6.決断の曲~自分らしくあれ~(71.
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柚紀がクラス委員長を逃がした後、集団に連れられて校舎裏に大人しく連行されていた。かと言って周囲を囲まれているだけで誰かに掴まれたりはしておらず、逃げれなくはないが……この手の事は"下手に反論や抵抗をしても無意味で、逆に状況が悪化する"と経験しているので、とりあえず様子見を決めていた
『(女子が五人で男子が……三人か~。それも"苦手なタイプ"の子ばっかり、ただ…同学年ならそこまで"悪質な事"してこないかな?………大丈夫、…私は……)』
‐ 大人達の陰気で悪質な虐めも経験している。"昔も…最近でも"あった。あれ以上の事でなければ………私が黙って耐えていれば良い ‐
そんな感じで自己暗示を……無意識にサイドエフェクトを発動させていた。実際女子達が柚紀に対して「何さその髪色はっ!?」や「ちょっと可愛いからって生意気」など罵声や暴言を言っているが、彼女の耳には入ってきていなかった。ただ、"自分の事"なら全てシャットダウン出来ていたが
「いい気にならないでよねっ!?佐鳥くんは女子になら誰にだって優しいのよ?アンタが特別なんかじゃない!!」
「時枝くんだって、佐鳥くんが貴女を気に掛けるから同じ様に気にしているだけ!彼は仲間思いだし、たまたま同じクラスだったから関わっているに過ぎないわ!!」
「それを言うなら烏丸くんだってそうよ!!彼って兄弟が多くて家計が大変だからボーダーやりながらバイトもしている働き者なのよ?やっぱり長男だからしっかりしているのかしらね~。忙しい彼が本当ならアンタに関わる時間すら惜しい筈よ?!」
‐ ズキッ……ズキッ… ‐
『っ!??(ギュッ!)』
……そう、自分ではなく"誰かを"話題に出されてしまうと話が違ってくるのだ。柚紀は自分の洞察力や感覚を信じている、…今まで培ってきた経験から検討違いではないと自負している。何せあの言実の事もあるが、"年上相手"にこの技術を用いて渡り歩いてきたのだ。………自分らしくある為に、…生きていく為に
だが、こんな経験は"普通の…平凡な現代人や一般人"の子達がする事は早々ない。だから、言った所で理解されない。…"馬鹿馬鹿しい"や【そんなの有り得ない】、"嘘だ"と否定されるのがオチと痛いほど分かっているのだ
『(彼等については……私はまだ付き合いが浅い。だから"腹の底"から"本音を互いに"言えるだけ仲良くは、ない。…彼女達の言い分だって"もしかしたら"と、……考えていない訳じゃない。なのに………どうして聞き流せないの?今までは"そうかも"で、聞き流せてた。可能性はゼロじゃ、ないもん。………ミトメタクナイ?ナニヲ?ダレノイイブンヲ??)……そんなの、知ってます!!彼らが優しい事も、私が特別で無い事も、…貴女達が言った事全部知ってる!!なら逆に問いますが………貴女達は私の知らない彼らの"意外な一面"を何か一つでも知ってますか?』
意識はしていないが思わず反論、更には挑発的な発言をしてしまう柚紀。一方でまさか相手が反撃してくると思っていなく、たじろぐ女子達だったが「も、勿論よっ!」と返答をすれば、彼らの知っている情報を上げていく。が、……どれも"自分が知っている事ばかり"で思わず溜め息を漏らしてしまう。そんな柚紀の反応を見て「な、何よその態度はっ!!」と問われたので回答をする柚紀。……その表情は言実を思わせるかの様な無表情で、冷たい眼差しを浮かべる。因みに本人は"自覚がない"
『いえ、……佐鳥くん達とは約一ヶ月、烏丸くんに限って言えばたかが数日の付き合いです。そんな私と知っている事が大差ない何て、……貴女達が如何に彼らとの間に認識の溝があるかを感じ取っただけ。……少なくとも、その程度しか彼等を見聞き理解し、信用を得ていない方々に………他人とどう関わるかや、関わっている事を兎や角言われる筋合いなんてないのでは?私は…そう思いますが貴女達は、……嫌ではないのですか?あ、先に言っておきますが最初のうちに既に言ってます【私と無理に関わる必要なんてない、決めるのは貴方自身で】とね(烏丸くんには言ったけど、……彼らには言ってない。でも、私の事情を知って尚且つ関わっているから…大丈夫、……だよね?)』
こんな感じで女子達を論破した柚紀だが、ふと口に出した事が"嵐山隊には当て嵌まらない事"に気づいてしまう。それに対して少し不安を覚える最中、こちらの部が悪いと判断した女子達が男子達に主導権を渡してしまう。そして、気を取られている隙に接近を許してしまった柚紀は反射的に後退し壁際に追い込まれれば、リーダー格の……そこそこ容姿の良い男子に至近距離まで接近され顔横の壁に手を突いた……所謂"壁ドン"をされてしまう
普通ならときめく要素もあるシチュエーションだが、相手がどんな人かも分からないそれもトラウマ持ちな柚紀にとっては恐怖でしかなかった。それでも一人な状況には変わりないので、何とか口を開く。……異性相手では逆に"黙っている方が危険"なのだから
『な、なんですか?貴方は、わ、私に、な、な、ナニか、ご用……ですか?(ガタガタ)』
「おっと、怯える必要はないぜ?俺はただ単純に君と仲良くなりたいだけさ。君はこっちに来てまだ日が浅いんだろ?…良ければ町を案内するぜ?」
「オレら生まれも育ちもこの町だから色んな場所知ってるからさ~、退屈しないと思うよ?話題も沢山あるし、親は遅くなったってガミガミ言ってこないから問題ないし」
「それにボーダーって任務で遅くなる事もあるだろ?……なら"急な任務が入ったから帰りが遅くなる"とか言い訳にすればいいじゃんか?…どうせ、佐鳥や時枝だってもう帰っているだろ??烏丸は学校終って直ぐにバイトに向かったのを見たしよ~、な?」
男子達の話を聞いて柚紀は凄く"嫌な気分"を感じていた。話し方はボーダー隊員にもそれとなく似ている人が居るが、……内容が気に入らなかった。どう考えても【こちらの事情などお構い無し】【親の心子知らず】そして【三門市におけるボーダーの重要性】を全く考えておらず、自分さえ良ければ後はどうでも良いと思っているであろうその考えが……柚紀は"一番嫌い"なのだ。そんな様子の変化を壁ドンしている男子は流石に気づいて、とった行動は……
‐ …………サワッ ‐