7.呼び名の曲(72.
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女子同士の会話でもあるが、サイドエフェクト持ち同士でもあり方法は違うとは言え"他人の事情を見知ってしまう点"やその正確・精密さを、知ってしまう事の辛さを、片方若しくは両方を知る身である者達ばかりなので全員は口を挟めなかった。……菊地原は同じサイドエフェクト持ちなので尚更であった。こんな微妙な空気が特に苦手で嫌な佐鳥と笹森は各自打開のために動き出す。先ず佐鳥は二人に近づき「渾名呼びいいな~、ねぇ佐鳥もそう呼んでもいい?」と笑顔で訊ねる。だが、二人とも同じような理由を抱き首を振ってこれを拒否。更に食い下がろうとするので、時枝が襟元を摑んで二人から離し、更にそんな二人を庇うかのようにフブキが立ち塞がり「本人達が嫌がる事を無理強いするな、…俺も渾名呼びは拒否する。あれは女友達限定だ、お前は男だろ?」とコチラもきっぱり拒否されて佐鳥はやっと諦めたのであった
そんな中、換装を解き落ちている鞄四つを拾い上げた笹森は……
‐ ポイ、ポイ、ポイ…………スッ ‐
「とりあえず佐鳥達も換装を解いたらどうだ?もう平気だろ??それに、あんま長居すると流石に先生に見付からないとは限らないし、何より………鶴ヶ峰は今日ボーダーに…言実さんの所に行くんだろ?理由は、…知らないけどさ」
「っと(パシッ)……ヒトのモノを投げ渡すか普通?確かにトリオン体な二人や俺相手だったからいいが、…………万が一ユズにも投げ渡していたら一発お見舞いしてたぜ?あ、そう言えば……ボーダーって医者居るのか?(スッ)ソレまだ完治してないよな??」
『(ピクッ)えっ?!だ、大丈夫、だよ?わ、私け、怪我治るの普通の人より早いから、……うん』
「…………………………シロ、チェックしろ」
「了解~!!はいユズちゃ~ん、大人しく腕の怪我見せてね~?(ワキワキ)」
『……………あ、あぅあ~~~!?(アタフタアタフタ)』
三人には投げ渡し、柚紀は念のため手渡しをしたのだ。勿論三人は危なげなくキャッチし、更に嵐山隊の二人は換装もついでに解除したのであった。そして意外とどんくさい一面もある柚紀に対して負傷している腕の怪我の事を心配し、ふと経過を知らないフブキが症状を確認する。……男子三人には隠していたのがバレたくない柚紀は平然を装うが、表情は明らかに焦っているし歯切れも悪くなっていた。それを見て能力込みで隠し事には敵さないシロに確認を依頼。……嵐山隊の二人は屋上と合流時の会話で現状を知っているし、残り三人も「は?知らないよソレ」的な表情を浮かべていて八方塞がりでお手上げ状態となり渋々チェックを受けるのだが
「(シュルシュルシュル)……あれ?…傷が綺麗に……無くなってる?でもユズちゃんはナニもしてないよね?……まだ怪我が治っていないって思っていたみたいだし…………何でだろ?」
『あ、ほ、本当だ。(グーパーグーパー、ブンブンブン……ベシッ)……うん。痛くもないしちゃんと動くね(でもどうして?確かにあの男子に掴まれた時は痛かったよ?あの後この腕に触ったのは……)…佐鳥くんはサイドエフェクト持ってないし、…何でだろう?(コテン)』
「………体質的な理由、かもね。確か言実さんは【怪我のチェックついでにナニかを試す】って言っていたでしょ?(トントン)……コッチの例もあるし、サイドエフェクト同様に鶴ヶ峰さんの特殊体質も未だに未知数。それもあの人が人一倍君を気に掛け、………一部の人から過保護やセコムと呼ばれる由縁じゃないかな?(共通点は"トリオン体で患部に触れる行為"だけど、……それだけで怪我が治るのは普通…いや、分からないから調べようとしたのかも)……兎に角本部に行こうか、多分首を長くして待ってるよ?」
包帯の下から出てきた腕には一切の傷痕が無くなっていた。それでも平気か確かめる為に柚紀が実際に動かしたり刺激を与えたりするが問題ない様子だ。その本人も理由が分からず首を傾げているのを見て、時枝が"ある推測"を口にした。……実際に、頭部に弾を受けた柚紀は予想より遥かに早く意識を取り戻したのだ。アレとは異なるが【負傷したのちに回復するのが他人より異常に早い】事には変わりなく、…あまり他の人には知られるべき事ではないので一先ず学校を出ることを提案する。全員が同意する中、柚紀から何やら"不安定な音が聞こえてきた"のに気づいた菊地原が声を掛けた
「……鶴ヶ峰さ、言いたいことがあるならちゃんと言いなよ。さっきの身勝手な自信過剰なあの男子生徒に対してみたいにさ。見た目は普通通りだけどさ、………僕の耳は騙せないよ?何を不安がっているの?白状しなよ。じゃなきゃ……市河に読み取って貰うよ?」
『それは駄目っ!!……あ~、流石に菊地原くんは騙せないか。………理由はなんであれその…"連日"で小言やお説教を言実さんから聞くのはちょっと、…嫌かなって。最初のは明らかに私に非があるし、昨日のは……回避出来なくもなかった。でもさ、……今日のは違う。…こう成らない様に、私はしていたのにな~。……分かっているよ、全てを回避するのは無理だって。だから、……目立ちたく無かった。……言実さんに心配かけたくないもん、…嫌われるのは、"あの人にまで見捨てられる"のはっ…嫌だっ!!?』
‐ ポタ…ポタ……ポタ…ポタ ‐
「(……確かに嫌(かも/だろうね/だね/になるよな/だよね/なのかもしれない)………色んな(理由/意味)で)」
菊地原から脅しが少し含まれた物言いをされ、特別視はしないが彼のサイドエフェクトの凄さは知っているので素直に白状する柚紀。その内容を聞いて、…涙する姿を見て全員が複雑な気持ちを抱いた。理由は様々だが全て言実が関係しており、彼女がこの少女の血縁者であり保護者であり、……"一番大切で誰よりも信用信頼している大人"なのだ。言実が柚紀に甘いのは知っている者ばかりだが、それと同時に面倒事が嫌いやら怒らせたら怖いのも知っている者が多いのだ。……柚紀とて分かってはいるが、やはり不安なのだ。彼女が居なければこの少女は……………
さて、約一名あまり柚紀の事情に詳しくない人物は、泣いてしまった柚紀を見てナニかを考える。そして、手を叩いて全員の意識を自分に集めてこう話した
そんな中、換装を解き落ちている鞄四つを拾い上げた笹森は……
‐ ポイ、ポイ、ポイ…………スッ ‐
「とりあえず佐鳥達も換装を解いたらどうだ?もう平気だろ??それに、あんま長居すると流石に先生に見付からないとは限らないし、何より………鶴ヶ峰は今日ボーダーに…言実さんの所に行くんだろ?理由は、…知らないけどさ」
「っと(パシッ)……ヒトのモノを投げ渡すか普通?確かにトリオン体な二人や俺相手だったからいいが、…………万が一ユズにも投げ渡していたら一発お見舞いしてたぜ?あ、そう言えば……ボーダーって医者居るのか?(スッ)ソレまだ完治してないよな??」
『(ピクッ)えっ?!だ、大丈夫、だよ?わ、私け、怪我治るの普通の人より早いから、……うん』
「…………………………シロ、チェックしろ」
「了解~!!はいユズちゃ~ん、大人しく腕の怪我見せてね~?(ワキワキ)」
『……………あ、あぅあ~~~!?(アタフタアタフタ)』
三人には投げ渡し、柚紀は念のため手渡しをしたのだ。勿論三人は危なげなくキャッチし、更に嵐山隊の二人は換装もついでに解除したのであった。そして意外とどんくさい一面もある柚紀に対して負傷している腕の怪我の事を心配し、ふと経過を知らないフブキが症状を確認する。……男子三人には隠していたのがバレたくない柚紀は平然を装うが、表情は明らかに焦っているし歯切れも悪くなっていた。それを見て能力込みで隠し事には敵さないシロに確認を依頼。……嵐山隊の二人は屋上と合流時の会話で現状を知っているし、残り三人も「は?知らないよソレ」的な表情を浮かべていて八方塞がりでお手上げ状態となり渋々チェックを受けるのだが
「(シュルシュルシュル)……あれ?…傷が綺麗に……無くなってる?でもユズちゃんはナニもしてないよね?……まだ怪我が治っていないって思っていたみたいだし…………何でだろ?」
『あ、ほ、本当だ。(グーパーグーパー、ブンブンブン……ベシッ)……うん。痛くもないしちゃんと動くね(でもどうして?確かにあの男子に掴まれた時は痛かったよ?あの後この腕に触ったのは……)…佐鳥くんはサイドエフェクト持ってないし、…何でだろう?(コテン)』
「………体質的な理由、かもね。確か言実さんは【怪我のチェックついでにナニかを試す】って言っていたでしょ?(トントン)……コッチの例もあるし、サイドエフェクト同様に鶴ヶ峰さんの特殊体質も未だに未知数。それもあの人が人一倍君を気に掛け、………一部の人から過保護やセコムと呼ばれる由縁じゃないかな?(共通点は"トリオン体で患部に触れる行為"だけど、……それだけで怪我が治るのは普通…いや、分からないから調べようとしたのかも)……兎に角本部に行こうか、多分首を長くして待ってるよ?」
包帯の下から出てきた腕には一切の傷痕が無くなっていた。それでも平気か確かめる為に柚紀が実際に動かしたり刺激を与えたりするが問題ない様子だ。その本人も理由が分からず首を傾げているのを見て、時枝が"ある推測"を口にした。……実際に、頭部に弾を受けた柚紀は予想より遥かに早く意識を取り戻したのだ。アレとは異なるが【負傷したのちに回復するのが他人より異常に早い】事には変わりなく、…あまり他の人には知られるべき事ではないので一先ず学校を出ることを提案する。全員が同意する中、柚紀から何やら"不安定な音が聞こえてきた"のに気づいた菊地原が声を掛けた
「……鶴ヶ峰さ、言いたいことがあるならちゃんと言いなよ。さっきの身勝手な自信過剰なあの男子生徒に対してみたいにさ。見た目は普通通りだけどさ、………僕の耳は騙せないよ?何を不安がっているの?白状しなよ。じゃなきゃ……市河に読み取って貰うよ?」
『それは駄目っ!!……あ~、流石に菊地原くんは騙せないか。………理由はなんであれその…"連日"で小言やお説教を言実さんから聞くのはちょっと、…嫌かなって。最初のは明らかに私に非があるし、昨日のは……回避出来なくもなかった。でもさ、……今日のは違う。…こう成らない様に、私はしていたのにな~。……分かっているよ、全てを回避するのは無理だって。だから、……目立ちたく無かった。……言実さんに心配かけたくないもん、…嫌われるのは、"あの人にまで見捨てられる"のはっ…嫌だっ!!?』
‐ ポタ…ポタ……ポタ…ポタ ‐
「(……確かに嫌(かも/だろうね/だね/になるよな/だよね/なのかもしれない)………色んな(理由/意味)で)」
菊地原から脅しが少し含まれた物言いをされ、特別視はしないが彼のサイドエフェクトの凄さは知っているので素直に白状する柚紀。その内容を聞いて、…涙する姿を見て全員が複雑な気持ちを抱いた。理由は様々だが全て言実が関係しており、彼女がこの少女の血縁者であり保護者であり、……"一番大切で誰よりも信用信頼している大人"なのだ。言実が柚紀に甘いのは知っている者ばかりだが、それと同時に面倒事が嫌いやら怒らせたら怖いのも知っている者が多いのだ。……柚紀とて分かってはいるが、やはり不安なのだ。彼女が居なければこの少女は……………
さて、約一名あまり柚紀の事情に詳しくない人物は、泣いてしまった柚紀を見てナニかを考える。そして、手を叩いて全員の意識を自分に集めてこう話した