58.天の川の曲〜星座の如く人を繋ぐ星々〜(123.
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
トリオン量が正常となったのか意識を失った柚紀に触れて少なからず吸い取られる感覚を感じでホッと安堵する迅だが……やはり徐々に力が抜けている感覚に見舞われて来たので、早々に冬島にスイッチボックスで飛ばして貰う事に。太刀川隊は引き続き任務に勤しみ、スナイパー二人は合同せずそのまま撤退、影浦と村上は大量に発生した鈴の回収に出てくる職員の護衛を言実に命じられ、嵐山とフブキ、木崎と烏丸は迅達に追随する事になった
〜ボーダー本部内・柚紀専用隔離室〜
- シュン!…スタン、スタスタスタスタ!……ガクン!! -
「(クイッ!)っと!!……大丈夫か、野々村ちゃん?いきなりバランス崩したけど、……やっぱりあれだけの敵を相手にしたから気疲れでも起こしたんじゃ…」
「いえ、……あの位なら平気です。(…シュウゥー、ペタン)……あ〜、油断したっ!此処に以前飛ばされた時は"コレ"無かったんだが、……アレって地味に【俺もユズやシロと感覚共有していたから】…だったのか。………少し面倒かもな」
「………(スッ)話が見えないから、俺達にも分かるように説明してくれ野々村。何でトリオン体のお前があんな風になったのかを」
隔離室の方に着地した五人だか、フブキがその場に倒れそうになる。それを一番近くにいた嵐山が腕を掴んで何とか阻止するが、やはり不思議そうにしている。他のメンバーも同じ様な反応を見せる中、換装を解いてその場に座り込むフブキは何処か辛そうだ。自分達は何も異常を感じないので【フブキ個人の問題】と察した烏丸が、屈んで視線の高低差を出来るだけ無くした状態で訊ねる。すると、……迅によって簡易ベッドに寝かされた柚紀を一瞥後、口を開く
「簡単に話せば、俺は極度の"乗り物酔いしやすい体質"なんだよ。自転車と電車は平気だが、車やバス・船と……多分飛行機も無理だな。少し乗っているだけで気持ち悪くなるから、極力使わない様にしてる。つまり"ワープ酔い"した訳だなコレは」
「………三半規管が弱いと酔いやすいと聞くが、お前……野々村はグラスホッパーで縦横無尽に動き回って戦う奴だと諏訪に聞いた。………なら、トリオン体の性能を抜きにしてもソレは矛盾していないか?」
「グラスホッパーの場合は【自分の思い描いた軌跡を辿れるから】だと思います。修行の一環で野山を駆け回る事をよくしていたので、あの程度の動きなら生身でも経験しているので問題ないのですが、………餓鬼の頃から【遠出の大半は強化鍛錬目的】で、海でも山でも修行三昧!……多分、そんな記憶や経験があるから【遠出に使う移動手段で、自分では制御不可能な分類】が苦手なんですよ。後、ウチの家族の死因の一つに乗り物が関係しているのもありますね。って、……初対面なアンタに話しても意味がないか」
「………………確かにこうやって言葉を交わすのは初めてだが、風間隊と鶴ヶ峰が合同訓練した際のゲートや敵の大量発生時に俺も参戦していた。後、………間違えでなければお前は……"あの野々村壮馬(ノノムラソウマ)の妹"だろ?ならば多少の繋がりはある」
「「「!!?」」」
「!!な、何でアンタが兄貴の…"そう兄"の名前を知って……いや、諏訪さんの名が出て来たし見た目的にも同じ年齢、さしずめ"高校が同じクラスだった"とか、そんな感じだろうな。(コリコリ)こりゃ、"東さん"にも確認必要かもな〜」
フブキの意外な弱点に、全員が色々疑問を抱く中で木崎が代表して質問をすれば、よくある理由からくるものでなく【精神的な理由】と理解する。そして更に意外な事実が発覚してフブキ含めて木崎以外が驚きを示すが、独自に解釈して"もしかしたら…"とある予感を感じたフブキがかなり複雑な表情をする。その内容について迅が口にする前に
- ガチャ…キイィー……ドカドカドカドカ…ウィーン -
「おっ!やっぱりお前等も戻ってきてたか!!で、悪いが誰か予備のベッド引っ張り出してくんねぇか?(チラッ)コイツを寝かせたい」
「シロっ?!!(スクッ!……クラッ- ガシッ! -)……悪いな烏丸。ってか何で基地にコイツが?中々目の調子が良くならなくて自宅療養していた筈じゃ…」
「(テキパキテキパキ…)俺が連絡して来てもらったんだ。俺の考えをちゃんと伝えるのもだが、上手く話せない柚紀ちゃんと会話するなら市河ちゃんの能力が必要と思ってね。因みに連絡先は巽さん経由で……"あの日"に交換しておいた。所で諏訪さん、……彼女も気を失っているのですか?"目を閉じてますし、友人の声を聞いても微動だにしない"………俺と繋がったのが負担になってしまったのか?」
「……それも可能性としてはあるけど、それだけじゃない。恐らく原因は他にもある。……とは思うが、俺には未来は視えても過去は視えないからな〜。こればかりは本人に聞くのが一番だ。……一先ず彼女も横に、幾ら抑止アイテムを使っているにしても接触時間は少ないに越した事はないですからね。後、……簡易だけど椅子あるから野々村ちゃんも座りなよ。諏訪さん以外はトリオン体のままだから全然平気だし」
生身の諏訪が私服姿のシロを抱えて室内にやって来る。(後ろに何やら荷物を持った堤と笹森が追随してきたが、室内が定員オーバーなので観察室側で待機中)それを見てフブキが立ち上がろうとするが、未だに酔いが醒めていなくバランスを崩してしまう。それを側に居た烏丸がサポートを受け、礼を述べた後に疑問を口にする。そして諏訪の指示に率先して行動をしている嵐山は"自分のせいで…"と責任を感じているのに対して、肯定も否定もせず、話し合いの場を整えるのに専念する迅。そんな中、冬島と当真……東が来たのを確認すれば迅が進行役を買って出て話を進める
「あ〜……本当なら柚紀ちゃん関連の事を打ち合わせしたいけど、野々村ちゃんや市河ちゃんの家族関係の話を先にしちゃおうか。一見関係なさそうに見えるけど、知っていると知らないとじゃ辿る未来が"かなり変わる"。……少しでも最善な未来になって欲しいから、ちょっとだけ付き合って下さい。で、野々村ちゃん。君のお父さんが忍田さんや俺の師である最上さんに剣を教えたのは大体の隊員は知っているとして、……君のお兄さんについて聞いても良いかな?」