51.消失の曲〜無くして気づく大切さ〜(116.
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
再び放たれたトリオン粒子の光に、全員が目を晦ませてしまう。そして光が収まり柚紀の呼吸の乱れと髪色が元に戻っていた。だが、首筋…喉元に触れていた手が退かれて露わになった"ソレ"を見て………嵐山と風間は察してしまったのだった
「(首筋に浮かぶ"四本の…鎖に南京錠"の入墨の様な模様、そして"鎖が黒みがかった赤"で"錠前は髪色と同じ黒みがかった緑"………つまり)」
「(やはり、君を追い込んでしまったのは……)……柚紀ちゃん、俺が分かるか?」
『(……嵐山、さん?って………あれ?)(パクパク)……!…!!……!…………ぁ…(ヒュー、ヒュー)(こ、声が……で、出ないっ!)』
「っ!!……(ナデ)落ち着け鶴ヶ峰、無理に話そうとするな。最近何かと歌を多用したせいで喉を痛てしまったのかも知れない。…大丈夫だから焦らずゆっくり呼吸しろ」
『(………コクン、…スゥーハァー、スゥーハァー)』
トリオン汚染時に発生した発疹とは異なる色と模様、そして柚紀が声を出せなくなった事から【これが消えなければ声が戻らず"改善の鍵"は赤い鎖が指し示す人物と柚紀本人】と隊長二人は理解したのだった。そして声の損失により軽い錯乱状態に陥る柚紀を風間が落ち着かせていると❲嵐山さん、迅さんからの通信です❳と綾辻から連絡が入り、少しだけ二人から距離を取ってから繋いでもらい、対話を試みる
❲嵐山っ!!柚紀ちゃんはっ??!❳
「……………済まない、出会えはしたが、……間に合わず、………………彼女の、声、が……」
❲……そうか。……………更に酷な事をお前に、彼女に言わないといけない。………訓練室では"彼女のトリオンを補給は出来ても漏れ出すのを防止できなくて"、敵が強化されてしまった以上…………彼女の能力が必要だ。だから、悪いが彼女を連れて屋上に来てくれないか?太刀川さん達や小南達でもかなり苦戦してて、俺が加勢してもあまり状況が変わらなそうでさ、……生身で声出せなくてもトリオン体なら大丈夫だから❳
「………(チラッ)連れていきたいのは山々だが、……俺は隊長としての責務を果たす必要がある。部下を…………三人を置いては行けない」
❲…………………………わかった、なら京介に頼んでくれ。風間さんは"年上であり柚紀ちゃんの兄的存在"としての責務を全うしたいだろうから、運搬役は任せられない。徒歩じゃ間に合わないからこっちに陽菜さんに転送してもらう、急いでくれ❳
迅からの通信内容を聞いて、本音は【これ以上柚紀に無理をさせたくない】嵐山だが本人も言実も【自分で犯した過ちは自ら正す】考えを持っているのを知っており、このままでは市民に被害が出てしまうとも理解しているので、了承する。だが、木虎を抜かした部下二人には"隊長として"言わないといけない事があるので、運搬役を拒否。これに対して代理候補を直ぐに迅が指示し、それを聞いて烏丸を呼び寄せると「迅の指示だ」と先に言った後に、内容を手短に話せば風間から柚紀を受け取った瞬間には二人して姿が消えたのであった
嵐山の表情や風間の言葉で柚紀の声が失ってしまったのを察して呆然としてしまっていた佐鳥と時枝を我に返らせたのは
- ガツン!! -
- パシィーーン! -
「くっ!?イッタイなぁ〜!!いきなり何するんだよっ!!?笹森っ!!!?」
「…………菊地、原?」
「……頭に来たから殴っただけだよ?何しているのさ佐鳥、何で……何でアイツはお前ばっかり頼るんだよっ!!"あの時だって"お前より俺の方が近くに居た!なのに、鶴ヶ峰が頼るのは何時だってお前の方だ!!?頼られている自覚あるだろ?なら期待に答え続けろ!?それが無理なら親切なんか……"特別扱い"するなっ!!?中途半端な優しさが一番彼女を傷つけるって理解しろ!!!」
「……(ハァ〜)前もって(スッ)コレ 付けておいて正解だったよ。別に"鶴ヶ峰の声しか"聞こえない訳じゃないからね。で、…………時枝だってさ、【歌に関する噂】は知っていたでしょ?何で何も対処してなかったのさ?彼女が知らないから要らないって思ってた?……そんなわけ無いでしょう?歌は鶴ヶ峰にとってかけがえのないモノだ、遅かれ早かれ絶対に耳に入る事。………彼女がボーダーに出入りする限りは、ね。で、"それが事実でも"きちんと言えば良かったんだよ【例え他人に別人の声に聞こえていても君が歌っている事には変わりない、元々"自分の為に"歌っていたのだから他人の反応を気にする必要なんてない】ってね。ま、……"自分の声を、歌を聞いて欲しい"って願ってしまう相手が出来ちゃったから、あんな事を思ってしまった。全く、まだまだ色々とコントロールが未熟なんだから鶴ヶ峰は。………で、(ギロッ)どう責任取るつもりなのさ、"親鳥の二人"は?このまま彼女の声が戻らなければ確実に………………居なくなるよ?この街から、"二人とも"ね」
「「……………」」
遅れてやってきた笹森と菊地原に物理的な刺激を貰い、更に互いが思う事を口にする。これに対して二人は何も反論が出来なかった。……柚紀にとって自分達がどんな存在か、……歌がどんなものか、本人からちゃんと聞いていないが大切なモノなのは二人だって理解は出来ていた……"つもりだった"。そんな彼女が"それに関連する事柄"を気にしない訳がない。【……好きだからこそ、相手に理解して欲しいと、自分を見ていて欲しいと願う気持ち】は自分達だって抱いている。ならばあの少女も"口にはしていないだけで"同じ願いを抱く可能性がある、……それを二人は見逃していた。その失態が大切な少女をあそこまで追い込んでしまい、声を奪ってしまった。そう思わずにはいられないのだった
「(首筋に浮かぶ"四本の…鎖に南京錠"の入墨の様な模様、そして"鎖が黒みがかった赤"で"錠前は髪色と同じ黒みがかった緑"………つまり)」
「(やはり、君を追い込んでしまったのは……)……柚紀ちゃん、俺が分かるか?」
『(……嵐山、さん?って………あれ?)(パクパク)……!…!!……!…………ぁ…(ヒュー、ヒュー)(こ、声が……で、出ないっ!)』
「っ!!……(ナデ)落ち着け鶴ヶ峰、無理に話そうとするな。最近何かと歌を多用したせいで喉を痛てしまったのかも知れない。…大丈夫だから焦らずゆっくり呼吸しろ」
『(………コクン、…スゥーハァー、スゥーハァー)』
トリオン汚染時に発生した発疹とは異なる色と模様、そして柚紀が声を出せなくなった事から【これが消えなければ声が戻らず"改善の鍵"は赤い鎖が指し示す人物と柚紀本人】と隊長二人は理解したのだった。そして声の損失により軽い錯乱状態に陥る柚紀を風間が落ち着かせていると❲嵐山さん、迅さんからの通信です❳と綾辻から連絡が入り、少しだけ二人から距離を取ってから繋いでもらい、対話を試みる
❲嵐山っ!!柚紀ちゃんはっ??!❳
「……………済まない、出会えはしたが、……間に合わず、………………彼女の、声、が……」
❲……そうか。……………更に酷な事をお前に、彼女に言わないといけない。………訓練室では"彼女のトリオンを補給は出来ても漏れ出すのを防止できなくて"、敵が強化されてしまった以上…………彼女の能力が必要だ。だから、悪いが彼女を連れて屋上に来てくれないか?太刀川さん達や小南達でもかなり苦戦してて、俺が加勢してもあまり状況が変わらなそうでさ、……生身で声出せなくてもトリオン体なら大丈夫だから❳
「………(チラッ)連れていきたいのは山々だが、……俺は隊長としての責務を果たす必要がある。部下を…………三人を置いては行けない」
❲…………………………わかった、なら京介に頼んでくれ。風間さんは"年上であり柚紀ちゃんの兄的存在"としての責務を全うしたいだろうから、運搬役は任せられない。徒歩じゃ間に合わないからこっちに陽菜さんに転送してもらう、急いでくれ❳
迅からの通信内容を聞いて、本音は【これ以上柚紀に無理をさせたくない】嵐山だが本人も言実も【自分で犯した過ちは自ら正す】考えを持っているのを知っており、このままでは市民に被害が出てしまうとも理解しているので、了承する。だが、木虎を抜かした部下二人には"隊長として"言わないといけない事があるので、運搬役を拒否。これに対して代理候補を直ぐに迅が指示し、それを聞いて烏丸を呼び寄せると「迅の指示だ」と先に言った後に、内容を手短に話せば風間から柚紀を受け取った瞬間には二人して姿が消えたのであった
嵐山の表情や風間の言葉で柚紀の声が失ってしまったのを察して呆然としてしまっていた佐鳥と時枝を我に返らせたのは
- ガツン!! -
- パシィーーン! -
「くっ!?イッタイなぁ〜!!いきなり何するんだよっ!!?笹森っ!!!?」
「…………菊地、原?」
「……頭に来たから殴っただけだよ?何しているのさ佐鳥、何で……何でアイツはお前ばっかり頼るんだよっ!!"あの時だって"お前より俺の方が近くに居た!なのに、鶴ヶ峰が頼るのは何時だってお前の方だ!!?頼られている自覚あるだろ?なら期待に答え続けろ!?それが無理なら親切なんか……"特別扱い"するなっ!!?中途半端な優しさが一番彼女を傷つけるって理解しろ!!!」
「……(ハァ〜)前もって(スッ)
「「……………」」
遅れてやってきた笹森と菊地原に物理的な刺激を貰い、更に互いが思う事を口にする。これに対して二人は何も反論が出来なかった。……柚紀にとって自分達がどんな存在か、……歌がどんなものか、本人からちゃんと聞いていないが大切なモノなのは二人だって理解は出来ていた……"つもりだった"。そんな彼女が"それに関連する事柄"を気にしない訳がない。【……好きだからこそ、相手に理解して欲しいと、自分を見ていて欲しいと願う気持ち】は自分達だって抱いている。ならばあの少女も"口にはしていないだけで"同じ願いを抱く可能性がある、……それを二人は見逃していた。その失態が大切な少女をあそこまで追い込んでしまい、声を奪ってしまった。そう思わずにはいられないのだった