66.塵星の曲〜先ずは知る事から〜(131.
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訓練室から少し歩いたベンチに柚紀に座らせ、水を飲ませて落ち着くのを待っていると諏訪も合流。その際に服越しでも首筋が淡く光っているのに気づき釦で開閉可能なタートルネックだったので外して確認すると
「あ、……これが野々村や荒船先輩から聞いたトリオン製の痣、ッスか?何か首飾り…チョーカーみたいですが、コレが出てるって事はかなりヤバいんですよね?」
「あぁ。コレが浮き出る条件は主に二つで、一つは"声を出し過ぎる事"。もう一つは………"寝てしまう程でないにしろトリオン消費が激しく残量が減っている時にも警告で浮き出る"……(ピンッ)ったく、生身で身体強化やらワープやら固定シールドもすればこうなるのは分かっていただろ?体力的にも衰えてるんだから、リバウンドだってキツイ筈だ。無茶しやがって!」
【うっ(ーー;)地味にデコピンが痛い。でも…………心配をかけちゃって、ご、ごめんなさい諏訪さん。後、助けてくれて有難うね半崎くん(*^_^*)】
「……いや、今回はどちらかと言えば木虎が悪い。…………鶴ヶ峰はきちんと倒すより時間稼ぎを指示したのを、敢えて土竜を撃破してしまいヘイトを集めてしまったせいで無駄なトリオン消費を引き起こしたんだ。………これが通常の防衛任務なら悪くない判断だが、今回はあくまでも訓練でありをシュミレーションだ。無理に倒す必要は無かったんだ、……状況に応じて"どう動くのがベストか"判断する能力を鍛えるのも今後の課題だな」
「………はい、烏丸先輩。……………すみません、でした鶴ヶ峰、先輩。無茶を、させてしまって」
木虎も柚紀の痣に関しては初見だが、丸っきり知識がない訳でもなく自分が犯したミスを感じ取り素直に謝罪する。これに対して未だに痣が浮き出たままなのを感じでタブレットで会話をする。【余計なお世話】と、木虎は言えなかった。烏丸の指摘通り確かに柚紀は倒すのは出来ないが、囮となり自分達が倒しやすくなるような動きをしていなかったのだから。それに【サイドエフェクトを用いれば彼女はトリオン体並の身体能力を一時的に生身でも発揮出来る】と風間にも言われたし、実際にそれを目にしているのだから
そんな明らかに落ち込んでいる木虎を見て、柚紀は烏丸にタブレットを見せてナニかを訊ね鞄からメモと筆記用具を渡す。コレに対してサラサラっと書いたメモを柚紀に返せば、それを見てナニかを思案。次は柚紀がナニかを書いた後に一枚メモを破れば立ち上がり、半崎にタブレットを見せる
【ねぇ半崎くん、久し振りにスナイパーの訓練施設に見学に行きたいんだけど……この後暇だったら付添いお願い出来ないかな?東さんが居るのは知っているから、そこまでで良いからさ!!(―人―)オネガイ】
「…………………まぁ、良いけど。確か穂刈先輩も施設に居るし荒船先輩が今日は見物に行ってる筈。どうせやる事もないし、……諏訪さんや烏丸はどうする?」
「んあ?………俺は自室に戻るわ。だからエレベーターまで一緒に行ってやるよ。二人は?どうするんだ??」
「……………少し木虎と話があるので、此処から別行動ですね。……痣が出た以上、今日はこれ以上無理をしてトリオンを使うなよ?今朝任務前に迅さんと会ったが、少し調子が優れない様に見えた。…"気をつけろよ"」
【迅さんが?!…………ぜ、善処はします(・・;)】
こんな感じで話が纏まれば三人はエレベーターホールへと歩み出し、見送った二人は別方向に動き出す。……途中で烏丸が飲み物を二人分買う際にリクエストを訊ねるが、かなりショックを受けている木虎は答えられずだんまりの状態であった。なので適当に選んだ後に目的地に到着して、木虎を座らせ"温かいココアの缶"を差し出し、自分も座り缶コーヒーを口にする。……飲み物を飲んで少し落ち着いた木虎が、今自分達が居る場所を改めて見渡す
「(キョロ、キョロ)……休憩スペース、ですね。ですが、こんな静かな場所があるなんて、知りませんでした」
「此処は喫煙スペース併用だし自販機が近くにない。……此処を使うより少し行けばラウンジがあるから、喫煙をしない隊員には意外と知られていない穴場だ。尤も"鶴ヶ峰を知る者達"は大体此処を知っている。アイツの避難先の一つ、"だった"場所だ。(ズズズ……)……ま、それも少し前までだがな。今となってはほぼ使わなくなったから、早々人は来ないだろう」
「……………(グビグビ…)ぁ、あの、…烏丸先輩。その、……お話とは一体…(ドキドキ)」
「………木虎は【嵐山隊のエース】になると期待されて佐鳥達の全開一致でスカウトし、それを承知で入隊したと、時枝に聞いた。なら、一つ聞くが……"エースとはどんな人物を指す"と木虎は考える?」
ラウンジなどある程度人が必ず居るであろう場所でなく、比較的邪魔が入らなそうなこんな場所で二人っきり。……色々緊張してしまう木虎。が、話題は訓練関連のモノであり……少しガッカリしたがとりあえず「敵を沢山倒したり、ランク戦にて点数を稼ぐ人、ではないのですか?」と在り来りな解答をしてみる。これに対して「それが一番分かりやすい答えだな」と否定はしないが全面的に肯定もしない烏丸を不思議そうに見つめる烏丸。……もう一口珈琲を飲んでから自分の見解を口にする
「木虎の答えは間違えじゃない、だが【エースとは"逆境を覆すのが可能な実力を有する者"であり、"状況に応じて攻守を切り替えれる者"】と俺は考えている。……少し前まで俺は太刀川隊に所属していたが、あのチームには"エースがいない"。隊長=エースと思われ勝ちだが、任務やランク戦であれだけ太刀川さんが自由に…好き勝手に動けたのは出水先輩のサポートがあってこそである、と俺は思う。勿論実力があるからこそ、あんな風に戦えるとも考えられる」
「……………なんとなく、分かります。先輩がナニをおっしゃりたいのかは。だからこそ!私は、強くなる必要がっ!!「……俺がどうして時々ではあるが、お前の指導を請け負ったのか、覚えているか?」……確か、鶴ヶ峰先輩のメモがきっかけ…でしたよね?(…チクリ)(また、あの人だ。私は……あの人の掌に踊らされている、そんな感じか、拭えない)」
事実とは言えど、今こうやって烏丸と一緒に居られるのは少なからず柚紀が関係している。それを改めて考えてしまい浮かない表情をする木虎。それを横目に見ながら柚紀から受け取ったメモを少女に差し出す。そこに書かれていたのは
「……別に何処かのエースの真似事をしろとは言わない。だが自覚する必要はある【自分は他人よりトリオン能力が低い事】を、………自分なりの"自分だけの戦闘スタイル"を見つける必要性をな。俺のエスクードや嵐山さん達の試作トリガーみたいに、一見すると攻撃とは無関係なトリガーだが使い方次第では強力なブギになりえて"お前に合ったトリガー"がきっとある。(…スクッ)嵐山さんや綾辻先輩に訊ねるのもアリだが、どうせなら"専門家"に意見を聞いてみるのが一番の近道になると俺は思う。が、……どうするかは木虎次第だ。因みにそれはアイツの勝手なお節介だか、有効活用しないと勿体ない代物でもある。それはお前もこの数ヶ月ボーダーで過ごしていれば身に沁みているだろ?(……スタスタスタ)」
【このトリガー構成なら"これ以上増やすと、鍛錬不足の原因になりそう"なので"攻撃トリガーはこれがベスト"な気がする。代わりに消費が少なくサポート向けのトリガーがあれば良さそう。ないなら、……言実さんに言えば作ってくれる、と思う】
そんな言葉を置いて去ってしまう烏丸と、トリガー構成に関するアドバイスが書かれたメモを見て、木虎は暫くそのまま座ったまま考えを巡らせるのであった
「あ、……これが野々村や荒船先輩から聞いたトリオン製の痣、ッスか?何か首飾り…チョーカーみたいですが、コレが出てるって事はかなりヤバいんですよね?」
「あぁ。コレが浮き出る条件は主に二つで、一つは"声を出し過ぎる事"。もう一つは………"寝てしまう程でないにしろトリオン消費が激しく残量が減っている時にも警告で浮き出る"……(ピンッ)ったく、生身で身体強化やらワープやら固定シールドもすればこうなるのは分かっていただろ?体力的にも衰えてるんだから、リバウンドだってキツイ筈だ。無茶しやがって!」
【うっ(ーー;)地味にデコピンが痛い。でも…………心配をかけちゃって、ご、ごめんなさい諏訪さん。後、助けてくれて有難うね半崎くん(*^_^*)】
「……いや、今回はどちらかと言えば木虎が悪い。…………鶴ヶ峰はきちんと倒すより時間稼ぎを指示したのを、敢えて土竜を撃破してしまいヘイトを集めてしまったせいで無駄なトリオン消費を引き起こしたんだ。………これが通常の防衛任務なら悪くない判断だが、今回はあくまでも訓練でありをシュミレーションだ。無理に倒す必要は無かったんだ、……状況に応じて"どう動くのがベストか"判断する能力を鍛えるのも今後の課題だな」
「………はい、烏丸先輩。……………すみません、でした鶴ヶ峰、先輩。無茶を、させてしまって」
木虎も柚紀の痣に関しては初見だが、丸っきり知識がない訳でもなく自分が犯したミスを感じ取り素直に謝罪する。これに対して未だに痣が浮き出たままなのを感じでタブレットで会話をする。【余計なお世話】と、木虎は言えなかった。烏丸の指摘通り確かに柚紀は倒すのは出来ないが、囮となり自分達が倒しやすくなるような動きをしていなかったのだから。それに【サイドエフェクトを用いれば彼女はトリオン体並の身体能力を一時的に生身でも発揮出来る】と風間にも言われたし、実際にそれを目にしているのだから
そんな明らかに落ち込んでいる木虎を見て、柚紀は烏丸にタブレットを見せてナニかを訊ね鞄からメモと筆記用具を渡す。コレに対してサラサラっと書いたメモを柚紀に返せば、それを見てナニかを思案。次は柚紀がナニかを書いた後に一枚メモを破れば立ち上がり、半崎にタブレットを見せる
【ねぇ半崎くん、久し振りにスナイパーの訓練施設に見学に行きたいんだけど……この後暇だったら付添いお願い出来ないかな?東さんが居るのは知っているから、そこまでで良いからさ!!(―人―)オネガイ】
「…………………まぁ、良いけど。確か穂刈先輩も施設に居るし荒船先輩が今日は見物に行ってる筈。どうせやる事もないし、……諏訪さんや烏丸はどうする?」
「んあ?………俺は自室に戻るわ。だからエレベーターまで一緒に行ってやるよ。二人は?どうするんだ??」
「……………少し木虎と話があるので、此処から別行動ですね。……痣が出た以上、今日はこれ以上無理をしてトリオンを使うなよ?今朝任務前に迅さんと会ったが、少し調子が優れない様に見えた。…"気をつけろよ"」
【迅さんが?!…………ぜ、善処はします(・・;)】
こんな感じで話が纏まれば三人はエレベーターホールへと歩み出し、見送った二人は別方向に動き出す。……途中で烏丸が飲み物を二人分買う際にリクエストを訊ねるが、かなりショックを受けている木虎は答えられずだんまりの状態であった。なので適当に選んだ後に目的地に到着して、木虎を座らせ"温かいココアの缶"を差し出し、自分も座り缶コーヒーを口にする。……飲み物を飲んで少し落ち着いた木虎が、今自分達が居る場所を改めて見渡す
「(キョロ、キョロ)……休憩スペース、ですね。ですが、こんな静かな場所があるなんて、知りませんでした」
「此処は喫煙スペース併用だし自販機が近くにない。……此処を使うより少し行けばラウンジがあるから、喫煙をしない隊員には意外と知られていない穴場だ。尤も"鶴ヶ峰を知る者達"は大体此処を知っている。アイツの避難先の一つ、"だった"場所だ。(ズズズ……)……ま、それも少し前までだがな。今となってはほぼ使わなくなったから、早々人は来ないだろう」
「……………(グビグビ…)ぁ、あの、…烏丸先輩。その、……お話とは一体…(ドキドキ)」
「………木虎は【嵐山隊のエース】になると期待されて佐鳥達の全開一致でスカウトし、それを承知で入隊したと、時枝に聞いた。なら、一つ聞くが……"エースとはどんな人物を指す"と木虎は考える?」
ラウンジなどある程度人が必ず居るであろう場所でなく、比較的邪魔が入らなそうなこんな場所で二人っきり。……色々緊張してしまう木虎。が、話題は訓練関連のモノであり……少しガッカリしたがとりあえず「敵を沢山倒したり、ランク戦にて点数を稼ぐ人、ではないのですか?」と在り来りな解答をしてみる。これに対して「それが一番分かりやすい答えだな」と否定はしないが全面的に肯定もしない烏丸を不思議そうに見つめる烏丸。……もう一口珈琲を飲んでから自分の見解を口にする
「木虎の答えは間違えじゃない、だが【エースとは"逆境を覆すのが可能な実力を有する者"であり、"状況に応じて攻守を切り替えれる者"】と俺は考えている。……少し前まで俺は太刀川隊に所属していたが、あのチームには"エースがいない"。隊長=エースと思われ勝ちだが、任務やランク戦であれだけ太刀川さんが自由に…好き勝手に動けたのは出水先輩のサポートがあってこそである、と俺は思う。勿論実力があるからこそ、あんな風に戦えるとも考えられる」
「……………なんとなく、分かります。先輩がナニをおっしゃりたいのかは。だからこそ!私は、強くなる必要がっ!!「……俺がどうして時々ではあるが、お前の指導を請け負ったのか、覚えているか?」……確か、鶴ヶ峰先輩のメモがきっかけ…でしたよね?(…チクリ)(また、あの人だ。私は……あの人の掌に踊らされている、そんな感じか、拭えない)」
事実とは言えど、今こうやって烏丸と一緒に居られるのは少なからず柚紀が関係している。それを改めて考えてしまい浮かない表情をする木虎。それを横目に見ながら柚紀から受け取ったメモを少女に差し出す。そこに書かれていたのは
「……別に何処かのエースの真似事をしろとは言わない。だが自覚する必要はある【自分は他人よりトリオン能力が低い事】を、………自分なりの"自分だけの戦闘スタイル"を見つける必要性をな。俺のエスクードや嵐山さん達の試作トリガーみたいに、一見すると攻撃とは無関係なトリガーだが使い方次第では強力なブギになりえて"お前に合ったトリガー"がきっとある。(…スクッ)嵐山さんや綾辻先輩に訊ねるのもアリだが、どうせなら"専門家"に意見を聞いてみるのが一番の近道になると俺は思う。が、……どうするかは木虎次第だ。因みにそれはアイツの勝手なお節介だか、有効活用しないと勿体ない代物でもある。それはお前もこの数ヶ月ボーダーで過ごしていれば身に沁みているだろ?(……スタスタスタ)」
【このトリガー構成なら"これ以上増やすと、鍛錬不足の原因になりそう"なので"攻撃トリガーはこれがベスト"な気がする。代わりに消費が少なくサポート向けのトリガーがあれば良さそう。ないなら、……言実さんに言えば作ってくれる、と思う】
そんな言葉を置いて去ってしまう烏丸と、トリガー構成に関するアドバイスが書かれたメモを見て、木虎は暫くそのまま座ったまま考えを巡らせるのであった