60.和解の曲〜ツインスナイパー編〜(125.
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先に言ったもの勝ち、と言う意味ではないが恐らく【言実はこの状況を知らない】と佐鳥は予測していた。……あれだけ頭の切れる普段の柚紀にすらあの対応なら、今みたいに幼児化しているのを知っていれば………間違えなく自ら出向いてくる筈だ。"基地内に突如現れたトリオン反応"なんて、敵でも無ければ彼女しか有り得ない。尤も敵なら迅が太刀川達を動かして排除させそう、そんな気がする佐鳥なのだった
さて、言実の名を聞いて佐鳥が抱える少女の正体を察したエンジニア達。これからどうするかと相談していると、一人のエンジニアが前に出て来た。………佐鳥は知らないが、風間隊との合同訓練時に柚紀のトリガーホルダーすり替えに関わったあのエンジニアである
「……佐鳥くん、僕は鶴ヶ峰チーフの元で彼女の体質や検査に何度も立ち会った経験がある。流石に子どもや妹は居ないが、その子とはそれなりに交流はある。だから"何もせずにそのままでいるのは君も危険な状況になる"と、はっきり断言出来る。………だから、その子はコチラで預かり然るべき調査や対処をするのが一番だと、僕は思う。それに広報の仕事をしている君に何かあっては一大事、だからね」
「………別に佐鳥が居なくても大丈夫、です。代わりなんて幾らでも…『(…クイッ)……おろして、けんくん。ゆき、いくから。あのひとたちと、……"おとうさん"のもとに』……えっ?でも柚紀ちゃん、君のお父さんは……(っ!?"もう居ない"とは言えない!この時はまだ存命だった可能性が………って、何で静樹氏って勘違いをしたんだ?…この頃のおつるちゃんはボーダーに関わっていない??だから"チーフ"がお父さんを指す言葉だと認識した?でもカタカナ語は、柚紀ちゃんは詳しくないから使っていない筈。なら、それを聞く機会は……)……君は、それで良いの?この人達と、知り合いなら…お兄ちゃんは安心して送り出すよ?」
まるで柚紀の性格を逆手に取る様な物言いをする相手に、警戒心を抱く佐鳥だったが……その変化を若しくは言葉の意味を察したのか、小柚紀自ら離れようとする。………言実がダウンしているのなら、行き先に彼女が信頼できる者が居ない可能性が高い。なのに何故、そう思った佐鳥は賭けに出る。……幼き少女の本音を引き出す為に。そして佐鳥の問に『だいじょうぶ、です』と笑顔で頷いたが………
- だいじょうぶ、なんかじゃない! -
- ほんとうはいきたくない!!ゆきのなをよばない、おなまえをなのらないひとには、ついていったらだめって、おかあさんにいわれた -
- しろいぱさぱさしたふくのひとはきらい!!……ゆきからおとうさんをうばっていく!! -
- わがまま、いったらおとうさんがかなしいかおをするから、いつもがまんしてた -
- それに、けんくんはこどもで、むこうはおとな -
- ゆきがいかないと、けんくんがいたいおもいする。ことみおねえちゃんいがいのひとは、みんなそうだった -
- そんなの、いやだ!!!だからっ! -
- ……ワタシガ、ギセイニナレバ、ダレモ、キズツカナイ。カワリガイナイカラ、ミョウナコトモ、アッチハデキナイ -
- デモ、ワタシハ………… -
……トリオン体の自分ならトリオン制御が未熟な少女の心の声が聞こえる、そんな気がしたのだ。そして最後の方の声が幼子のモノとは違うと認識した時には、小柚紀は佐鳥の腕の中から離れエンジニア達の元に近づいていた。そして一人の白衣を着た者が彼女に触れようとした瞬間に
- …嫌だ、行きたくない。助けてよ………賢くん -
「!?………君は佐鳥に言った筈だ!"貴方に嘘を言わないようにしている"と!!そして嘘を吐いてオレから離れたあの時、一歩間違えれば取り返しの付かない事になっていた!……だからもっと強くなると、付け焼き刃だって分かっていてもスコーピオンを持つ様になった!!まだまだ木虎や………とっきーみたいな腕前じゃないけど、今目の前に居るエンジニアの人達から守る位は出来る!!君が本当に望まないなら、オレは………自分らしさを捨ててでも、ボーダーのルールを破ってでも君を護ってみせる!!だからっ!!本音を聞かせてよ!君はどうしたいんだ!!答えてよ……………柚紀っ!!?」
「っ!!な、ナニをいきなり…彼女自らコチラに…「アンタに聞いてない!!オレは彼女に聞いている!……そんな身なりでも自分の考えや感情を抱いている!!……子どもは大人の都合の良い様にして良い玩具や人形じゃない!!」……(チッ)どいつもこいつも、イマドキの餓鬼共は生意気な奴ばかりだな。(まぁ良い、……この娘さえ手に入れば、全ては僕の意のままなのだから)(……スウゥー)」
『(ビクッ!?)い、……嫌っ!!?』
- パアァーー!! -
自分に助けを求める声が、……あのスナイパー訓練室にて呼ばれた時と同じ声"同じ呼び名"をされた佐鳥は柚紀に呼び掛ける。【今の柚紀は見た目こそ幼女だが、中身は自分が知る少女のモノ】と認識したからだ。そして自分の決意と覚悟を口にする。その内容にエンジニア達は驚きを隠せない……優等生の集まりと言える嵐山隊の一員としてはあるまじき発言だからだ。そしてリーダー格らしき例の男性職員が落ち着かせようとしたが失敗し、反論された事に少なからず苛立ちを覚え"目的である柚紀の捕獲"に乗り出す。が、幼い子程悪意には敏感なモノで自らに迫りくる危険に気づかない訳でもなく拒絶の言葉と共に強烈なトリオンの光を放つ。エンジニアは勿論、佐鳥すら驚いたが……"次に起こる事象"に身構える。それは…
- ダン!!……ギュウゥーーー!!……シュウゥー -
『(ヒック、ヒック)……嫌だよ、行きたくない!?言実さんか冬島さん、寺島さんが居ないなら、私……実験も検査も、受けたくない!!(ヒック)だって、怖いもん!!嫌だもん!?また、……虐められるのが、陰口叩かれるのが!!それに…(ギュッ!)……やっと会えた、君の側を離れ、るのはっ、………っ!!ゲホゲホっ!……ぃ、ゃ、…だっ!!(ゴホゴホ!…、ヒュゥ〜)』
………元の姿に戻った柚紀が抱き付き泣きながら本音を口にした。が、喉の痣は健在な状況で無理に話したせいで苦しそうにする姿に慌てる佐鳥に……魔の手が迫ってきていた
さて、言実の名を聞いて佐鳥が抱える少女の正体を察したエンジニア達。これからどうするかと相談していると、一人のエンジニアが前に出て来た。………佐鳥は知らないが、風間隊との合同訓練時に柚紀のトリガーホルダーすり替えに関わったあのエンジニアである
「……佐鳥くん、僕は鶴ヶ峰チーフの元で彼女の体質や検査に何度も立ち会った経験がある。流石に子どもや妹は居ないが、その子とはそれなりに交流はある。だから"何もせずにそのままでいるのは君も危険な状況になる"と、はっきり断言出来る。………だから、その子はコチラで預かり然るべき調査や対処をするのが一番だと、僕は思う。それに広報の仕事をしている君に何かあっては一大事、だからね」
「………別に佐鳥が居なくても大丈夫、です。代わりなんて幾らでも…『(…クイッ)……おろして、けんくん。ゆき、いくから。あのひとたちと、……"おとうさん"のもとに』……えっ?でも柚紀ちゃん、君のお父さんは……(っ!?"もう居ない"とは言えない!この時はまだ存命だった可能性が………って、何で静樹氏って勘違いをしたんだ?…この頃のおつるちゃんはボーダーに関わっていない??だから"チーフ"がお父さんを指す言葉だと認識した?でもカタカナ語は、柚紀ちゃんは詳しくないから使っていない筈。なら、それを聞く機会は……)……君は、それで良いの?この人達と、知り合いなら…お兄ちゃんは安心して送り出すよ?」
まるで柚紀の性格を逆手に取る様な物言いをする相手に、警戒心を抱く佐鳥だったが……その変化を若しくは言葉の意味を察したのか、小柚紀自ら離れようとする。………言実がダウンしているのなら、行き先に彼女が信頼できる者が居ない可能性が高い。なのに何故、そう思った佐鳥は賭けに出る。……幼き少女の本音を引き出す為に。そして佐鳥の問に『だいじょうぶ、です』と笑顔で頷いたが………
- だいじょうぶ、なんかじゃない! -
- ほんとうはいきたくない!!ゆきのなをよばない、おなまえをなのらないひとには、ついていったらだめって、おかあさんにいわれた -
- しろいぱさぱさしたふくのひとはきらい!!……ゆきからおとうさんをうばっていく!! -
- わがまま、いったらおとうさんがかなしいかおをするから、いつもがまんしてた -
- それに、けんくんはこどもで、むこうはおとな -
- ゆきがいかないと、けんくんがいたいおもいする。ことみおねえちゃんいがいのひとは、みんなそうだった -
- そんなの、いやだ!!!だからっ! -
- ……ワタシガ、ギセイニナレバ、ダレモ、キズツカナイ。カワリガイナイカラ、ミョウナコトモ、アッチハデキナイ -
- デモ、ワタシハ………… -
……トリオン体の自分ならトリオン制御が未熟な少女の心の声が聞こえる、そんな気がしたのだ。そして最後の方の声が幼子のモノとは違うと認識した時には、小柚紀は佐鳥の腕の中から離れエンジニア達の元に近づいていた。そして一人の白衣を着た者が彼女に触れようとした瞬間に
- …嫌だ、行きたくない。助けてよ………賢くん -
「!?………君は佐鳥に言った筈だ!"貴方に嘘を言わないようにしている"と!!そして嘘を吐いてオレから離れたあの時、一歩間違えれば取り返しの付かない事になっていた!……だからもっと強くなると、付け焼き刃だって分かっていてもスコーピオンを持つ様になった!!まだまだ木虎や………とっきーみたいな腕前じゃないけど、今目の前に居るエンジニアの人達から守る位は出来る!!君が本当に望まないなら、オレは………自分らしさを捨ててでも、ボーダーのルールを破ってでも君を護ってみせる!!だからっ!!本音を聞かせてよ!君はどうしたいんだ!!答えてよ……………柚紀っ!!?」
「っ!!な、ナニをいきなり…彼女自らコチラに…「アンタに聞いてない!!オレは彼女に聞いている!……そんな身なりでも自分の考えや感情を抱いている!!……子どもは大人の都合の良い様にして良い玩具や人形じゃない!!」……(チッ)どいつもこいつも、イマドキの餓鬼共は生意気な奴ばかりだな。(まぁ良い、……この娘さえ手に入れば、全ては僕の意のままなのだから)(……スウゥー)」
『(ビクッ!?)い、……嫌っ!!?』
- パアァーー!! -
自分に助けを求める声が、……あのスナイパー訓練室にて呼ばれた時と同じ声"同じ呼び名"をされた佐鳥は柚紀に呼び掛ける。【今の柚紀は見た目こそ幼女だが、中身は自分が知る少女のモノ】と認識したからだ。そして自分の決意と覚悟を口にする。その内容にエンジニア達は驚きを隠せない……優等生の集まりと言える嵐山隊の一員としてはあるまじき発言だからだ。そしてリーダー格らしき例の男性職員が落ち着かせようとしたが失敗し、反論された事に少なからず苛立ちを覚え"目的である柚紀の捕獲"に乗り出す。が、幼い子程悪意には敏感なモノで自らに迫りくる危険に気づかない訳でもなく拒絶の言葉と共に強烈なトリオンの光を放つ。エンジニアは勿論、佐鳥すら驚いたが……"次に起こる事象"に身構える。それは…
- ダン!!……ギュウゥーーー!!……シュウゥー -
『(ヒック、ヒック)……嫌だよ、行きたくない!?言実さんか冬島さん、寺島さんが居ないなら、私……実験も検査も、受けたくない!!(ヒック)だって、怖いもん!!嫌だもん!?また、……虐められるのが、陰口叩かれるのが!!それに…(ギュッ!)……やっと会えた、君の側を離れ、るのはっ、………っ!!ゲホゲホっ!……ぃ、ゃ、…だっ!!(ゴホゴホ!…、ヒュゥ〜)』
………元の姿に戻った柚紀が抱き付き泣きながら本音を口にした。が、喉の痣は健在な状況で無理に話したせいで苦しそうにする姿に慌てる佐鳥に……魔の手が迫ってきていた