52.決断の曲(117.
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言いたい事だけ言って去ろうとしたシロ。たが、訓練室を出ようとした瞬間にいきなり体が崩れ落ちそうになる。近くに居た東、佐鳥、更に笹森が反射的に抱き止めようとするがシロの能力内容を思い出して躊躇する。そして換装が強制解除された生身が床に倒れ込みそうになるその時
- キイィーン……ガバッ! -
「っと!……何時もは飛ばす側だが、飛ばされるのは未経験だったから変な感じだぜ全く。それは兎も角……おーい市河ちゃ〜ん(ペチペチ)、柚紀ちゃんの為に頑張るのは良いが程々にしろよな〜。……駄目だ、気を失っていやがるやこりゃ(ブォン……パサッ)ってか、トリオン体でも例の上着やら髪留めをちゃんと活用しないと駄目だろ?寧ろトリオン体だからこそ必要な気がするけどな?」
「!?冬島さんっ?何故、貴方がワープしてくるのですか?」
「ん?……弟子バカな陽菜ちゃんに無理矢理飛ばされた。この子に触れても大丈夫な【お助けアイテム】持ちで動けるのは俺しか居なかったからな。(スクッ)これでまだ柚紀ちゃんが居れば話が変わったんだが、………ま、文句は言わねぇさ。(……チラッ)あの子は今、辛い状況の中"自分にしか出来ない事"を自分の気持ちを押し殺してまでやろうとしているし、この子だって基地内で今まであんまり出歩かない理由はこの能力による"自滅防止"だ。柚紀ちゃんのお陰で市河ちゃんは色々前向きになって、やりたい事が出来るようになった…"世界が広がったんだ"。だからその恩に報いる為にリスクを承知で彼女も動いている。………市河ちゃんは意図的に隠しているが、柚紀ちゃんは"無意識の内に"、本人が知らない所で他人を救っている。本当に言実ちゃんもだけど……不思議な子達だよ。これは鶴ヶ峰の遺伝なのか?」
まさかの冬島が現れ、嵐山ですら何も言えずに居る中何とか東が会話を成立させている。……笹森と木虎は不明だが、堤や小佐野は麻雀関連で佐鳥達は年下でもそこそこ交流がある。だが冬島が"明らかに怒っている"と感じて口を出せないのだ。………大人の凄味と言うべきか、あの言実ですら勝てない相手なのだから当たり前かもしれないが
そんな微妙な空気を変えたのは
〜 悲しみに濡れた月が静かに
大地を赤く赤く染めて消える 〜
「「「!!?」」」
「この歌声は、……まさかっ!?」
「鶴ヶ峰、先輩っ?!!」
「……(ギュッ!!)………何で、歌えるのさ?何で、聞こえるの?いや、……トリオン体になれば歌えはするだろうけど、【この歌は佐鳥達に聞かせる為に歌っていない】。聞かせたい人にだけ、トリオン体で歌姫を使用した際はそうなる仕組みの筈!なのに、何故っ!!(……シュゥ〜)(……なら、太刀川さん達と一緒の時、何でオレには聞こえた?諏訪隊と荒船隊の時は"ナニを歌うか"知っていたから、だろうけど……あの時のは当てはまらないよな?)」
声を失った筈の柚紀の歌声が聞こえてきたのだった。これには諏訪隊メンバーは驚きを顕にし東と嵐山も複雑な表情を浮かべる。そして時枝・木虎が発言した後に佐鳥が、自問自答をする。……痛覚アリで痛みを感じるが強く拳を握り締め、爪が皮膚に食い込みトリオンが漏れ始めるがお構いなく。それに気づいた奥寺と小荒井が慌てて止め、東が諌める意味合いで佐鳥の頭を撫でてやる。そして冬島を些か睨みつける様な感じに目元がキツくなり、それを受けた冬島が重たく溜め息を漏らせば、出ていこうと他のメンバーに背を向けていたが振り返り…………主に嵐山を見ながらこう口にした
「確かにトリオン体を柚紀ちゃんに使わせる理由は身を守る以外にも【敵及び周囲にに与える影響の軽減目的や、特定の相手にのみ能力付与させる為】もある。たが、……あの子が揺らげばトリオン体に施されたソレすら簡単に凌駕しちまう。結局は"自分で全て制御やら操作をするしかねぇ"んだが、柚紀ちゃんはうんな複数の事を一気にこなせる程器用じゃねぇって訳だ。…………あまり柚紀ちゃんに対して【勝手な幻想やら理想、自分の考え】を押し付けるなよ?あの子は…いやこの子達はサイドエフェクトはあるが"タダの自己犠牲感の強いお人好しな普通の女の子達"でしかねぇ。………そうだろ?嵐山(…キイィーン)」
「!?(…………言い逃げされた感じかしますが、市河ちゃんが能力によるオーバーホールを起こして倒れたのなら、本来は早急に対処しなければ危険な状況下。でも留まって語られたのは)……そう、サイドエフェクトが強大なチカラ過ぎてそちらに目が行きがちだが、アレは"その人の一部にして個性でしかない"。………賢、充。彼女の"本質"を見誤るな。柚紀ちゃんに対してどう思うかや接するかは自由だ、が………それで本人や他人に迷惑を…傷つけたら駄目だ。【全てを受け入れ、円滑に物事を行うにはどうするべきか】、それを考え各々の答えを導き出せ。……木虎に関しては、とりあえず"強くなれ"か?広報の仕事はさほど苦戦していないみたいだが、戦闘に関する実力や判断力はやはりまだまだ未熟だ。厳しい事を言うがそれでは【ずっと柚紀ちゃんの負担になるばかりだ】と俺は思う。……関係ない、何て思うなよ?【あの子の能力や精神が安定するまで見守り、時には手を貸し、時には駄目だと諭させる】………それが、彼女と知り合った者全員に課せられた"言実さんからの命令……任務"と受け入れろ。(……チラッ)すみません、言実さんに呼ばれたので俺は行きます。ので、こちらはお願いします」
冬島は"二人に対しての事を全員"に言ったが、嵐山は"柚紀に対してのみ……主に部下達に言い聞かせる様に"話したのだった。別にシロや此処に居合わせている笹森達を蔑ろにするつもりはないが、………【迅が口にしたターニングポイントまでに認識を改めたり覚悟を決めさせるべき】と、判断したのだ。木虎はそれまで間に合わないかも知れないが、少なくとも二人には……そんな事を考えていると、言実から個人通信が入り堤と東にこの場を任せる形で嵐山は訓練室を後にしたのだった
- キイィーン……ガバッ! -
「っと!……何時もは飛ばす側だが、飛ばされるのは未経験だったから変な感じだぜ全く。それは兎も角……おーい市河ちゃ〜ん(ペチペチ)、柚紀ちゃんの為に頑張るのは良いが程々にしろよな〜。……駄目だ、気を失っていやがるやこりゃ(ブォン……パサッ)ってか、トリオン体でも例の上着やら髪留めをちゃんと活用しないと駄目だろ?寧ろトリオン体だからこそ必要な気がするけどな?」
「!?冬島さんっ?何故、貴方がワープしてくるのですか?」
「ん?……弟子バカな陽菜ちゃんに無理矢理飛ばされた。この子に触れても大丈夫な【お助けアイテム】持ちで動けるのは俺しか居なかったからな。(スクッ)これでまだ柚紀ちゃんが居れば話が変わったんだが、………ま、文句は言わねぇさ。(……チラッ)あの子は今、辛い状況の中"自分にしか出来ない事"を自分の気持ちを押し殺してまでやろうとしているし、この子だって基地内で今まであんまり出歩かない理由はこの能力による"自滅防止"だ。柚紀ちゃんのお陰で市河ちゃんは色々前向きになって、やりたい事が出来るようになった…"世界が広がったんだ"。だからその恩に報いる為にリスクを承知で彼女も動いている。………市河ちゃんは意図的に隠しているが、柚紀ちゃんは"無意識の内に"、本人が知らない所で他人を救っている。本当に言実ちゃんもだけど……不思議な子達だよ。これは鶴ヶ峰の遺伝なのか?」
まさかの冬島が現れ、嵐山ですら何も言えずに居る中何とか東が会話を成立させている。……笹森と木虎は不明だが、堤や小佐野は麻雀関連で佐鳥達は年下でもそこそこ交流がある。だが冬島が"明らかに怒っている"と感じて口を出せないのだ。………大人の凄味と言うべきか、あの言実ですら勝てない相手なのだから当たり前かもしれないが
そんな微妙な空気を変えたのは
〜 悲しみに濡れた月が静かに
大地を赤く赤く染めて消える 〜
「「「!!?」」」
「この歌声は、……まさかっ!?」
「鶴ヶ峰、先輩っ?!!」
「……(ギュッ!!)………何で、歌えるのさ?何で、聞こえるの?いや、……トリオン体になれば歌えはするだろうけど、【この歌は佐鳥達に聞かせる為に歌っていない】。聞かせたい人にだけ、トリオン体で歌姫を使用した際はそうなる仕組みの筈!なのに、何故っ!!(……シュゥ〜)(……なら、太刀川さん達と一緒の時、何でオレには聞こえた?諏訪隊と荒船隊の時は"ナニを歌うか"知っていたから、だろうけど……あの時のは当てはまらないよな?)」
声を失った筈の柚紀の歌声が聞こえてきたのだった。これには諏訪隊メンバーは驚きを顕にし東と嵐山も複雑な表情を浮かべる。そして時枝・木虎が発言した後に佐鳥が、自問自答をする。……痛覚アリで痛みを感じるが強く拳を握り締め、爪が皮膚に食い込みトリオンが漏れ始めるがお構いなく。それに気づいた奥寺と小荒井が慌てて止め、東が諌める意味合いで佐鳥の頭を撫でてやる。そして冬島を些か睨みつける様な感じに目元がキツくなり、それを受けた冬島が重たく溜め息を漏らせば、出ていこうと他のメンバーに背を向けていたが振り返り…………主に嵐山を見ながらこう口にした
「確かにトリオン体を柚紀ちゃんに使わせる理由は身を守る以外にも【敵及び周囲にに与える影響の軽減目的や、特定の相手にのみ能力付与させる為】もある。たが、……あの子が揺らげばトリオン体に施されたソレすら簡単に凌駕しちまう。結局は"自分で全て制御やら操作をするしかねぇ"んだが、柚紀ちゃんはうんな複数の事を一気にこなせる程器用じゃねぇって訳だ。…………あまり柚紀ちゃんに対して【勝手な幻想やら理想、自分の考え】を押し付けるなよ?あの子は…いやこの子達はサイドエフェクトはあるが"タダの自己犠牲感の強いお人好しな普通の女の子達"でしかねぇ。………そうだろ?嵐山(…キイィーン)」
「!?(…………言い逃げされた感じかしますが、市河ちゃんが能力によるオーバーホールを起こして倒れたのなら、本来は早急に対処しなければ危険な状況下。でも留まって語られたのは)……そう、サイドエフェクトが強大なチカラ過ぎてそちらに目が行きがちだが、アレは"その人の一部にして個性でしかない"。………賢、充。彼女の"本質"を見誤るな。柚紀ちゃんに対してどう思うかや接するかは自由だ、が………それで本人や他人に迷惑を…傷つけたら駄目だ。【全てを受け入れ、円滑に物事を行うにはどうするべきか】、それを考え各々の答えを導き出せ。……木虎に関しては、とりあえず"強くなれ"か?広報の仕事はさほど苦戦していないみたいだが、戦闘に関する実力や判断力はやはりまだまだ未熟だ。厳しい事を言うがそれでは【ずっと柚紀ちゃんの負担になるばかりだ】と俺は思う。……関係ない、何て思うなよ?【あの子の能力や精神が安定するまで見守り、時には手を貸し、時には駄目だと諭させる】………それが、彼女と知り合った者全員に課せられた"言実さんからの命令……任務"と受け入れろ。(……チラッ)すみません、言実さんに呼ばれたので俺は行きます。ので、こちらはお願いします」
冬島は"二人に対しての事を全員"に言ったが、嵐山は"柚紀に対してのみ……主に部下達に言い聞かせる様に"話したのだった。別にシロや此処に居合わせている笹森達を蔑ろにするつもりはないが、………【迅が口にしたターニングポイントまでに認識を改めたり覚悟を決めさせるべき】と、判断したのだ。木虎はそれまで間に合わないかも知れないが、少なくとも二人には……そんな事を考えていると、言実から個人通信が入り堤と東にこの場を任せる形で嵐山は訓練室を後にしたのだった