それから数日後、Ｂ・Ｃ級ランク戦で村上が戦っている試合のROMを見て二人一緒に色々研究したり、新たにセットしたトリガーに慣れる為に擬似トリオン兵や……まさかの柚紀と手合わせしたりして経験と調子を整えていったフブキ。そして遂に二人が戦う当日、今回は個人戦なのでＣ級ランク戦となり、勿論ポイント変動もアリだ。………でもって、Ｂ級ランク戦が無くなりこれと言ったイベントが最近無いこの状況で……この方が黙っている訳もなく

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「イェ〜イ、皆元気にしているか〜！！お姉さんは平和ボケやら刺激が足りなくて退屈していたZOー！？！…さて、今回は入隊時にあの黒服を着るのを認められた期待の新人達によるガチンコバトルが勃発すると聞いてはるばる実況しに来ちゃった！そんな訳で実況はご存知巽お姉さんです！！で、解説は両者と縁がある荒船くんに来てもらいました〜！！！……ってか何故犬飼くんも居るの？君は呼んでないよ？？」
「えぇえ〜〜！！？良いじゃないですかぁ〜！！だって荒船は鋼くんのお師匠だよ？やっぱり解説は公平にしなきゃ駄目じゃない？でも身内贔屓しそうだから俺が来たんですよ〜？ちゃんと働きますから許して下さいよ〜！！」
「ムムム、……まぁいっか！！あの言実ですら身内には甘いしガードが硬いからね〜。………因みに本当は歌姫ちゃんを解説に呼ぼうとしたんだけど頑固拒否されました。確かに今、殆ど話せない状態だけどトリオン体ならワンチャンあるかな〜って。ま、それで色々無理させたらマジでヤバいから大人しく引き下がったけど…………何時かは実現させるんだから！！！」
「……まぁ、アイツを解説に据えたい気持ちは分かります。意外と丁寧で分かりやすく説明…解説してくれる気がしますが、……最初から"俺達と同じ風にする"のは難しいと思いますよ？例えばラジオみたいに声だけ参加する形を取るとかなら行けそうですね、アイツは恥ずかしがり屋で緊張すると噛むらしいので」
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【……あぅあ〜〜！！わ、わたし、し、しょんなにわかりやしゅいのかな？後、かんでいましゅか〜？(*ﾉｪﾉ)ｷｬｰ】
「あ〜、………噛むのは時々あったかもな。そこまで頻繁じゃないから知っている奴の方が少ないだろうさ(ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ)……荒船さんは誰から聞いたんだその事を。俺は体験したから知っていたけどよ」
「お〜！！流石弾バカ兄ちゃん！妹分の事はある程度知っていらっしゃる訳か〜！！ん〜、荒船さんの場合はやっぱ当真さんじゃね？柚紀ちゃん情報の仕入先は」
【もうっ！？"公平お兄ちゃん"をあんまりからかわないでよ"陽介お兄ちゃん"！！！……も、もう良いですか？！先輩呼びに戻しますよ？コレかなり恥ずかしいんだから(*>_<*)……三輪隊のエンブレム付きの服をお借りする条件で渋々、お呼びしていますが本来は恐れ多いんだから！？】

と、いつの日かの実力テストを彷彿させる状況となっており、今回は実況・解説席から幾分離れた場所に出水と米屋と共に見物に来ている柚紀。因みに三チームのエンブレム付きの服を着ていると自分の存在に周囲がバレるのを恐れたが、やはり生身ではコレを着ていないと落ち着かないらしく「なら…」と米屋が持ってきた薄紫色の少し大きめなパーカーを着ているのだった。それと髪色も身バレの要因なのでフードを被っており、……逆に怪しさ満点な気もするが、この三人がランク戦ロビーに一緒にいる場面は良く見かけるので分かる人には分かるし、………男子二人がトリオン体の状態で見物しているので、下手に突っかかって来る猛者は居ないのだ。"一部例外はあるが"

「(ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ)まぁまぁ、実際に口にするよりは幾分楽ジャンか？でも、本当に無理なら止めて構わないからな？(ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ)呼び方はどうであれ、俺はこうやってまた柚紀ちゃんと戯れれて楽しいからな！！(ニカッ！！)」
【あ、あの時は、その……色々とご迷惑やらご心配をお掛けしました_(._.)_……会って話すのが無理な分、携帯に他愛のない沢山メッセージを頂いたり、写真も送ってくれて嬉しかったです(≧▽≦)…………でも、出水先輩の寝顔を写すより今度は起こして上げて下さいね？】
「ん？寝顔…………あっ！？もしかして、授業中にうっかり居眠りして先生に叩き起こされて、…あの後"良いネタ提供サンキュー"とか意味不明な事を言いやがったあの時のか？！！勝手に人を写すなよな〜、それも他人に送りやがって。………あっ、別に柚紀ちゃんは悪くねぇし俺は見られても平気だぜ？！ただ、無断なのが気に食わないだけだ」

こんな感じで楽しく(？)会話をしている三人。身長差やパーカーのせいで柚紀の表情が見づらいが手に持つタブレットが少女が放つ微量のトリオンでも十分に反応出来る優れ物で、特に感情を変化には敏感で"本人が話そうと言う意思が無くても画面に映し出される"のだ。因みに出水の言葉を聞いて【(´；ω；｀)ｳｯ…】と表示されたのを見て最後辺りに弁解の言葉が出てきたのだった
三人がこんなやり取りをしている内に村上とフブキの対戦準備が整ったらしく、詳しいルール説明が始まる

「さて、今日戦うのは鈴鳴支部所属の村上鋼くんと本部所属で何かと話題の人物である野々村風音ちゃんのお二人！！Ｂ級になったから色んなトリガーが使える様になったから、どんな戦いをするか見物だよね〜。因みにルールは十本勝負、但し五本終えた時点で十分程インターバルを挟んで後半戦に入ります。で、万が一引き分けだったら………どうするの？」
「その場合は"野々村の勝ちにする"と事前の話し合いで決めています。インターバルは本来なら必要ないですが、鋼からの提案でそれを野々村が受諾しましたので交換条件として提示しています」
「わぁ〜〜、勇者だね〜野々村ちゃん。だって彼女だって鋼くんの能力知ってて……でしょ？ま、それを承知の上で承諾したんなら(ﾆﾔﾘ)何か秘策がありそうだね〜。俺も入隊式初日以来まともにあの子が戦っている場面を見た事ないから、楽しみにしています」
「フムフム、成る程ね〜。やっぱり解説者は複数居た方が色んな角度や意見が聞けて良いね〜。実力テストの時はテンポ重視だったのと、情報量が多すぎると観客が理解する前に次の試合に行っちゃうから一人にしていたけどさ〜。……っと、どうやら始まるみたいだね。さぁ事実上の新人王決定戦になるのかな？一体どっちが勝つのか皆も予想しながら見るのも面白いかもね〜」