53.再確認の曲〜親友の定義とは〜(118.
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柚紀の声が消失してからは言実の知り合いの医師に診てもらい【過度なストレスなどによる「心因性失声性」】と診断を受け、診断書も作製して貰い精神科の医師の診断も合わさり【暫くはまともに授業には出れないが、保健室登校はなるべるさせる】と話し合いにより決定した
一方で、声が出ないと意思疎通が難しいのでは?と不安な意見も出たが、言実が与えたタブレット端末を改造して【柚紀の発するトリオンを読み取り、気持ちや伝えたい内容を文字で表示する】案が取られた。因みにこれはボーダー隊員を始めとした"柚紀の能力を知る者の前でのみ"行われ、一般人が居る場所ではタブレットやメモ帳による筆談を用いるのであった。これで意思疎通は可能だが、次に危惧されたのは【話せる様になっても"今までと同じ声"で話せるか】だった。そもそも声を失った理由が【自分の声が相手には分かって貰えなかった事】であり、"自分と認識されない"のを恐れてしまったからだ。少し専門的な事になるが、自分の声を認識する仕組みは【口から放たれた音を耳で聞き取る"気導声音"】と【発声による声道が振動し、これが骨を通じて聴覚機関を音の振動を与える"骨導声音"】の二通りあり、柚紀も自身が感じる"生の声と録音による声"が何故違うかは理解していた。そしてサイドエフェクトの能力を用いれば"別人の声"を出せてしまうのだ。が、それは常に能力を使い続けるのを意味し、これでは柚紀の身が危険な状態となる可能性を秘めている。それを阻止する為に、そして"自分の声を柚紀が忘れない為に"シロと菊地原が協力する事に。だが、実際にはどうやっているかと言うと………
〜昼休み時間・保健室にて〜
「……はい、今日の"耳学習"はこれまで!因みにコレって、かなり昔の名曲何だけど…………ユズちゃん、気に入ってくれた?」
【うん!!良い曲だったよ!?……でもごめんねシロちゃん、わざわざ"音源弄って私が自分の声と認識している生体音"に加工するひと手間掛けさせちゃってさ。……申し訳ないよ(´・ω・`)】
「もう!!それは言わない約束でしょ!!?それに謝るよりお礼が良いし、私だけじゃなくて菊地原くんのお陰で再現出来ているんだしさ。……私も能力でユズちゃんの感情等を読み取った際に、"普段聞いていたのと心の声の声帯"がごっちゃになってさ、自信なかったけど……(クスッ)流石"音の専門家"だけあって頼りになるよね〜」
【……だね〜( •͈ᴗ•͈)】
方法は柚紀が知らない曲を用いり、歌手の声を柚紀のに置き換えたのをほぼ毎日聞かせるのである。シロが用事等で柚紀に会えない時はストックしているのを使用したり、トリオン体に換装して"声を忘れない努力"をしているのだ。因みにタブレットに顔文字が表示されているのは、感情を表す為である。……顔を見れば分かるが、この少女は感情すら押し殺す癖が未だに健在なので言実が搭載させたのだった。さて、こんな女子二人を暖かく見守る人物が居た。それは……
「うんうん、女の子は笑顔が一番よね〜。此処に来る子って怪我したり具合の悪くなった子でしょ?まぁ、保健室だから当たり前だけどね。………辛そうだったり暗い表情が明るくなったのを見ると"この仕事やってて良かったわ〜"って実感するのよね〜」
「ん〜……先生の人柄、じゃないですか?先生が赴任してくる前の保健室の先生を、……私は好きにはなれなかった。だから不登校になった時、何とか復学しても保健室には行けなくて、教室に行くのも怖くて、中々克服出来なかった。出来たのはフウちゃんやカウンセリングに来てくれたお婆ちゃん先生のお陰で、……怖くなくなったのだって二年生になって担任の先生が変わったのと、……先生が赴任してきてくれたからだもん」
【それにしても驚きました。"三人の先生が皆血の繋がりのある家族"だなんて(((;ꏿ_ꏿ;)))……でも皆さん"苗字が違う"のは何故ですか?(・・?】
「……あら?"言実ちゃん"から聞いてないの?じゃあ簡単に解説してあげるからメモ帳貸して」
と、何かとお世話になっている保健室の先生と楽しく話しているのであった。そして色々不安定な柚紀が居候している家主と担任の先生とも何やら繋がりがあるご様子。それを簡潔に答える為にメモ帳に家系図を書いていく
「先ず、お婆ちゃんには貴女達の担任であり私の母である人を含めて【兄弟姉妹が四人居た】けど、(…ピッ)一人は音信不通で、一人は……ネイバーによる災害で命を落としたわ。残りの伯父はド田舎で好きに生きている感じね。で、あの人の子どもは私と、上に姉が居るけどアッチはエリートでさ〜、既婚で海外でバリバリ働いているよ!で、……母は今の父親とは"バツイチ同士の再婚"。私が使っているのか苗字は"私の本当のお父さんの苗字"で、母が使っているのは再婚相手のモノ。専門的な事やら法律が絡むから説明は省くけど順当な手続きをしたから苗字を変えずに済む訳。だから姉と血の繋がりはナシ!!……でもソコソコ仲は良好だよ?因みにお婆ちゃんの教え子であり柚紀ちゃんのお父さんである静樹さんとは面識あるし、言実ちゃんは小さい頃に両親を亡くしてお婆ちゃん夫婦に預けられて育った関係上、血の繋がりのない妹的な関係かな?……いゃあ〜、夏休みでお婆ちゃんの家で母と共にのんびりしていたらタイミング良く訪ねて来てさ、会えたと思ったら、いきなり【私の姪にしてあの人の娘を貴女達が居る学校に通わせるので宜しく頼む】よ?そりゃあ吃驚するわよ!!そこそこ付き合いがあったのに結婚やら出産の話すら聞いていなかったもの!!?」
元気に話す保健室の先生の内容を聞いて"佐鳥達やシロ達が居なくても、自分はこの学校に転校してきた可能性"を思わず考えてしまう柚紀。それがタブレットに反映されているのに気づき、「でも、母と私をこの学校に一緒に赴任させたのは市河さんの為に"あの二人が裏で動いたから"らしいわよ?……ま、真相は定かではないけどね」と後付をした後に一度退室していく。二人っきりになり、未だに落ち込んでいる柚紀の頭を撫でるシロ。因みに腕にも抑制アイテム装備しているので、コチラから触っても平気らしい