50.幻想の曲〜私の声は聞こえてますか?〜(115.
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それから柚紀は遅刻や早退、休む事が頻発し丸一日学校に居れる日が確実に減ってしまった。見た目では分かりづらいが中々体調が良くならず、無理をすれば動けなくなりアラートが鳴る事態になり誰かが回収に派遣されるのであった。流石にそれは柚紀も申し訳なく感じてしまい、自主的に主張する様にしている。……そんな中、席替えをして四方を人に囲まれる空間で授業を一つ受けて、隣になった男子生徒に「見た目は変わらないのに早退とか許されて狡い」と、本人は軽い気持ちで難癖を付けられた際に、その時は上手く受け答えが出来ずに過呼吸を起こして倒れる大変な事態に発展した事もあった。その時はそれが視えていた迅(トリオン体)と、何故か一緒に居た風間(私服にトリオン体姿)が窓から侵入してくると柚紀を回収し「見た目じゃ分かりづらいが、彼女は難病持ちだ。下手な詮索はするな、……殺す気か?」と風間が年下だろうとお構いなく本気で脅しを掛けて早々に引き連れて去り、残った迅が「彼女は窓際の席に、そうでなければ更に学校を休む羽目になる。コチラも気に掛けますが毎回必ず駆付けれる保証はありません」と、丁度柚紀が気になり早めに次の授業の為に来ていた担任に、話を通すのであった。そして"授業より柚紀の病状説明をするべき"と判断して保険医の人も交えて説明・討論会が開催され、納得行かない者も居たが「理解できないのも分かりますが、なら余計な事を彼女にしない様に。医師からの診断書にも同じ様な注意書きがありました。……中学までは義務教育です、だから保護者の方も可能な限り登校させている」と諭させてとりあえず事態は収束させたのであった
因みに、専門医に診てもらってから数日後には柚紀はマンションでなくその先生の家で寝泊まりしている。常に誰かが側に居ないと不安定な状態になってしまい、だが言実は常に一緒は無理なのを自他共に理解しているし、仕事を長期休暇を取るわけにも行かない故の策である。そしてカフェには高年者を中心に色んな人が訪れ、更に顔見知りも含めて柚紀と気が合いそうなボーダー隊員がカウンセリングの為に利用するので適度に他者との交流が途切れる事なく、対人関係のトラウマの悪化"は"しなかった。(因みにお店が柚紀が通う中学の区分け区域内にあり、シロはほぼ毎日、他のメンバーも可能な限り顔を出していたのであった)
- - -
- -
-
〜とある危険区域にて〜
「さて、これで地域は一通り回れたと思うが気になる場所はあるかな?」
『だ、大丈夫です。あったとしても言実さんとおさらいしますので。……あの、…有り難う御座います東さん。那須隊の方との散策途中で、……あ〜なってしまったので中途半端のが気になってましたので、すっきりしました』
「気にしないでくれ、小荒井達の現場復帰のリハビリで散策するついでだし、万が一の為に諏訪達にも頼んだが、……あちらは問題なさそうだね。それに、言実さんから【二人の為に昨夜"歌姫"によるゲート発生を抑制】を施してくれたと聞いたから、此方こそ礼を言うべき立場でもある、つまりはお互い様だ。………時に鶴ヶ峰は平気か?歌姫の事もだが、俺と"一緒に"現場に出るのは土竜が初めて出た時以来だ。あの時はまだ亜種の生態が解らず仕舞いだったから仕方なかったが………"引きずっていないか"?」
『あ〜………トリオンはやせ我慢せずに補給したので平気です!!後、……東さんと"二人っきり"だったら、ヤバかったかも知れませんね。敵がそちらに向かったのに気づいて、言実さんと一緒に貴方を助けに行こうとして……姿を確認した瞬間にベイルアウトされちゃって、……でしたからね。でも(チラッ)だ、大丈夫です!そ、そのっ!……ぃ、色んな意味で"心強い方"がご一緒なので!!?ただ、………(ススス)な、中々慣れませんから、東さん…暫く背中お借りします、ね』
そんな生活が続いていたある日、洗脳型による影響がだいぶ改善されて来た柚紀は同じく被害に遭った奥寺・小荒井達の現場復帰のリハビリに追随していた。が、何時もの様に前衛視点でなく、東と一緒にスナイパー視点から現場を拝見しているのであった。(理由は諏訪が"姫様が暴走したら堤に何か悪影響が出るかも知れない"と危惧したのと、"自分では柚紀を止められない"と自覚しているからだ)だが、これで安心かと問われると難しいのだ
一応、防衛任務には別の部隊が就いているし柚紀自らゲート抑制は施したが【絶対安心では無い点】と【柚紀が現場に居てゲートが発生すると高確率で土竜が発生する】不安要素があるのだ。が、東がそれを見逃す筈もなく、揺らぎやすくなっている柚紀がトリオン操作が乱れた際の対策アイテム(銀製のチェーンのみのブレスレット)を冬島に作ってもらい、更に言実に柚紀を連れ出す許可を獲得する為に"助っ人"を呼んでいたのだった。さて、誰かと言うと………
「うふっ、大丈夫よ柚紀ちゃん。お姉さんは二宮くんみたいに意地悪しないから、警戒しないで頂戴。……それにしても女の子の扱いがなってないわね〜彼。話を聞いている限りだと、まだ三輪くんの方がマシみたいね。彼も人付き合いは良くは無いけど米屋くんの"見様見真似"をして、ちゃんとコミュニケーション取ろうとする努力はしているもの。……下らない意地を張らずに犬飼くんを頼れば良いのに」
「ま、米屋と犬飼じゃ鶴ヶ峰との接し方や親睦度も違うから差が出るのも仕方ないさ。………時に"加古"。鶴ヶ峰と秀次については誰から聞いたんだ?」
「太刀川くんからですよ?二宮くんに関する面白いネタと引き換えに課題を手伝った事があって、その時に比較対象みたいな感じで自然と。………ま、私も歌姫ちゃんには興味があったから良い取引だったわ」
『太刀川さん………ってか正直【二宮さんが太刀川さん達と同級生】なのには驚きました。ですが……(チラッ)諏訪さんを"さん付け"で呼んでいる時点で気づけましたね。更に言うと【大学二年生の諏訪さん達より年下で大学生なら一年の太刀川さん達と同じ】とか、"さん付け呼び"の時点でも分かる事か?でも、皆さん当真先輩をさん付け呼びしてますし…………難しいですね』