64.再認識の曲〜君の好きな人は誰?〜(129.
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言実の携帯には【一本の鎖と南京錠】の画像が表示されていた。男性教員の携帯にはナニも写らなかったのに何故、……それを聞きたい学生二人だったが言実の辛そうな表情を見て、口には出来なかった。彼女だって柚紀同様、家族を失っている。話はあまり聞かないが恐らく【血の繋がりのある親族で健在なのは柚紀のみ】なのだろう。柚紀の母親は健在だが、父親の妹である言実とは血の繋がりがないし身近に居ない、謂わば他人に等しいのだ。そんな微妙な空気になれば、………やはりこの少女が反応しない訳もなく
- ………スッ、……ペタペタ、ペタ、ペタ -
『(スウゥ……パチ、パチ…チラッ)……言実さん、泣いてるの?…悲しいの?……貴女は、確かに喜怒哀楽を、感情を失ってはいないが、昔の出来事が原因で"哀……愛"の感情が他より欠落してしまっている。だから、泣けなくなった、…誰かを好きにならない様にしている。大切な人を作れば何時か訪れるであろう別れが辛いから、あんな思いをしたくないから。でしょ?』
『柚紀、……私は…』
『過去は変えられない、変えれたとしてもそれは神の領域。……人である私達が踏み込んではいけない事。でもさ、……未来は…変えられる。悲しみたくないなら、大切な人より強く………なったら結局は言実さんが楽できないからさ、……強くすれば良い。その人が死なない、死なせない為に。ちょっと面倒でもさ、先を見据えればソッチの方が絶対に楽、出来る。そろそろ、じぶんのしあわせを、ねがって、いいよ?わたしはもう、だいじょうぶ、だ、から……(パタッ……すぅ、すぅ)』
『………(ナデナデ)何処か大丈夫だ馬鹿者が。だが、……少しは自分の事を考えるべき、なのかもな。私は…兄さんの意思を継いでボーダーに就職し、何時か開放されるであろう柚紀を助ける準備に心血を注いでいた。別にそれで私は良かったが、………(ナデナデ)結局は私が一番【自らの意思で行動をしていなかった】のだな』
握っていた二人の手から離れ、手探りで言実の頬に触れると瞳を開きぼんやりとだが、悲しみを帯びた瞳を見つめながら今まで思っていた事を告げる柚紀。そして言い終えるとまた再び眠ってしまう、…そんな姪を見て今までの自らの行いを振り返る。【……後悔はない、そして互いに一歩前に】…そんな事を考えている言実に諏訪がわざとらしく咳込むと、長く重たいため息を漏らした後に口を開く
「ったく!餓鬼に諭されるとか天下のつる姐さんが聞いて呆れるぜ!?ってか、色々聞きたいことがあるが、……そろそろ保護者として……ボーダーの幹部としての役目を果たすべきだろ?此処には俺が残る、眠り姫様が起きたら、ちゃんと送迎すっから心配スンナ。この後の事はそれから考えれば良い。で、きっちり説明してもらうから、逃げるなよ?」
『(……パサッ)聞かせてやらなくもないが、聞けば色々こき使ってやる。……覚悟しろよ諏訪(スタスタスタ)』
「うんなの今までと変わらねぇだろ?ま、俺はそれで結構だがな。……何を知ったってアンタや鶴ヶ峰との関係を変えるつもりはねぇさ。変わる必要があるものもあれば、変わらねぇモンだってあるべきだろ?」
そんなやり取りをした後に保健室を後にする言実。それを見送った諏訪は「じゃあ、俺も帰るから後ヨロシクな」と出ていきそうになり、流石に二人も待ったを掛ける
「ちょっ!?諏訪さん!!言ってる事とやっている事違くない??!何で帰ろうとするのさ!!?」
「ま、帰るは語弊があるな。……俺の行き先はボーダー本部だ。今日は最終調整とかで遠征メンバー全員が集結している。…お前達二人が無事姐さんに認められたのを報告してやらねぇとな。これで心置きなく任務に行けるってこった!………帰って来たら二人が居なくなる可能性は、とりあえず無くなった訳だ」
「……………何か、かなり大事になっているみたいですね。それだけ二人が皆さんに親しまれ大切に思われているのは嬉しいやら、…複雑ではありますね。………引き止めませんが諏訪さん、【何故言実さんの携帯で撮った画像には痣が写っていたのか】……このカラクリ、分かりますか?」
「んぁ?………あ〜、アレか?理由は簡単だ。【あの二人の携帯やタブレットは電気で動くのは勿論だが、"トリオンを原動力"に出来るように改造されている】……ほら、初トリオン体お披露目の日や妨害型の電撃、……誤射事件もか?充電切れたりトリオンによる攻撃で破損したろ?だからそれを一々気にしてたら面倒って訳で、改造を施されたって訳だ!だからあの痣を撮影出来た。それが答えだ。さて、起きたら責任持って姫様を送れよ〜騎士兼王子のお二人さん(ヒラヒラ~)……………ん?……立ち聞きとは悪趣味だぞ京介、お前も鶴ヶ峰が心配で様子を見に来たクチか?」
「「!?」」
佐鳥と時枝のやり取りを終えた諏訪が廊下に出れば、どうやら烏丸が廊下で立ち聞きしていたらしくそれを指摘して去っていくのだった。二人は顔を見合わせて暫く睨み合っていたが、二人して廊下を覗きに移動。因みに再び眠りについた柚紀は逆側に転がってしまい手を握れなくなっていたのである
そして確かに烏丸が壁に背を預けて佇んでいたので、招き入れれば寒くなってきたのできっちりドアを締めて各自椅子に座り………暫く沈黙が続いてしまう。佐鳥ですら話せずに居ると、誰かの携帯が鳴る。佐鳥と烏丸が確認する中、時枝だけは携帯を確認しなかった。どうやらマナーモードで音が鳴らないようにしているのだ。さて、オトの主は
「………………(…スッ)」
「と〜り〜ま〜る〜、誰からの着信?ってかさ、今の着信音ってさ、……あの特訓室で聞いた英語版の曲、だよね?柚紀の」
烏丸だったらしく、確認だけして返信もせずしまうのを見て佐鳥が質問をする。時枝も無言で見てくるのに烏丸も気づき、……流石に黙秘は無理と感じてため息を吐くのであった
- ………スッ、……ペタペタ、ペタ、ペタ -
『(スウゥ……パチ、パチ…チラッ)……言実さん、泣いてるの?…悲しいの?……貴女は、確かに喜怒哀楽を、感情を失ってはいないが、昔の出来事が原因で"哀……愛"の感情が他より欠落してしまっている。だから、泣けなくなった、…誰かを好きにならない様にしている。大切な人を作れば何時か訪れるであろう別れが辛いから、あんな思いをしたくないから。でしょ?』
『柚紀、……私は…』
『過去は変えられない、変えれたとしてもそれは神の領域。……人である私達が踏み込んではいけない事。でもさ、……未来は…変えられる。悲しみたくないなら、大切な人より強く………なったら結局は言実さんが楽できないからさ、……強くすれば良い。その人が死なない、死なせない為に。ちょっと面倒でもさ、先を見据えればソッチの方が絶対に楽、出来る。そろそろ、じぶんのしあわせを、ねがって、いいよ?わたしはもう、だいじょうぶ、だ、から……(パタッ……すぅ、すぅ)』
『………(ナデナデ)何処か大丈夫だ馬鹿者が。だが、……少しは自分の事を考えるべき、なのかもな。私は…兄さんの意思を継いでボーダーに就職し、何時か開放されるであろう柚紀を助ける準備に心血を注いでいた。別にそれで私は良かったが、………(ナデナデ)結局は私が一番【自らの意思で行動をしていなかった】のだな』
握っていた二人の手から離れ、手探りで言実の頬に触れると瞳を開きぼんやりとだが、悲しみを帯びた瞳を見つめながら今まで思っていた事を告げる柚紀。そして言い終えるとまた再び眠ってしまう、…そんな姪を見て今までの自らの行いを振り返る。【……後悔はない、そして互いに一歩前に】…そんな事を考えている言実に諏訪がわざとらしく咳込むと、長く重たいため息を漏らした後に口を開く
「ったく!餓鬼に諭されるとか天下のつる姐さんが聞いて呆れるぜ!?ってか、色々聞きたいことがあるが、……そろそろ保護者として……ボーダーの幹部としての役目を果たすべきだろ?此処には俺が残る、眠り姫様が起きたら、ちゃんと送迎すっから心配スンナ。この後の事はそれから考えれば良い。で、きっちり説明してもらうから、逃げるなよ?」
『(……パサッ)聞かせてやらなくもないが、聞けば色々こき使ってやる。……覚悟しろよ諏訪(スタスタスタ)』
「うんなの今までと変わらねぇだろ?ま、俺はそれで結構だがな。……何を知ったってアンタや鶴ヶ峰との関係を変えるつもりはねぇさ。変わる必要があるものもあれば、変わらねぇモンだってあるべきだろ?」
そんなやり取りをした後に保健室を後にする言実。それを見送った諏訪は「じゃあ、俺も帰るから後ヨロシクな」と出ていきそうになり、流石に二人も待ったを掛ける
「ちょっ!?諏訪さん!!言ってる事とやっている事違くない??!何で帰ろうとするのさ!!?」
「ま、帰るは語弊があるな。……俺の行き先はボーダー本部だ。今日は最終調整とかで遠征メンバー全員が集結している。…お前達二人が無事姐さんに認められたのを報告してやらねぇとな。これで心置きなく任務に行けるってこった!………帰って来たら二人が居なくなる可能性は、とりあえず無くなった訳だ」
「……………何か、かなり大事になっているみたいですね。それだけ二人が皆さんに親しまれ大切に思われているのは嬉しいやら、…複雑ではありますね。………引き止めませんが諏訪さん、【何故言実さんの携帯で撮った画像には痣が写っていたのか】……このカラクリ、分かりますか?」
「んぁ?………あ〜、アレか?理由は簡単だ。【あの二人の携帯やタブレットは電気で動くのは勿論だが、"トリオンを原動力"に出来るように改造されている】……ほら、初トリオン体お披露目の日や妨害型の電撃、……誤射事件もか?充電切れたりトリオンによる攻撃で破損したろ?だからそれを一々気にしてたら面倒って訳で、改造を施されたって訳だ!だからあの痣を撮影出来た。それが答えだ。さて、起きたら責任持って姫様を送れよ〜騎士兼王子のお二人さん(ヒラヒラ~)……………ん?……立ち聞きとは悪趣味だぞ京介、お前も鶴ヶ峰が心配で様子を見に来たクチか?」
「「!?」」
佐鳥と時枝のやり取りを終えた諏訪が廊下に出れば、どうやら烏丸が廊下で立ち聞きしていたらしくそれを指摘して去っていくのだった。二人は顔を見合わせて暫く睨み合っていたが、二人して廊下を覗きに移動。因みに再び眠りについた柚紀は逆側に転がってしまい手を握れなくなっていたのである
そして確かに烏丸が壁に背を預けて佇んでいたので、招き入れれば寒くなってきたのできっちりドアを締めて各自椅子に座り………暫く沈黙が続いてしまう。佐鳥ですら話せずに居ると、誰かの携帯が鳴る。佐鳥と烏丸が確認する中、時枝だけは携帯を確認しなかった。どうやらマナーモードで音が鳴らないようにしているのだ。さて、オトの主は
「………………(…スッ)」
「と〜り〜ま〜る〜、誰からの着信?ってかさ、今の着信音ってさ、……あの特訓室で聞いた英語版の曲、だよね?柚紀の」
烏丸だったらしく、確認だけして返信もせずしまうのを見て佐鳥が質問をする。時枝も無言で見てくるのに烏丸も気づき、……流石に黙秘は無理と感じてため息を吐くのであった