51.消失の曲〜無くして気づく大切さ〜(116.
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「柚紀が、………消えた?……まさかつる姐、俺を飛ばした様にそっちに転送したのかっ?!」
《いや、お前を移動させたのはヒナによる"スイッチボックス"によるモノだ。だがあの子は……(カタカタ…)サイドエフェクトによるモノ、だ。あの子は【生身でも補助系トリガーなら"どんな性能か分かれば"使える】故にな》
「……マジかよ、迅の予知もアレだが柚紀のもほぼチート能力だよな本当にさ(だが、アイツの能力は"諸刃の剣"感が半端ねぇがな)「おいっ!?何の騒ぎだっ!!?」……あ、三輪隊が来た。そう言えば最近暇さえあれば彼奴、基地内を見回りしているらしいな。ま、三輪らしいとも言えるか?」
《…………遠征任務でお前達が不在となれば、三輪隊が"城戸一派代表のA級チーム"だからな。別に他の隊も居るが、あまり城戸さんに忠実とも言えぬのが事実。……太刀川は口出しせず見守っていろ、ただし"道を外しそうになれば"介入を許可する。結局、コレもあの子に関係する事案………東や他の連中と協力して私の代わりに場を納める手助けを"先輩"としてフォローしろ》
基地内の空気が……雰囲気が悪いのは流石の上層部も気づいてはいた。が、遠征任務が控えている今、そのメンバーの負担を減らす為に"追加任務"を控えているのだ。………これにより柚紀は【ほぼ毎日ナニかしらの理由で歌っている】のを言実は少し懸念していた。トリオン量的な理由もあるが、他にも色々。…勿論無理強いはしていない、だが最近の姪の様子が時折可笑しかったり"寒くなってきた"のも不安要素なのだ。一先ずラウンジは太刀川達に任せて自分は【姪のリモート】をする事にしたのであった
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〜ボーダー内・とある廊下〜
「(ルンルン)木虎に手合わせで勝てたから、柚紀ちゃんに頼んでナニか歌ってもぉ〜らおう!(ウキウキ)」
「………勝てたと言っても、トータルですと佐鳥先輩殆ど負けていますよね?(ハァ〜)…数回勝てただけで鶴ヶ峰先輩に歌を所望するのは、流石にどうかと思いますよ?」
「え〜!!?良いじゃんか別にさ!?佐鳥は柚紀ちゃんの歌聞きたいもん!"一番は迅さん"だろうけど、オレだって彼女の歌ファンだからね〜!……木虎だって聞きたいかそうじゃないかって言ったら、やっぱり聞きたいだろ?」
「っ!!?……(プイッ)そ、そりゃあ視聴、したいですよ?私はあまり音楽に興味はありませんが…………良し悪しは理解できます。ですが、あの歌は……歌声は"特別"です。だから無闇にお願いするべきではない、そんな考えも私は抱いています」
ラウンジに向かって先頭を歩く上機嫌な佐鳥と、その少し後方をコチラも最初は心なしか楽しそうにしている木虎だったが、会話をするにつれて複雑な表情を浮かべる。それを一瞥した後に「真面目だな〜木虎は。もう少し気楽に物事を考えたらどう?」と先輩なりにアドバイスをする佐鳥。そんな前方二人を気にしつつ時枝と烏丸は"次のスケジュール"を確認していた、……その時
- パアァァーー -
「「「!!!」」」
「えっ?!こ、この光……トリオンのっ……ま、眩し…(- パッ!…ダキッ!!………ギュッ! -)…へっ?!?わわっ!!(ドテン!!)イテテ、一体何が……って、…柚紀ちゃんっ!?何でいきなり光の中から君が…『(ヒック、ヒック)』…!!……もしかして、泣いているの?」
「えっ?!センパ…「(クイッ!)待て木虎、……今の鶴ヶ峰に近付くのは良くない。恐らく俺達が居るのに彼女は気づいていないし、…泣き顔を他人にそれも年下のお前に見られるのを本人もだが佐鳥は良しとしない。常に冷静で居る事を心掛けろ、日常でも意識すれば戦闘時にも動揺する事も減る筈だ」か、烏丸先輩っ!!?………わ、分かり、ました(ドキドキ)」
いきなりトリオン粒子の色をした光が佐鳥の前方に現れたのだ。それに全員が驚いている間に、佐鳥に柚紀が飛びついたのだ。いきなり過ぎて尻餅を付くが、きっちり少女を受け止める佐鳥が"鮮やかな緑色の髪色"から正体を見抜く。が、何故いきなり…と問い掛ける途中ですすり泣く音に気づき、更に胸元に顔を埋めたまま小声で自分の名を連呼する柚紀を見て、先ずは落ち着かせる事にする。状況について行けず困惑する木虎を、師として諌めアドバイスする烏丸。いきなり至近距離に彼が居て驚いてしまうが、今し方アドバイスを受けた事を即座に実行するのであった。その間、時枝は携帯を操作して事情を知っていそうな奥寺に連絡を取っていた。………佐鳥に泣きながら縋っている柚紀の姿を見ないようにしながら