50.幻想の曲〜私の声は聞こえてますか?〜(115.
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東の課題を何とかクリアした柚紀。すると「次は小荒井達が先頭だ。此処から"二番目"に近い入り口に俺達を導いてくれ。但し、【グラスホッパーを使えるのは鶴ヶ峰のみ】とし、地上に降りたら……俺特製の難問プリントを連帯責任で三人とも受けてもらう」とまさかの追加ミッションが来たのであった。これには柚紀は最初から無理と発言したが、小荒井達「鶴ヶ峰のサポートありならクリアは楽勝!!」と楽観的でありヤル気もあり結局は押し切られる形で承諾したのであった。そして、やはりと言うべきか最初はミッションに失敗してしまう。これに対して「なら何か駄目だったかを各自で討論し、対策をして再チャレンジするか?俺はこれで終わりでも構わないが……」と"悪魔の囁きに似た救済処置"が提示されて弟子二人は即座にそれを受け入れ、柚紀は"東の意図"を掴んだ上で………訓練に付き合う事にしたのであった
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そしてそれを何回か繰り返し、役割が変わったりして随分と時間が経過した時に❲お前等何処で道草食っていやがる!?何で俺達が先に待ち合わせ場所に着いているんだよ?!!❳と、諏訪からのお叱り通信が入り訓練はこれにて終了となり秘密経路から地下道に入る四人であった。前を歩く小荒井達がグラスホッパーの使い方やら連携の話をしているのを、換装を解き東の隣を歩いている柚紀が楽しそうに見守っている姿を見て"これなら…"と、改めてあの話題を降る。すると一瞬だけ表情が暗くなるが、決心したらしく"ある言葉"を口にする。それは
『……"一を重んじて全を蔑ろにするか、全を重んじる為に一を押し殺すか"』
「「(ピタッ)……ん???(クルッ)」」
「…!……これはまた難しい問だな。だが、それの元は【一は全、全は一】若しくは【個にして全、全にして個】であり、……そんな物騒な物言いではない筈だが?」
『そう、ですね。少し大袈裟な言い方なのは認めます。でも……私にはとても大切な事だから、………少しでも分かって貰いたくて、この様な言い方をしました。…………私は、此処に来るまでは"親しい他人"が居なかった。作りたかったけど、色んな理由があって作れなかったし、出来ても長続きはしなかった。でも、…………この街に来てから沢山の人と仲良くなれた。笑ったり泣いたり怒ったり、色々体験出来たのが私は嬉しかった。でも、………………最近"大切なモノを作り過ぎてしまった"と感じるんです。一番最近だと、堤さんが洗脳被害に遭って茜ちゃんが危険な目に遭ったあの時、私は堤さんを討つのを選択しました。あれが間違えだとは今も思っていませんが、……本来とは異なる手段を用いた為に彼女を怖がらせてしまった。助けた相手に拒絶されるのは、(ギュッ!)…少し、堪えますね』
「(ナデナデ)……だが、俺が君にした問は【何故英語を使った曲を歌うようになったのか】だ。……それと何か関係があるのか?」
さほど大きな声で言った訳ではないが、柚紀の声が聞こえて前を行く二人が足を止めて後ろを振り返る。予想外な解答に少し戸惑いを覚える東だが、とりあえず説明を求める。そして"前置き"的な事を話す内に表情がどんどん暗くなっていき前に居た二人も側によって来る。それに気づいた柚紀は何とか呼吸と気持ちを整えて『……歩きながら話そっか、諏訪さんを待たせているし』と歩みを促した後にこう答えた
『……知っている曲でも英語版なら間違えても、誰にも分からないかなって。…………あのお店に来るボーダーの人にね、頼まれたの。【夏休みに聞いたあの歌を歌ってほしい、あれを聞けば気持ちが楽になる気がする】って。とりあえず頑張って歌ったのは良いけど、……緊張しちゃって歌詞、間違えたの。その人とは一応顔見知りで丸っきり知らない人じゃなかったけど、その人の前で歌うのは初めてで……かなりの重症者で辛そうだったから。で、その人は満足したんだけど………"付き添いの人"に間違いを指摘されてさ、更に【歌姫って渾名の割にはそこまで凄くない】って。……当たり前、じゃない。…私が、本気で、歌ったら、……何が起きるか、分からないん、だからっ!本部や、危険区域以外で、歌えない!!……もう、歌っちゃ、駄目なんだもん(ポタ、ポタ)(- ピシッ -)』
「…!…(ピタッ、クイッ……ナデナデ)あの日、歌ったのは大好きな言実さんの為であり、俺も含めてあの曲を知っていた者は殆ど居なかった。だから"原曲と比較"をされなかったし、俺達が聞けたのはただの"偶然"だった。………(ナデナデ)あの場に居る人にしか聞かれない、そう思ったから君は本気で歌え、それがサイドエフェクトに影響を及ぼし、トリオンで出来ていた基地全体に響き渡る現象を引き起こした。(ナデナデ)あれは無知故に発生した"奇跡"だ。色々と知ってしまった今となれば、意図的に同じ事を起こすのは難しい。だが、そんなの君をよく知らない者には理解が出来ない。……【今ならアレと同じ、若しくはそれ以上の…】と考えても可笑しくはない。……………そうか、鶴ヶ峰は迷っているんだね?【好きに歌いたいから、他人に茶々を入れられたくない。自分の歌を褒めてくれる、役に立つなら聞かれても構わないが、それで本当に相手は満足なのかが不安。…文句を言われるなら聞かれたくない、元は"自分の為に歌っていた"から】……こんな感じか?」
『………(コクン)』
歌が好き・誰かの役に立ちたい、そう思い今まで歌って来た柚紀だが、最近その考えのせいで辛い思いを味わってしまった
- ……確かに間違えたのは事実だが、自分は"歌のプロ"じゃないから完璧を求めてはいない、なのに -
と、どんどん疑心暗鬼の状態に陥っていたのだ。だから曲のチョイスが変化したのだ、……和英化された曲なら指摘されない。……歌えなくなるのが一番嫌な柚紀が辿り着いた妥協策だったのだ
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そしてそれを何回か繰り返し、役割が変わったりして随分と時間が経過した時に❲お前等何処で道草食っていやがる!?何で俺達が先に待ち合わせ場所に着いているんだよ?!!❳と、諏訪からのお叱り通信が入り訓練はこれにて終了となり秘密経路から地下道に入る四人であった。前を歩く小荒井達がグラスホッパーの使い方やら連携の話をしているのを、換装を解き東の隣を歩いている柚紀が楽しそうに見守っている姿を見て"これなら…"と、改めてあの話題を降る。すると一瞬だけ表情が暗くなるが、決心したらしく"ある言葉"を口にする。それは
『……"一を重んじて全を蔑ろにするか、全を重んじる為に一を押し殺すか"』
「「(ピタッ)……ん???(クルッ)」」
「…!……これはまた難しい問だな。だが、それの元は【一は全、全は一】若しくは【個にして全、全にして個】であり、……そんな物騒な物言いではない筈だが?」
『そう、ですね。少し大袈裟な言い方なのは認めます。でも……私にはとても大切な事だから、………少しでも分かって貰いたくて、この様な言い方をしました。…………私は、此処に来るまでは"親しい他人"が居なかった。作りたかったけど、色んな理由があって作れなかったし、出来ても長続きはしなかった。でも、…………この街に来てから沢山の人と仲良くなれた。笑ったり泣いたり怒ったり、色々体験出来たのが私は嬉しかった。でも、………………最近"大切なモノを作り過ぎてしまった"と感じるんです。一番最近だと、堤さんが洗脳被害に遭って茜ちゃんが危険な目に遭ったあの時、私は堤さんを討つのを選択しました。あれが間違えだとは今も思っていませんが、……本来とは異なる手段を用いた為に彼女を怖がらせてしまった。助けた相手に拒絶されるのは、(ギュッ!)…少し、堪えますね』
「(ナデナデ)……だが、俺が君にした問は【何故英語を使った曲を歌うようになったのか】だ。……それと何か関係があるのか?」
さほど大きな声で言った訳ではないが、柚紀の声が聞こえて前を行く二人が足を止めて後ろを振り返る。予想外な解答に少し戸惑いを覚える東だが、とりあえず説明を求める。そして"前置き"的な事を話す内に表情がどんどん暗くなっていき前に居た二人も側によって来る。それに気づいた柚紀は何とか呼吸と気持ちを整えて『……歩きながら話そっか、諏訪さんを待たせているし』と歩みを促した後にこう答えた
『……知っている曲でも英語版なら間違えても、誰にも分からないかなって。…………あのお店に来るボーダーの人にね、頼まれたの。【夏休みに聞いたあの歌を歌ってほしい、あれを聞けば気持ちが楽になる気がする】って。とりあえず頑張って歌ったのは良いけど、……緊張しちゃって歌詞、間違えたの。その人とは一応顔見知りで丸っきり知らない人じゃなかったけど、その人の前で歌うのは初めてで……かなりの重症者で辛そうだったから。で、その人は満足したんだけど………"付き添いの人"に間違いを指摘されてさ、更に【歌姫って渾名の割にはそこまで凄くない】って。……当たり前、じゃない。…私が、本気で、歌ったら、……何が起きるか、分からないん、だからっ!本部や、危険区域以外で、歌えない!!……もう、歌っちゃ、駄目なんだもん(ポタ、ポタ)(- ピシッ -)』
「…!…(ピタッ、クイッ……ナデナデ)あの日、歌ったのは大好きな言実さんの為であり、俺も含めてあの曲を知っていた者は殆ど居なかった。だから"原曲と比較"をされなかったし、俺達が聞けたのはただの"偶然"だった。………(ナデナデ)あの場に居る人にしか聞かれない、そう思ったから君は本気で歌え、それがサイドエフェクトに影響を及ぼし、トリオンで出来ていた基地全体に響き渡る現象を引き起こした。(ナデナデ)あれは無知故に発生した"奇跡"だ。色々と知ってしまった今となれば、意図的に同じ事を起こすのは難しい。だが、そんなの君をよく知らない者には理解が出来ない。……【今ならアレと同じ、若しくはそれ以上の…】と考えても可笑しくはない。……………そうか、鶴ヶ峰は迷っているんだね?【好きに歌いたいから、他人に茶々を入れられたくない。自分の歌を褒めてくれる、役に立つなら聞かれても構わないが、それで本当に相手は満足なのかが不安。…文句を言われるなら聞かれたくない、元は"自分の為に歌っていた"から】……こんな感じか?」
『………(コクン)』
歌が好き・誰かの役に立ちたい、そう思い今まで歌って来た柚紀だが、最近その考えのせいで辛い思いを味わってしまった
- ……確かに間違えたのは事実だが、自分は"歌のプロ"じゃないから完璧を求めてはいない、なのに -
と、どんどん疑心暗鬼の状態に陥っていたのだ。だから曲のチョイスが変化したのだ、……和英化された曲なら指摘されない。……歌えなくなるのが一番嫌な柚紀が辿り着いた妥協策だったのだ