60.和解の曲〜ツインスナイパー編〜(125.
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通信機能が回復したらしく、更に柚紀以外はトリオン体なので巽の声が聞こえていた。が、最初は何時もの明るくお茶らけた声音がだんだんと変わっていきまるで言実と話している感覚に見舞われてしまう。彼女をある程度知る者は察した【理由は不明だが、巽もかなりご立腹だと】。そしてキーボードが叩く音が聞こえて、恐らくエンターキーを押したであろう瞬間にエンジニア達の換装が一気に解除され生身に。……それなりの数が集結しているエンジニア達だが、その見た目には大きな差があった。一部の者は先程と殆ど変わらないが、中には無理をした冬島並の隈や疲労感漂う表情を浮かべているのだった。……その違いを見て"楽をしている者は誰か"なんて、一目瞭然なのだ
『……冬島さん、風間、当真。お前達は"尋問すべき者"を連行しろ、行き先は鬼怒田さんの元で恐らく構わぬだろう。……状況によっては忍田さんや、…………城戸さんに話を通せ。【私がそう指示した】と言えば"ある程度不躾な物言いは咎められぬ"だろう。……他はとりあえず休息を取った後に話を聞く。…………夜になっても構わぬ、兎に角少しは休め。休息も仕事の内だ、そんな疲れ切っておる者に更に仕打ちを下せば……柚紀が泣く可能性がある故にな。……さっさと行け、特に(……スウゥ)"土田"、お前の姿をこれ以上見るのも私は嫌で堪らぬからな』
「(あ、あの野郎の名前そうなんだ。……一応覚えておくか)……姐さん、俺は何を?」
『…………(チラッ)…出水は柚紀と佐鳥を私が使っていた仮眠室に連れて行け。嵐山隊の部屋でとも考えたが、……血の臭いは分かる人には分かるモノ。勘付かれては厄介だし、………互いに色々話す必要があろう。邪魔が入らぬ場所で存分に語れ。ある程度時間が経てば柚紀を回収する。……(スゥゥ)チャンスを無駄にするなよ?』
「(ゴクリ)………(コクコク)」
後始末の為に淡々と何処か怒気を含んだまま指示を出して行く言実。先ず団体が姿を消した後に、処置が終わったのを確認した上で、出水・佐鳥・柚紀を先に移動させる。そしてその場に残った嵐山と言実が暫く無言で見つめ合っていると
- タタタタタタタタ、ダダダダダダダダ -
「ちょっ!?何で俺を追ってくるのさ太刀川さんっ?!!」
「なんでって迅!お前が急いでいるって事は大体行き先に【柚紀が居る可能性が高い】、つまりは【つる姐が居る可能性だって高い】ってこった!!そうでなくても【柚紀届ける先はつる姐一択】だ!ならついて行くしかねぇだろ??!」
「…………なんでアンタは戦闘関係とあの人の事が絡むと頭の回転が良いんだかね〜。って(ピクッ)……秘技!!太刀川さんガード!!!(クイッ!!)」
「……はぁ?!?おい、いきなり何だよじ…『……変化弾 (バババババ…)』って(キイィーン…ガガガガガ!)……角待ちバイパーとか、洒落にならねぇからなつる姐っ!?って、嵐山っ??!……柚紀は?何処だよ???(キョロキョロ)」
迅と太刀川がコチラに向かってくるのを声で察すると二人。……何故か無性に腹が立った言実はタイミングを見計らいバイパーを放つが、迅は予知で太刀川を利用して回避し、太刀川は反射的にシールドを展開して弾を防ぐ。そして不意打ちに文句を言いながら嵐山が居る事に驚き、柚紀が居ない事に戸惑いを示す。…………何だかその仕草がフブキに似ている気がした言実は、おもむろに換装を解き嵐山に視線を向ける
『丁度良い感じて"役者が揃った"故に、一つ働いて貰おう。……どうせ佐鳥が気になって学校に行かぬなら、【学校に行きづらくなり基地内におる子達に会いに行け】。優等生であるお前がこの時間に基地内を彷徨っておれば、………幾分か、気持ちに変化が出るであろう。但し【学校に行けと、その子達相手には言うなよ?】……あの手のものは"他人に指摘される程、頑なに拒む傾向がある"。そう言う意味では……"うってつけの奴ら"が来たであろう?』
「?………………よく、分かりませんがそれで洗脳障害が改善されるなら、(ニコッ)俺で良ければ喜んで協力します!!と、なると……今の時間だと食堂、ですかね?」
『そこが一番だろうな。それでも暇を持て余しそうなら、戦闘指導も悪くはない。………レイガスト持ちは居らぬが他はそれなりに揃っておる故にな。あの二人の話し合いはそこまで長くはならぬだろうが……恐らく柚紀が暫く離れぬだろう。放課後まで適当に時間を潰せ』
「ん??………柚紀は佐鳥と居るのか?なら、第一関門クリアたな。……………じゃあ、つる姐は何をするつもりだ?」
『…………私は【最善の為に動く】迅とは違い、【最悪に陥る位ならその"一歩手前"で事態を収めるのを心掛けておる】……佐鳥は何とかなるが、…………時枝はそうとは限らぬ。つまりはそう言う事だ。(クルッ)上手くやれよ三人とも(コツコツ、コツコツ……)』
柚紀だけでなく、別の……赤の他人にも一応気にかけている言実は休むことなく"次の為の行動"を指示をして自らも動くのであった。後を追いそうになる太刀川を迅が「追ったら多分嫌われるよ」と脅せば渋々諦める。その代わりに一つ尋ねるのだ
- 言実が恐れているサイアクな未来は何だ?……お前のサイアクと同じか? -
と。
その問に嵐山も興味を示し、解答を待つ。………言いたくはないが、言わなければ二人は動かないと視えている迅は重たいため息を吐いて、……白状するのだった
「言実さんが恐れているサイアクの未来、それは……"柚紀ちゃんの死…消失"だ。これは肉体的な意味で精神は含まれていない。…………歌声の噂を知ったあの日、あの場に"木虎が居なければ"……あの子は"この世から消えていた"、自らの体をトリオン粒子となって基地に蓄積される道を選んでね。因みに"声の消失"は、サイアクの一歩手前に想定する。……柚紀ちゃんに限ってと思ったが、断片的にそれらの未来は視えたのは事実であり、ギリギリの状況に陥るまで柚紀ちゃんを本部に連れてくるのを言実さんが避けていたのは、それを危惧してだと思う。そして"その未来はまだ消えていない"、………ナニかを間違えればそうなる可能性がある。だから言実さんは街を出る決意をした。あの子がこの街に居たいと望んでいるのを知っている。無理矢理連れ出せば泣くだろうし、もしかしたら嫌われるかも知れない。全てを覚悟の上であの人は動いている。………彼女が居なくなるよりはマシ、そんな思いを抱いてね」
『……冬島さん、風間、当真。お前達は"尋問すべき者"を連行しろ、行き先は鬼怒田さんの元で恐らく構わぬだろう。……状況によっては忍田さんや、…………城戸さんに話を通せ。【私がそう指示した】と言えば"ある程度不躾な物言いは咎められぬ"だろう。……他はとりあえず休息を取った後に話を聞く。…………夜になっても構わぬ、兎に角少しは休め。休息も仕事の内だ、そんな疲れ切っておる者に更に仕打ちを下せば……柚紀が泣く可能性がある故にな。……さっさと行け、特に(……スウゥ)"土田"、お前の姿をこれ以上見るのも私は嫌で堪らぬからな』
「(あ、あの野郎の名前そうなんだ。……一応覚えておくか)……姐さん、俺は何を?」
『…………(チラッ)…出水は柚紀と佐鳥を私が使っていた仮眠室に連れて行け。嵐山隊の部屋でとも考えたが、……血の臭いは分かる人には分かるモノ。勘付かれては厄介だし、………互いに色々話す必要があろう。邪魔が入らぬ場所で存分に語れ。ある程度時間が経てば柚紀を回収する。……(スゥゥ)チャンスを無駄にするなよ?』
「(ゴクリ)………(コクコク)」
後始末の為に淡々と何処か怒気を含んだまま指示を出して行く言実。先ず団体が姿を消した後に、処置が終わったのを確認した上で、出水・佐鳥・柚紀を先に移動させる。そしてその場に残った嵐山と言実が暫く無言で見つめ合っていると
- タタタタタタタタ、ダダダダダダダダ -
「ちょっ!?何で俺を追ってくるのさ太刀川さんっ?!!」
「なんでって迅!お前が急いでいるって事は大体行き先に【柚紀が居る可能性が高い】、つまりは【つる姐が居る可能性だって高い】ってこった!!そうでなくても【柚紀届ける先はつる姐一択】だ!ならついて行くしかねぇだろ??!」
「…………なんでアンタは戦闘関係とあの人の事が絡むと頭の回転が良いんだかね〜。って(ピクッ)……秘技!!太刀川さんガード!!!(クイッ!!)」
「……はぁ?!?おい、いきなり何だよじ…『……
迅と太刀川がコチラに向かってくるのを声で察すると二人。……何故か無性に腹が立った言実はタイミングを見計らいバイパーを放つが、迅は予知で太刀川を利用して回避し、太刀川は反射的にシールドを展開して弾を防ぐ。そして不意打ちに文句を言いながら嵐山が居る事に驚き、柚紀が居ない事に戸惑いを示す。…………何だかその仕草がフブキに似ている気がした言実は、おもむろに換装を解き嵐山に視線を向ける
『丁度良い感じて"役者が揃った"故に、一つ働いて貰おう。……どうせ佐鳥が気になって学校に行かぬなら、【学校に行きづらくなり基地内におる子達に会いに行け】。優等生であるお前がこの時間に基地内を彷徨っておれば、………幾分か、気持ちに変化が出るであろう。但し【学校に行けと、その子達相手には言うなよ?】……あの手のものは"他人に指摘される程、頑なに拒む傾向がある"。そう言う意味では……"うってつけの奴ら"が来たであろう?』
「?………………よく、分かりませんがそれで洗脳障害が改善されるなら、(ニコッ)俺で良ければ喜んで協力します!!と、なると……今の時間だと食堂、ですかね?」
『そこが一番だろうな。それでも暇を持て余しそうなら、戦闘指導も悪くはない。………レイガスト持ちは居らぬが他はそれなりに揃っておる故にな。あの二人の話し合いはそこまで長くはならぬだろうが……恐らく柚紀が暫く離れぬだろう。放課後まで適当に時間を潰せ』
「ん??………柚紀は佐鳥と居るのか?なら、第一関門クリアたな。……………じゃあ、つる姐は何をするつもりだ?」
『…………私は【最善の為に動く】迅とは違い、【最悪に陥る位ならその"一歩手前"で事態を収めるのを心掛けておる】……佐鳥は何とかなるが、…………時枝はそうとは限らぬ。つまりはそう言う事だ。(クルッ)上手くやれよ三人とも(コツコツ、コツコツ……)』
柚紀だけでなく、別の……赤の他人にも一応気にかけている言実は休むことなく"次の為の行動"を指示をして自らも動くのであった。後を追いそうになる太刀川を迅が「追ったら多分嫌われるよ」と脅せば渋々諦める。その代わりに一つ尋ねるのだ
- 言実が恐れているサイアクな未来は何だ?……お前のサイアクと同じか? -
と。
その問に嵐山も興味を示し、解答を待つ。………言いたくはないが、言わなければ二人は動かないと視えている迅は重たいため息を吐いて、……白状するのだった
「言実さんが恐れているサイアクの未来、それは……"柚紀ちゃんの死…消失"だ。これは肉体的な意味で精神は含まれていない。…………歌声の噂を知ったあの日、あの場に"木虎が居なければ"……あの子は"この世から消えていた"、自らの体をトリオン粒子となって基地に蓄積される道を選んでね。因みに"声の消失"は、サイアクの一歩手前に想定する。……柚紀ちゃんに限ってと思ったが、断片的にそれらの未来は視えたのは事実であり、ギリギリの状況に陥るまで柚紀ちゃんを本部に連れてくるのを言実さんが避けていたのは、それを危惧してだと思う。そして"その未来はまだ消えていない"、………ナニかを間違えればそうなる可能性がある。だから言実さんは街を出る決意をした。あの子がこの街に居たいと望んでいるのを知っている。無理矢理連れ出せば泣くだろうし、もしかしたら嫌われるかも知れない。全てを覚悟の上であの人は動いている。………彼女が居なくなるよりはマシ、そんな思いを抱いてね」