66.塵星の曲〜先ずは知る事から〜(131.
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「………諏訪さんってやっぱり面倒見良いですよね〜。だから対人関係に難のある柚紀ちゃんや市河ちゃんが心を開いている感じがします。……(コリコリ)佐鳥も見習うべき、かな?」
「俺は俺で、お前はお前だ佐鳥。……俺にとっちゃ鶴ヶ峰も市河も"妹みたいな存在"って感じで同じ位置付けしている。だから態度や接し方が違わないが、…………テメェは違うだろ?」
「………佐鳥くんの特別、…好きな人は私じゃなくてユズちゃんでしょ?だから態度や接し方が違うのは当たり前。…………一緒にしたら逆に私が赦さないよ?それが原因で彼女は悩んだんだから!後さ……"柚紀"呼びしないの?差別化するのはそれが一番わかり易いよ?自他共に」
「っ!?(…ガシガシ)……牽制として、とっきーやとりまる相手には使うけど、諏訪さんや嵐山さんとかが居る時には、……何か恥ずかしくて言い辛い。と、いうより…………やっぱり市河ちゃんには色々お見通しなんだね。まるで、……「迅さんみたい?」……えっ?!!」
シロを落ち着かせる姿が柚紀のソレと同じに見えた佐鳥が思わずそんな事を口にすると、諏訪とシロから正論と痛い指摘を受けてうっすら顔を赤くしながら反論するが、あの訓練室みたいに"佐鳥と同じ言葉を口にしたシロ"を思わずガン見してしまう。……白濁の、瞳を晒したままなシロを心配する時枝と迅だが、諏訪は特に焦らず、逆に嵐山は焦った声で「市河ちゃん!今の君は生身だ!!無理をしたら駄目だ!!?」とナニかを危惧している様子。そんな隊長の声に部下二人は勿論だが諏訪や迅ですら驚く中、本人たるシロはマイペースに渡されたぬいぐるみを柚紀に抱っこさせ「諏訪さん、少しの間だけユズちゃんの手を握ってあげて下さい」とお願いをして場所を明け渡す。それに従ってくれたのを確認してから嵐山を見て口を開く
「大丈夫ですよ嵐山さん、………この空間では【サイドエフェクトはほぼ無効化されます】ので、訓練室みたいな事を容易には出来ません。今の佐鳥くんが言いそうな言葉は以前迅さん本人に言われたのを引用しただけです。例外なのがユズちゃんに対しては有効な点、ですかね?後"自ら能力を使うのを望まなければ発動しません"……だから、菊地原くんもこの空間に居る時はほぼ普通の人の聴覚となります。…アッチ(監視部屋)も多少は精密度が下がりますがコチラ程ではないですね」
「……俺の場合は"危険な兆候を見逃したくない"と考えているから此処でもサイドエフェクトは普通に使えている訳か。と言うより柚紀ちゃんと俺は"Sランクだから"ってのもありそうだね、そう言う意味では市河ちゃんは"S寄りのA"……なのかな?」
「……………その問答に関しては今はさほど重要ではないとして、迅さん。……貴方も【ユズちゃん限定で本来の能力とは逆の能力が発動していますよね?】未来予知、……未来の反対語は過去。私の場合はリアルタイムの反対語だから…フィールドバックかな?…そう仮定してお聞きします。………彼女が【私程ではないにしろ右目を過去に負傷している】…その風景を視たことはありますか?」
「「「「!!?」」」」
サイドエフェクト関連の話題では、四人は口を挟めずに聞きに徹するしかないが、シロの質問内容には流石の反応を示す。が、迅はそんな彼らを気にせずナニかを思い出そうと頭に手を当てて瞳を閉じる。そしてシロは無意識に左目を手で覆いかなり難しい表情をしていると
- ガチャ、キイィー……パサッ -
《……記憶は痛みを伴う、実際に痛くは無い筈なのに辛い思い出を思い浮かべれば、気持ちが沈むものだ。…………二人とも無理して思い出す必要はない、柚紀が忘れている記憶の大半は、私が知っている。……柚紀が目に痛みを訴えた理由、それは【昔、同じ様な体制を取った時に目を怪我したから】だ》
「!おつるちゃん?!えっと、あの時……柚紀ちゃんは(…スッ)手を掲げてこう、…太陽を見ていた。これが何で怪我に繋がるの?」
「……例えば図書館で自分の背より高い位置に読みたい本が収納されていて、背伸びして取ったらその拍子に…………は、あまり考えにくいな。どっちかと言えば【脚立とかに乗って本を手に入れて気を抜かして後ろに倒れ込み、頭を強打】……鶴ヶ峰ならコッチの可能性が高い気がする」
「……どちらにしろ【見上げた先から何かが落ちてきて、それが目に当たり怪我をした】…そんな経験が彼女にあるって事ですか?」
「………恐らくな。……柚紀ちゃんが声を失ったあの日、"巨大化したトリオン兵"が大量発生してそれを間のわたりにした彼女が畏縮した事に対して迅が【自分より巨大なモノが苦手な理由】を訊ねた。別にその解答は変じゃなかったが、苦手となった事例を聞いていた当真が【明らかに人為的なモノが含まれている気がする】と懸念していた。………柚紀ちゃんの抱えている全てのトラウマ関係がもし、故意でなく人為的なモノなら……………流石の俺も怒りを覚えるな」
そんな複雑な表情を浮かべるメンバーを見ている言実だが《……そろそろ時間だ、嵐山隊は広報の仕事がこの後にあろう?柚紀を思ってくれる事は感謝するが、仕事に支障を出すなよ?それと佐鳥は仕事が終わったら私のラボに来い。………調節、必要だろ?柚紀は経過観察が必要故に今日はこのまま本部に泊まらせる。…暇なら手を貸せ諏訪》と、淡々と事を進めていく。……心配ではあるが自分達に課せられた使命を放棄すべきではないとの考えに至り、名残惜しいが三人は検査室を後にする。迅も「……俺も自分の役目を果たします」と告げて部屋を出て行き、未だに白濁の目を顕にしたシロを見て《シロ、換装してラボに来い。一つ試したい事がある。二人はそのまま柚紀を頼むぞ》と男二人を残してコチラも退室してしまう
……静かになった部屋には寺島と諏訪の溜め息が木霊する
「……おい寺島、マジでこの部屋を姐さんのラボの隣に移動出来ねぇか?何か色々不便な気がしてならねぇぞ俺」
❲(カタカタ…)……無理と言ってきた俺だけど、…………流石に本気で室長に意見述べようかって思ってきた。でも、……多分城戸司令が許可しない。まだ、彼女はボーダーに入隊してない、それを満たしてもやっぱり【個室を持てるだけの地位を"彼女自身"が持たないと】難しい。贔屓は新たなやっかみを……トラウマの元を生むだけだ❳
「…………………だな」
「俺は俺で、お前はお前だ佐鳥。……俺にとっちゃ鶴ヶ峰も市河も"妹みたいな存在"って感じで同じ位置付けしている。だから態度や接し方が違わないが、…………テメェは違うだろ?」
「………佐鳥くんの特別、…好きな人は私じゃなくてユズちゃんでしょ?だから態度や接し方が違うのは当たり前。…………一緒にしたら逆に私が赦さないよ?それが原因で彼女は悩んだんだから!後さ……"柚紀"呼びしないの?差別化するのはそれが一番わかり易いよ?自他共に」
「っ!?(…ガシガシ)……牽制として、とっきーやとりまる相手には使うけど、諏訪さんや嵐山さんとかが居る時には、……何か恥ずかしくて言い辛い。と、いうより…………やっぱり市河ちゃんには色々お見通しなんだね。まるで、……「迅さんみたい?」……えっ?!!」
シロを落ち着かせる姿が柚紀のソレと同じに見えた佐鳥が思わずそんな事を口にすると、諏訪とシロから正論と痛い指摘を受けてうっすら顔を赤くしながら反論するが、あの訓練室みたいに"佐鳥と同じ言葉を口にしたシロ"を思わずガン見してしまう。……白濁の、瞳を晒したままなシロを心配する時枝と迅だが、諏訪は特に焦らず、逆に嵐山は焦った声で「市河ちゃん!今の君は生身だ!!無理をしたら駄目だ!!?」とナニかを危惧している様子。そんな隊長の声に部下二人は勿論だが諏訪や迅ですら驚く中、本人たるシロはマイペースに渡されたぬいぐるみを柚紀に抱っこさせ「諏訪さん、少しの間だけユズちゃんの手を握ってあげて下さい」とお願いをして場所を明け渡す。それに従ってくれたのを確認してから嵐山を見て口を開く
「大丈夫ですよ嵐山さん、………この空間では【サイドエフェクトはほぼ無効化されます】ので、訓練室みたいな事を容易には出来ません。今の佐鳥くんが言いそうな言葉は以前迅さん本人に言われたのを引用しただけです。例外なのがユズちゃんに対しては有効な点、ですかね?後"自ら能力を使うのを望まなければ発動しません"……だから、菊地原くんもこの空間に居る時はほぼ普通の人の聴覚となります。…アッチ(監視部屋)も多少は精密度が下がりますがコチラ程ではないですね」
「……俺の場合は"危険な兆候を見逃したくない"と考えているから此処でもサイドエフェクトは普通に使えている訳か。と言うより柚紀ちゃんと俺は"Sランクだから"ってのもありそうだね、そう言う意味では市河ちゃんは"S寄りのA"……なのかな?」
「……………その問答に関しては今はさほど重要ではないとして、迅さん。……貴方も【ユズちゃん限定で本来の能力とは逆の能力が発動していますよね?】未来予知、……未来の反対語は過去。私の場合はリアルタイムの反対語だから…フィールドバックかな?…そう仮定してお聞きします。………彼女が【私程ではないにしろ右目を過去に負傷している】…その風景を視たことはありますか?」
「「「「!!?」」」」
サイドエフェクト関連の話題では、四人は口を挟めずに聞きに徹するしかないが、シロの質問内容には流石の反応を示す。が、迅はそんな彼らを気にせずナニかを思い出そうと頭に手を当てて瞳を閉じる。そしてシロは無意識に左目を手で覆いかなり難しい表情をしていると
- ガチャ、キイィー……パサッ -
《……記憶は痛みを伴う、実際に痛くは無い筈なのに辛い思い出を思い浮かべれば、気持ちが沈むものだ。…………二人とも無理して思い出す必要はない、柚紀が忘れている記憶の大半は、私が知っている。……柚紀が目に痛みを訴えた理由、それは【昔、同じ様な体制を取った時に目を怪我したから】だ》
「!おつるちゃん?!えっと、あの時……柚紀ちゃんは(…スッ)手を掲げてこう、…太陽を見ていた。これが何で怪我に繋がるの?」
「……例えば図書館で自分の背より高い位置に読みたい本が収納されていて、背伸びして取ったらその拍子に…………は、あまり考えにくいな。どっちかと言えば【脚立とかに乗って本を手に入れて気を抜かして後ろに倒れ込み、頭を強打】……鶴ヶ峰ならコッチの可能性が高い気がする」
「……どちらにしろ【見上げた先から何かが落ちてきて、それが目に当たり怪我をした】…そんな経験が彼女にあるって事ですか?」
「………恐らくな。……柚紀ちゃんが声を失ったあの日、"巨大化したトリオン兵"が大量発生してそれを間のわたりにした彼女が畏縮した事に対して迅が【自分より巨大なモノが苦手な理由】を訊ねた。別にその解答は変じゃなかったが、苦手となった事例を聞いていた当真が【明らかに人為的なモノが含まれている気がする】と懸念していた。………柚紀ちゃんの抱えている全てのトラウマ関係がもし、故意でなく人為的なモノなら……………流石の俺も怒りを覚えるな」
そんな複雑な表情を浮かべるメンバーを見ている言実だが《……そろそろ時間だ、嵐山隊は広報の仕事がこの後にあろう?柚紀を思ってくれる事は感謝するが、仕事に支障を出すなよ?それと佐鳥は仕事が終わったら私のラボに来い。………調節、必要だろ?柚紀は経過観察が必要故に今日はこのまま本部に泊まらせる。…暇なら手を貸せ諏訪》と、淡々と事を進めていく。……心配ではあるが自分達に課せられた使命を放棄すべきではないとの考えに至り、名残惜しいが三人は検査室を後にする。迅も「……俺も自分の役目を果たします」と告げて部屋を出て行き、未だに白濁の目を顕にしたシロを見て《シロ、換装してラボに来い。一つ試したい事がある。二人はそのまま柚紀を頼むぞ》と男二人を残してコチラも退室してしまう
……静かになった部屋には寺島と諏訪の溜め息が木霊する
「……おい寺島、マジでこの部屋を姐さんのラボの隣に移動出来ねぇか?何か色々不便な気がしてならねぇぞ俺」
❲(カタカタ…)……無理と言ってきた俺だけど、…………流石に本気で室長に意見述べようかって思ってきた。でも、……多分城戸司令が許可しない。まだ、彼女はボーダーに入隊してない、それを満たしてもやっぱり【個室を持てるだけの地位を"彼女自身"が持たないと】難しい。贔屓は新たなやっかみを……トラウマの元を生むだけだ❳
「…………………だな」