるみあるまじき状態"と理解させた上で今の柚紀の状況を説明し始める
「生き物には恒温動物と変温動物が居るのは中学生も知ってるよね?具体的に言うと人間は一定の体温を保てるから、冬や夏は大変ではあるがどんな環境下でも生活出来る。でも蛙とかは寒くなると生命活動出来るだけの体温が保てないから冬眠するし、暑い時は涼を求めて水辺に居る。……冬眠は熊とかリス達一部のほ乳類もするけど、あれは"生きる為の知恵"的な理由だからちょっと意味合いが違うか。…何でこんな話をしたかと言うと、【今の鶴ヶ峰は体温を保てない程弱っている】……一時的に変温動物化しているんだ。だから"トリオンをエネルギーに人肌温度のコレを抱っこさせている"訳。ついでに彼女の癖を応用して"ぬいぐるみを通じてトリオン補給も出来る"。ぬいぐるみにその加工が必要にはなるけど、このベッドとぬいぐるみ、そして……このタブレットがあればあの検査室でなくても簡易な処置は可能って事。………流石にトリオン汚染レベルの事態になれば話は別、だけどね」
「追放されたエンジニア、って事はあの偽風音ちゃんの正体は……」
「……十中八九、土田って言うエンジニアだね。他に辞めさせられた人が居るなら、話は変わるけどさ」
「ソイツしかいないから確定かな?あの洗脳型の影響で除隊した隊員が居るらしいけど、記憶操作がちゃんとされているかの確認を兼ねてカウンセリングは継続している。……聞いた話によれば記憶に関しては問題ないし【ネイバーに対しては些か過敏な反応を示すが、ゆっくり改善されているのと、それに無関係な日常生活は支障なし。スカウト組はネイバーが現れない地元に戻した】…そう言実さんから聞いたけど………あの人が気にしていたのは未成年な子達であり、大人に関しては気にしていなかったし担当者を信用していた。(ハァ〜)また仕事が増えそうで俺嫌かも。……例の検査室だって封鎖した理由が【痣の写真が流出したから】ってのもある。…あの部屋じゃない外部アクセスの形跡が見つかった以上、一番無防備で重要なトリオン補給時に何か細工でもされたら……あの子が危うくなるからね」
古寺に対する警戒は直ぐに解かれたのと話に出て来た内容を聞いて全員が表情を固くする。特に犯人と一番接点があり、色んな皺寄せを食らっている寺島はかなり嫌そうな表情をしていた。そんな空気の中、柚紀の着替えが終えたらしく木虎が呼びにやって来る。すると古寺と東、そして烏丸は"役目を終えた"らしくその場から退散して行く。そんな三人を"名残惜しそうに"見ていた木虎に嵐山が「どうかしたか?」と問い掛ければ我に返り、残ったメンバーを室内に誘う
着替えを終えた柚紀は未だに眠っているが……少しばかり呼吸が荒い様にも見受けられる。そんな柚紀の頭を撫でている綾辻が、寺島に視線を送る。すると地味にずっと持っていたタブレットを操作した後に表示された画面内容を見た後に……ボストンバッグとは別に持ち込まれていた"数体のぬいぐるみ"から一体を手に取り柚紀に抱き着かせる。そのぬいぐるみは……
「……かなり大きな…"黒いテディベア"、ですか?ソレ」
「クマじゃなくて、……黒豹かな?尻尾が猫並みに長いし、しましま模様があるね。猫なら耳は三角だけどトラのぬいぐるみって差別化を狙ってか丸いのが多いイメージだから多分になるけど…………それよりもっと気になるのが、……この"服装"かな?………嵐山さん、この服ってやっぱり」
「俺の記憶違いじゃなければ…………本部長のトリオン体時に着用されているモノとほぼ同じデザインだ。えっと寺島さん、……コレは一体…」
小さな子ども並みの大きさをしており服をきちんと着たトラのぬいぐるみである。それはまるで忍田を模した様な、そんな気がする嵐山達の言葉に「説明をちゃんとするからちょっとだけ待って、先に設定したいから」と断りを入れた後に、ぬいぐるみの後頭部からコードの様なモノを引っ張り出してベッドの縁に搭載されている機械に接続。更にタブレット操作をした後に、改めて嵐山達を見ながら説明を開始する
「前までは"言実さんの存在"が鶴ヶ峰を守っていたけど、慣れてきてしまったのと多忙なあの人の目を掻い潜り接触しようとする輩が後を立たない。……今まではそれを水際でせき止めてたけど、そろそろコッチも手が回らなくなって来たのが現状。で、本部長に許可を貰ってコレを作製した訳。…………ボーダー職員なら流石に"本部長を敵に回す"事は避ける筈だからね。更に言うとこうやって鶴ヶ峰が抵抗なく密着して安眠を保てるし、この子を介して"色々出来るから"かなり楽になる訳」
「楽に?……そんなに高性能なぬいぐるみには私も見えませんが?先程少し、気になって触れましたが普通のぬいぐるみ、ですよね?手触りは…それなりに良かったですが」
「じゃあ"今のぬいぐるみ"に触ってみたらいいよ、但し触るのは生身の佐鳥ね。他は止めたほうが良い。……アクシデントが遭ったら嫌だからね」
「???(…スッ、サワサワ)ん?……(…スッ、グーパーグーパー)………ぬいぐるみなのに、"温かい"?なんかこう、熱いって程でもなくお風呂とか、……人肌って言うのかな?なんか微妙な温度な気がする」
つまりは"柚紀が忍田の庇護下にある"事を明白にする為に作られたのを説明する寺島。更には大きさ等も理由があるらしく、現段階で一番重要事項を話す為に佐鳥に触れさせる。そして"ぬいぐるみあるまじき状態"と理解させた上で今の柚紀の状況を説明し始める
「生き物には恒温動物と変温動物が居るのは中学生も知ってるよね?具体的に言うと人間は一定の体温を保てるから、冬や夏は大変ではあるがどんな環境下でも生活出来る。でも蛙とかは寒くなると生命活動出来るだけの体温が保てないから冬眠するし、暑い時は涼を求めて水辺に居る。……冬眠は熊とかリス達一部のほ乳類もするけど、あれは"生きる為の知恵"的な理由だからちょっと意味合いが違うか。…何でこんな話をしたかと言うと、【今の鶴ヶ峰は体温を保てない程弱っている】……一時的に変温動物化しているんだ。だから"トリオンをエネルギーに人肌温度のコレを抱っこさせている"訳。ついでに彼女の癖を応用して"ぬいぐるみを通じてトリオン補給も出来る"。ぬいぐるみにその加工が必要にはなるけど、このベッドとぬいぐるみ、そして……このタブレットがあればあの検査室でなくても簡易な処置は可能って事。………流石にトリオン汚染レベルの事態になれば話は別、だけどね」