62.硝子の曲(127.
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「……大分前の鶴ヶ峰に戻ってきたが、完全にとは行かないな。ま、それも時間の問題だろうが…………お前の方はどうなんだ時枝」
「………………ナニが、言いたいんだ京介」
「迅さん曰く【お前が答えを出さなければ言実さんが彼女を連れて街を出るのは五分五分】らしい。……佐鳥のお陰で大分マシな確率になったが、ただ一つのミスが命取りになる。……笹森のクラスと言えば例の集団リンチ未遂の参加者が居るだろ?主犯格ではないが、あの時の事を蒸し返さなきゃ良いが…」
「…………笹森のクラスに行くには佐鳥達のクラス前を通る。……あの独特な髪色の二人が素通りすればどちらかは気づくよ必ず。意外と目敏いからね、……流石スナイパーと幼馴染みって感じかな?それに笹森だって二人が来たら直ぐに側に駆け寄るだろうし、………大丈夫だよ」
「……"生徒が相手"なら…市河が居ればある程度の対処も大丈夫だろうが、……………彼女に危害を与える可能性がある相手は果たして、"それだけ"か?」
……烏丸も柚紀が心配なのは事実であり本当ならもっと色々口出しをしたいのだが、迅に言われたのだ【言い過ぎると時枝がムキになって更に修繕が困難になる】と。確かに自分が話し掛けた瞬間に、女子二人に向けていた視線や纏う雰囲気とは全く違うモノに変貌している。………柚紀に勘付かれない様に上手く"猫被り"をしていたのだ。先程の……柚紀が時枝に近づいた理由の一つを聞いて"ある予感"がした烏丸は、時枝に意見を単刀直入に訊ねる。その答えを告げる前にクラスメートから切羽詰まった声で名前を呼ばれ、話が中断を余儀なくされる。その相手は
「どうしたんだ委員長、そんなに慌てて。それとそのプリント……英語のか?確かに君は今日日直だが、もう一人居るだろ?何で俺達に話し掛けてきた?」
「に、日直関係じゃない!!貴方達"ボーダー隊員"に用があるの!!?……説明するより見た方が早いから来て!?このままじゃ、………"二人が不登校になっちゃう"!!特に市河さんはっ、………"一年の担任だった奴でしょ?あの英語の先生って"」
「!!?……そう言えばあの先生、生真面目だから授業態度や生活態度や悪い生徒に厳しいのもだけど……遅刻や早退や身だしなみとかの校則にも煩い人で、それで……(ガタン!)マズいっ!!だから鶴ヶ峰さんを執拗に…………このままじゃ、悪循環に陥る!!(ダッ!?)(ただでさえ彼女は"英語の苦手意識が強い"、コレで先生が良い人ならまだマシだったけど、あの先生だ!……下手して英語だけ受けたくないってなれば、更に英語を嫌いになるだろうし成績も落ちてサイアク……)……学校に…行きたくなくなる。そうなれば言実さんがどんな手段に出るかは分からないが、"このままの現状を継続させる訳がない"!!」
柚紀もシロも何かと気に掛けている女子生徒…このクラスの委員長が慌てた様子でプリントを持ったまま教室に来ると、一直線に時枝達の元に向かい助力を請う。そしてその内容から、"サイアクな展開を思い描いた"時枝が席を立ち急いで二人の元へ向かう。……各学年の教科担任はクラス担任も兼任するのが殆どであり先程から話題にでて来る"英語男性教員"も、一年の時は時枝・佐鳥、そしてフブキとシロのクラス担任だった。が、シロが関係する問題解決が上手く行かず二年になった際に"副担任の一人"となり現在に至る。(因みに笹森と後一つのグラスを兼任する副担任で、時枝と佐鳥達のクラスの副担任は別の人が受け持っている)そして代わりに担任となったのが新たに赴任してきた今の柚紀達の担任であり、一部では【担任の座を奪われた逆恨みで、あのクラスの生徒にだけあたりがキツイ】等言われている始末だ。……実際にテストのクラス平均が他より悪いと嫌味の一つや二つ平気で言ったりしてくるので、時枝もたがこのクラスの生徒全員がこの教員を嫌っているのだった。それ以外にも……
- ザワザワ、ザワザワ -
「(居たっ!!だけど……)…!……(コソッ)佐鳥、野々村、どんな感じだ?と言うより…………二人が傍観を決め込んでいるとはおれとしては予想外だったな。てっきり二人を庇ってあの先生と対峙しているかと…」
「!!(チラッ、……コソッ)……佐鳥だってそうしたいけど、この間のテスト英語も散々な点数を取ったせいでアイツからネチネチ嫌がらせって言うか、………目を付けられているんだよ。下手に庇い立てすると更に状況が悪化する、……だから今は様子見」
「(ボソッ)……俺も似た感じだな。若い女が一人暮らしってのが気に食わないらしくて、隙あらば、色々言ってくる。後、…………どうもボーダー関係者にも風当たりが強いんだよな〜。一学期はまだ平気だったが、九月からは明らかに態度か変わった。……何かボーダーに恨みでもあるのか?」
野次馬に紛れて事の次第を二人が見守っていたのであった。因みに絡まれたキッカケは柚紀が辞典を持っている点と"職員室が笹森のクラス側にある事"に加えてそろそろ本鈴がなりそうな点から、帰り道にバッタリ……そんな感じと解釈する。そして何やら「外傷もないのに……」や「きちんと医師による診断書が……」と教員とシロとのやり取りからして、柚紀が学校にちゃんと来ていなかった点を言い争っている様子だ。そして、丁度担任の女性教師が通り掛かり二人を擁護すればその場が納まった……かに思えたが
「と、言うか市河。君だって数日学校を休んでいたが、アレは何故かね?医師の診断書を学校に提出してないと聞くが……」
「あ、アレは……(…スッ)精神、的な理由によって学校に行けなくなって………診断はちゃんと受けた上で休んでいますし、学校にも届け出してます。……………ズル休みをしたと、先生はおっしゃりたいのですか?」
「(フン)違うのか?"目が痛いから休む"なんて、本当はゲームやパソコンをし過ぎが原因でじゃないのか?それ以上に………髪に関しては地毛であると証明書を学校に提出されているが、……その赤い瞳は本当に自前なのかは怪しいものだ。今はカラーコンタクトが簡単に手に入るご時世てあり、女子は中学生でも普通に化粧してくる馬鹿も居るからな(カツカツ、カツ……ヌゥー)」
シロの後ろに居た柚紀は男性教員の視線や雰囲気に加えて、スーツ姿なのもあって顔色が真っ青な状態となっており女性教師は介抱に気が向いていて、無意識に目を庇うシロに魔の手が迫っているのに気づいていない。そして"コンタクトの件"をフブキも知っている、だがあまり交友的でない自分が出ていっても果たしてあの教員が聞き入れるのかが不明であるので下手には動けないのだ。そんな中動いたのは……
- ……パシッ!! -
「!!お前は、笹森っ!?何故君がこの子を庇い立てするっ!!?」
「………俺は市河と小さい頃からの知り合いで、その頃は眼鏡はしてないし、瞳だって今と同じ赤い綺麗なモノでした。(パッ!)妙な言い掛かりは付けないで下さい。それに、時間に厳しい先生が授業が始まっているにも関わらず"生徒指導"ですか?……普段と言っている事とやっている事が食い違っているのは、指導者としてどうかと思いますよ?(諏訪さんは鶴ヶ峰に対する態度もだが、言っている事はずっと同じだ。………なら、大人な先生だってそうであるべきだ!!)」
「………………ナニが、言いたいんだ京介」
「迅さん曰く【お前が答えを出さなければ言実さんが彼女を連れて街を出るのは五分五分】らしい。……佐鳥のお陰で大分マシな確率になったが、ただ一つのミスが命取りになる。……笹森のクラスと言えば例の集団リンチ未遂の参加者が居るだろ?主犯格ではないが、あの時の事を蒸し返さなきゃ良いが…」
「…………笹森のクラスに行くには佐鳥達のクラス前を通る。……あの独特な髪色の二人が素通りすればどちらかは気づくよ必ず。意外と目敏いからね、……流石スナイパーと幼馴染みって感じかな?それに笹森だって二人が来たら直ぐに側に駆け寄るだろうし、………大丈夫だよ」
「……"生徒が相手"なら…市河が居ればある程度の対処も大丈夫だろうが、……………彼女に危害を与える可能性がある相手は果たして、"それだけ"か?」
……烏丸も柚紀が心配なのは事実であり本当ならもっと色々口出しをしたいのだが、迅に言われたのだ【言い過ぎると時枝がムキになって更に修繕が困難になる】と。確かに自分が話し掛けた瞬間に、女子二人に向けていた視線や纏う雰囲気とは全く違うモノに変貌している。………柚紀に勘付かれない様に上手く"猫被り"をしていたのだ。先程の……柚紀が時枝に近づいた理由の一つを聞いて"ある予感"がした烏丸は、時枝に意見を単刀直入に訊ねる。その答えを告げる前にクラスメートから切羽詰まった声で名前を呼ばれ、話が中断を余儀なくされる。その相手は
「どうしたんだ委員長、そんなに慌てて。それとそのプリント……英語のか?確かに君は今日日直だが、もう一人居るだろ?何で俺達に話し掛けてきた?」
「に、日直関係じゃない!!貴方達"ボーダー隊員"に用があるの!!?……説明するより見た方が早いから来て!?このままじゃ、………"二人が不登校になっちゃう"!!特に市河さんはっ、………"一年の担任だった奴でしょ?あの英語の先生って"」
「!!?……そう言えばあの先生、生真面目だから授業態度や生活態度や悪い生徒に厳しいのもだけど……遅刻や早退や身だしなみとかの校則にも煩い人で、それで……(ガタン!)マズいっ!!だから鶴ヶ峰さんを執拗に…………このままじゃ、悪循環に陥る!!(ダッ!?)(ただでさえ彼女は"英語の苦手意識が強い"、コレで先生が良い人ならまだマシだったけど、あの先生だ!……下手して英語だけ受けたくないってなれば、更に英語を嫌いになるだろうし成績も落ちてサイアク……)……学校に…行きたくなくなる。そうなれば言実さんがどんな手段に出るかは分からないが、"このままの現状を継続させる訳がない"!!」
柚紀もシロも何かと気に掛けている女子生徒…このクラスの委員長が慌てた様子でプリントを持ったまま教室に来ると、一直線に時枝達の元に向かい助力を請う。そしてその内容から、"サイアクな展開を思い描いた"時枝が席を立ち急いで二人の元へ向かう。……各学年の教科担任はクラス担任も兼任するのが殆どであり先程から話題にでて来る"英語男性教員"も、一年の時は時枝・佐鳥、そしてフブキとシロのクラス担任だった。が、シロが関係する問題解決が上手く行かず二年になった際に"副担任の一人"となり現在に至る。(因みに笹森と後一つのグラスを兼任する副担任で、時枝と佐鳥達のクラスの副担任は別の人が受け持っている)そして代わりに担任となったのが新たに赴任してきた今の柚紀達の担任であり、一部では【担任の座を奪われた逆恨みで、あのクラスの生徒にだけあたりがキツイ】等言われている始末だ。……実際にテストのクラス平均が他より悪いと嫌味の一つや二つ平気で言ったりしてくるので、時枝もたがこのクラスの生徒全員がこの教員を嫌っているのだった。それ以外にも……
- ザワザワ、ザワザワ -
「(居たっ!!だけど……)…!……(コソッ)佐鳥、野々村、どんな感じだ?と言うより…………二人が傍観を決め込んでいるとはおれとしては予想外だったな。てっきり二人を庇ってあの先生と対峙しているかと…」
「!!(チラッ、……コソッ)……佐鳥だってそうしたいけど、この間のテスト英語も散々な点数を取ったせいでアイツからネチネチ嫌がらせって言うか、………目を付けられているんだよ。下手に庇い立てすると更に状況が悪化する、……だから今は様子見」
「(ボソッ)……俺も似た感じだな。若い女が一人暮らしってのが気に食わないらしくて、隙あらば、色々言ってくる。後、…………どうもボーダー関係者にも風当たりが強いんだよな〜。一学期はまだ平気だったが、九月からは明らかに態度か変わった。……何かボーダーに恨みでもあるのか?」
野次馬に紛れて事の次第を二人が見守っていたのであった。因みに絡まれたキッカケは柚紀が辞典を持っている点と"職員室が笹森のクラス側にある事"に加えてそろそろ本鈴がなりそうな点から、帰り道にバッタリ……そんな感じと解釈する。そして何やら「外傷もないのに……」や「きちんと医師による診断書が……」と教員とシロとのやり取りからして、柚紀が学校にちゃんと来ていなかった点を言い争っている様子だ。そして、丁度担任の女性教師が通り掛かり二人を擁護すればその場が納まった……かに思えたが
「と、言うか市河。君だって数日学校を休んでいたが、アレは何故かね?医師の診断書を学校に提出してないと聞くが……」
「あ、アレは……(…スッ)精神、的な理由によって学校に行けなくなって………診断はちゃんと受けた上で休んでいますし、学校にも届け出してます。……………ズル休みをしたと、先生はおっしゃりたいのですか?」
「(フン)違うのか?"目が痛いから休む"なんて、本当はゲームやパソコンをし過ぎが原因でじゃないのか?それ以上に………髪に関しては地毛であると証明書を学校に提出されているが、……その赤い瞳は本当に自前なのかは怪しいものだ。今はカラーコンタクトが簡単に手に入るご時世てあり、女子は中学生でも普通に化粧してくる馬鹿も居るからな(カツカツ、カツ……ヌゥー)」
シロの後ろに居た柚紀は男性教員の視線や雰囲気に加えて、スーツ姿なのもあって顔色が真っ青な状態となっており女性教師は介抱に気が向いていて、無意識に目を庇うシロに魔の手が迫っているのに気づいていない。そして"コンタクトの件"をフブキも知っている、だがあまり交友的でない自分が出ていっても果たしてあの教員が聞き入れるのかが不明であるので下手には動けないのだ。そんな中動いたのは……
- ……パシッ!! -
「!!お前は、笹森っ!?何故君がこの子を庇い立てするっ!!?」
「………俺は市河と小さい頃からの知り合いで、その頃は眼鏡はしてないし、瞳だって今と同じ赤い綺麗なモノでした。(パッ!)妙な言い掛かりは付けないで下さい。それに、時間に厳しい先生が授業が始まっているにも関わらず"生徒指導"ですか?……普段と言っている事とやっている事が食い違っているのは、指導者としてどうかと思いますよ?(諏訪さんは鶴ヶ峰に対する態度もだが、言っている事はずっと同じだ。………なら、大人な先生だってそうであるべきだ!!)」