54.対戦の曲〜黒服同期編〜(119.
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とりあえず此処では何も出来ないので言実のラボに向かう一行。だが、室内の広さ等を考えた結果奥寺と小荒井は此処で別れる事になる。そして慣れた手付きで当真が柚紀をお姫様抱っこをし、鞄は村上が持って移動する事に(因みにフブキも制服姿のである)
「(テクテク)にしても、村上がランク戦以外で本部に来るなんて珍しいな〜。……あれか?荒船先輩に師事貰いに来たのか?」
「(スタスタ)……いや、荒船は今の時間防衛任務中だ。その…………能力の事で少し、……言実さんに相談に乗って貰おうと思ってな」
「(カツカツ)ん?……えっと、確か村上先輩は【一回寝るとそれまでに経験した事を全て覚えれる】的な能力でしたっけ?」
「(スタスタ)まぁそうだな。……どうも、"今までと違う事態"になっているらしくて、そのせいでトラブルになりかけた。で、解決策を模索する為に専門家にアドバイスを貰いに来た訳だ。………ちゃんとアポ済みだから、ラボに居るだろうあの人は」
フブキと村上が先を歩き、後ろを笹森と当真が行く。……既に気を失っていた柚紀をおんぶするのは些か危険であり、"後方からの攻撃"…は大袈裟かも知れないが、無防備な少女に万が一があったら一大事なのだ。故に前方は黒服アタッカー二人におまかせしたのである。笹森はいざと言う時の露払い的な役目だ
そしてラボに到着すると、出迎えた言実が人数と人物、そして当真の腕の中に居る存在を見て流石に驚きの表情を浮かべるが直ぐに元に戻り、中に入る様に促した後に中学生二人にベッドの組み立てを指示。それが出来上がり柚紀をそこに寝かせ、私服……タートルネック部分を少し下げて"あるモノ"を確認する
『(ハァ〜)……やはり"痣"が浮かび上がっていたか。あのトリオン変動からして"もしや"とは思ったが………無茶しおって…』
「痣?……(ヒョコッ)……えっ?…な、何ですかコレ???鎖が首に巻き付いていて、真ん中にあるのは…錠前?………もしかして鶴ヶ峰が私服で学校に来ている理由って、コレを隠す為ですか?」
「ん??……声が出せなきゃ色々不便だし危ないから保健室登校で、制服じゃないのは"罪悪感を減らす"のと"遅刻や早退した際に制服で歩いていたら職質されやすいからそれの防止"って俺はシロから聞いたぜ?ってか"首に痣"???(ヒョコッ)……俺には"見えねぇぜそんなの"」
「えっ!!!?」
何やら柚紀に関しての情報が錯綜しているらしく中学生二人の頭には"?マーク"が浮かび上がっていた。痣を知る当真と、柚紀が今陥っている状態を村上はあまり詳しくは知らないが、慌てず事態を見守る。そして言実は何時も生身で使用する眼鏡とはまた違うモノをフブキに手渡してこう説明する
『一先ずコレを付けてあの子の首筋を見てみろ、説明はそれからだ』
「??……(スチャ)……!………確かに、首に笹森が言った通りのが浮かんでいやがるな。(…スッ)……あ、やっぱりコレ外すと見えない。……つる姐、どうなっていやがるんだ?」
『………今フブキが見た痣は柚紀がサイドエフェクトによって自ら施したモノであり、普段は浮かび上がらぬし"生身の人間"には視認出来ぬ。が、自ら施した暗示を【正規の方法以外で無理に破れば】浮かび上がり、トリオン体であれば視認可能となる。そして眼鏡を付ければ生身でも視認出来る仕様らしい、……私にとっては処置や判別には楽ではあるが些か問題でもある』
「処置??……柚紀が声を取り戻せるかは本人次第なんだろ?他人が手を貸す必要なんかあるのか?ってか生身でソレ見えねぇなら、わざわざ首元を常に気にする必要なくねぇか?少なくとも笹森の発言からして"学校でも首が見えない服"を着ているらしいしさ」
言実の説明内容を聞いて当真が気になった事を口にする。それも"想定内"の内容だったらしく直ぐに答えを示そうとする。が、口で自ら説明する前に村上を近くに呼び柚紀の首筋を見るように指示。……とりあえず見た後に驚きの表情になったのを確認し『やはりお前には"生身でも"見えるみたいだな』と言実が発言したのに中学生二人も驚き、当真はそれで察したのだった
「………サイドエフェクト持ちは生身でもその痣が見えちまう訳か。で、下手すると柚紀には【実際には浮かび上がってなくても見えている】からこの服装な訳か?……いや(ガシガシ)……【鏡やレンズ越しだとそんなの関係なしに痣が見える】。だからか?」
「ん???……当真さん、どう言う事ですか?」
「……痣の位置的にユズは"直接"ソレを見るのは不可能なのは分かるよな?確認するには鏡を使って自分を見るしかない。他人に【見えない】と言われても鏡の自分には確かに写って見えている。ユズの性格的からして簡単に疑心暗鬼になっちまう。……そうなりゃ、ストレスやら精神的負担が測りしれねぇ。だから隠しているんだな?……学校には眼鏡をした生徒や先生も居るし、シロの能力じゃ…………無理か。アイツも能力持ちだから見えちまうし、通常でも眼鏡してっからな〜。で、処置って何をするんだよ?」
痣に関する内容がある程度浸透したのを確認した言実は、ポケットから湿布らしきモノを取り出して痣を隠すかの様に貼ると首元を整える。曰く【接触部分はトリオンを含ませて居るのでこれで痣は消える】らしい。因みに処置が必要な理由として、声を出せなくならない様に自宅では少しだけ話す様にしているのだが、痛みはないせいか柚紀は簡単に無理をしてしまう。やり過ぎると後になって喉に負担が出てしまった事が既に発生していたりするので、【痣が出たら発声は禁止】にしているのであった